book

百点の銀座

『銀座百点』という雑誌をご存じだろうか。銀座の老舗に行くと、たいていレジ脇に積んである小さな雑誌を、あああれかと思い出すひともいるだろう。銀座の名店の連合会「銀座百店会」が発行する月刊誌が『銀座百点』。誌名が「百店」でなく「百点」であることからわかるように、単なる会員店舗の宣伝誌ではなく、銀座という街の魅力を紹介し、語り尽くそうという「日本最初のタウン誌」なのだ。創刊号が1955年発行、さっき銀座...

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LATEST ISSUE
最新号 2025年05月21日 Vol.645

travel

東北タイ特殊寺院巡礼記  その6  ワット・パー・スントン・ワナラーム

「象の寺」「崖の寺」「森の寺」「ヒンドゥーの寺」「白い寺」と5回にわたって続けてきた東北タイ特殊寺院巡礼記、6回目となるゴールで紹介するのは「人形(ひとがた)の寺」。派手な大伽藍も観光客の姿もない一見地味な寺院だが、おなじみの地獄庭園に加えて、タイの伝統的な生活を再現したエリアも充実という、なかなかユニークなお寺なのだ。

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photography

天野裕氏 あなたがここにいてほしい

すでにお知らせしたとおり、いま渋谷ミヤシタパーク内のギャラリーSAIで天野裕氏個展「あなたがここにいてほしい」が開催されている。 1978 年、福岡県北九州市に生まれた天野は、30歳の頃より写真を撮り始め、2009 年には塩竈フォトフェスティバルで大賞を受賞し、写真界において鮮烈なデビューを果たします。その後、全国を軽自動車で寝泊まりをしながら旅を続け、日時と場所を SNS 上で指定し、そこへ訪れた者に1 対 1 で自作の写真集を閲覧させる「鋭漂」というスタイルを 17 年間続けます。2020 年頃からは大牟田にあるもとはラブホテルであった自宅マンションを、図書館兼ギャラリーとして、いつでも誰でも訪れることのできる場所として解放し、写真家としての活動の幅を大きく超えていきます。

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food & drink

世界の中のインド亜大陸食紀行/日本編  奄美大島のインド料理店・ネパール料理店 後編  (写真・文:小林真樹 編集:島田真人)

奄美大島にあるドゥルガダイニングに入店してまず驚くのは、壁といわず天井といわず、視界に入るすべての領域に描かれた圧倒的な壁画群だ。連なるヒマラヤ山脈やカトマンズのシンボルであるビムセン・タワー、ネパール仏教寺院、田畑を耕す人々といった定番の画題から、富士山と東京タワー、天井にはネパール航空機まで描かれている。こうした壁画・天井画はここ十数年来、特に都内周辺におけるネパール料理店でトレンドになっていて、日常的にこれらの店に出入りする私などからするともはや珍しいものではなくなりつつあるのだが、何せここは東京から約1,300キロ離れた奄美大島である。初めて入る地元客にとってインパクト十分だろう。

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lifestyle

おいでよヘンタイの森 29  電気あんまが好きすぎる男に出会った  文・イラスト:mimi(会社経営&フリー女王様)

つい先日出会いがありました  チャットで知り合った足勃郎裏野郎くん  もうなんて読むかもわからないんだけど・・・  聞いても教えてくれないって・・いけずすぎん?  わたしは彼のことあんくんと呼んでます  教えてくれないから適当に付けました  というのも電気あんまが好きすぎるから、電気あんまのあんくん

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lifestyle

極上世界の極上生活 04  インドのバラナシに行ってきた!この経験を元に作った寸劇「牛久バラナシシティ」とは!?  写真・文:極上世界(ぱにぱにぱにぱにともちんぱ&ふりふり)

極上世界のふりふりです!今回は、前回に引き続きインド編!  インドへ渡ったふりふり&ぱにぱに(&友達のサキちゃん)は、デリーからバラナシへと移動します。 バラナシに行く目的はヒンドゥー教最大の聖地ガンジス川で THEインド!!を感じて極上世界をさらに極上にするため!デリーから飛行機でバラナシへと向かいます。デリーの空港は荷物検査が超超超厳格!搭乗時間ギリギリになってしまいアセアセしながら飛行機に駆け込みました。皆さまもインドの空港をご利用の際はお気をつけくださいませ…!

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art

暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  83話 にわかファン (画・文:新開のり子)

最近、職場で音楽の話になることが増えてきました。 「最近なに聴いてる?」って聞かれるたびに、私は頭が真っ白になります。 だって、本当に知らないんです。 とりあえず「あ~、いいですよね~」って、毎回うなずくだけです。 「誰? 誰なの?」って心の中ではずっとなっていました。一向に覚えられないので、名前を聞くたびにトイレに駆け込み、スマホにメモすることを思いつきました。

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス 92  ロマンスをリボンで結んで (写真・文:オカダキサラ)

私は一時ボーイズラブ、略してBLにどハマりし、プロアマ問わず作品を夢中で読み漁っていました。 私にとってBLの何がそんなに良かったのかというと、物語の誰にも自分を重ねることがなかったからなんじゃないかと思っています。 主人公のどちらかが女性だと「え、同じ女性として、そんなことするかな?」と、読書中に現実が差し込んできて、物語の邪魔になっていました。 BLでは主人公たちはどちらも男性で、自分の境遇に重ねる前提条件がないからこそ、ファンタジーの世界に没入できたのです。

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AFTER HOURS
編集後記 : 今週も最後までお付き合いありがとうございました。よくもまあいろんな記事が集まったものですが、気に入ってもらえたの、あったでしょうか。

先週の編集後記に書いたように、「下町レトロに首っ丈の会」が主催した「おかんの踵展」で大量買い付けした、神戸のカリスマおかんたちの力作が宅配便で届いたので(多すぎて持って帰れず)、今週のメルマガ制作の合間に作品物撮りをしてみました。どうせ大道芸術館のショップに並べたら、すぐ売り切れちゃうだろうから・・・。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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