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2017年12月13日 Vol.287

art

シュリグリー的「バカの壁」

思い返してみると、子どものころにいちばん惹かれたのはイギリス/アイルランド文学のユーモア感覚だったかもしれない。『ドリトル先生』や『アリス』はもちろん、『ガリバー旅行記』からジェローム・K・ジェロームの『ボートの三人男』まで読み耽っているうちに、たしか中学の終わりくらいにテレビで『モンティ・パイソン』が始まり・・・皮肉と笑いが絶妙にブレンドされた、あのブリティッシュ/アイリッシュ・ユーモアとしか表現しようのない感覚に、深く影響されていったのだった。バーナード・ショーがイサドラ・ダンカンだかサラ・ベルナールだかの「あなたの頭脳と私の肉体を持った子どもが産まれたら、どんなに素晴らしいでしょう」という口説きに、「私の肉体とあなたの頭脳を持った子どもが産まれたら大変ですよ」と返したという有名な逸話を読んで、こんな切り返しができるオトナになりたいと憧れるような、ヒネた少年時代だった(ちなみにドリトル先生シリーズはアメリカで発表された作品だが、作者のヒュー・ロフティングはイギリス人)。水戸芸術館で開催中のデイヴィッド・シュリグリー『ルーズ・ユア・マインド——ようこそダークなせかいへ』展を観て、久しぶりに濃厚なブリティッシュ・ユーモアを堪能することができた。「ルーズ・ユア・マインド」とは、「正気を失え!」みたいな感じだろうか。

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food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 02『羽田の運河に浮かぶ船上タイ料理屋』矢野優(編集者)

そのタイ料理屋は、羽田空港に近い運河に停泊した大きな船の中にあった。船まるごとがレストランだった。辺りは薄暗く人通りがなく、船内に吊られた裸電球の黄ばんだ光で運河上に浮かび上がる船は、まるで映画のセットのように忽然と姿を現した。何十席もあったのに、客は僕と友人の2人しかいないようだった。たしか1990年代中程のことだった。その船上タイ料理屋に連れていってくれたのはA君という友人だ。

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lifestyle

新連載! 肉筆――ゆきこの日々これ風俗  01 「パキる」~風俗嬢とお薬の話(文:ウズメゆきこ)

ひょんなことから知り合ったウズメゆきこさんは10代から風俗業界で働いてきて、僕が出会ったときは歌舞伎町で半裸ポールダンスをしていたけれど、いまは売れっ子泡姫。会うたびに(店でじゃないですけど)いろんなお話を聞かせてくれて、それがひとりで聞くにはもったいないくらい興味深いので、メルマガで披露していただくことにした。実話誌や夕刊紙の風俗嬢幻想でもなく、性を仕事とすることへの問題提起でもない、いまそこにあるリアリティとしての風俗。業界に生きるものだけが知る、その肉声に耳を傾けていただけますよう!

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travel

Back in the ROADSIDE USA 60 Wild Mountain Man, Hancock, Maine

メイン州の海沿いにのびるハイウェイ1号線を北上している最中、道端にカラフルな木彫りの彫刻が並べられているのが目についた。クルマを停めてみたが、彩色を施した完成品と、削りかけの材木が屋外にごちゃごちゃ置いてあるだけ。だれも出てこないので、次のスポットに向かったものの、なんだか気にかかって、その日の午後にハイウェイを引き返して、もういちど寄ってみることにした。置きっぱなしの彫刻を目印にクルマを近づけると、今度はブーンと軽快なチェーンソーの音がしている。見れば、極太の材木を相手に、ヒゲもじゃの男がひとり、木くずだらけになって電気ノコを振り回している。

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2017年12月06日 Vol.286

lifestyle

1968年という「いま」

先週短くお知らせしたように、いま千葉・佐倉の国立歴史民俗博物館で『1968年―無数の問いの噴出の時代』という注目の展覧会が開催中だ。会期があと数日となってしまった時点で申し訳ないが、あらためて紹介しておきたい。全共闘、ベ平連、成田三里塚、水俣・・・けっして派手でもなく、ましてインスタ映えする展覧会でもないのに、僕が訪れた週末も予想をはるかに超える観覧者で大盛況だった。当時を懐かしむ60~70代のひとたちも多かったけれど、1968年には生まれてもいなかった若いひとたちの姿もずいぶんあった。

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food & drink

新連載! Neverland Diner 二度と行けないあの店で 01

誰にでも、二度と行けない、あるいは、二度と行かない、あの店がある。インスタ映えとか、食べログ3.5点以上!とかのおかげで、わたしたちの最近は「どこに新しいお店ができて、あそこのあの料理は最高に美味しくて、あの店にまだいってないの?」ということばかり。そりゃ人生、できたら美味しいものばかり食べていきたいけど、でもそれより、「どこにあるかわかんねー」とか「もうなくなっちゃったよ」とか「事情があっていけない」とか「やらかしていけない」とか「くっそまずくてもう行かねえ!」とか、そういう誰かの二度と行けない(行かない)店のほうが、よっぽど興味がある。これから1年と少しをかけて、そんな「あの店」を集めた連載を始めます。どの店もドアを3cmくらい開けて、覗き見したくなるに決まってる。残念ながら、行けないんだけど。

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travel

新連載! ROADSIDE CHINA――中国珍奇遊園地紀行 01 湖北省(写真・文:関上武司)

今年1月11日配信号で紹介した『中国遊園地大図鑑』の著者・関上武司。いまも会社員生活の休みをフル活用して、中国各地の味わい深い遊園地を撮影に走り回っているという。直に会って旅のエピソードを聞いていると、メディアが報道する「野蛮で危険な大国」とはまったく別物の、リアルでフレンドリーな暮らしが見えてくる。とても書籍には収まりきらない発見や出会いの旅日記を、これから毎月書いてもらうことにした。第1回は中国の真ん中にある湖北省から!

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travel

Back in the ROADSIDE USA 59 The House on the Rock, Spring Green, WI

ウィスコンシン州スプリンググリーンは、フランク・ロイド・ライトのアトリエ、タリエセンがあることで、建築ファンにはよく知られた土地である。地元で不動産業を営むかたわら建築デザインも手がけていたアレックス・ジョーダンは、友人らとともにタリエセンにライトをたずね、自分のデザインを見せたが、ライトの「あんたには才能がない」という非情な一言とともに、図面をつき返されてしまう。恥をかかされ、復讐を誓ったアレックスは、タリエセンを見下ろす小高い丘を手に入れ、ライトの建築に対する壮大なパロディ建築を建てようと決心した。その遺志を継いだ息子ジョーダン・ジュニアが1940年代はじめから本格的な建設に着手し、59年に一般公開されたのが「ハウス・オン・ザ・ロック」。しかしハウスは単なるパロディにとどまることなく、ジュニアの手で思いがけないスケールへと増殖していった。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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