• TOP
  • バックナンバー

BACKNUMBERS
バックナンバー

2020年01月22日 Vol.389

lifestyle

SHANGHAI STYLE 当世上海住宅事情 case 8

上海市中心部、建国西路に面する古びた集合住宅。まさかこの中に古書店があると、だれが想像するだろう。建物の入口でインターフォンを押して、ロックを解除してもらわなくては中に入ることすらできない建物に。おそらく上海でもっとも秘密めいた古書店の店主である彼は広東省出身。上海で大学生活を送ったあと、故郷に帰って税務署で働きながら、1998年ごろに友人たちと場所を借りて書店とアートスペースを開く。ナチス・ドイツ占領下のフランスでレジスタンス文学やヌーボーロマン、サミュエル・ベケットの著作などを刊行した名高い地下出版社「深夜叢書」(Les Editions de Minuit)からも数冊の作品を出版していた。彼が税務署を退職して上海に戻ってきたのは2010年ごろ。友人の紹介で月刊誌『CHINA LIFE MAGAZINE 生活月刊』で1年間、そのあと週刊誌『THE BUND 外滩画报』で編集者として働くことになった。『THE BUND』のほうがリベラルなスタンスだったし、日々変化があるほうが好きだったからというのが雑誌を移った理由。書店を始めることになったのは『THE BUND』が印刷版を廃止してウェブに特化する直前、2015年のことだった。以来、妻とふたりでの書店経営と同時にフリーランスとして小説を書いたり、小出版にも関わっている。

続きを読む

movie

世界の絆はポルノから

配信どころかDVDすらなかったVHSビデオテープ時代に開花した「抜けないAV」――珍妙だったりシュールだったり理解不可能だったり――の逸品を本メルマガでは連載「はぐれAV劇場」として長らく紹介しているが、著者の大須さんによれば「基本的にDVDは買いません」。AVメディアがVHSからDVDに移行したあたりから、テープの容量制限を気にする必要がなく、延々と収録された映像の「抜きどころ」だけを早送りして鑑賞できるようになって、映像作品としてのAVは冒頭から結末までのリニアな映像作品としての使命を終えたのだろう。エロに「おもしろ」を求める時代はもう終わったのか・・・・・・と、「はぐれAV劇場」の記事を準備しながら嘆いていたとき、意外な別方面で「はぐれエロ」が、それも途轍もないスケールで出現していることに気がついた。エロ動画配信サービスである。

続きを読む

travel

Freestyle China 即興中華 仏タトゥーの巡回展、台湾・高雄へ (文・写真:吉井忍)

台湾南部の高雄市で大規模なタトゥー展『TATTOO刺青―身之印』が開催中だ。高雄市立美術館とフランスのケ・ブランリ美術館による初コラボレーションによるもので、人類に長く寄り添ってきたタトゥーを俯瞰的に見渡しつつ、台湾のローカルな内容も加えた作品200点を展示している。台湾といえば、毎年いくつかの国際タトゥーコンベンションが開かれているし、現地のタトゥー・アーティストのレベルも相当高いとか。ならば中国大陸とはまた違った発見があるはず!そんな期待を抱きつつ、高雄へ向かった。

続きを読む

travel

案山子X 62:下吉田フルーツ街道案山子祭り(埼玉) (写真・文:上田愛)

こんにちは。上田愛です。今回は埼玉県秩父市の下吉田フルーツ街道案山子祭りを紹介します。埼玉県の北西部に位置する秩父市。山々に囲まれた自然豊かな地域です。標高1102mに鎮座する三峯神社や、真冬に見られる三十槌の氷柱(今年は暖冬で氷柱の状況が良くないのだそう)が有名です。秩父市の下吉田地区には、いちご・ブルーベリー・ぶどうの観光農園が並ぶ「フルーツ街道」があります。毎年7月下旬から9月下旬にかけて「下吉田フルーツ街道案山子祭り」が開催され、約3kmの街道沿いに世相を反映したかかしが立ち並びます。フルーツ街道に来るお客さんを楽しませようと、地域振興課と農協が共同で企画したかかし祭です。

続きを読む

2020年01月15日 Vol.388

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 87 『ニンニクのにおい、駅ビルからの眺め』 VIDEOTAPEMUSIC(ミュージシャン、映像作家)

