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最新号 2024年10月23日 Vol.618
art
文字とのつながり
大阪市の最南東に位置する平野区。静かな住宅地の奥にあるアトリエひこは、知的障害を持つメンバーたちが集う自主運営アトリエ。ロードサイダーズではおなじみのアーティスト、松本国三が長く通い、制作を続けてきた場所でもあり、僕も何度も遊びに行かせてもらってきた。初めて伺ったのが2003年だったので、もう20年以上のお付き合い。2023年02月01日号「暇と創造の宮殿、UPPALACE」でも詳しく紹介している。そのアトリエひこではいま「文字とのつきあい」と題した8人のメンバーによる展覧会を開催中だ。会期が10月26日までなので、終了直前の告知になってしまったが、機会があればぜひ足を運んでいただきたい。
music
シブメグの人生小劇場 39 マグマ (写真・文:シブヤメグミ)
叔母が死んだ。ひとり暮らししてたあの家で、死後3、4日経過していた遺体で見つかった。倒れたのはたぶん7月が終わる頃のあのクソ暑い夜。心臓のあたりをギュッと掴んで倒れていた。92歳と8ヶ月。世間的には大往生だろう。だけど私と母親は、そんな気持ちになんかなれなかった。 叔母は4人姉弟の長女。いちばん上のお姉さん。私にとっては祖父の家で、叔母と母親にとっての実家は、郵便局を営んでいた。祖父は生まれつき身体が弱かったので、徴兵されなかった。その代わりなのかどうかはわからないけど、祖父と祖母は家庭のことを放って、戦地から届く郵便物をとにかく配り歩いていたそうだ。
movie
絶滅危惧映像の現在形 ――どっこい生きてるニッポン特殊AVコレクション まるで秘宝館のようなユーモラスでシュールなAV (文:押スノ踏マズ)
本誌読者にはお馴染みの秘宝館。全盛期には日本に20軒以上もあったそうですが、現在は熱海秘宝館1軒を残すのみとなった昭和エロスの殿堂です。 薄暗い秘宝館に足を踏み入れると、スペクタクルな舞台装置の随所に不気味な動きを繰り返すマネキン人形が設置され、館長の脳内エロ妄想世界が繰り広げられています。周りを顧みず突っ走っていくうちに、余人には計り知れないシュールな設定や、不気味でアンモラルなシチュエーションなどが生み出され、エロスの花が咲き乱れていた秘宝館。 今回は、そんな秘宝館の世界観に通じるAVを掘ってみました。2作品とも面白かったので、ぜひチェックしてみて下さい。
lifestyle
おいでよヘンタイの森 16 こすりつけ変態 パート2 文・イラスト:mimi(会社経営&フリー女王様)
まだまだおります こすりつけ変態 前回は超早漏&何度でもイケるこすりつけ変態でしたが 今回のヘンタイさんは・・・ 妄想と、布をものすごい愛する男 こうきさん 36歳 こうきさんは大手ディーラーの車の整備士をしています 昼間は車と向き合っておりますが、いざ、お休みの日は趣味の自転車を走らせながら女子高生を横目で見るをしているお方 そう高校生の制服が大好きなのです つまり高校生の制服にこすりつけたい願望がある方でございます 大丈夫です 犯罪に近いですが、ちゃんとしっかり自分のおうちにある制服でやっています
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 56話 黒猫 帰り (画・文:新開のり子)
仕事に行くため駅に向かっていると、視界になにやら入ってきました。 思わず立ち止まると、黒い猫が私の目の前をゆっくりゆっくり横切っています。 なんてタイミング! なんだか、疲れているのだろうか? 片足を少し引きずっているようです。 瞬間的に私は、目を細めてしまいました。 なんだか見ていけないものを見てしまったようです。
design
デザインの世間体 020 小悪魔は次元を越える (写真・文:若生友見)
前回の話題はギャル男の盛り髪でしたが、同時代に繁栄を極めていたのが雑誌「小悪魔ageha」でした。説明不要かもしれませんが、「小悪魔ageha」とは2005年に創刊された日本全国のキャバ嬢をモデル兼ターゲットにした画期的な雑誌です。出版社を変えながら何度かの休刊、復刊を繰り返したのち、現在は年2回の発行になっており、2010年前後の盛りに盛った誌面のテイストを引き継ぎつつ、より洗練された雰囲気になっているようです。
AFTER HOURS
編集後記 : 今週も最後までお付き合いありがとうございました。
BACKNUMBERS
バックナンバー
2024年09月25日 Vol.614
art
人生はいまもボーダレス!
design
デザインの世間体 016 特別編 『カミオン』創刊40周年・記念連載 我が青春のバイブルよ永遠なれ! 第3回 創刊から40年も趣味雑誌を貫き通す! (写真・文:松吉 満 / 編集:若生友見)
travel
江原道、美味しいもの記録 (写真・文:アーバンのママ)
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!