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2013年12月25日 Vol.096

art

神の9つの眼――ジョン・ラフマンの『The Nine Eyes of Google Street View』

今年もいろいろな写真集を紹介してきた。影響をうけるのがイヤだから、現役の写真家の本はなるべく買いたくないけれど、写真家でも編集者でもある身としては、どうしても手にとってしまう本もある。その中で、実は今年いちばんショックを受けた写真集を、今年最後のメルマガで紹介したい。発売は2011年なので、もうご存じの方もいらっしゃるだろうが、ジョン・ラフマン(Jon Rafman)というカナダのアーティストによる『The Nine Eyes of Google Street View』だ(Jean Boîte Éditions, 2011)。

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design

立体写経――荒井美波のトレース・オブ・ライティング

美大の学生や卒業生以外にはあまり知られていないと思うが、「三菱化学ジュニアデザイナーアワード」という公募展がある。現在の協賛企業である三菱化学、三菱ケミカルホールディングスの前に、タバコのラッキーストライクが協賛していた時代から数えれば、すでに十数年になるのだが、その審査員のひとりを、もうずっと務めさせてもらっている。デザイン関連の専門学校、大学、大学院の卒業制作を対象としたこのアワードは、大賞、佳作、それに審査員それぞれの特別賞を、数百点の応募作品のなかから選んで表彰するもので、僕も「都築響一賞」なんてのを毎年ひとりずつ選ばせてもらっている。

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travel

案山子X 4:円野町かかし祭り(山梨)/長崎のかかし祭り(山梨)(ai7n)

こんにちは。ai7n(アイン)です。今年最後となる4回目は、山梨県の「円野町かかし祭り」と「長崎のかかし祭り」を紹介します。最初に山梨県韮崎市円野町下円井の「円野町かかし祭り」を紹介します。「円野町かかし祭り」は今年で20回目を迎えたお祭りで、8月12日~9月8日の4週間に渡って開催されました。つぶら野会館付近の市道円野5号線沿い約200メートルに115体(24タイトル)の案山子が展示され、案山子の人気投票も開催されていました。町おこしとして始まり、現在は町民が気楽に楽しみながら地域の主張を発信するお祭りとなっているそうです。

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travel

フィールドノオト06 茨城県(畠中勝)

レンタカーを走らせること40時間、1泊2日の東北取材の旅。肉体的にはこたえたが生涯忘れない旅ともなった。道中、茨城県を通過。とても美しい沼を発見した。鏡のような空色の水面には存在感たっぷりの元うなぎ店が映りこむ。その姿はまるで沼を守り続けてきた巨神のように静かに朽ち果てていた。こういった美しい場所と荒廃したものが混ざり合って生まれた新風景には、ビジュアル的な表現だけに収まりきれない、ただならぬ気配を感じさせられる。実際のところそれが音なのか匂いなのかは分からないが、不明なその何かを日本の原風景として音としても記録することにした。

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music

ROADSIDE MUSIC:コージー大内&W.C.カラス

今年最後のロードサイド・ミュージックは、クリスマスにふさわしく(?)、日本語ブルースの2本立てをお送りします。登場いただくのはコージー大内とW.C.カラスという、ふたりのブルース・シンガー。今年9月29日のインターFMロードサイド・ラジオで放送した音源の、ノーカット完全版です。10月2日号のメルマガで配信した記事に、最新情報など書き足したものを以下につけておきますので、よかったら記事を読みつつ、バーボンロックも飲みつつ、ぜんぶで1時間8分強、どろどろに濃い弁ブルースの世界を、大掃除なんて忘れてどっぷりお楽しみください!

