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長距離ロッカーの孤独

この3月、札幌の小さな映画館で、あるドキュメンタリー映画が1週間だけ公開された。主人公は札幌在住の、まったく売れない中年ミュージシャン。監督はこれが映画初挑戦という、美容院とスープカレー屋の経営者。いったいこれ以上、地味な組み合わせがあるだろうか・・・。しかしこの映画『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』は、公開直後からなんと連日満員の大盛況。今月30日からは映画館「蠍座」の開館以来、17年間で初めてのアンコール上映が行われるのだという。映画にはほんのときたま、こういう奇跡が起きる。だから信じられるのだけれど、それにしても・・・。『KAZUYA 世界一売れないミュージシャン』とは、こんな映画だ――。

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デジタル紙芝居としての『燃える仏像人間』

京都駅からJR奈良線で30分足らず、お茶で有名な宇治市の住宅街。ナビを頼りに迷路のような新興住宅地をタクシーで走り、一軒の家の前で停まると、まだ大学生と言っても通るような青年が玄関を開けてくれた。それが去年、アニメ映画界の話題をさらった『燃える仏像人間』の監督・宇治茶さんだった。昨年末には第17回文化庁メディア芸術祭のエンターテイメント部門で、優秀賞を受賞した『燃える仏像人間』については、すでに多くの紹介記事が出ているし、全国の上映イベントで作品を観たひとも少なくないだろう。いわゆる「劇メーション」の手法で制作された、非常に特殊なアニメ作品だ。

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非現実の映像王国で

「とにかくすごいんです!」と、本メルマガで『案山子X』を連載してくれているai7nさんから伊勢田監督のことを聞いたのは、もう2年ほど前のことだった。アウトサイダーにも絵画とか文学とか建築とか、いろいろな分野があるけれど、「アウトサイダー映像作家」というのは、初めて聞くジャンルでもあった。いつかはお会いしたいと思いながら果たせないでいるうち、この4月に伊勢田監督が「PVデビュー」を飾ることになったと知った。それもプロデュースが、やはり本メルマガで『隙ある風景』をずっと連載してくれて、最近では「商店街ポスター展」でも注目されるケイタタ=日下慶太さん。そしてPVのアーティストは、なんと中田ヤスタカがPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅに続いてデビューさせる期待の新人・三戸なつめだという・・・信じられない。業界的にはかなりのプロジェクトのはずが、こんなふうに決まっちゃっていいんだろうか!(笑)

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ヴィヴィアン・マイヤーを探して

この数年でもっとも話題になりながら、なぜか日本ではいちども展覧会が開かれず、輸入された写真集は大人気でありながら日本版が出版されることもない、知る人ぞ知る存在だった写真家、それがヴィヴィアン・マイヤーだ。メールマガジンでもずいぶん前から紹介したかったのだが、種々の理由でなかなか実現できないでいた。すでに各メディアで告知記事を読まれた方も多いと思うが、アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門(第87回、今年2月開催)にもノミネートされた映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』が、10月10日からの渋谷シアター・イメージフォーラムを皮切りに、各地で公開される。まさに待望!のリリースだろう。

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黒点としての『クズとブスとゲス』

最近日本映画が元気だという声をよく聞く。特に若手の作家が目立っていて、それはそのままテレビ界が彼らの才能を活かせないほど凋落しているからでもあるのだろう。ただ、そうした作品にありがちな「日常を淡々と丁寧に描写する」スタイルには、個人的にはほとんど興味が持てなくて(それは小説も同じことだが)、「でもこれだけは絶対観て! わたしもう10回観たから!」と飲み屋のママから熱烈推薦され、上映時間141分という長さにたじろぎながらも観ることになったのが『クズとブスとゲス』だった。奥田庸介という若い監督の『クズとブスとゲス』が公開されたのは2016年。当時一部で話題にもなったので、なにをいまさらと言われるかもしれないが、公開後なかなか映画館にかかる機会がなかったのが、ようやくDVDがリリースされることになった(4月21日TSUTAYA先行でレンタル開始)。

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負け組音楽映画の真実――『シュガーマン』と『ジンギス・ブルース』

