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  • [追悼:ヴォーン・オリバー] ヴォーン・オリバーと音の夢

追悼:ヴォーン・オリバー

もうすぐ正月という12月30日にイギリスのデザイナー、ヴォーン・オリバー死去の知らせが届きました。62歳という僕とほぼ同年齢で、死因は脳出血のようです。

本に関わる仕事をずいぶん長くやってきて、尊敬するデザイナーも、仕事を一緒にしてきたデザイナーもたくさんいますが、その中でもっとも影響を受けたのがヴォーンでした。デザイン自体もそうですが、彼のものづくりに向かうフィロソフィに、なによりも。だらだらと飲んだ日々も、ほんの少しですが一緒につくった本のことも、なにもかもが懐かしい思い出になってしまいました。

ロードサイダーズ・ウィークリーでは2018年11月28日に「ヴォーン・オリバーと音の夢」という記事を配信しました。ヴォーンの作品の集大成である2冊組ボックス入りの大著『Vaughan Oliver: Archive』が出版されたのにあわせて、ヴォーンと長く親友だった大竹伸朗くんにも文章を寄せてもらった記事でした。追悼の意味で、どなたでも読めるようにメールマガジン内の特設サイトに再掲させていただきます。


死去を伝えるガーディアン紙

ヴォーン・オリバー(Vaughan Oliver)は1957年、イギリスのちょうど真ん中へんにあるイングランド北東部ダラムで生まれました。本人曰く「なんにもない退屈な田舎町の、ただの労働者階級のガキだった」そうで、アーティスティックなものはすべてレコードジャケットから学んだといいます。ニューカッスル・アポン・タインのポリテクニック(現ノーザンブリア大学)でデザインを専攻したのち、1982年にロンドンに出て、発足したばかりの4ADで専属デザイナーとして最初の契約社員になりました。僕が初めてヴォーンに会ったころも、仕事場は4ADの一室にありました。大竹くんと遊びに行ったのですが、お土産に持っていったシャグズのLPだかCDだかをかけたところ、あちこちの部屋から「止めてくれ!」と悲痛な叫びが上がったのも楽しい思い出です。

4ADでヴォーンと彼のチームはピクシーズ、ブリーダーズ、ディス・モータル・コイル、スローイング・ミューゼズなど、レーベルのイメージを決定づけるデザインを生み出していきます。たとえば文字をいちどプリントして、それをゆがめてまた写真に撮ったりという極めてアナログな手法と、最初期のイラストレーターやフォトショップによる操作を大胆に組み合わせたその作品は、いつも具象的でありつつドリーミーでエレガントで、もう彼のスタイルとしか言いようのない作品世界であり続けました。

ちなみにヴォーン・オリバーは初期には写真家のナイジェル・グリースンと組んだユニット「23 Envelope」を名乗り、4ADのほとんどのアルバム・ジャケットを制作していて、1987年からは同じくデザイナーのクリス・ビッグら数人と「v23」という名前で広範な活動を続けます。当時、アスペクトという出版社から僕が出した全20冊のデザイン資料集「ストリート・デザイン・ファイル」の、全体のロゴタイプ、それに数冊のデザインを引き受けてくれたのもクリス・ビッグをメインにしたv23の面々でした。


STREET DESIGN FILE vol.1 Frozen Beauties 日本映画黄金時代のスティル・フォトグラフィ(アスペクト刊、1997年)

これからお読みいただくように、ヴォーン・オリバーは2018年に大部の作品集『Vaughan Oliver: Archive』を出版しますが、それ以前にも数冊のカタログが出ています。といっても彼の業績から言えば少なすぎるのですが、ヴォーンはあくまでもジャケットやポスターのような仕事が好きで、立派な作品集で自分の仕事をひけらかすようなことに、まったく興味を持たなかったのでしょう。


『Vaughan Oliver: Archive』(左)と『This Rimy River』リミテッドエディション(右)