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2013年12月18日 Vol.095

art

ヴェネツィア・アート・クラビング:ビエンナーレ報告 2

先週に続いてお送りするヴェネツィア・ビエンナーレ報告・後編。ビエンナーレ史上最年少ディレクターとなったマッシミリアーノ・ジオーニによる企画展示『The Encyclopedic Palace = 百科事典としての宮殿』の、ふたつの会場のうち、先週はジャルディーニの作品群をピックアップして紹介した。今週はもうひとつのメイン会場となった、元国立造船所アルセナーレでの展示から、本展の特徴であるアウトサイダー・アーティストたちの作品を中心にお見せする。ちなみに13世紀に建造されたアルセナーレは、長さ300メートルという巨大な縦長の建造物である。

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世界を桃色に染めて  ――本宮映画劇場ポスター・コレクション3

これまで2週にわたってお送りしてきた、福島県本宮市の奇跡の映画館・本宮映画劇場館主・田村修司さんのポスター・ライブラリー。先週まではピンク=独立系成人映画――日活、東映、大映、東宝、松竹というメジャー5社に属さない小規模な制作配給会社によってつくられた、インディーズのポルノ映画――を紹介してきたが、最終回となる今週は、ちょっとテイストの異なるふたつのジャンルをお見せする。すなわち、怪談と女湯!

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隙ある風景 ROADSIDERS' remix 08 2013年を振り返って(ケイタタ)

いよいよ年の瀬となりました。今年9月より始まった『隙ある風景』もみなさんのおかげで無事年を越せそうです。今回は、今年最後の記事ということで2013年を「隙」とともに振り返って行こうと思います。

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ROADSIDE MUSIC:アシッド・マザーズ・テンプル

先週土曜日(12月15日)は僕が大好きなバンド「アシッド・マザーズ・テンプル(AMT)」のファンにとって楽しみな、年にいちどの恒例「AMT祭り」が名古屋のライブハウス得三で開催され、僕も行く気マンマンだったのに、どうしても時間が空かずに涙のリタイア。屈辱の土曜日になってしまいました。そのかわりと言ってはなんですが、今週のロードサイド・ミュージックでは、去る10月6日にインターFM・ロードサイドラジオで放送したばかりの、8月24日に秋葉原グッドマンで開催されたAMTのライブをお届けします。1時間のラジオ番組では3曲、それも最後はフェイドアウトを余儀なくされましたが、今回は2回のアンコールを含めた全2時間35の熱演を、ノーカットでお送りします! 2時間半でもぜんぶで7曲ですが・・・。

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2013年12月11日 Vol.094

art

ヴェネツィア・アート・クラビング:ビエンナーレ報告 1

ヴェネツィアはとてもむずかしい街だ、とりわけカメラマンにとっては。だれが、どこを、どう撮っても美しく、同じになってしまう。飲み込まれてしまうのは簡単で、飲み込むのはとてつもなく困難だ。20代からいままでイタリアには数え切れないほど行ってきたが、ヴェネツィアだけは敬して遠ざける、みたいなところがあって、この11月に会期終了直前のビエンナーレを訪れたのが、実は人生初のヴェネツィア体験だった。現代美術は好きだけれど、どんどん難解になっていくハイ・アートの世界観と、大物キュレイターとギャラリストのパワーゲームみたいな巨大イベントには興味が持てなくて、これまでヴェネツイア・ビエンナーレを筆頭とする有名な国際的美術展には、ほとんど食指が動かないままだった。

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世界を桃色に染めて――本宮映画劇場ポスター・コレクション2

先週に続いてお送りする、『独居老人スタイル』(12月19日単行本発売!)で取り上げた福島県本宮市の奇跡の映画館・本宮映画劇場館主・田村修司さんが、ひそかにコレクションしてきたピンク映画を中心とするポスター・ライブラリー。先週説明したように、ピンクとは基本的に独立系成人映画――つまり日活、東映、大映、東宝、松竹というメジャー5社に属さない小規模な制作配給会社によってつくられた、いわばインディーズのポルノ映画を指す業界用語だ。そのなかでも、これほどインディーズなプロダクション(当時は「エロダクション」とも呼ばれた)は・・・と驚かされた、内外フィルムの傑作ポスター群を先週は一挙掲載したが、今週はほかのエロダクションが残した異形のグラフィックを、たっぷりご紹介する。

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フィールドノオト05 恐山(畠中勝)

恐山へいってきた。下北駅からの道中、地元のタクシー運転手が話をしてくれた。「霊場には小さな石がたくさん積んであるんだけんども、それは地元の人間が先祖代々ひとつひとつ毎年積んできた石なんですよ。その石の山は台風が来ても地震がきても崩れたことがない。本当に不思議ですよね」。この霊場が持つ信仰を鵜呑みにするには僕自身まだまだ学が足りない。しかし多くの人を引き寄せてきたこの山自体の奇妙な“磁場”に一層興味を惹かれていった。

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ROADSIDE MUSIC チプルソ降臨!