今週末からいよいよ『シュガーマン』の上映が始まる。正式タイトルは『シュガーマン 奇跡に愛された男』だが、『サーチング・フォア・シュガーマン』という原題のほうがずっといいなあ・・・などと思っていたら、アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門を受賞してしまった。今年は作品賞も実話をもとにした『アルゴ』だったし、「なんとか2」とか「3」とかばかりに巨費を投じるハリウッドの制作スタイルが、すでに限界に達していることを示しているのかもしれない。もうテレビでも新聞雑誌でもずいぶん紹介しているので、いまさらここで書く必要もないと思うが、『シュガーマン』はロドリゲスという実在のミュージシャンをめぐる、数奇としか言いようのないドラマを映像化した作品だ。

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石巻のパラダイス・ガラージ――パールシネマ潜入記

ちだ原人のインタビューにも協力いただいた石巻のデッドヘッズカフェ『ROOTS』を紹介した去年12月12日配信号で、ちらっとお見せしたのが石巻商店街にある宮城県内唯一の成人映画館『日活パールシネマ』だった――。もともとは石巻で酒蔵を始めた、現在のオーナー清野太兵衛さんの先代が、大正15年に石巻歌舞伎座といいう芝居小屋を建立。芝居の合間に日活の活動写真を上映するようになり、昭和26年に現在の劇場を建て、しばらくダンスホールとして営業したのち、昭和30年から映画館としての営業を始めたという。

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プリミティブであること、ノマドであること ――チャラパルタの教え

どうやって演奏するのか、どんな音が出るのか、見当もつかない楽器に出会うと、すごく興奮する。オーストラリアで初めてディジリドゥを見たとき。楽器屋の片隅で口琴を見つけたり、アフリカ音楽のアルバムで親指ピアノを初めて聴いたとき。ニューエイジ系の飲み屋で、中華鍋をふたつくっつけたようにしか見えないハングドラムを叩いてみたとき。しかしこのチャラパルタというのは・・・。材木をてきとうに切って並べた作業台らしきものを前に、ふたりの男が立っている。太鼓のバチみたいな棒を両手に持って、ひとりが台の材木をポン、と叩く(というか棒を材木の上に落とす)。

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はぐれAV劇場 03 花公路夏男のSM放浪記(文:大須蔵人)

私が専門にしている「ヌケないAV」というのは、もちろんジャンルとして区分されている訳ではなく、何らかの理由(失敗、狙いハズレ、無計画)によって、いわば偶発的に世に送り出されたものといっていい。もちろんこれらは、別に「ヌケない」ために発売されたものではないので、他の多くのAVと同じように販売され、レンタルビデオ屋の棚に入り、時期を過ぎて廃棄され消えていくという過程で、たまたま拾われ、その収録内容によって不名誉にも「ヌケないAV」という称号のもとで世間に曝されるに至ったというものである。

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孤高の伊勢田監督・新作発表会!

夜ともなれば『ミナミの帝王』の主題歌『欲望の街』(by RIKI)が聞こえてきそうな大阪ミナミ・宗右衛門町あたり。しかし昼間は歌舞伎町以上に前夜の疲れを漂わせる、肌荒れムードの街景が広がっている。その宗右衛門町の11月14日、土曜日午後1時。雑居ビルのなかにあるロフトプラスワンウエストで、『伊勢田勝行監督作品・新作上映会 ~いせださんとつくってあそぼ~』が開催された。流行には敏感だが、流行を超えたものには鈍感な大阪だけに、残念ながら満員にはほど遠い集客だったが、それでも十数名の選ばれし者たちが暖かく見守る中、伊勢田監督はゲストの日下慶太、ai7n両氏(どちらもメルマガではすでにおなじみ)を相手に、新作上映、お客さんとのコラボ撮影、コスプレワークショップなど、多彩なプログラムをエネルギッシュにこなしてくれた。

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『BAZOOKA!!!』の遺産

高校生ラップ選手権、北九州成人式、ヤリマンの主張、練マザファッカーx新垣隆・・・バラエティ番組のかたちをとりながら、地上波ではとうてい望めないひりついたリアルを毎回教えてくれた『BAZOOKA!!!』が終わってしまって、もう2ヶ月になる。僕も何度か出演させてもらい、このメルマガでも高校生ラップ選手権を中心にお伝えしてきたので、『BAZOOKA!!!』ファンの読者もきっといるはず。番組終了から少し時間が経ってしまったけれど、まだYouTube上にはたくさんの映像が残っている。今回は総合演出の岡宗秀吾さんと、僕を『BAZOOKA!!!』に誘ってくれた構成作家の堀雅人さんにお話を聞きながら、このユニークな、というより日本のテレビ業界では奇跡的と呼びたい番組を振り返っておきたい。

