photography

美脚の自撮り宇宙

去年9月、恒例の「東京アートブックフェア」がちょうどフランス出張と重なって、行けずに悔しがっていたら、「こんなおもしろいの見つけました」と持ってきてくれたひとがいた。『巨大娘』と『美脚星人』という2冊の写真集である。『美脚星人』から見てみると、いきなり表紙がピンヒール姿の美脚。しかも下半身だけで、上半身がない! それがコラージュかフォトショップ加工かと思いきや、上半身を絶妙の角度に曲げて、それ...

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LATEST ISSUE
最新号 2017年02月15日 Vol.248

art

エレクトロメカノマニアック――パリのジルベール・ペール展

もうこのメルマガではおなじみの、パリのアウトサイダー・アート専門美術館アレサンピエールで、ジルベール・ペール展が開催中だ。2015年10月21日配信号で、この不思議なアーティストのアトリエ訪問記『機械仕掛けの見世物小屋』を掲載したが、今回は満を持しての大規模個展。サブタイトルを「L'ÉLECTROMÉCANOMANIAQUE」=エレクトロ+メカ+マニアックと題したこの展覧会は、アレサンピエールの広い2フロアをまるごと使った、ペールの集大成ともいえるコレクション。当初は去年9月から今年2月までの予定だったが、好評につき4月23日まで延長が決まっている。トレンディな現代美術でもなければ、ノスタルジックな古典美術でもない。機械仕掛けの楽しさと、見世物小屋のブラックユーモアが渾然一体となって、しかし総体として「アート」としか表現しようのない、素晴らしくチャーミングな体験空間になっている。

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lifestyle

快楽の先のどこか

某日、品川のシティホテル、ツインルーム。ベッドの上で全裸の女が、ときに声をあげながらからだをくねらせる。そこにヒゲ面、サングラス、短パン姿の初老男性がのしかかり、局部に指を這わせ、ヒゲで乳首をこすり、手の甲に生えた毛まで使って「マッサージ」を続けている。こちらは隣のベッドに座って見ているだけ。さっきから1時間あまりも続いていたセッションは、女が何度目か全身を突っ張らせてからだを震わせたあと、「じゃあここらでひと休みしましょうか」という声で、仕切り直しになった。男の名は玄斎(げんさい)。ふだんは鍼灸マッサージの店を都内で開業しながら、それとは別に「回氣堂玄斎」という名で、性の喜びによって心身の変調や歪みを治癒する「快楽術(けらくじゅつ)」を実践して、もう30年以上というマスター・セラピストなのだ。

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design

絶滅サイト 13「シャチハタに認められたい名字」~「モスクワ1990」(文:ハマザキカク)

意外にメジャーな名字も登録されていない『シャチハタに認められたい名字』(2000年~2016年 運営期間16年 絶滅期間1年)/ギャグサイトではないのになんとなくギャグに感じられる。シャチハタとは実は会社名で、朱肉が一緒に付いているハンコの事。既製品で買える名字は2100氏名で、それ以外は特注する必要がある。冒頭には登録されている2100名字が掲載されているが、その下には「メジャーな名字なのに」というコーナーで、意外と取り扱われていない名字が羅列されている。驚いたのが「荻野」「中嶋」「矢部」「高梨」「茂木」「皆川」などがないという事。しかもこれらは名字の多さランキング「名字博士」で1位~500位に入っているとの事である。そう考えると多い順から2100位まで作ればいいのではないかと思うのだが、駄目なのだろうか。「シャチハタに加えて欲しいランキング」というのもあり、クリックしてみたのだが何と文字化け(文字コードを調整すれば見られるのかもしれないが)。ある地方にだけ多い名字というのもあり、2100種全部置いてない店舗では無料で取り寄せられる様だ。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 23 The National Afro-American Museum and Cultural Center, Wilberforce, OH

いちおう人種差別というものはなくなっているはずのアメリカで、このところの警察と黒人との衝突に見られるような、そしてトランプ大統領が火に油を注いでいるような、隠されてきた人種差別の根深さに驚いたひとも多いのではないだろうか。オハイオ周南西部の小さな町ウィルバーフォースは、アメリカの奴隷解放史に重要な位置を占める場所で、1856年にはすでにウィルバーフォース大学という、プロテスタント系の黒人教育のための大学が開校している。コールマン・ホーキンス、ベン・ウェブスター、べニー・カーターなど、幾多のジャズ・ミュージシャンを生んでいることでも有名だが、構内に誕生したアフロ・アメリカン・ミュージアムは、奴隷貿易時代から現在にいたるアメリカ黒人の歴史を俯瞰できる、珍しい展示研究機関である。

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AFTER HOURS
編集後記 : 今週も最後までお付き合い、ありがとうございました! パリのアートから快楽鍼まで・・・幅広くお送りしてきましたが、気に入ってもらえた記事、あったでしょうか。

こういう仕事なので、いつもいろんなひとに会うわけですが、年齢にも職種にも、ましてや有名無名にもまったく関係なく、対面するだけですごくエネルギーを感じてしまうひとがいます。今週紹介した玄斎さんも、そんなひとりでした。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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