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2012年07月25日 vol.028

design

女性のようにオシッコできたら―― 岡田快適生活研究所の孤独な挑戦

松山空港に着いて外に出てみると、空気が煙って見えるほどの豪雨だった。とりあえずタクシーに乗り込み、グーグルの地図を見せると、ほんの10分ほどで指定された住所に着いたのだが・・そこは田んぼが広がる中の一軒家。ここがほんとにそうなの? タクシーの運転手さんも、「確かめるまで待っててあげましょうか」と心配顔だ。岡田快適生活研究所――いま性同一障害のひとや、女装子さんたちの注目を集める「ペニストッキング」をはじめとする、素晴らしく独創的なラインナップのスーパー特殊下着を次々に開発・販売しているメーカーが、東京でも大阪でもなく、松山の市中ですらなく、失礼ながらこんな場所にあって、こんなに普通の家から日本全国に送り出されているとは、だれが想像できようか・・。

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photography

アメリカの『ねじ式』

以前このメルマガで『ヤング・ポートフォリオ』という企画展を紹介した清里フォトアートミュージアムで、いま『Flash! Flash! Flash! エジャートン博士、O.ウィンストン・リンク、ERICの写真』という、なかなか変化球の展覧会が開催中だ(12月24日まで)。この3人の名前だけでピンと来るひとはかなりの写真通だろう。ハロルド・エジャートン博士は、ストロボの発明者として有名。撮影に25年間を費やしたという「ミルククラウン」や、リンゴを突き抜ける弾丸の写真は、いちどは見たことあるひとも多いはずだ。

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archive

人に見られたくない我が故郷

今週のアーカイブは2005年にミリオン出版から一瞬だけ出版された『実話ブルース銀ちゃん』って・・これ、ほんとに雑誌名なんですから。いかにも3号雑誌っぽいネーミングだけど、実際はたしか1号で終わってしまったのでは(ちがったらごめんなさい!)。この雑誌で連載(といっても1回だけ・・涙)したのが、「帰りたくない故郷に、むりやり帰省してもらい、なんにもない町を案内してもらう」という無茶な企画。もしかして長期連載にでもなってたら、いったいどうなったんでしょう・・。しかしいまや、この池田町でさえ、2006年に合併して町名消失、三好市になっちゃいました・・。

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2012年07月18日 Vol.027

fashion

池袋のラバー女神たち

5月6日=「ゴムの日」にちなんだ、フェティッシュ・イベント「デパートメントH ラバーマニア大集合」編リポートを、5月9日配信号でお届けしたが、そのステージで大フィーチャーされたのが池袋に拠点を置くラバー・ファッション工房『KURAGE』。この2月にはNHKの「東京★カワイイTV」でも特集されたので、番組で見た!という方も多いのでは。そのKURAGEが新店舗開設を記念して、いま東新宿軍艦ビル内のワンルーム・ギャラリー『どっきん実験室』にて、初の展覧会を開催中だ(7月28日まで)。

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art

日日2 宇和島のぼり屋ブルース(大竹伸朗)

カッセルから帰国後、宇和島での初仕事は「布染め」で始まった。現在来春刊行予定の「ジャパノラマ完全版作品集」を制作中で、限定版の200部カバーをすべて異なる手染めの布で覆うというのが目的だ。染めの作業には近所の老舗「黒田のぼり店」の仕事場を御借りしている。200部+予備分カバーの布にはおおよそ巾70cmの綿布で合計100mほどを1人で染める必要があり黒田さんから不定期に「仕事場空いとるで~来るなら朝から来てや~!」との御声がかかれば極力駆けつけ作業にかかることにしている。

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movie

ズレの神様 ―― 灰野敬二と大竹伸朗

先週から渋谷の映画館で『ドキュメンタリー灰野敬二』が始まっている。ツイッターやブログなどでもずいぶん話題になっているので、このメルマガ読者の方々でも、すでに観たひと、これから観るつもりのひとがいらっしゃるだろう。灰野敬二は1952(昭和27)年生まれ。今年還暦にして、もう40年間にわたって「轟きわたる静寂 優しすぎる轟音」(映画コピーより)という唯一無二の音楽をつくってきたアーティストだし、監督の白尾一博は『美代子阿佐ヶ谷気分』や、僕の好きな『ヨコハマメリー』のプロデューサー兼編集を担当している注目の映像作家なので、おもしろくないわけがない。

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travel

新連載:スナックショット(平田順一)

もうずいぶん前に、平田順一という青年と知り合った。彼は工場で働く日々を過ごしながら、お菓子のブリキ缶などを並べて叩きながら自作の歌を歌うノイズ・フォークみたいな音楽活動を続け、さらには休みを利用して地方のスナック街を歩き回り、看板などを撮影しているという。後日、その写真アルバムを見せてもらったら、フットワークがすごいし、なにより視点がおもしろい。それに、僕が撮影したスナックとずいぶんかぶってる!