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ズレの神様 ―― 灰野敬二と大竹伸朗

先週から渋谷の映画館で『ドキュメンタリー灰野敬二』が始まっている。ツイッターやブログなどでもずいぶん話題になっているので、このメルマガ読者の方々でも、すでに観たひと、これから観るつもりのひとがいらっしゃるだろう。灰野敬二は1952(昭和27)年生まれ。今年還暦にして、もう40年間にわたって「轟きわたる静寂 優しすぎる轟音」(映画コピーより)という唯一無二の音楽をつくってきたアーティストだし、監督の白尾一博は『美代子阿佐ヶ谷気分』や、僕の好きな『ヨコハマメリー』のプロデューサー兼編集を担当している注目の映像作家なので、おもしろくないわけがない。

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われらのクラシカル・エレガンス――JUN&ROPÉの'70年代CF

このあいだ歌舞伎町ロボットレストランについて書いた『ヌメロ・トーキョー』誌の、いま発売している号で、1970年代のJUNグループのコマーシャルについて書かせてもらっている――。テレビがおもしろくない、とみんなが言う。そのとおりだ。でも、もっとおもしろくないのはテレビのコマーシャルだ。売れてるタレントが商品名を連呼するだけのコマーシャル。外国人俳優にバカな役を振って遊んでる(と思ってる)、リスペクトのカケラもないコマーシャル。芸人の15秒一発ネタみたいなコマーシャル。そこには美しさも、品位も、世界でいちばん短い映像作品をつくってやるという気概も、なにもない。

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新連載 はぐれAV劇場 01 大阪の筋肉女装ホモ〜もうひとりのアタシ〜(文:大須蔵人)

男のオナニーのための道具、というのがAVの基本的な役割で、それはいまでも変わりないけれど、欧米のポルノビデオとは違って規制があるために、かえって独特な映像表現が発達したともいえる日本の(表)エロビデオ。そのなかには「オナニーツール」の役割を超えて、あるいは役割に足りないままに、シュールな映像作品になってしまったものが少なくない。アートでもなく、ポルノでもなく、伝統的な映画でもなく。そうした「ワケのわからないAV」は、当然ながら有名女優とも大ヒットとも無縁の商品だから、時を経て探すのがいちばん難しい作品でもある。大須蔵人さんはそんな、はぐれAVばかりをもう10年以上収集しているユニークなコレクター、というより大衆文化のフィールドリサーチャーだ。

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はぐれAV劇場 02 当たりハズレ付き まっ暗闇合同SEX 女5人vs男10人(文:大須蔵人)

「あんたんとこに柿の木あるの」「ハイ、あります」「よう実がなりますか」「ハイ、ようなります」「わたしが上って、ちぎってもよろしいか」「ハイ、どうぞちぎってください」「そんならちぎらせてもらいます」これは、反骨の民俗学者として知られる赤松啓介が、自身の実体験に基づいて記録した「柿の木問答」というやりとりからの一篇である。主に筆下ろしや、初夜に交わされたやりとりで、「要するに未知、未通の男女の初床入りの儀礼であった」(赤松啓介『夜這いの民俗学・夜這いの性愛論』筑摩書房)というように、初めて性交をおこなう男女が、この問答を通じてお互いの緊張、戸惑いを緩和し、初通をスムーズに達成するためのメソッドとなっていた。暗闇のなか、どんな相手かもわからないままに、作法の順番を柿の実取りに見立てて進んでいく。それが、性交の手引きであると同時に、コミュニケーションツールになるという、極めて合理的な役割をになっていたといえる。

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はぐれAV劇場 04 実録SEX犯罪ファイル(文:大須蔵人)

