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2012年10月24日 vol.040

art

アートと地獄とメイドとクソゲー:福岡辺境不思議旅

「妄想のパラダイス」とサブタイトルがついた不思議博物館を、ひと言であらわすのは難しい。「館長」と呼ばれる造形作家・角孝政(すみ・たかまさ)さんの立体作品とコレクションを集めたミュージアムであり、同時に「不思議子ちゃん」と名づけられた女の子たちが迎えてくれる、メイドカフェでもある。「日本一有名なクソゲー」を、特製巨大コントローラーで遊べる場所でもある。とりあえずは、公式ウェブサイトに記された館長本人による説明と、全貌図解をご覧いただきたい。

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art

めくるめく70年代の記憶と再生

1956年に生まれた僕は、1970年に中学3年生だった。その年、ジミ・ヘンドリックスとジャニス・ジョプリンがドラッグで命を落とし、三島由紀夫が割腹自殺し、赤軍派は日本航空のよど号を乗っ取って、あしたのジョーになろうと北朝鮮に向かった。その年に大阪のはずれでは「人類の進歩と調和」をうたった万国博覧会が開催され、6400万人以上の入場者を集めていた。いま北浦和の埼玉県立近代美術館で『日本の70年代 1968-1982』という展覧会が開かれている(11月11日まで)。

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archive

建築家の首まわり

板前に鉢巻きがあるように、消防士に銀色の防火服があるように、建築家にはスタンドカラーのシャツがある。ちょっぴりソフトめの黒いスーツに、白のスタンドカラー・シャツ。この奇妙な組み合わせが、日本における建築家の定番ファッションとなってから久しい。実際スタンドカラーのシャツなんて、いまや建築家のほかは牧師とピーター・バラカン以外に、愛好者を見つけるのは難しいだろう。

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2012年10月17日 vol.039

photography

センター街のロードムービー

印画紙の上にあらわれ消える男女たち。それはいまから数年前、日本でいちばんスリリングな夜があった時代の渋谷センター街に、生きていた男の子と女の子たちだ。焦点の合った主人公と、その向こうのぼやけた街並み。鮮やかで、しかもしっとりしたカラー(それはウォン・カーウェイの撮影監督だったクリストファー・ドイルや、ベンダースやジム・ジャームッシュのロビー・ミューラーのような色彩感覚)。1枚1枚のプリントに閉じ込められた、なんとも言えない、あの時代の空気感。そしてこの素晴らしい写真を撮った鈴木信彦さんは、プロの写真家ではなく、仕事をしながら週末渋谷に通うだけのアマチュア・カメラマンなのだという・・。

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art

死刑囚の絵展リポート

執行日はだれにも――肉親にも、本人にすら――事前に明かされることはなく、その日の朝に声をかけられて(朝食後だという)、初めて「きょう死ぬんだ」とわかる仕組みになっている。毎日、毎日、ときには何十年も・・・そうやって自分が死ぬ日を待つ日々。死刑には賛成派も反対派もいるだろうけれど、これを精神的な拷問と言わずして、なんと言うのだろうか。そういう極限の状態に置かれている日本の死刑囚たちがつくりだす、極限の芸術作品。それを集めた小さな展覧会が広島で開かれたというニュースを、今月初めのメルマガでお伝えした。幸運にも展覧会に駆けつけることができたので、今回はその模様をリポートしたい。

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travel

連載:スナックショット 08 福島・栃木(平田順一)

どうも街の遊撃手、平田です。前回の山形・宮城篇から南へ下って、今回は福島県と栃木県です。 会津地方と郡山、宇都宮と小山が去年の3・11以降の写真で、それ以外は2004年から2007年の撮影、少々画像が荒くなっております。広い福島県のごく一部と、栃木県のごく一部で、まだまだ精進が足りませんがよろしくお付き合いください!

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archive

夜をひらく 女の市場

ハリウッド映画のはずなのに、なぜかエンディングで日本の歌手の“テーマソング”が流れたり、ストーリーとなんの関係もない「挿入歌」がドラマを盛り下げたり。最近の広告代理店主導の映画やテレビ・ドラマと歌の関係って、すごく不純だ。その昔、「歌謡映画」というジャンルがあった。だいたいまず曲が大流行して、それにあわせて急造されたB級映画ではあるが、なにより曲の歌詞と映画のストーリーがちゃんと連動していたし、歌手本人が映画にも登場して、キャバレーのシーンとかで歌っていた。いま見直せば、あたかも1時間30分のミュージック・ビデオのように、それは音楽と映像の幸福な結合だった。

