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2016年12月28日 Vol.241

art

ピエール・ユイグの映像が異界へと僕らを・・・

2012年からスタートしたこのメールマガジンも、来週号で6年目に突入。年を追うごとに肥大化しているのはご存じのとおりだが、毎週というペースでこれだけ長々と書いていても、紹介しきれないイベントがたくさんある。いま表参道のエスパス・ルイ・ヴィトン東京で開催されているピエール・ユイグ展も今年6月から前期が始まり、9月末からは後期になっているのに、2017年1月9日に閉幕する直前での紹介になってしまった。すでにご覧になったかたもいらっしゃると思うが、こんなタイミングでの掲載をお許しいただきたい。ピエール・ユイグ(Pierre Huyghe)は1962年パリ生まれの現代美術家。映像とインスタレーションをおもな活動領域として、1990年代末から頭角をあらわし、2001年にはすでにフランス代表としてヴェネツィア・ビエンナーレに出展、審査員特別賞を受賞している、ベテラン・アーティストである。

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art

手芸のアナザーサイド 3 小嶋独観子と「ミシン絵画」

11月の「山ぐるみ/山さきあさ彦」「ミクラフレシア」に続いて送る、セルフトート手芸の最前線。今回ご紹介する小嶋独観子は、本メルマガ読者ならもうおなじみのひともいるかもしれない。独観子さんはご主人の小嶋独観さんと一緒に、日本各地からアジアの辺境まで足を伸ばした珍寺&珍スポット巡りの成果をまとめたウェブサイト『珍寺大道場』を、もう20年あまりも運営。日本における珍スポット発掘のパイオニア的存在として、そのスジでは知らぬもののないベテラン探検一家なのだ。その独観子さんが去年あたりから爆発的に発表を続けているのが、「変態手芸って言われます」という刺繍の作品群。本メルマガでも2015年第1回の展覧会を告知したが、それから今年5月に京都展、6月と12月に東京展と、立て続けに作品展を開催してきた。当初は独観さんによる珍寺写真展の一部、という扱いだったが、回を重ねたいまでは完全に「独観子展」状態。

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fashion

捨てられないTシャツ 69(最終回)

目から手(小嶋独観子)/22歳女性(風俗嬢)/1994年生まれ、東京都杉並育ちの一人っ子、父は外資系企業勤め、母は専業主婦。毎年海外旅行に行くくらいの裕福な家庭だった。不妊治療の末に生まれてきた私は、とにかく両親に溺愛された。母は私が生まれた日からほとんど毎日、小学校に上がるまで私の成長を写真に撮っていた。父は毎朝5時前に起床して、イギリスの大学のMBA資格を取るために英語と経営を勉強、毎朝の靴磨き、筋トレして仕事に出かける勤勉で堅実な人だった。抱っこひもで私をかかえたまま本屋で立ち読みしたり、通勤がてら幼稚園の送りをしてくれて、当時は育メンなどという言葉も浸透していなかったから、父は地元でも珍しがられた。多忙ななかで、少しでも娘と一緒にいたかったのだろう。卓球、読書、水泳、サッカー鑑賞が大好きな父だった。

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fashion

[番外編]捨てられたTシャツ

思わぬ好評をいただいた「捨てられないTシャツ」は今週の69回目をもって連載終了。「ボーナストラック」を加えて、2017年の春には筑摩書房より単行本化される予定です。まとめて読むと、また楽しさもしみじみさも倍増のはず。楽しみにお待ちください! 連載の最終回は、もともと僕自身の「捨てられないTシャツ」を載せようと思っていたのですが、かつて一瞬ダイエットにハマったときに、「二度とリバウンドしないように」という決意を込めて、ぜんぶ捨ててしまったのでした! 自分を信じちゃダメってことですね~。バブル全盛期に、京都先斗町の舞妓ちゃんたちにずらっと寄せ書きしてもらったTシャツとか、見せたかった!笑 というわけで思い出したのが、『着倒れ方丈記』を連載していた雑誌『流行通信』で(こちらもすでに廃刊になって久しい)、なにかの機会に番外編として自撮りしたTシャツ・コレクションの写真。写真集の『着倒れ方丈記』にも、もちろん入れてないので、見たことあるひとは少ないのでは。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 16 Samovar Café, Nikolaevsk, AK