正月に久々に実家に行った。実家の場所は東京都小平市の西の端。かつてはこのあたりまで米軍基地関係の施設があって、今でもその名残で広い公園や運動場や、よくわからない更地は多い。その上を多摩モノレールがゆっくりと往復している。実家の近くには西武拝島線の駅があり、久々に駅前を歩くと、来る度に何かしらの新しいチェーンの飲食店できていて、同じように何かしらの店が無くなっている。子供の頃に初めて親に本を買ってもらった本屋はシャッターが閉まったままで、駅前には見覚えのないセブンイレブンが新しくできていて、好きだったラーメン屋はまた別のラーメン屋になっていた。

続きを読む

art

地上絵と限界鉛筆

2018年10月に新潟市の北書店でトークイベントをやらせてもらったときのこと、休憩時間にお客さんのひとりが「こんなの作ってるんです」と、手のひらに乗せたホチキス針箱ぐらいの小箱を見せてくれた。そーっと箱を開けると、そこからチビた・・・・・・というより極限まで削り込まれて小さなホック(スナップボタン)の頭ぐらいになった鉛筆がいくつも出てくる。こんなのいったい、どうやってつくったんだろう! 本人が言うところの「限界鉛筆」の作者・鈴木千歳さんは、お話を聞いてみると、なんと!サスノグリフスのメンバーだとも言う。ご存じのかたもいらっしゃるだろうが、「サスノグリフス」は新潟の海沿いの砂浜にナスカのような巨大な地上絵を描き、それを空から見てもらおうという(だれが!)プロジェクト。こんなに巨大なものと、こんなに微細なものを同時に手がけてるって、いったいどんなひとなんだと興味が募りつつ、なかなか機会がないまま時間が経って、ようやく先日新潟を再訪。ゆっくりお話を伺うことができた。

続きを読む

food & drink

はばたけ!宴会芸! 第4回「遠野見聞録」 (日本宴会芸学会)

日本宴会芸学会研究員の塩見と申します。サラリーマン稼業の傍ら「宴会芸と組織論」をテーマに研究しています。この度、機会を頂き岩手県遠野市での宴会芸フィールドワーク研究を行ってまいりました。御手洗会長、キャリア英子さんのような先輩研究者の後に甚だ僭越なのですが、皆様の宴会芸研究のお役に立てば、という想いでここで研究報告させていただきます。遠野まつりとは、柳田國男大先生の「遠野物語」で有名な岩手県遠野市のお祭です。毎年9月の第三週の土日に開催されています。遠野の郷土芸能である南部ばやし、しし踊り、神楽、さんさ踊り、田植え踊り、神輿などが披露されます。

続きを読む

lifestyle

SHANGHAI STYLE 当世上海住宅事情 case 7

上海中心部に近い普陀区の団地に住むデザイナー夫婦。夫は山西省の田舎育ち、妻は上海人で、ふたりともデザイナー。夫は家で仕事、妻は職場に平日の毎日通っている。以前もこの近くの1ベッドルーム・アパートに住んでいたが、いま5歳になる娘が生まれたのをきっかけに、そこを売却してこの2ベッドルームの物件を、ローンを組んで購入した。建物は1996年にできたというが、すでにかなりの風格である。中国では物件を購入するとき、室内の家具調度はなにもないのが普通。なので入居時に内装工事や家具の調達をしなくてはならない。彼らはふたりともデザイナーなので、外に向いた壁を大きく開けて採光をよくしたり、さまざまな工夫で趣味のよい空間に仕上げてある。

続きを読む

book

カストリ雑誌、吉原へ!

東京吉原のど真ん中に店舗を構える遊郭専門書店「カストリ書房」の店主である遊郭家・渡辺豪さん。本メルマガ連載中の「赤線酒場×ヤミ市酒場 ~盛り場のROADSIDERS~」のファンもたくさんいらっしゃるだろう。その渡辺さんが2018年に出版した奇書『カストリ雑誌 創刊号表紙コレクション』と、そのコレクターである西潟浩平さんのことは、西潟さんを新潟県十日町に訪ねての「焼け跡の白日夢――カストリ雑誌コレクション探訪記」(2018年06月27日号)でも詳しく紹介した。カストリ雑誌収集30年あまり、膨大なコレクションを誇る西潟さんから、去年春先になって「そろそろ終活を考えるようになったので、コレクションを譲りたい」と渡辺さんのもとに連絡が入り、いまそのコレクションは吉原のカストリ書房に落ち着いて、データベース化が進められているという! 先日、吉原でひと汗流しがてら(ウソ)、渡辺さんにその経緯を伺いにお邪魔した。