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2012年10月10日 vol.038

food & drink

日曜日のゾンビーナ

うららかな秋日和のサンデー・アフタヌーン。六本木ミッドタウンの前は、お洒落な犬を連れたお洒落なカップルや、高そうな乳母車を押す高そうな外国人カップルが、ほがらかに行き交ってる。ミッドタウンの正面にはメルセデスベンツのショールーム。そのおとなり、飲食ビルの2階の、とある店。ほがらかな気分でドアを押し開けると・・・いきなりゾンビが襲ってきた! 「いらっしゃい~~」とくぐもった声を出しながら、ぶらぶら腕を伸ばして迫ってくる・・・ああ気持ち悪い! 知る人ぞ知る六本木の隠れフェティッシュバー「CROW」を舞台に、毎月最終日曜日に開かれているのが「ソンビバー」だ――。

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art

伊達政宗歴史館と仙台武家屋敷(ROADSIDE SENDAIから)

今回ご紹介するのは「みちのく伊達政宗歴史館」と「仙台武家屋敷」という、なかなかレアな観光教育施設。伊達政宗歴史館は仙台のお隣、松島の美しい海岸沿いにあるのですが、津波の被害を受けて1階部分が泥で埋まってしまい、スタッフやボランティアの懸命の努力により、震災から1ヶ月半ほどで再開にこぎ着けたという蝋人形館。いっぽう仙台武家屋敷&人間教育館のほうは、かなり前に『BQ』という民放デジタル放送番組で1年以上放映された、映像版『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』でも取材・放映した、仙台きっての隠れB級スポットだったのですが、それがそのあとも脚光を浴びるケースはほぼなく・・・こちらも震災による地震で甚大な被害を受け、無期限休館中。

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archive

上海スタイル:丁沛華&左君

上海市中心部から、地下鉄で15分ほど。外国人観光客ゼロの、四角いアパートが並ぶ住宅街に新居を構えているのが、丁沛華(Ding Shihua=ディン・ペイフォア)と左君(Zuo Jun=ズオ・ジュン)のふたり。おたがい26歳、2年前に結婚したばかりで、いまだにハネムーンの雰囲気がむっちり立ちこめる、ラブリーな住空間だ。夫のディンは広告会社でグラフィック・デザイナーとして働き、妻のズオはイラストレーター兼漫画家。ある経済雑誌に連載中の、むかし懐かし中国製品のイラスト・エッセイは、たとえばもともと日本人が作った企業だったのが、革命以降に中国のブランドになった永久印の自転車とか、中国人ならだれしもホロリとくるチョイスで、人気ページなのだとか。

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2012年10月03日 vol.037

art

黄昏どきの路上幻視者(ROADSIDE SENDAIから)

(前略)ここ数年、ようやく日本ならではのグラフィティの進化形が出てきたように思える(僕が不勉強だっただけかもしれないが)。たとえば北の国・札幌からザ・ブルーハーブが、まったく新しい日本語のラップを突きつけたように、ほかのどこにもないようなストリート・アートのかたちを提示する作家のひとり。それが仙台のSYUNOVEN=朱乃べんだ。道端の廃屋や、小屋の壁に描かれたSYUNOVENの絵を見て、「グラフィティ!」と思うひとは、もしかしたら少ないかもしれない。それほど彼の描く形象はユニークで、アメリカン・グラフィティとはかけ離れたテイストで、描かれた場の持つ雰囲気と呼応した土着のパワーを湛えている。

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art

おかんアートの陰影(ROADSIDE SENDAIから)

このメールマガジンでも、これまでたびたび取り上げてきた「おかんアート」。最近はいろいろな町に行くたびに、その土地のカリスマ・おかんアーティストを探すのがお約束のようになってしまっている。すでに何度か書いたが、おかんアートとは―― メインストリームのファインアートから離れた「極北」で息づくのがアウトサイダー・アートであるとすれば、もうひとつ、もしかしたら正反対の「極南」で優しく育まれているアートフォームがある。それが「おかんアート」。その名のとおり、「おかあさんがつくるアート」のことだ。

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travel

連載:スナックショット 07 山形・宮城(平田順一)

どうもROADSIDERSの箸休め、平田です。折しも「せんだいマチナカアート2012」が開催、杜のみやこに都築編集長のROADSIDE SENDAIがやってきますよ! 北から順番に連載をすすめて今回は山形県と宮城県です。前回の岩手編におなじく能天気に写真を撮っているだけの自分が恥ずかしくもあり、それでもまだ探訪したいという思いもあります。庄内から置賜、仙北から仙南へとかなり広範に及びますがよろしく!

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art

湘南ミュージアム・トリップ

横なぐりに近い大雨の日曜日、横須賀線を降りて鎌倉駅に降り立つと、傘を握りしめた勇敢な観光客がひしめきあっていた。人力車の兄ちゃんも、びしょびしょになりながら客引きに声を嗄らしている。こんな日に人力車に乗るひとなんて、いるのだろうか。おばあちゃんの、とは言わないまでも、おばちゃんの原宿みたいな土産物屋街を抜けて、鶴岡八幡宮の脇を歩くこと約15分。まず右手に神奈川県立近代美術館・鎌倉館が見えて、それを過ぎてもう少し歩くと、反対側に鎌倉別館という小ぶりな建物に辿り着く。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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