アダルトビデオの世界は、あらゆる人間に寛容だ。他の業界で失敗した人間や、行き場を失った芸能人、果ては犯罪者までもが特に差別をされることもなく受け入れられる。むしろ、そういった後ろ暗さをネタとして消費するような機構が確立されているといってもいい。今回紹介するのは、まさにそういった「犯罪」と「犯罪者」をテーマにした作品である。1998年に発売された『実録SEX犯罪ファイル』(BAZOOKA)の監督は高槻彰。平野勝之、井口昇といった個性的な映像作家を輩出し、90年代にAVの範疇に収まらない濃厚なドキュメント作品を量産した制作会社(現在はメーカー)、シネマユニットGASの代表である。高槻監督は、ドキュメントAVファンのなかでは知らぬ者のいない巨匠であり、なかでも今回の作品は、ビデオ情報誌『ビデオザワールド』(コアマガジン)で98年度上半期ベストワンを獲得するなど、名作として語られる機会も多い、いわゆる大ネタである。

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浅草が発情した日――SODプレミアム・イベント密着記(写真:多田裕美子)

9月11日、浅草で『SODプレミアムフォトラリー』『SODプレミアムナイトin浅草』という2つのイベントが開催された。SOD(ソフト・オン・デマンド)は言わずと知れた老舗AVメーカー。正統派美女をフィーチャーしたものから、時にはシュールですらある実験的作品まで、時代をリードするコンテンツを制作・販売してきて、今年がちょうど創立20周年にあたる。今回のイベントはSODのDVD作品を購入し、ポイントを貯めた上位1000人を招待して、浅草の遊園地花やしきを一夜貸し切り、女優120人とともに大パーティを開こうというクレイジーな企画。さらに昼間は浅草のさまざまな店舗に人気女優を配置。参加者は自由に写真撮影を楽しめ、同時にスタンプを集め、それが規定数に達した先着50名が、花やしきのパーティに参加資格を得るという・・・浅草が鼻息荒い男子たちに占領された一日だった。

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地上波で秘宝館が見られる日

今月いっぱいで鬼怒川秘宝殿が閉館し、ついに現役の秘宝館が熱海ひとつだけになってしまうこともあって、にわかにいろんなメディアで秘宝館の話題が見受けられる・・・遅いよ! とはいえ、ついに地上波でも(深夜枠とはいえ)秘宝館のドキュメンタリーが、それも1時間番組で放映されると聞くと、ちょっと感慨深いものもある。秘宝館と同じくらい、いまや絶滅危惧種になってしまった民放の硬派ドキュメンタリー番組のなかで、貴重な生き残り組であるフジテレビの「NONFIX」。水曜深夜2時半〜3時半(26:30〜27:30)という、ラッパーのライブみたいな時間帯ではあるものの、シリアスからサブカルまで、だれもが起きてる時間には決して放映されない種類のプログラムで、ファンのかたもけっこういらっしゃるのではないか。

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はぐれAV劇場 05 アニマルプリント(文:大須蔵人)

以前、南アフリカに行く機会があり、そこでサファリツアーに参加した。船で川を下りながら、岸辺に生息する自然の動物たちを眺めていると、象が水浴びをする横に、カバの親子がたたずみ、親カバの上には水鳥がとまり、その足下にワニがいる。そんな生き物の共生の場を目の当たりにして、ふと思った。人間は他の生物と、このようには共生できないではないかと。カバが、急に水に潜りだし、背中にとまっていた水鳥がビックリして飛び上がり、ワニはさっと道をあけるような、あの協力と無関心の、共生というよりもむしろ生物並存とでもいうべき平等状態のなかに人間が入ることができるだろうか? のんびりした動物の世界を見ていると、ああいう風に生活してみたいなと思うこともあるだろう。でも人間は動物と平等に生きることはできないだろうし、動物が自由に生きているように見えるのも、また人間からみた自然への憧れに過ぎないのだろう。そんなことを考えさせられるのが今回紹介する作品『アニマルプリント』である。監督はソフト・オン・デマンド(SOD)でハード系作品を多く手がけるモリタ寿(ことぶき)、本作も2001年にSODからリリースされたものである。

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はぐれAV劇場 06 美女とわき毛(文:大須蔵人)