続きを読む

2020年01月08日 Vol.387

art

FINDING TSUKIJI ― 築地を教わる

先週に続いて送る築地魚市場の記録、今週はイギリスのアーティスト/デザイナーであるジェイク・ティルソンによる野心的なプロジェクト『FINDING TSUKIJI』をご紹介する。先週の台湾人写真家・沈昭良のストイックなドキュメンタリーとはまったく別種の、きわめてポップなTSUKIJIをお楽しみいただきたい。ジェイク・ティルソンと知り合ったのはもう30年ほども前のこと。当時刊行を始めた全102巻の現代美術作品集「アート・ランダム」の第34巻として、コラージュや立体を集めた作品集をつくらせてもったのだった(ArT RANDOM vol.34 Jake Tilson、京都書院刊)。

続きを読む

art

不意の崇高――國分隆展@にしぴりかの美術館

仙台市中心部から北に向かって1時間ほど、黒川郡大和町(たいわちょう)に障害者福祉サービス施設に付随した「にしぴりかの美術館」がある。ちなみに大和町は彫刻家の佐藤忠良や、なんとあのDJポリスの出身地だそうだが、眠るような街並みに溶け込んだ、まったく美術館らしくないカジュアルなたたずまいのにしぴりかは、アウトサイダー・アート/アール・ブリュットに特化した展示で、このメールマガジンでも何度も紹介してきた。そのにしぴりかで1月17日まで開催中なのが「シリーズ夜光~國分隆展~」。やはり本メルマガで2015年、「詩にいたる病」として短期集中連載した、高雄の平川病院などいくつもの精神科病院で〈造形教室〉を主宰してきた安彦講平(あびこ・こうへい)さんの「光は闇の内から生まれ出る 光は闇の奥底を照らし続ける」という言葉から採られたそうで、このシリーズでは毎回、〈造形教室〉に関わる作家をひとりずつ個展形式で紹介している。

続きを読む

lifestyle

西成ガギグゲゴ「七人の侍」5 回路屋(写真・文:くまがいはるき)

七人の侍のひとり、回路屋が店に来たのは4年ほど前だったと思う 私は電子機器が壊れると、捨てる前に中身を開いて構造や部品を取り出してみる 修理に挑戦して、直る場合もまれにある 電子機器を開いて取り出している時に、回路屋が来て手伝ってくれた 何度か忙しい時にかぎって出入りしている人物だった 軍帽をかぶって独り言が多かった ノイズ感が溢れていた あまり深入りしないでおこう そんな印象だった 話したのは初めてだった 「なにをバラしてるんですか?」 そう言いながら店に入って来た 古い蛍光灯が中に詰まった代物だった

続きを読む

lifestyle

SHANGHAI STYLE 当世上海住宅事情 case 6

上海市中心部から西に20キロほど、バスで40分ほどの郊外の団地に住む男性である。職業はGAPに働くグラフィック・デザイナー。もともとヘアスタイリストをめざしていたが、お客さんとの会話が苦手で断念。でもいまだに愛用のカット用ハサミは手放せないという。デザイナーとはいえ毎日職場に通勤しなくてはならないが、「定時に帰れないことは滅多にないです」という恵まれた環境のため、個人的に受けるデザイン仕事や、いろいろな趣味に費やす時間もたっぷりある。

続きを読む

2020年01月01日 Vol.386

art

工房集の作家たち・特別編:knock art 10

昨年10月から先週まで9回にわたってお送りしてきた「工房集の作家たち」シリーズ。今回はその特別編として、工房の作家たちも多数参加し、12月4日から8日まで埼玉県立近代美術館で開催際された第10回埼玉県障害者アート企画展「knock art 10 ―芸術は無差別級―」の誌上レビューをご覧いただきたい。なお「工房集の作家たち」シリーズは1月にまた取材を重ねて、セカンドシーズンをお送りする予定。かなりヘヴィ級が登場しそうなので、お楽しみに! 「knock art 10」は埼玉県内の障害者関連施設に入所/通院しながら制作を続けている作家たちが、一同に会する大規模グループ展。一昨年は「うふっ♡こんなのみつけちゃった♪」、昨年は「ソニックブームうふっ」と毎年微妙なタイトルがつけられているのだが、今年は10周年ということと、「多彩な表現にノックアウトされたながら出展作家が選考」されたので、「パワー溢れる無差別級のノックアート」になったのだそう。