アルバムやCDはもちろんとして、いまもネット書店などでいくつかヴォーンの仕事を探すことができますが、ひとつ挙げれば23 Envelope / v23 の1988年から94年までの仕事をまとめた、1994年ロサンジェルスでの展覧会に際して制作された大判の作品集『This Rimy River』があります。いま手元にはヴォーンからもらった限定400部の特装版があり(通常の版に金と黒2色の大胆な文字版を乗せたもの、1996年刊)、僕には大切な一冊ですが、のちに一般書籍として販売された並装版はいまもネットで入手可能。デザインから音が立ち上がってくるような、あの時代ならではのブリティッシュ・カルチャーの感性のカタマリを、この機会にもういちどじっくり味わっていただけたらと願います。

ヴォーン、ほんとにありがとう。安らかに!

book アーカイヴ:ヴォーン・オリバーと音の夢

CDにデザインの余地がないとは言わないけれど、やはり30センチx30センチのLPジャケットには有無を言わせない押し出しがあって、若いころに夢中になった音楽の記憶には、LPジャケットの印象がこびりついている。そして僕がジャケットのデザインを思い返すとき、浮かんでくる多くはイギリスの音なのだ。ブリティッシュ・ロックの時代は、ブリティッシュ・ロック・デザインの時代でもあった。

60年代から70年代にかけてヒプノシスやロジャー・ディーンの時代があったあと、80年代のブリティッシュ・ロック・デザインといえば、ニューオーダーやジョイディヴィジョンのピーター・サヴィル、キャバレーボルテールやデペッシュモード、そしてなにより「FACE」誌のネヴィル・ブロディ、それに4ADのヴォーン・オリバー。この3人がまず頭に浮かぶ。いずれも1955~57年生まれと、僕と完全に同世代でもある。そしてピーター・サヴィルやネヴィル・ブロディがきわめてシャープで、クールなロンドンを思わせるスタイルだったのに対して、ヴォーン・オリバーだけは神秘、耽美という言葉がすぐに出てくる、まったく独自のデザイン世界を構築していて、そのイメージはコクトーツインズやディスモータルコイルなど、彼とそのチーム「V23」が手がけたジャケット・デザインとわかちがたく結ばれている。というよりデザインが音楽の一部分のような印象すらあって、これほど両者が強く一体になっていることは珍しいだろう。だいたい、アーティストの肖像写真を絶対に使わないジャケットにこれほどこだわるデザイナーって、ほかにいるだろうか。

ヴォーン・オリバーとは80年代のどこかで、大竹伸朗くんの紹介で会ったのが最初だった。すでに4ADでの仕事は見ていたので、それはすごくうれしい出会いだったし、1993年には現代美術全集「アートランダム」のスピンオフ企画である「ARM=アートランダム・モノグラフ」の一冊として、大竹伸朗xヴォーン・オリバーの共作『東京サンショーウオ アメリカ夢日記1989』という、たいへんぜいたくな本を編集することもできた(京都書院刊、僕がしたのはやり取りの交通整理ぐらいだったが)。


Vaughan Oliver: Archive サイズはほぼA4、3.5センチほどの分厚いセット

ヴォーン・オリバーの作品をまとめた本はこれまで数冊発表されているが、この10月には決定版ともいえる『Vaughan Oliver: Archive』が2冊組ボックスセットとして、ロンドンのユニット・エディションズから刊行された。ずいぶん前に刊行のためのキックスターター・サイトが立ち上がって、それから長い制作期間を経ての、待望のリリースである。今回はその刊行を記念して、内容の詳しい紹介と、大竹伸朗によるトリビュートの文章をお送りする。『Archive』は限定900部。興味を持たれた方は、急ぎ出版社サイトに注文していただきたい。








サリー州にあるUCA(Univercity for the Creative Arts)に設けられたヴォーン・オリバー・アーカイヴ。その設立を記念して本書も刊行された。

