food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 51『究極の「うまくないけど食いたいもの」だった、うどんとおでん』兵庫慎司(ライター)

今から20年くらい前、なので30歳前後の頃、故郷広島に帰省した時のこと。帰ると必ず会う、高校の同級生である友人が「いい店があるから行こう」と言う。我々の地元はJR広島駅にほど近い府中町というところなのだが、彼は当時、呉市内で仕事をしていて、そのあたりを日々クルマで走り回っていて、見つけた店だという。「何屋?」「うどんとおでん」「よく行くの?」「うん、週2,3は」「へえー。うまいんだ?」「うーん、うまいと...

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最新号 2024年04月24日 Vol.594

travel

Freestyle China 即興中華  台湾「新伝統」タトゥーの彫り師たち (写真・文:吉井忍)

先日立ち寄った高雄市で「台湾タトゥーコンベンション(台湾国際紋身芸術展)」を見てきた。設置されたブース数は全部で500ほど、アジア最大級を謳うだけあり熱気に満ちていた。台湾ならではのタトゥー事情もうかがい知ることができたので、その一端をお伝えしたい。 高雄は台湾南部に位置する港町。コロナ禍前にも一度訪れたことがあり、タトゥー展『TATTOO刺青―身之印』を取材した。(2020年1月22日号『仏タトゥーの巡回展、台湾・高雄へ』)。その際に台湾ではタトゥー関連のイベントが盛んであること、高雄でも大規模な展示が毎年開催されていると聞いていた。 今回の会期は3月1日から3日間。2009年に始まり、今年で12回目を迎える。

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lifestyle

おいでよヘンタイの森  04 福岡さらされ系大学生Ⅿ男 ゆきくん 文・イラスト:mimi(会社経営&フリー女王様)

彼はわたしがチャットで知り合った男の子  まだ20になりたての若い大学生  彼は20歳になった時に、一人でバーに行ってお酒を飲んだらしい  そこで女の人に声をかけられた  その人は、ニューハーフであった  そのままそのお姉さまの友達が待っているというホテルに連れていかれ  彼の調教人生が始まってしまった  福岡在住 福祉系の大学に通うゆきくん20歳(現在23歳) 背も小さめ、中性的  しゃべり方もおとなしいし見た目も普通  ゆきくんはそこから3年間見てるあいだにだいぶ成長したし、話がありすぎて1回で書ききれるか不安です  たくさんエピソードがありすぎて  そんなゆきくんはおとなしい感じだし、一人でバーに行くような感じの男の子ではないのに出会ってしまったんですね  ニューハーフのお姉さまと・・・

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art

暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  32話 食後のアイスクリーム (画・文:新開のり子)

「早く!早く!早くったら! 来てちょうだい!」 私は食後にアイスクリームを食べていました。 あと一口で食べ終わるってところで・・・ お局様は、鬼の形相で私の所へやってきました。 とても嫌な予感です。 「今すぐ来て!」 大抵ろくでもないことです。 お局様は私の腕を掴みます。 「痛い!!」 私は、「何かあったのですか?」と聞きます。 お局様は「いいから!早く来てちょうだい!まったく!」と慌てた様子です。 なかなか立ち上がらない私に腹を立てたようです。 腕には強い力が加わります。 私の口の中は、バニラの幸せ味が残っています。 しかしなんだかお局様の様子がいつも以上に怖いです。 お局様の掴む力が強くなっていきます。 これはただ事ではない予感! トイレに連れて行かれました。

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photography

いまそこにある吉原のために

開催前からなにかと話題になった上野・東京藝大美術館の「大吉原展」。SNSで批判するひとたちも、とりあえず展覧会を観てから思う存分批判すればいいのにと思うが、それはともかく! 「大吉原」は遠い江戸時代の吉原に花開いた芸術に焦点を当てているわけだが、吉原という日本最大規模の遊郭は明治になっても大正・昭和になってもあいかわらず遊郭/赤線としてそこにあったわけだし、戦後も昭和33年の赤線地帯廃止後、数十軒の民謡酒場が軒を連ねた過渡期を経て、日本最大のトルコ→ソープ街となっていまも約120店が営業中。しかしその「現代の吉原」は、もちろん藝大の大吉原には入れてもらえてないし、夕刊紙や風俗情報誌以外のメディアに取り上げられることもめったにない。

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music

シブメグの人生小劇場 37  心の銃をぶら下げて (写真・文:シブヤメグミ)

TBS『ザ・ベストテン』のスポットライトってコーナーで、『涙のリクエスト』を歌ってるチェッカーズを見て彼らに夢中になった。 アイドルらしくみんなお揃いのチェックの衣装。 代官山にあったBIJINって美容院で刈られた独特の髪型。 燕尾服を崩したような衣装と髪型には、それまでのアイドルとは違うカッコよさとかわいいが共存していた。 そしてなによりも違っていたのは、自分たちで演奏していたところ。 歌もうまかった。 サックスがメンバーにいたのも新鮮だった。 ボーカルがひとりじゃなかったのも。 たぶん、私が生まれてはじめて「バンドってカッコいいな」って思ったのはチェッカーズだ。

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AFTER HOURS
編集後記 : 今週も最後までお付き合いありがとうございました。気に入ってもらえた記事、あったでしょうか。

先週土曜の夜は大道芸術館でラブドール・スペシャルナイトがあったのですが、オリエント工業の土屋社長とともに、日本でいちばん有名なラブドール愛好家・中島千滋(せんじ)さんが、愛娘の沙織ちゃんを連れて栃木県からわざわざ上京(沙織ちゃんは愛車の助手席)! そのラブドール愛の深さにじんわり感動してしまいました。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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