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photography

サードライフにようこそ

古くからの友人でノーバート・ショルナーという写真家/映像作家がいます。ドイツ出身、1989年にロンドンにやってきて、当時最先端だった『FACE』や『i-D』誌で、いきなり活躍しはじめました。僕が知り合ったのもそのちょっと後ぐらいですが、ヴォーグをはじめとする世界中のハイファッション誌で、シャネルにプラダ、マックイーンまでトップデザイナーのファッションを撮影するような超売れっ子でありながら、いつも画面にはちょいブラックで悪戯っぽいテイストが見え隠れしていて、すごく好きなフォトグラファーでした。

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2012年07月11日 vol.026

art

日本でいちばん展覧会を見る男

日本でいちばん展覧会に行ってるひとって、だれだろう。僕はこのひとだと思う――山口“Gucci”佳宏、通称「グッチ」さん。でも、彼は美術評論家でもなければ学芸員でも画商でも、美術運送業者でもない。グッチさんはレゲエ・ミュージックに長く関わってきた、生粋の音楽業界人なのだ。グッチさんが行った展覧会を数えると、ここ5年間でこういう数字になる・・2007年 539、2008年 724、2009年 1106、2010年 585、2011年 677

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art

新連載:日日 (大竹伸朗)

「気分」という言葉から人は何を思うのだろう、時々そんなことを考える。「気持ち」といってしまうと若干杓子定規な印象とでもいうのかどこかあたりさわりのない距離感を感じてしまう。が「気分」だと心の中に風船がユラユラ揺れ動いているような、問いつめられても笑っていればいいようなそんな気楽な印象が個人的にはある。例えば「携帯」というやつ、自分にとってこれが「気分」とは相性がいい。

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photography

大阪式とベルギー式

四ッ谷3丁目のギャラリー・シュハリで開催中の『大阪式 コノハナ/24区』。以前にこのメルマガでも紹介した、大阪出身の写真家・谷本恵さんの、4回目となる『大阪式』です(以前の記事は1月18日号参照)。今回は天王寺エリアを離れ、これまたディープな大阪湾に面した此花区に遠征。いつものように、なんとも言えないリアル・ナニワ・スタイルをキャッチしていて、見てるだけで大阪下町世界にワープさせられる気分です。添えられたテキストも、渋い人情味満点で、ホロリとなりますよ~。

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archive

タイガーバーム・ガーデンズ(ハウパー・ヴィラ/虎豹別墅)

胡文虎(Aw Boon How 1882-1954)と胡文豹(Aw Boo Par 1888~1944)の兄弟が築いた万能軟膏タイガーバーム帝国。ミャンマー(ビルマ)のヤンゴンで華僑の漢方薬屋に生まれたふたりの兄弟が、タイガーバーム(萬金油)の発明で億万長者にのし上がったのはすでに戦前のことだった。1926年には拠点をシンガポールに移し、32年に香港進出。豊富な資金をもとに「伝統的な中国の神話や道教の教えを説く,啓蒙の場所」として35年にタイガーバーム・ガーデン香港を開き、2年後の37年にはシンガポールにも同様のガーデンをオープンさせた。

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2012年07月04日 vol.025

interview

突撃! 隣の変態さん 3 ラバーマン

フェティッシュ・イベント「デパートメントH ゴムの日スペシャル」で、スレンダーな肢体にぴたぴたのラバーをまとう美男美女がステージを埋める中、際だって異彩を放っていたのがこのひと、「ラバーマン」だった。 フェティッシュ、ビザールというファッショナブルな言葉よりも、「異形」という漢字がいちばんよく似合う、それはただひとり異界に君臨する孤独な王の風情だった。台車の玉座と、ガスマスクの王冠と、ラバーの王衣にくるまれた・・・。

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art

特別集中連載:カッセルでの日々5 (写真・文 大竹伸朗)

ということで、「カッセルでの日々」5回目最終回です。 (中略)ドイツから帰国して2週間あまり、この回の写真の日々からすでにかなりの時間が経ってしまったような、夢の中の出来事であったような不思議な気持ちです。2カ月あまりのチャリの日々と屋外作業のツケか筋肉痛の回復が非常にとてつもなく遅い、というか原因はひとつだけど。がもちろん当然とてもいい経験をさせていただけたと感謝しています。

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art

反抗者としてのガリ版画家

福井良之助の孔版画は、そのガリ版による版画です。ガリ版といえば、ラフなタッチが良くも悪くも特徴なのに、彼の作品は「これがガリ版!」と声を上げずにいられない、すばらしく精緻な版画に仕上がっています。僕も最初に見たときは「ガリ版」というのが信じられず、孔版という言葉をまちがって覚えていたのかと焦りました。

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archive

70歳のマダムが支えつづけるロック・スピリット

歌舞伎町から大ガードをくぐって西口側に出る靖国通りと、いまは大江戸線が地下を走る小滝橋通りの交差点から、北側に広がる新宿7丁目あたり。“新宿”という語感からはちょっとはずれた地味なエリアである。ここが超のつくレア盤からブートレッグ(海賊版)まで網羅した店が一時は50軒以上も林立した、世界一密度の濃いレコードCD屋街でありつづけていることは、一部の音楽ファン以外にあまり知られていない。そういうマニアックなエリアの中で、日本はもとより世界のロック・ファンにとって聖地として輝くのが、新宿レコードである。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

SHOPコーナーへ


圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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