フェデリコ・フェリーニの『そして船は行く』(1983年)のオープニングは、豪華客船の出航準備をする波止場の風景を映した、白黒サイレントの映像ではじまる。そのぎこちない動きの映像にカタカタと映写機の動作音が重なり、それがやがてトーキーとなり、カラーになって、船が出港する本編へと繋がるという場面である。フェリーニはこの1シークエンスで映画の誕生からその発展の歴史を足早におさらいするという演出を試みているのである。作品の内容からすると、この演出は映画史へのオマージュであるとともに、映画へのレクイエムであるとも考えられる(ラストシーンでは歴史が逆行してサイレントへと戻っていく)。このように、作品のなかでその作品が成立する背景を反省的に捉え直すものは少なくない。とはいえ、それは映画や音楽といった豊かな「歴史」をもったメディアの話であって、AVでそういったものを目の当たりにする機会はほとんど無いといっていい。そもそもAVには正史と呼べるような発展史が存在するとも、それが周知のものであるともいい難いというのが実情ではないだろうか。今回紹介する作品は、AVにおいて、そのAVの歴史を再演するかのような極めて稀な作品である。今回は、この作品の紹介を通して、日本におけるAVの発展史をおさらいしてみたいと思う。

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路地裏のビンテージ・エロ――フランス最後の成人映画館ル・ビヴァリー潜入記

メトロのボンヌ・ヌーヴェル駅を降りると、目の前にアールデコ様式の巨大な映画館がそびえている。「Le Grand Rex(グラン・レックス)」は1932年に開館、収容人数2700~2800人を誇るパリ最大の映画館だ。そのレックスから徒歩30秒、カフェ脇の小路を入った先に客席数90、サイズから言えばレックスの1/10どころか1/100くらいの「ル・ビヴァリー(Le Beverley)」がある。こちらはフランスで唯一、1970年代から80年代にかけてのフランス製ポルノ映画を、いまも35ミリ・フィルムで上映し続けている「成人映画館」。フランスではすでに1990年代に35ミリ・ポルノ映画最後の配給会社が消滅したというから、ここはヴィンテージ・フレンチ・ポルノを銀幕で、オリジナルの状態で鑑賞できる、唯一の重要な上映館なのだ。

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はぐれAV劇場 10 『ふるさと創性論 季実子の玉おこし』(文:大須蔵人)

年末年始にかけて、多くの人たちがそれぞれの故郷へと里帰りしたことだろう。家族や親戚、地元の友人との再会を喜び、四方山話をして楽しい時間を過ごした人もいれば、「結婚はいつか」「早く孫の顔が見たい」などと小言をいわれてウンザリという人もいるかもしれない。いずれにしても、故郷には普段の生活とは全く違った人間関係があり、それは懐かしくもあり、また面倒だったりもするのではないだろうか。意外に思われるかもしれないが、AVには “里帰り”をテーマにしたドキュメンタリーの傑作が多い。それは女優の里帰りを追ったものから、監督やスタッフ、男優の里帰りを追ったものなど様々である。

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キューバの映画ポスター展

終了間際の紹介になってしまい恐縮だが、いま東京・京橋の近代美術館フィルムセンターで『キューバの映画ポスター』展が開催中だ(3月27日まで)。フィルムセンターは映画ポスターの展示にずいぶん力を入れていて、ほとんど毎年一回は世界各国の映画ポスターの展覧会を開いている。そこには映画史やグラフィック・デザインへの興味もあるだろうが、それ以上に本来は宣伝広報の媒体にすぎないはずのポスターが、ときにその国や時代の映画人たちの、映画にかける思いを体現するメディアとなっているからでもあるのだろう。

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『牡丹の囁き』完成記念上映会によせて

4月10日、渋谷アップリンクで一本の映画の完成記念上映会が開かれる。たった一日、2回の上映だけ。このあとの上映はまだ決まっていない。『牡丹の囁き』と題されたその映画は、緊縛師として活躍する奈加あきらを追ったドキュメンタリーである。監督はフランス人映像作家ヴァンサン・ギルベール。「外国人から見た日本のSM文化記録」という、ありがちな視点を大きく逸脱した、苦痛と陶酔の映像詩というべき作品に仕上がっている。今回は連載『はぐれAV劇場』でおなじみの大須蔵人さんに、急遽レビューを書いていただいた。今週末という慌ただしい上映会ではあるが、記事の末尾に触れられているように、ギルベール監督、奈加あきらさんによるトークや、「女性限定・奈加あきら緊縛パフォーマンス付き」という興味深い上映もあり。日本人によるSM緊縛映像とはまた別の視野からの、美のアンダーワールドを堪能していただけたらと願う。