先週に続いてのアラスカは、奥地に隠れたロシア村。今年3月の連載『旅のあはれ』でも少しだけ触れたけれど、たくさんの写真とともにもういちどお楽しみいただきたい。ロシアの皇帝からアメリカがアラスカを購入したのが1867年。当時は「巨大な保冷庫を買っただけ」とバカにされたが、金鉱が発見されて結果的に史上最高のバーゲンセールとなったのはご存知のとおり。アラスカはたった150年ほど前までロシアの一部だったのだ。深い森の中にロシア人たちの隠れ里があると聞いて、行ってみることにした。アンカレッジから約370キロ、キーナイ半島の突端にあるホーマーという港町から、さらに20キロほど離れたニコラエフスク。「ロシアン・ヴィレッジ」と呼ばれるこの村は、ロシア正教徒のうちでも厳格な、いわば原理主義的な一派であるオールドビリーバーが移り住む場所である。

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movie

はぐれAV劇場 16 本橋信宏著『全裸監督──村西とおる伝』+村西とおる監督『マリンの妖精 PART 2』(文:大須蔵人)

「お待たせいたしました、お待たせしすぎたかもしれません。前科7犯、借金50億、昭和最後のエロ事師、村西とおるでございます。」これが伝説のAV監督・村西とおるがメディアに登場するときに自ら発する啖呵であり、彼の壮絶な人生を凝縮したプロフィールとなっている。今年の10月に刊行され、すでに多くの話題を呼んでいる、本橋信宏著『全裸監督──村西とおる伝』(太田出版、2015)は、この稀代のエロ事師・村西とおるの生い立ち、全盛期〜凋落、そして現在にいたるまでを徹底的に描きあげたルポルタージュだ。まず驚かされるのが、700頁超えという長大さ、そしてその分厚いボリューム感に決して引けを取ることのない、迫力に満ちた村西監督のポートレートであり、帯に書かれた「人生、死んでしまいたいときには下を見ろ! おれがいる。」というコピーのインパクトだ。この本はにわかには信じ難いような激動の人生を経験し、そして今もなお歩み続けている男の「裸一貫=全裸」の物語といえる。

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archive

ピコ太郎とバースジャパン

今年、全世界でいちばん流行った曲は・・・ジャスティン・ビーバーでもなければテイラー・スウィフトでもなく、ピコ太郎の『PPAP』だったことはご存じのはず。あの「パイナッポー」が脳内永遠リピートで情緒不安に陥ったひともいるだろうし、いまごろは全国各地の忘年会で、何万人が余興で踊らされてることかと・・・涙。先週末、仕事の合間に愛読誌『実話ナックルズ』を読んでいたら、本メルマガではおなじみのアウトロー・ライター上野友行くんが「ピコ太郎の衣装を生み出した新潟のバースジャパン訪問記」という記事を書いていて(このあと週刊新潮にも載るそう)、やっぱりそうか!と深く頷いたのでした・・・わかるの、遅すぎ? 2011年のあいだの半年と少し、ふつうのファッション誌があまりに画一化しておもしろくないと思っていた僕は、高級メンズファッション誌『SENSE』で『ROADSIDE FASHION』という変わったファッション連載をしていて、それはファッション誌にはまったく出ないけれど、街場ではよく見る、ほんとうに日本の男たちが着ている服を見せたかったのだけれど、残念ながら高級ファッション誌に広告を出すクライアントたちのお気に召さず、1年持たずに終了してしまいました。

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2016年12月21日 Vol.240

art

ホームレス排除アートをめぐって

すでにFacebookページを読んでくれたかたもいらっしゃるでしょうが、ずっと前にブログで書いた「ホームレス排除アート」の記事が、すごい数のリーチになってます。もともとはツイッターからですが、リツイート数を見たテレビ局から、たぶん「ホームレス 排除 アート」とかで検索して探し当てたのでしょう、「写真使わせてほしい」との連絡があり、それで2009年のブログ記事をメルマガ事務局のほうでFacebookページにアップしたのが経緯。ホームレス排除アートについてはもともと、『ART iT』という美術誌の連載で2004年に書いたもの。それが2009年になって『現代美術場外乱闘』という単行本に収められたので、「そういえばあれからどうなったのかな?」という確認もしたくて排除アートがあった場所を再訪、ブログに書いたのでした。

