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2016年07月27日 Vol.221

music

浜松の演歌王・佐伯一郎物語[前編]

始まりは『ドントパスミーバイ』というラジオ番組だった。根本敬x湯浅学という、商業放送にはあまりに危険な組み合わせによる、めちゃくちゃな(ほんとうに!)番組が2010年の3ヶ月間だけインターFMで放送されていた(もちろん1クールで終了)。そのゲストに呼ばれたときに、スタジオに入っていったらかかっていたのが、「用心棒」という謎の3人組スキンヘッド親父が歌う『MAMA・・・』。それは「都築さんならこの曲だと思って」と説明された曲だったが、どう見ても聴いても、ルックスが似てること以外に共通点はない気がした。それから月日が経ち・・・本メルマガでこれまで浜松祭りのラッパや、宮城の北村大沢楽隊について書いてくれた、静岡文化芸術大学の奥中康人さんと話していたときのこと。「浜松にはこんな演歌の先生がいて、歌謡塾も開いてるんです・・」と、侠気あふれるシングル盤を目の前に積み上げてくれて、そこには「佐伯一郎」という名前が大書されていたのだが、その中になんと「用心棒」のCDシングルも混じっていた。そうか、これも「音楽都市」浜松が生んだ歌だったのか!

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book

短期集中連載:マニア本の著者に聞く vol.2 「デスメタルインドネシア」――小笠原和生と悪魔の音楽パラダイス

最近発売された「マニア本」の著者にお話を伺い、その情熱のお裾分けをいただくシリーズ第2弾は、『デスメタルインドネシア』! 実は「世界第2位のブルータルデスメタル大国」であるらしいインドネシアのシーンを362ページにわたって、それもA5版のサイズに極小文字で情報を詰め込んだ、造りからしてブルータルな、もちろん日本で初めてのインドネシア・デスメタル紹介本である。発行元の「パブリブ」は、今年3月9日号で紹介した『共産テクノ』の版元であり、本メルマガ連載「絶滅サイト」の著者ハマザキカクさんの個人出版プロジェクト。これまで『デスメタルアフリカ』や、『童貞の世界史 セックスをした事がない偉人達』といった書籍を発売しているが、このあと8月上旬発売予定の新刊が『ヒップホップコリア 韓国語ラップ読本』・・・どこまでマニアックなラインナップなんだろう。

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fashion

捨てられないTシャツ 50

色川武大/阿佐田哲也 [38歳男性(印刷工/写真家)] 幼少の頃から小学校6年まで2、3年ごとに転勤を繰り返す。最初の記憶は幼稚園の大阪時代。なんでもやりっ放しのため、先生に「パナシくん」と呼ばれた。外でよく遊んだが、タコ糸にチクワの輪切りを付けザリガニ釣りをしていたら、針も無いのにチクワを飲み込みフナが釣れた。その時の興奮と衝撃は強烈で、少年時代もっともアドレナリンが出た瞬間だと思う。以来魚や釣りが好きになる。小学校は3回転校。ちんこを出したりバカなことをすれば、直ぐに仲よくなれることを自然と学ぶ。

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art

アウトサイダー・キュレーター日記 18 鈴木敏美(写真・文:櫛野展正)

唐突だが、僕はテレビ番組やアニメに登場する「巨大ロボット」が苦手だ。現実離れしているからなのだろうか、自分でも理由はよく分からない。小さいころ見ていたテレビの戦隊ヒーロー物でも、巨大ロボットが出てくるとチャンネルを変える始末。だから、「新世紀エヴァンゲリオン」や「進撃の巨人」も未だにじっくり見たことがない。そんなロボット音痴な僕が今回訪ねたのは、1979年に誕生し、ロボットアニメ変革の先駆けとも評される、あの「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツを自作している人だ。やってきたのは、青森県上北郡おいらせ町。太平洋に面し、町の東西には十和田湖を源流とする奥入瀬(おいらせ)川が流れている。レンタカーで国道338号線を走っていると、どう考えても見落としようのない外観が現れた。ガンダムに登場する10体ほどのモビルスーツが立ち並ぶのは、「スズキ理容」と看板を掲げる理容院の敷地だ。

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2016年07月20日 Vol.220

lifestyle

ラバー・ソウルふたたび

毎年5月6日の「ゴムの日」にあわせて開催される、デパートメントH『大ゴム祭』。言わずと知れた日本でいちばん古くて、いちばん大規模でフレンドリーなフェティッシュ・パーティの、いちばん人気のイベントのひとつだ。本メルマガでも2012年5月9日号、2013年5月8日号と紹介してきたが、ここ2年ほどは開催日に東京にいられなくて取材断念。なので今年のゴム祭(6月4日開催)をまたここで報告できて、ほんとうにうれしい。ちなみにデパHの「大ゴム祭」は今年がすでに7年目。デパH自体、すでに20年以上続いているパーティである。オーガナイザーのゴッホ今泉さんをはじめとする、デパHクルーの献身的な努力には、つくづく頭が下がる。今年のデパHゴム祭も、恒例の全国から集結した「ラバリスト」たちのお披露目、海外公演で大成功を収めたラバー工房・池袋KURAGEのファッションショー、そして今年の目玉はやはり本メルマガでも以前紹介したラバー・アーティスト・サエボーグの大がかりな新作『Pigpen』(豚小屋)。