ヴォーン・オリバーは1957年、イングランド北東部のセッジフィールドに生まれた。ニューカッスルの美術学校を卒業後、4ADの創設者アイヴォ・ワッツ=ラッセルと出会う。写真家ナイジェル・グリアソンと「23エンヴェロプ」と名づけたユニットで4ADのビジュアルを手がけるようになり、1988年からは「V23」というデザインチームを率いて、盟友クリス・ビッグらと現在まで活動を続けている。ちなみに2000~01年にかけて刊行した全20巻の「ストリート・デザイン・ファイル」のシリーズロゴや、『Frozen BEAUTIES 日本映画黄金時代のスティル・フォトグラフィ』などのデザインも、クリス・ビッグが手がけてくれたものである。


作品集「Materials and fragments」カバー








「Materials and fragments」より

今回リリースされた『Vaughan Oliver: Archive』は、これまでのデザイン作品を収めた「Materials and fragments」(オールカラー、432ページ)と、デザインの源泉となったビジュアル素材を集めた「Remnants and desires」(モノクロ、164ページ)が、シルクスクリーン刷りのボックスに収められたセットになっている。「Materials and fragments」にはこれまでのレコード、CDジャケットやポスター、販促資料などさまざまなデザインが、年代別でもアーティスト別でもなく、「彩色の炎」「暗闇の視線」「動物と自然」「メランコリーの解剖学」などと、曲のタイトルか短編集の目次のようなシリーズに区分けされて収められている。2冊目の「Remnants and desires」には、こんな写真があのデザインのもとになったのか!と驚くようなイメージの断片や、これまでスタジオの外には出ることのなかった素材がコラージュカタログのように集められていて、独立したアートブックとして読むこともできる。


素材集「Remnants and desires」カバー








「Remnants and desires」より

『Archive』の冒頭にはこんな引用が掲げられていた――

言葉やイメージはそれが明白で直接的な意味以上の何ものかを包含しているときに、象徴的なのである。それはよりひろい“無意識”の側面を有しており、その側面はけっして正確に定義づけたり完全に説明したりされないものである。(河合隼雄訳)

ユングのこの言葉が、ヴォーン・オリバーの紡ぎ出してきた世界観と呼応するとき、僕らのこころのうちの目と耳にはあの美しいイメージと音楽が時空を超えて甦るはずだ。

Vaughan Oliver: Archive
Unit Editions 刊 900部
https://www.uniteditions.com/products/vaughan-oliver-archive


https://www.facebook.com/Kickstarter/videos/10155981765934885/

キックスターターのために撮影されたインタビュー動画

[Archive 誌上プレビュー]


箱の表面


よく知られたインドの結合双生児をモチーフに使用した、ジーンラヴズジザベルのデザイン素材。バンドは双子のアシュトン兄弟によって結成された。


「Pacer」The Amps 1995 LP校正


「LSXX」The Breeders 2013 12インチシングル


「Head Carrier」Pixies 2016 LP


「Best of Pixies」Pixies 2004 LP裏面


「No Fighting in the War Room」Harrisons 2007 LP


「Throwing Muses」Throwing Muses 2003 CDボックス


「Baby I Love You So」Colourbox featuring Lorita Grahame 1986 12インチシングル裏面


「Sweetness and Light」Lush 1990 12インチシングル校正


「Black Spring」Lush 1991 A2ポスター


「Minotaur」Pixies 2009 ボックスセット


「I Break Horses」Hearts 2011 12インチシングル


「Tarnation」Mirador 1997 ポスター


「Home is in your Head」His Name Is Alive 1991 内ジャケット校正


「Infliction」Scheer 1996 LP校正


「The Life of the World to Come」The Mountain Goats 2009 LP


「Lonely is an Eyesore」1987 4ADのアーティストによるコンピレーション、こちらは限定100部のボックスセット


「Fetisch」Xmal Deutschland 1983 LP校正


イタリアのファッション・ブランドASPESE(アスペジ)のイヤーブック、A3サイズ 2000


「This Rimy River」1994年、ロサンジェルス・パシフィックデザインセンターで開催された大規模個展のカタログ限定版表紙(1996)