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はぐれAV劇場 12 『最後の露出:ラバーペイント過激露出の巻』(文:大須蔵人)

街を舞台にしたAVの花形は「ナンパもの」だが、もう一つ、街を舞台にしたオルタナティヴなジャンルとして安定した人気を得ているのが、いわゆる「露出もの」だ。露出プレイというと、もともとSMの調教だったり、あるいは投稿雑誌に写真を送ってくるような好きものカップルの過激な戯れといった印象が強い。AVのジャンルとしても基本的にはそういった、SMやビザール的なカテゴリーのなかにあったもののように思える。このジャンルに特化したマニアも多く、ネットでも専用の批評サイトやブログが幾つもみられる。

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はぐれAV劇場 14『全裸チャレンジャー108人:松本和彦・MVGスペシャルディレクターズバージョン』(文:大須蔵人)

今回紹介する作品は、おそらくAVが最もテレビを志向した動きの只中で、「AVの本質とは何か」を問うた作品といえる。しかもこの作品は、AVではかなり珍しいと思われる、ディレクターズ・カット版という代物だ。作品は、1998年にソフト・オン・デマンド(SOD)からリリースされた『全裸チャレンジャー108人:松本和彦・MVGスペシャルディレクターズバージョン』。そして、このディレクターズ・カット作品の監督であり、主役でもあるのがM's ビデオ・グループ(MVG)を率いた松本和彦だ。本作の経緯を簡単に説明すると、もととなっているのは、108人の全裸女性が集結し、賞金獲得をめざして体育からアトラクション、大食いまであらゆるエクストリームな競技を繰り広げる『全裸チャレンジャー108人』(監督:鎗ヶ崎麿羅、1998年)という、SOD設立以来の目玉作品だった「全裸シリーズ」初期の集大成といえる作品だ。

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はぐれAV劇場 15『松野行秀の堕落論』(文:大須蔵人)

スキャンダルは一度利用したら最後まで押し通せ! このテロップとともに作品は始まる。画面には派手な衣装に身をつつみ、マイクを持って話す1人の男。その背後にはタイガー・ジェット・シンのポスターが貼られていて、どうやらプロレスラーの試合後会見のようだ。そこで満身創痍のまま、ピエロのような白塗りの顔で会見をしているのが、本作の監督であり、主演男優でもある、ゴージャス松野こと、松野行秀だ。今回紹介する作品は、2002年に制作された『松野行秀の堕落論』。上記のように監督と主演を、AV初出演となる松野行秀が担当し、松野さんが「AVに出演すること」そのものがテーマとなっている、類まれな珍作だ。

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はぐれAV劇場 17 石垣章監督『奇妙な果実』(文:大須蔵人)

去年、創立30周年を迎えたV&Rプランニングという老舗AVメーカーがある。「タブーから社会を見つめる」という強力なコンセプトのもと、社長である安達かおる監督を中心に過激なドキュメント作品を連発し、メジャーにありながら挑戦的な企画を仕掛けた、まさに正統派異端メーカーといえるだろう。カンパニー松尾、バクシーシ山下といった個性的な作家を輩出したことでも、サブカルチャーとしてのAVを語る上で欠かせない有名メーカーである。V&Rの作品の中には、総集編にも残らず、人々の記憶からも消えてしまっていると思われる作品が存在する。特に社内監督による作品ではなく外注監督の作品にその傾向が強いように思われる。つまり関係者も「忘れちゃった」可能性の高い作品ということだ。今回紹介するのはそんな幻の作品、石垣章監督『奇妙な果実』(1991年、V&R)だ。この作品には、やはりジャンク屋の棚で“たまたま”目に留まって出会った(280円也)のだが、調べてみるとこの作品や監督にについて語るべきことは多い。

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はぐれAV劇場 19 バクシーシ山下監督『ラブ・ドール~高級ダッチワイフが女優になっちゃいました~』(文:大須蔵人)