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design

劇的都市・新宿

早稲田大学の演劇博物館でいま、『あゝ新宿 スペクタクルとしての都市展』が開かれている(8月7日まで)。早大生でなくとも演劇博物館を訪れたことのあるひとは少なくないだろう。16世紀イギリスにあったフォーチュン座を模してつくられたというクラシカルな演博の建物と、ふんどし姿の唐十郎が新宿駅西口広場に立つイメージは異質に感じられるかもしれないが、早稲田があるのもまた新宿区なのだ。本メルマガではこれまで、新宿歴史博物館でシリーズ開催された昭和の新宿を振り返る企画を紹介してきたが、今回の展覧会では1960年代中頃から70年代までの――それはほとんど昭和40年代ということでもある――新宿という都市がもっとも混沌として、エネルギッシュであった時代をフィーチャーして、小規模ながら充実した資料展になっている。

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fashion

捨てられないTシャツ 49

もっさん/40歳男性(自営業)/千葉県の真ん中あたりの東京湾側、工業地帯近くのところで生まれる。3人兄弟の末っ子で、放牧というか奔放に育つ。小さい頃からテレビっ子だったようで、原体験としての映像は、お風呂の中からおでんの具が出てきて「ぎゃ~」と叫ぶ、ホラーをパロディにしたようなものだった。アレは何の番組だろう。誰か教えて欲しい。

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book

短期集中連載:マニア本の著者に聞く vol.1 「我々は如何にして美少女のパンツをプラモの金型に彫りこんできたか」――廣田恵介とセンチメンタル・プラモ・ロマンス

たくさんの本が僕の前を通り過ぎていく。全部読むことはとてもできない。川の流れに掌を入れるように、そのほんの少しを掬い取ることしか。このところ気になる本のなかに、度を越して(もちろん、いい意味で)マニアックなテーマの本が目立つようになってきた。度を越してない、当たり障りない本がもう、目に入らなくなってしまっただけかもしれない。なので今週から数回、最近発売された「マニア本」の著者にお話を伺い、その情熱のお裾分けをいただくことにした。その第1回は廣田恵介さんの『我々は如何にして美少女のパンツをプラモの金型に彫りこんできたか』をご紹介する。美少女フィギュアならまだしも、「美少女プラモ」というようなジャンルが、この世に存在することすら知らないひとが、僕を含めて大多数ではないだろうか。その美少女プラモの「下半身にパンツが彫りこまれた瞬間」――美少女プラモを知らぬ人間にとっては、あまりにどうでもいい「事態」が、ひとりのプラモ好き少年にどれほど決定的な影響を与えたのか。これは単なるプラモデルオタ、アニメオタのコレクションブックのかたちをとった、実はきわめて今日的なビルトゥングスロマン=成長物語なのだった。

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2016年07月13日 Vol.219

book

ROADSIDE LIBRARY 誕生!

ようやくこれをお知らせできる日が来ました。ロードサイダーズ・ウィークリーでは独自の電子書籍シリーズ「ロードサイド・ライブラリー」を今月からスタート。その第一弾として、『秘宝館』をリリースします。特設サイトで今日から予約開始、来週にはお手元に配信できる予定です。『ROADSIDE LIBRARY』は週刊メールマガジン『ROADSIDERS' weekly』から生まれた新しいプロジェクトです。2012年から続いているメールマガジンの記事や、その編集を手がける都築響一の過去の著作など、「本になるべきなのに、だれもしようとしなかったもの」や、品切れのまま古書で不当に高い値段がついているものを中心に、電子書籍化を進めていきます。電子書籍といってもROADSIDE LIBRARYは、Kindle、kobo、iBooksなどの電子書籍用の専用デバイスや読書用アプリケーションに縛られない、PDF形式でのダウンロード提供になります。なのでパソコン、タブレット、スマートフォン、どんなデバイスでも特別なアプリを必要とせずに読んでいただけます。コピープロテクトもかけないので、お手持ちのデバイス間で自由にコピーしていただくことも可能です。

