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最新号 2024年11月20日 Vol.621
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PABF2024 直前情報!
今年も東京アートブックフェアが近づいてきました。楽しみだけど、あんなに混んでるとちょっと・・・・・・と思ってるひともいますよねえ。出展料も高額だし、抽選だし!もちろんロードサイダーズ・ウィークリーは参加しません(笑)。 2019年7月にPABF(=プアマンズ・アートブックフェア)という小さなブックフェアを自前で開催したのを、覚えていらっしゃるでしょうか。
photography
御徒町のニュー桃山時代 写真・文:紅子(色街写真家)
ロードサイダーズでもおなじみ、色街写真家・紅子さんのSNS投稿で上野御徒町の老舗ソープランド「ニュー桃山」閉店を知ったひともいるだろう。いまや絶滅危惧種となりつつある「駅前ソープランド」の典型であるニュー桃山は、文京区で営業する唯一のソープランドでもあった。その終焉に立ち会った紅子さんにお願いして、写真と文章で鎮魂の思いをつづっていただいた。
art
弥勒・・・それはとろける菩薩のかけら
「弥勒(みろく)」と題した展覧会が阿佐ヶ谷の小さなギャラリーで15日から始まっている。作家は杉本英輝、わずか7つの出品作品はいずれも美しくグロテスクな蝋人形・・・いや、人形というと「ひとがた」になってしまうけれど杉本さんの作品はものすごく有機的な、でも得体の知れない生命体に見えるので「蝋彫刻」というべきか(名刺にも「蝋彫刻師」とあった)。とはいえからだの一部分のようでもあり、でも見たことのない不思議な立体作品が白い空間にそっと置かれている。
design
デザインの世間体 023 あなたの知らない世界的権威の世界 (写真・文:若生友見)
これまでこの連載で紹介してきた私の作品は10年以上前のものが圧倒的に多かったので、今回は比較的新しい作品についてお話しようと思います。 今はあまり見なくなりましたが、昔は雑誌の後ろのほうに「コレを身に付けただけで高額宝くじ当選! 異性にモテまくり! 神秘のパワーを宿した〇〇ストーン」というような内容のアクセサリーやキーホルダーなどの怪しげな広告が入っていた時代がありました。 そういった広告の一番有名な例は、美女を侍らせた男の札束風呂の画像でしょう。しかし私は少々違う部分に注目していました。
design
バンカラ女銘々伝 第16回 芸者から尼になった無手の女 大石米子 (文:平山亜佐子)
1905(明治38)年6月20日午前2時。 大阪・堀江の遊郭「山梅楼〈やまうめろう〉」で六人が日本刀で惨殺される陰惨な事件が起こった。 後に「堀江六人斬り」と呼ばれるその事件で、唯一の生き残りとなった妻吉こと大石米子が記した回想録の臨場感は、そんじょそこらの本では太刀打ちできない。 今回は、米子の人生を紹介しつつも、なにより回想録の記述をたっぷり味わってほしい。 まずは事件までの経緯を見ていこう。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 80 ロマンスとトレンドと現実と (写真・文:オカダキサラ)
最近、街の若い子たちがよく着ているコーディネートに、既視感を覚えています。私が高校生の時に流行ったスタイルだからです。流行は繰り返す、を実感しています。このままいくと、次は「エビちゃん」ルックが来るかと予想しているのですが、どうでしょうか? 少し前なら、服の傾向は雑誌名やモデル名でまとめられていました。近年ではトレンドにまとまりを感じられません。今は「○○系」とグループ分けするのも大変そうです。
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 59話 北海道のおばさん (画・文:新開のり子)
夕方、男子達が仕事から戻ってきました。 北海道の友達の家に気軽に遊びにきたはずが、男子はアルバイトという形でしっかり仕事をしています。 私達3人は、家の中で一日中、安田くんのおばさんと家事手伝いをします。 先日、トランプで負けてしまった私は、何十年分の汚れが溜まった泥だらけの玄関の掃除を頼まれました。 掃除を済ませ台所に行くと、気分良さそうにおばさんが「今日は、いつもと違う食器を使うからあの棚からとってちょうだい」
travel
ユーラシア後ろ歩き 20 ペテルブルグ行きの列車で (文・写真:多田麻美)
私が乗った列車は、北へと向かっていた。かつての帝都、サンクトペテルブルグへ。 さすが、今でもモスクワに続きロシア第二の地位を占めている都市へと向かう列車は設備が良かった。まず車両自体が新品そのもので、各座席に電源があった。トイレに便座シートと石けんがあったのも、他の車両では目にしなかったことだった。 だが、車両で繰り広げられる会話は、やはりいかにもロシアらしかった。隣席に座っていた女性は、私が日本人だと知ると、自分はウラジオストック出身だと語った。
AFTER HOURS
編集後記 : 今週も最後までお付き合いありがとうございました!
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!