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art

ウーフではない井上洋介

この夏『神は局部に宿る』展を開いた渋谷アツコバルーで、いま『井上洋介 絵画作品展』が開催されている(12月25日まで)。会期末ぎりぎりになってしまったが、見逃すにはあまりに惜しい機会なので、急いでご紹介したい。井上洋介は画家・イラストレーター・絵本作家という肩書きになっているが、多くのひとにとっては童話『くまの子ウーフ』の絵で知られているだろう(文:神沢利子)。だれが描いたのか名前は知らなくても、ウーフの絵を見ただけで胸がキュッとなる読者が、たくさんいるのではなかろうか。『くまの子ウーフ』の世代ではまったくない僕にとって、井上洋介はまず、お茶の水の「レモン画翠」の挿画のひとだった。創業が大正期にさかのぼるというレモン画翠は、お茶の水がちゃんとした学生街だった時代に、画材店と喫茶店が一緒になった、すごくお洒落な場所だった。井上さんは劇団・天井桟敷の美術担当をしていたこともあって、レモンの広告で見ていたイラストレーションは、絵本とはまたちがう味の、アイロニーやユーモアやエロティシズムを濃厚に漂わせたオトナの世界観でもある。

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fashion

捨てられないTシャツ 68

HOOTON 3 CAR/39歳男性(建築家)/広島県福山市出身、3人兄弟の長男。父親はもともとはトラック運転手で、そのあとは磯渡し(釣り船)をやっていた。母親は専業主婦。小さいころはお調子者で、とにかく目立ちたいタイプ。運動もまあまあできて、もちろん外で遊ぶのは好きだけど、知識欲みたいなのも強く、小学生で『現代用語の基礎知識』を読んだり、理科の実験などは特に好きだった。物理とか天文学とか、なぜか子供ながらに興味があった。

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art

アウトサイダー・キュレーター日記 23 北 浩子(「Hair & facial ciel」オーナー)(写真・文:櫛野展正)

やってきたのは、兵庫県西宮市にある阪急夙川駅。駅から程近い高級住宅街が立ち並ぶ住宅街の一角に、今回の取材先であるヘアサロン「Hair & facial ciel(シエル)」はある。この店は、外観からして凄い。とにかく目立ちまくっているのだ。まず、入り口には、懐かしいテレビ番組『ザ・ベストテン』を模した手書きの順位表が貼られ、開放的な大きな窓には、お立ち台ギャルの手書きイラストが大きく描かれている。柱の横についたスピーカーまで手作りだから驚きだ。「Hair & facial ciel」という看板がなければ、ここが美容室だとすぐに認識することは難しいかもしれない。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 16 The Last Train to Nowhere, Solomon, AK

ようやく東京も本格的な冬模様なので、というわけではないけれど、今週と来週の2回は北の大地アラスカからお送りします!――ベーリング海に突き出たスワード半島にあるノーム。冬の最低気温がマイナス50度を超すこともあるという、準北極圏の小さな町だ。1893年、偶然ノームにたどり着いた3人のスウェーデン人によって金鉱が発見され、ノームはアラスカ屈指のゴールドラッシュの舞台になった。ジョン・ウェインの『アラスカ魂』にそのありさまが描かれているが、最盛期には人口が2万人にまでふくれあがり、酒場だけで100軒を越えていた。1911年までに採掘された金の量は、総額6000万ドルに達するという。

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2016年12月14日 Vol.239

music

欧州生まれの日本育ち、ユーロビートという「帰国音楽」

日曜夜9時の六本木。30年前は十数軒のディスコがひしめきあっていたブロックも、いまは手持ちぶさたな黒人客引きばかりが目立つ。カラオケボックスや相席居酒屋が入る飲食ビルにマハラジャ六本木が「復活」したのは2010年のこと。今夜はそのマハラジャで月イチの定例イベント「SEF DELUXE」が開かれている。SEFとは「スーパー・ユーロ・フラッシュ」の略。エイベックスからいまだに新譜リリースが続いている奇跡のご長寿シリーズ『SUPER EUROBEAT』をかけながら踊りまくるという、オールドスクールにしてダイハードなダンスシーンが、こんな場所で生き残っていたのだった!