「EP2」Pixies 2013 10インチシングル


「Flourescence」Asobi Seksu 2011 LP


「Trompe Le Mondo」Pixies 1991 LP


















「Remnants and desires」より


路ツボの友、ヴォーン・オリバー

文:大竹伸朗


イギリスから待ちに待ったヴォーン・オリバーの2冊組作品集「アーカイブ:マテリアルズ・アンド・フラグメンツ」が届いた。

ヴォーンの思いが伝わるいいタイトルだと思った。

注文後、2、3カ月待ってようやく手にしたイギリス盤レコードを思い出した。

シュリンクで密封されたページの隙間には、ロンドン南西部アルマ・ロードにあったヴォーンの作業場の匂いも封印されているように感じた。

その薄い透明ビニール膜を安易に破り取ったら、自分の内にあり続けているナニカがスッと消えてしまうような危うい切なさがよぎった。




「東京サンショーウオ アメリカ夢日記1989」1993年京都書院刊 全64ページ、フランス装

「4AD」と聞くと個人的には「This Mortal Coil」名義の初アルバム「It'll End in Tears」がまっさきに思い浮かぶ。

盤に刻まれた一音一音が、時代を超えて1984年発表当時の日常のディティールを鮮明に呼び起こす。

A面頭のベース音から途切れずに続く曲の響きに合わせて、かつて見た光景が次々と浮かぶ。

冬場のロンドン郊外、人気のない路上脇のゴツいベンチに差す柔らかな陽だまりの匂い・・・本を手に、ヴォーンと出会った当時の「気配」が今も立ち上がる。


This Mortal Coil - Kangaroo

出版前、刊行遅れの通知メールが何度か届いた。

ページをくるうちにその理由がジワジワと伝わってきた。

緻密に構成されたヴィジュアルページと作品集の重さ、インクと紙の匂いが絡み合う繊細な楽曲集のようにも思えた。

かつて世界中に配給されたV23発のレコードジャケットの数々は、記憶や時間とともに内に真空パックされたままのかけがえのないアイコンでもあったことをひしひしと感じた。


ヴォーンとはいつ、どのように出会ったのだろう?

一生で、ヒョンな出会いからその後30年以上つながりが途切れず付き合うことになる人物はそう多くはない。

ときどき会い近況を報告しあう友ももちろん大切だが、頻繁に会わずとも感覚的なつながりを保ったまま、その後長期に渡りつながりを持つことになる人物との出会いは稀だ。




ロンドンを頻繁に訪れていた80年代、いろいろなことがこの先に向けてゆっくりと確実に動き始めている・・・当時はそんなまったく根拠のない思い込みだけで過ごしていたような気がする。

思い浮かぶそのころの日常は「アート」より圧倒的に「音楽」に結びついている。




70年代後半を象徴するレコードレーベル、ラフ・トレードやスティッフ、ファクトリーから届く音楽に対する自分自身の反応も80年あたりを境に徐々に変化していった。

80年代に突入してからも引き続き実験色の強いヨーロッパの音を追い続けていたけれど、それまで日常的に聴いていたパンクやニューウェイブのレコード盤がターンテーブルで回る機会は徐々に減っていった気がする。

時代的な反動だったのか、時期を同じくして「記憶」を遠くから呼び戻すような「淡い響き」の楽曲の流れがぐっとクローズアップしてきた印象がある。


作品集に収録されたインタビューページの記述によると、85年初頭ロンドンICAでの個展開催時期にアーティストのラッセル・ミルズを通してヴォーンと出会った、とある。自分自身に明確な記憶はない。