本メルマガでは、もうお馴染みのラブドール。渋谷のアツコバルーで開催されたオリエント工業40周年記念「今と昔の愛人形」展が大きな話題となり、入場規制がかかるほどの盛況ぶりで、会場外には入場待ちの人々が長蛇の列を作っていたのも記憶に新しい。こんなに多くの人々の関心を引くとは誰が予想していたかと驚くばかりだが、それはラブドールが従来の「高級ダッチワイフ」というイメージを超えて、精巧で美しいオブジェ、つまり美的鑑賞の対象として認知されたことを意味しているのだろう。

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はぐれAV劇場 07『特攻! 裏風俗ゲリラvol.9~完全体験潜入ルポ~』(文:大須蔵人)

ビデオには表と裏がある。ビデオは、もちろんメディアの名前だが、日本ではそれに「表」とくつと、アダルトビデオを意味し、「裏」とつけば非合法(わいせつ物頒布等の罪)の無修正エロビデオを意味する。したがって、基本的にAVと呼ばれるものは、いずれかの審査を経て流通している合法的なエロビデオの呼称であり、決して全てのエロビデオがアダルトビデオというわけではない。そういった意味で今回紹介する作品は、「裏」風俗の世界に迫った「表」ビデオ(AV)ということになるだろう。世の中には色々な表と裏があるが、私はこの作品で、街の裏をみたような思いがした。取り上げるのは、2004年にリリースされた作品『特攻! 裏風俗ゲリラvol.9~完全体験潜入ルポ~』(ATLAS21)。タイトルのとおり風俗産業の「裏」、というか裏風俗を、潜入盗撮という体当たり取材で迫ったサスペンスフルなリアルドキュメントである。

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はぐれAV劇場 08 バベルのビデオ館──中村企画訪問記(文:大須蔵人)

そこは、埼玉県志木市の住宅街にひっそりとたたずむ、倉庫のような建物だった。いつもシャッターが閉じられていて、外からでは中に何があるのかをうかがい知ることはできない。軒先に「中古ビデオ、DVD買います!! 中村企画」という看板が掲げられているのみだ。シャッター脇にあるインターホンを押すと、迎えてくれたのが中村企画の社長、中村友嘉さんだった。中村企画は、中村さんのほか数名のスタッフとともに、この倉庫兼事務所で、インターネットでのアダルトビデオの通信販売と買い取りをしている。事務所には大量のVHSデッキや空のビデオケースが並べられ、そこで日々、買い取ったビデオの検品、クリーニング、発送の作業をしている。

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はぐれAV劇場 09 ザ・スキャンダル:日本で一番有名人と寝た女(文:大須蔵人)

今に始まったことではなく、ずっと以前から芸能人や有名人のスキャンダルやプライベート情報の流出などが話題となり、世間の注目を浴びることが多くある。最近では現役アイドルやアナウンサーのプライベートエロ画像が流出してネットの話題をさらうことも、もはや珍しいことではなくなってしまった。海外に目を転じれば、現代の神とも呼ばれるセレブリティたちの存在は、パパラッチたちが暴露する、きわめて下世話なスキャンダルによって補完され、その地位と名声を強化するという共犯関係を築き上げているともいえるだろう。聖と俗、現代で崇められる者たちは、それと同時に大衆からの下世話な欲望に身をさらされ、「あの人、実はこんなんだよ」という悪意ある暴露の対象となるのだ。

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はぐれAV劇場 11 『男女13人! 地上20メートル空中ファック』(文:大須蔵人)

今年で35年を迎えるアダルトビデオの歴史の中で、その作品の殆どが人々の記憶からも、そして物理的にも消え去ってきたということは、この連載でもたびたびお伝えしてきた。しかし、そんな消尽カルチャーであるAVの中でも、忘れられることなく人々の記憶に残りつづける作品が、少ないながら存在する。例えば、村西とおる監督の『SMぽいの好き』(クリスタル映像、1986)や、代々木忠監督の「チャネリング・ファック」シリーズ(アテナ映像)などがそれに当たるだろう。歴史に残るAVが、だいたい「珍奇」な作品であるということについては、じっくり考えてみるべき問題だと思うが、今回紹介する作品は、これら名作に勝るとも劣らないインパクトと「珍奇」さを備えた、AVにおけるニューウェーブを代表する一作だ。

