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最新号 2023年11月22日 Vol.574
book
俺たちのブックフェア PABF出展者情報!
お伝えしてきたように、今週末の25、26日PABF=プアマンズ・アートブックフェアを開催します! 同日開催の東京アートブックフェアと較べてみれば、吹けば飛ぶよな弱小イベントですが、しかし!こういう手づくりブックフェアがいろんな場所で、いろんな時期にたくさん立ち上がるほうが、巨大フェアに集約されるより健全なのかも・・・・・・と信じているので、よかったら遊びに来ていただきたいし、同じようなフェアをやりたいな~と思ってる人たちの参考にしてもらえたら、それもうれしいです!
movie
はぐれAV劇場 35『みやびやかなあげまん』
現場の大変さをありありと見せつけてくれる作品が、今回紹介する『みやびやかなあげまん』だ。1990年にダイヤモンド映像からリリースされたこの作品の主演は公称1107(イイオンナ)ミリメートルのGカップで巨乳ブームの火付け役となった松坂季実子。この連載でも以前(第10回『ふるさと創性論 季実子の玉おこし』)紹介した伝説級の人気女優だ。 そして本作の監督は大村文武。若い読者はまずご存知ないとは思うが、「月光仮面」の主演として知られ、昭和の時代に多くの映画・テレビ作品に出演した俳優だ。
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 12 お局さま (画・文:新開のり子)
都内の会社に入りました。 昼休憩になると、同じ部署の先輩が私を探しにきます。 「急いで急いで」と言って私の腕を引っ張り、下の階に連れていきます。 私は、バタバタと靴の音をたて、先輩は、ハイヒールの音をカツカツ鳴らしながら階段を走ります。 一階に着くと、女子が12名ほど並んで立っています。 お昼だというのに何事でしょうか。 周りを見渡すと、男性社員は一人残らず、外へ出て行ってしまいました。 集合したあと、着席と言われ、席に着くのですが、そこは男性社員の席です。 机がずらりと並んでいます。 その席でこれからお昼を食べる毎日が続きました。 お弁当を注文することもあり、自分勝手な行動はとれません。 窓近くの大きな机には、お局様とその隣には、お局様のお気に入りが座っています。
travel
地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 06「最も深い夜を明るく照らすペルシャの儀式」 | 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
古い歴史を持つイランには、イスラム国家となるはるか前からイスラムとは無縁の行事や儀式がある。長いペルシャの歴史をみれば容易に想像できるはずなのに、近年のイスラム国家という強烈なイメージがそれをかすめてしまう。 現在のイランでも昔からの慣わしは大事なものとして継承されていて、むしろイスラム教の催事よりも重要視されているのは意外なことの一つだった。3月21日の春分の日に行われるノールーズ(正月)と、12月22日に行われるヤールデー(冬至)は特に盛大に祝われる。双方ともゾロアスター教の流れを汲んだ儀式である。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 32 マジックアワー (写真・文:シブヤメグミ)
一分一秒でも長く、咲いていて欲しかった花が枯れた。 新宿五丁目東の交差点に、一輪だけ彼岸花。 私は新宿に10年以上住んでいるのに、こんなところに彼岸花が咲くことを知らなかった。 あの夜はひどく酔っ払っていた。 何をどう飲んだか思い出せない。 途中から、これ全部アルコールだろ、じゃあどうでもいいだろ、なんてホザきながら飲んでいた記憶だけがぼんやりある。 乾いた喉をなんとかしたくて、コンビニでアイスを買った。 大好きなホワイトサワー味のパピコ。通称白パピ。 でもなー、2本食べるテンションじゃないんだよなー。 買った白パピを眺めながら、角海老ビルの横断歩道の信号を待ってた。 とりあえず1本食べはじめる。 いつもの味が喉を通り過ぎて安心してたら、信号が青になった。 松屋がまだ開いてる。 カレーをキメるのはやんちゃ過ぎるよなーって考えていたら、熱烈に何かを見つめているホームレスのおじさんに気がついた。
art
妄想芸術劇場 21 西田ひろし
2000年代に入ってからの新世代投稿者のひとり、西田ひろし。投稿作品の数こそ少ないが、非常に特徴的な画風で気になっていたアーティストのひとりだった。画のテーマというか、設定のシュールさ、ギャグっぽさも入れ込まれ、しかもタッチがときとしてかなり絵画的。そのアンバランスさが奇妙な魅力を醸し出している。 しかもこの西田ひろしは多くの場合、官製葉書の裏にこんな画を直接描いて、編集部にそのまま送ってくるのだから気合いが入っているというか、男らしいというか・・・・・・。
AFTER HOURS
編集後記 : 今週も最後までお付き合いありがとうございました。シュールなAVにテヘランの家族の情景、新宿の路上に咲いた花一輪まで、いろんな物語をお届けしました。気に入ってもらえた記事、あったでしょうか。
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2023年11月08日 Vol.572

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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!