続きを読む

lifestyle

SHANGHAI STYLE 当世上海住宅事情 case 5

上海中心部、淮海中路から一歩入ったフランス租界に残る、いかにも古風な洋館。三角屋根の下、3階にあたる文字どおりの屋根裏部屋に住む彼女は、上海MUJIのグラフィックデザイン部門で働いている。出身は上海の南西に当たる江西省。武漢の大学でテキスタイル・アートを学び、卒業前の4年生で上海MUJIでインターンとして働き出したのが2年前のこと。卒業後は社員として、グラフィックデザイン部門に勤めている(残念ながら顔出しはNG)。一時はユースホステル暮らしだったという彼女が、この物件を見つけたのは一昨年9月。中国最大のオンラインモール「淘宝網=タオバオ」を通して、同じ階に2部屋を使って住んでいる夫婦から借りたのだった。部屋がかなり狭いうえに、さすがに設備が老朽化しているのと、キッチン、バストイレが共同ということで、家賃は月に1650元(約2万5000円)と格安。「こないだお手洗いの水漏れがひどかったのを直したばかりなので、来年も値上げはないと思うわ」と余裕である。

続きを読む

photography

失われた築地の磁場

築地の魚市場が豊洲に移転して1年が経った(2018年10月6日に営業終了)。江戸時代から日本橋の川べりにあった魚市場が(だから「魚河岸」)、関東大震災によって築地に移転したのが1923(大正12)年。1935年に現在の旧築地市場に施設が完成・稼動を始めたので、2018年まで80年間以上にわたって日本最大の取引高を誇る卸売市場として君臨してきたわけだ。これまで「場内」と呼ばれてきた業者間の競りや相対売の機能は豊洲に移ったわけだが、「場外」の店舗や飲食店は観光地としていまも賑わっているので、築地市場がまるごと消滅したわけではないけれど、やはり2018年までの「築地」とはもうまったくの別物だ。

続きを読む

art

藤田淑子と渇望する少女たち

「銀色の背景に、ほとんど赤と青、みたいな単純な色合いの人物やカーテンのドレープ、つまりひだひだがべたっと描かれていて、でも人物には目も鼻も口もない。むしろ主役は赤や青のひだひだみたいだ。ユーモラス、というには不気味すぎるし、幻想的というにはシュールすぎる。ルネ・マグリットや、クロヴィス・トルイユの絵に対面したときのような、漠然とした不安感をかき立てられて、心地よいというよりムズムズさせる絵」――2018年6月20日号「カーテンの襞から覗く顔」で紹介した不思議な画家・藤田淑子の個展「Thirsty Girls ―渇望する少女たち―」が1月10日からスタートする。前回の取材時に見せてもらった作品の印象がすごく強烈で、小さな絵を購入したりしていたのだが、今回の個展ではメインに高さ175センチ、横幅が10メートルになる大作と、初挑戦の短編アニメーションもお披露目されるという。

続きを読む

book

総統選が来た! 表現の自由の極み、台湾の最強政治家格闘マンガ! [文(ネーム和訳も!):呉(ゴ)ジンカン(総合マンガ誌キッチュ責任編集)]

2020年元日現在、台湾で最も注目されているものと言えば、なんだろうか? ミルクティに黒い未曾有のモチモチ食感をもたらすタピオカが入っている、値段がラーメンに匹敵するドリンク・・・・・・ではなく、迫りくるあの日だ。2020年1月11日、台湾の人々にとってまさしく運命の日――台湾政治のトップを決める選挙「総統選挙」の投票日だ。注目される候補者は二人、一人は独立志向の与党「民主進歩党」党首・蔡英文(さい えいぶん)さん、もう一人は親中派野党「中国国民党」の代表・韓国瑜(かん こくゆ)さんだ。さて、ここで質問・・・・・・ 「あなたはどの候補者と異世界転生したいですか…?」

続きを読む

  • TOP
  • バックナンバー

月別バックナンバー

FACEBOOK

BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

特設販売サイトへ


ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

SHOPコーナーへ


捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

amazonジャパン


圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

amazonジャパン


ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

amazonジャパン


独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

amazonジャパン


ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

amazonジャパン


東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

amazonジャパン


東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

amazonジャパン