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はぐれAV劇場 18 葵マリー監督『SM調教24時間 折檻雪化粧』(文:大須蔵人)

夜、みるからに寂れた田舎の駅。ホームには雪が厚く積もっている。そこに電車が入ってくる。窓からのぞく車内に乗客の姿はほとんど見られない。それでも電車が到着すると駅の改札からは続々と人が出てきた。その中に突然異様な一行が姿を現す。先頭の女性は軍服(ナチスの腕章!)にティアドロップのサングラス、手には手綱を持っている。その手綱で引かれているのはなんと、半裸の男女だ(しかも、男は女装している)。この状況から考えると、一行はこんな格好のまま、電車に乗ってきたということだろうか?

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はぐれAV劇場 21 代々木忠監督『チャネリングFUCK 悪霊と精霊たち』(文:大須蔵人)

この作品は、おそらくメジャーAV史上最も「不穏」といえる、以下の警告文で幕を開ける。「次の方は、この作品をご覧にはならないで下さい・心臓に障害のある方・妊娠中の方及び妊娠していると思われる方・高令者及び虚弱な方」さらに、観るものの不安を煽るように以下のテロップが続く。「この作品は、出演する女性たちの意識を異次元にシフトさせ、波長の法則に基き人間の出す波動同志のSEXを試みた極めて実験的なビデオであるが…トランス状態の中での異次元体験は結果としていわゆる霊界レベルと同調することとなり、我々は撮影中山崎麻美に憑依していた五百数十年昔の怨念霊との戦いを強いられる結果をまねいた。結果的に極めて貴重な現象をビデオに収録することが出来たのだが本作品中の出来事は我々人類に対する宇宙意識からの警告なのかも知れない。」

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はぐれAV劇場 13『縄炎~美濃村晃の世界~』(文:大須蔵人)

叙情的な音楽をバックに、柱に縛られた女性の足。肉感的な大腿から肩にかけて色鮮やかな刺青が彫り込まれ、その足は畳敷きの床にギリギリの高さでつま先立ちしている。屈曲した足の指は、自らの重みに耐えて痙攣しているさまがありありと伝わってくる。これは、伝説の責め絵師・喜多玲子による絵画だ。その絵にオーバラップして、同じ片足吊りの体勢に縛り上げられた女性の姿が現れる。口には帯のような布を咥えさせられて苦悶の表情を浮かべている。陰影の強いその映像に唐突に2人の男性の会話が被さる。「いいですよね~」、「これ結局、彼女が苦しいから、口離しちゃったら全部見えちゃうという……」、「うん、これは本当に、美濃村晃の、美濃村晃十種の一つですよね、最もいいポーズの……」、「ああいいな~、すごい、喘ぎ始はじめてね」、「うん、これは口を離すと全部見えちゃうという」、「うん、見えちゃうね、見えたら恥ずかしいんだよ、彼女」、「うん恥ずかしいよ、これは」、

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はぐれAV劇場 16 本橋信宏著『全裸監督──村西とおる伝』+村西とおる監督『マリンの妖精 PART 2』(文:大須蔵人)

「お待たせいたしました、お待たせしすぎたかもしれません。前科7犯、借金50億、昭和最後のエロ事師、村西とおるでございます。」これが伝説のAV監督・村西とおるがメディアに登場するときに自ら発する啖呵であり、彼の壮絶な人生を凝縮したプロフィールとなっている。今年の10月に刊行され、すでに多くの話題を呼んでいる、本橋信宏著『全裸監督──村西とおる伝』(太田出版、2015)は、この稀代のエロ事師・村西とおるの生い立ち、全盛期〜凋落、そして現在にいたるまでを徹底的に描きあげたルポルタージュだ。まず驚かされるのが、700頁超えという長大さ、そしてその分厚いボリューム感に決して引けを取ることのない、迫力に満ちた村西監督のポートレートであり、帯に書かれた「人生、死んでしまいたいときには下を見ろ! おれがいる。」というコピーのインパクトだ。この本はにわかには信じ難いような激動の人生を経験し、そして今もなお歩み続けている男の「裸一貫=全裸」の物語といえる。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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