今年5月20日のインターFM・ロードサイドラジオで放送した、2枚目のアルバム・リリースを記念しての「リリパ」――去る4月5日に大阪心斎橋・アメ村のクラブ・クラッパーで行われたステージ。1時間の放送ではカットしなければならなかったぶんを、今回はノーカット完全版。フリースタイル・マイクリレーとなったアンコールまでの1時間10分にわたるステージを、まるごと聴いていただきます。数々のマイクバトルでも圧倒的な実力を披露してきたチプルソの、CDとはまたちがう、ナマの息づかいがダイレクトに伝わってくるロングセットのライブ。たっぷりお楽しみください!

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2013年12月04日 Vol.093

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世界を桃色に染めて――本宮映画劇場ポスター・コレクション1

去年8月、筑摩書房のウェブマガジン連載『独居老人スタイル』(12月19日単行本発売!)で取り上げた福島県本宮市の、奇跡の映画館・本宮映画劇場と、館主の田村修司さんの物語を、本メルマガ読者のみなさんはお読みいただけただろうか――。取材時に田村さんから見せてもらった秘蔵ポスター&チラシ・コレクションは記事中でたっぷり紹介したが、今年9月に開催された『アサコレ ASAKUSA COLLECTION』で、さらなる秘蔵コレクションの一部が公開された。「まだこんなにあったんだ!」と衝撃を受けた僕は、取るものもとりあえず本宮を再訪。去年の取材では見ることのできなかった、ウルトラディープなポスター・コレクションに対面し、しばし言葉を失いつつ、汗みどろで複写に没頭した。

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book

昭和という故郷――本橋成一と小沢昭一の写真集

先月末から今月にかけて、昭和の空気を捉えた見事な写真集が2冊、重なるように刊行された。ひとつはこのメルマガでも今年6月19日号で紹介した『上野駅の幕間』の著者・本橋成一による『サーカスの時間』(河出書房新社)、もう一冊は昨年(2012年)12月に亡くなった小沢昭一の『昭和の肖像<町>』(筑摩書房)である。本橋さんの『サーカスの時間』は、『上野駅の幕間』に続く再刊プロジェクト。旧版は1980年に出ているから33年ぶりの再刊ということになるが、「旧版から写真を大幅に差し替え、増補再構成した決定版!」とのこと。大判で200ページを越える、ずっしり重量級の造本で、モノクロームの印刷も深みをたたえて美しい。さらに巻末には小沢昭一さんと、サーカス曲芸師のヘンリー・安松さんの対談も収められている。

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photography

隙ある風景 ROADSIDERS' remix 07 サラリーマン(ケイタタ)

今回のテーマは「サラリーマン」。日常の仕事の中で、そして、通勤途中でサラリーマンを見るたびに、サラリーマンというのはどこか違う生物のように感じてきました。それは街中でホームレスの人々を見たときに自分とは違う種族の人間だと思うような感覚と近いもの。今日はその隙あるサラリーマンの姿を写真と言葉で表現していきたいと思います。

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ROADSIDE MUSIC:DJ CASIN「ヒップホップの詩人たち」ミックス!

ヒップホップのミックスCDが好きなひとなら、DJ CASINの名前をご存知だろうか。DJ CASINは仙台をベースに、コンスタントなペースで独自のミックスCDを発信し続けるDJであり、ビートメイカーである。そのDJ CASINと初めて会ったのは、今年2月のこと。『ヒップホップの詩人たち』発売を記念して、仙台のクラブ・パンゲアで開かれたトーク&ライブ・イベントで、書籍で取り上げたラッパー15人の音源だけを使用したDJプレイを、1時間にわたって繰り広げてくれたのだ。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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