それが事実なら出会いはお互い三十路手前、いろいろすべてが絶妙なタイミングだったことを今更ながら思った。

当時はお互いが還暦を越える未来など想像外の出来事だった。「This Mortal Coil」の真意を日々なにかと実感する現実が来たということか。
(this mortal coil=「煩わしき憂き世」。shake off this mortal coil で、世を去る意味になる――編集部注)


「House Tornado」Throwing Muses 1988

作品制作のため東京と宇和島との行き来が始まった80年代後半、ボストンの新鋭バンド、「スローイング・ミュージス」の2ndアルバム用の絵をヴォーンから依頼された。初耳のバンドだったが、届いたカセットの音楽と彼との初仕事に興味がわきやることにした。

そのきっかけが、他バンドのジャケットや拙著「東京サンショーウオ」(京都書院刊)の共同制作につながっていった。

ブリーダーズ、ピクシーズ、カラーボックス、ウルフガング・プレス、ピーター・ヌートン&マイケル・ブルック、エックスマル・ドイチェランド、ウルトラ・ヴィヴィッド・シーン、バースデー・パーティー、ディフジャズ、クラン・オブ・ザイモクス、デッド・カン・ダンス・・・定期的にそれら前期4ADのバンドのレコードやカレンダーが宇和島に届くようになり、進行形のヴォーンの仕事により密接に触れる機会が生まれた。

そこには4色オフセット印刷というよりは手刷り版画のように静逸でデリケートな感触があった。

今回、作品集を手に4ADのレコードジャケットが90年前後の宇和島での日常と深く結びついていたことに初めて気がついた。

表現に必要なのは、最終的には「情報」でも「技術」でもなく「持続する愛と純度とユーモア」に違いない、かつて山奥にあった仕事場でヴォーンの仕事を手に取るたびにそんな気恥ずかしい思いが悪びれることもなく当たり前に浮上した。

振り返れば、ヴォーンの生み出すジャケットは、まだ自分は世界と断ち切れてはいない、そんなギリギリの思いをつなぎ止めてくれていた稀な道標でもあったことに初めて気がついた。


「Ensemble」Stefano Guzzetti 2015 2枚組10インチシングル
オリジナル・アートワーク:大竹伸朗

以前ヴォーンが東京で個展を開いたときだったか、新宿の裏通りを2人で歩いた。

交差点に続く坂道の途中で彼は突然立ち止まり、足元に視線を落としたまま固まったことがある。歩を止め彼の視線の先を見るがそこは見慣れたアスファルトの「ただの路面」だった。

真下を向いたまま路面を指差し、

very interesting, it's beautiful!

そう小声でつぶやくとカメラを取り出し路面写真を撮りはじめた。

もしかして凹み・・・か? オイッ!

ヴォーンの足元には、坂道に規則正しく並ぶ滑り止め用の円形の凹みしか見当たらない。

ヤラれた! そんな思いがこみ上げ同時になるほど!と感心し、そして深く反省した。

その瞬間、彼の手がけてきた4ADのジャケットデザインの裏側を垣間見たように思え、いろいろなことがストンと腑に落ちる思いがした。


「Ensemble」Stefano Guzzetti 2015 2枚組10インチシングル インナースリーブ
オリジナル・アートワーク:大竹伸朗

「路上にもツボがある」・・どこであれヴォーンと街中を歩くといつもそんなことを思う。

他人との関係において「笑いのツボ」が思いの外重要であるように、「路上」で唐突に出会う「光景のツボ」にお互い反射的に反応する人物とは、結構深い部分でいろいろつながっているように感じる。

そのツボは、一見日常的に何の役にも立たない邪魔物にしか映らないが、「創作」にとっては非常に重要な糸口が潜んでいることが多い。

ヴォーンは昔からそのツボがかなり近いと感じる一人だ。

街中で「ボロボロでヨレヨレのツボ」にお互い同時にニヤリとする限り、ヴォーンとのやりとりもいい感じに続いていくだろうと思っている。


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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

特設販売サイトへ


ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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