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fashion

捨てられないTシャツ 67

川崎ゆきおの「ガキ帝国」/54歳男性(音楽評論家)/神戸生まれ、神戸育ち。小さい頃から引っ越しの多い家庭で、覚えているのは幼稚園のころに住んでいた西宮あたりから。近くでガス爆発があり、父親が嬉しそうに見に行ったのを記憶している。そのころから本が好きで、住んでいたボロ屋に台風がきても、屋根修理の傍らロウソクで本を読んでいるような子供だった。小学生になると三宮近くの市営住宅に越し、そこで卒業まで過ごす。大安亭市場の近くの大変ガラのよくない場所で、クジラの解体場がとてつもない異臭を払っていた。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 16 Greyhound Bus Museum, Hibbing, MN

カナダに接するアメリカ中西部の要所・ミネソタ州。ミシシッピ川を挟んで隣り合うミネアポリスとセントポールをあわせて「ツインシティーズ」と呼ぶが、そこはプリンスやボブ・ディランを生んだ土地でもあった。アメリカ最大のショッピングモールである「モール・オブ・アメリカ」も、ツインシティーズ郊外のブルーミントンにある。アメリカを旅する節約家、というか貧乏旅行者には欠かすことのできない交通手段といえば、今も昔もグレイハウンド。全米のすみずみに路線網を張りめぐらすバス会社だが、そのグレイハウンドの発祥地がここ、ミネソタ北東部のヒビングという町である。

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design

絶滅サイト 11「航空機事故」~「カレーライス研究会」(文:ハマザキカク)

『全翼機の世界』(1997年~2004年 運営期間7年 放置期間12年)――全翼機とは胴体がなくて、全身が翼の形をした飛行機のこと。見た目がブーメランの様で異様だ。ノースロップのステルス機と言えば分かるだろうか。その謎めいた全翼機に特化したサイト。それだけで貴重なテーマだと言える。実際に今まで日本では本や雑誌のトピックとして取り上げられる事はあっても、全翼機に特化した書籍は全く出版されていないようだ。全翼機の解説から始まり、「全翼機図鑑」「日本の無尾翼機」「全翼機 Link」「全翼機おもちゃ箱」などコンテンツがバリエーションに富んでおり、ホームページ自体のクオリティは高い。ノースロップだけでなく、ホルテンやそれ以外のメーカーの全翼機を紹介している。おもちゃコーナーではプラモデルだけでなくワッペンや、全翼機が出てくる映画やビデオまで集めている。難点なのは図鑑で掲載されている写真が他の出版物からの転載で、一切著作権を有していないと宣言している事だ。

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archive

オレサマ商店建築:ヘアサロン・アスカ

単行本に未収録の取材記事を紹介する、久しぶりの「アーカイブ」は、覚醒剤のニュースで思いついたわけではないけれど・・・知る人ぞ知る新宿のギャングスタ・バーバー「アスカ」。外観はごく普通の床屋ながら、内部は超絶のブラックミュージック・ミュージアム状態。椅子は一脚のみ! 潔すぎる侠気職人の世界をじっくりご覧いただきたい。

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2016年12月07日 Vol.238

fashion

お立ち台のシンデレラガール

今週はみなさまをディスコ・トレインに乗せて、1980年代の日本のダンスフロアへとお連れする。2016年のいま、クラブに行くのにお洒落するといっても、せいぜい渋いTシャツを着用するくらいだろうが、当時のディスコはなによりも「男と女の出会いの場」だったから、夜ごと精一杯めかしこむのが当たり前だった。80年代のディスコ・カルチャーが日本独自の発展を遂げた、そのプロセスは装いにもっともよく現れている。ニューヨークともロンドンともパリともちがう、東京(や名古屋や大阪や・・)ならではのディスコ・ファッションのガラパゴス的進化をじっくりご覧いただきたい。現在のクラブと当時のディスコのちがいは、もちろんファッションだけではなかった。覚えているひとにとってはいまも鮮明な思い出だろうし、知らない世代には想像すらできないその差を、いったいどこまで説明したらいいのかわからないけれど・・・とりあえず時代を30年ほど巻き戻して、「今夜はディスコで弾ける!」と決めたハタチそこそこのOLや学生や、新人サラリーマンになったと思ってもらいたい――

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捨てられないTシャツ 66

RUSSELL/38歳男性(出版社勤務)/徳川埋蔵金で話題になった群馬県赤城村(いまは合併して赤城町)の生まれ。本はまったく読まず、音楽もそんなに聞かず、まわりがやってるから野球をやるような、主体性があまりない子どもだった。その、のんびりした感じは高校卒業まで続くが、実は家庭環境は複雑で、母親が自殺未遂したり、父親は出ていったり、また戻ってきたりを繰り返すようなぐちゃぐちゃな感じだった(両親は一度離婚、現在は復縁後にまた父親が出ていってしまった状態が続いている)。

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案山子X 34 豊野主基田の案山子まつり、天空のかかし祭り(岡山)(写真・文:ai7n)

こんにちは。ai7n(アイン)です。今回は岡山県加賀郡吉備中央町豊野主基田の案山子まつりと、岡山県高梁市備中町平川の天空のかかし祭りを紹介します。豊野主基田の案山子まつり――加賀郡吉備中央町は、岡山県の中央部に位置する農業が盛んな自然豊かな地域です。吉備中央町の豊野地区には、天皇が即位した時に献上する米を作っていたという円形状の水田「主基田(すきでん)」が残っています。地域活性化と主基田の保存活動の一環として地元の小学校の児童が稲刈りや田植えに参加しており、秋の収穫の時期に合わせて毎年案山子まつりが開催されています。

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Back in the ROADSIDE USA 15 Cowboy Boots Fenceposts, Miles City, MT

ニューヨークやシリコンバレーの新興億万長者のあいだでは、モンタナやワイオミングに牧場を持つのが流行になっているらしい。日本で言えば沖縄の海を見おろす高台に家を持つ、みたいな感じ? 規模こそ違え、行かないけど自慢できるところはいっしょだ。さほどモンタナからワイオミングにかけてのカウボーイ・カントリーは、アメリカ人にとって特別の感情を喚起させる土地である。ラテン語の「山の多い」という意味から生まれたモンタナは、大きさがほぼ日本と同じなのに、人口わずか90万人。全米でも4番目に広い州であり、別名を「ビッグスカイ・カントリー」というように、大自然にものすごく恵まれたステートだ。映画『モンタナの風に吹かれて』や『リバー・ランズ・スルー・イット』で、その美しい風景を堪能した方も多かろう。

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art

死刑囚の絵展@宮城・にしぴりかの美術館

すでに何度か本メルマガで取り上げた宮城県黒川郡大和町の『にしぴりかの美術館』で、11月21日から死刑囚の絵展が開催されている。死刑囚の絵画作品については、もう何度も紹介してきた。今年の春から夏にかけては広島県福山市のクシノテラスで、また来年夏には『神は局部に宿る』の渋谷アツコバルーでも大規模な展覧会が予定されていて、これまでの死刑廃止運動の一環としての展示とは、また別の角度から光を当てる企画が増えているのは、すごく有意義な流れだと思う。『命みつめて ~描かずにいられない』と題された本展には、これまでどおり「FORUM90/死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金」によってコレクションされてきた、2005年から15年までの作品から80点を選んで展示されている。キュレーションを担当したのは、こちらも本メルマガで連続掲載した高尾・平川病院〈造形教室〉の運営にあたる宇野学さん。これまでの死刑囚の絵展が、参加したすべての作家によるコレクションの全容を見せようとしてきたのに対して、今回は数人の作家に特に力点を置いた展示になっていて、そのアプローチも興味深い。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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