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art

北国のシュールレアリスト――「上原木呂2016」展によせて

上原木呂(うえはら・きろ)という、変わった名前を目にしたのは、『独居老人スタイル』で仙台のダダカンの取材をしていたころだった。ダダカンさんと長く親交を結び、2008年には東京で開催された『鬼放展――ダダカン 2008・糸井寛二の人と作品』を企画制作するいっぽう、自身もアーティストとしてマックス・エルンストやヤン・シュヴァンクマイエルと合同展を開き、おまけに新潟の老舗蔵元として日本酒の醸造や、地ビール第一号であるエチゴビールの生みの親でもあるという。しかも経歴は蔵元の跡取りなのに芸大に進学。すぐに中退してチンドン屋に入り、そこからイタリア・ローマに渡って古典仮面劇の道化役者として活躍。フェリーニの知遇を得たり、マカロニ・カンフー・アクション映画に多数出演したり!という日々を送った後に帰国。蔵元の五代目社長として家業を盛りたてつつ、コラージュや水墨画などの制作にも熱心に取り組み続け、社長業を退いた数年前からはツイッターで毎日、水墨画の仏画をアップ。「朝と晩と1時間ぐらいで、毎日30枚くらいは描きますかねえ・・・あと水彩とかいろいろ、大小あわせれば年に3万点くらいは作ってます」という、68歳にして恐るべき創作意欲の持ち主なのだ。

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travel

越前浜で昭和歌謡にむせび泣く!

上原木呂さんが住む新潟県・旧巻町からちょっと走れば、そこは日本海に面した越前浜。海水浴場にスイカ栽培、それにワイン通のみなさまには最近、カーブドッチなどの国産ワイナリーが続々誕生中のエリアとしても知られている。が・・・ワインやスパは楽しんでも、越前浜の一画にある『遠藤実記念館・実唱館』で、過ぎし日の歌謡曲に浸ろうという趣味人は残念ながら多くない。その名のとおり、「実唱館」は昭和の偉大な作曲家・遠藤実の業績を広く知ってもらおうと、1994(平成6)年にオープンした施設。貴重な資料や映像を通して、遠藤実が体現した昭和の歌謡世界をタイムトンネルのように振り返ることができる。

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fashion

捨てられないTシャツ 48

ヴィヴィアン・ウエストウッド/43歳女性(写真家)/京都府北部、港町の舞鶴出身。一般的には『岸壁の母』の港だが、マッチがその昔、漁港で『ギンギラギンにさりげなく』を歌って、ザ・ベストテンで中継されたこともある。育った町がヤンキーも多かった場所なので、赤いミキハウスのトレーナーにボンタンのケミカルジーンズを履いていた過去もあるが、中学生になったころからイギリスに憧れを抱くように。セックスピストルズやクラッシュなど、パンク系の音楽とファッションに惹かれたのがきっかけ。地元にはなにもなかったので、14歳の時に初めてRED or DEAD の厚底ラバーソールを買って、京都市内のロンドンナイトに出かけた。しかし若かりし頃憧れていたパンクスの実態は、NO DRUG、NO ALCOHOL、ONLY SEX と、いたって健全だった。

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art

アウトサイダー・キュレーター日記 17 橋本晁光(写真・文:櫛野展正)

高知市からレンタカーで北上すること約1時間、たどり着いたのは、高知県長岡郡本山町。ここは、高知県のほぼ中央に位置し、中心部を吉野川が流れる水と緑に恵まれた人口4000人ほどの小さな町だ。国道439号線沿いにあるブルースマン・藤島晃一さんが経営する『CAFE MISSY SIPPY』でお腹を満たしたあと、さらなるワインディングロードを突き進み、今回僕がやってきたのは高角集落の入り口にある「極楽入口」という黄色の大きな看板が掲げられた場所。いかにも怪しげな匂いがプンプンするが、何かに導かれるように矢印に沿って山肌の長いカーブを曲がると、深い緑と美しい田園風景に囲まれた山間の小さな集落の中に手作りのテーマパークが現れる。まず、目に飛び込んでくるのが道沿いに立ち並ぶ大きな巨石の数々だ。入口の大きな石の看板には「田園自然石アート ストーンロード」の文字が。その下には作者の「モイア橋本」という名前が刻まれているが、「極楽入口」とあっただけに、それはどこかの神様の名前にも思えてくる。

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2016年07月06日 Vol.218

art

美青年の園で(文:ドキドキクラブ)

東京都心部から30分ほど、私鉄沿線の静かな郊外駅に、織部佳積さんが待ってくれていた。織部さんを僕に引き合わせてくれたのは、本メルマガ2014年11月26日号『瞬間芸の彼方に』で紹介したドキドキクラブくんだった。取材以来、仲良くしてもらっているので「くん」づけで呼ばせてもらうが、ドキドキくんはもうずいぶん前に、アート系のイベントで織部さんと知り合い、ひそかにその制作活動に注目してきたのだという。「こんな絵を描いてるひとなんですよ」と、携帯で見せてくれた作品の不思議さに心惹かれて、きょうは織部さんが住むアパートまで連れてきてもらったのだった。

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photography

東京の穴ふたたび

2014年11月26日号『東京のマルコビッチの穴』で紹介した「ダクト・フォトグラファー」木原悠介のの写真展が、東京中目黒ポエティックスケープで始まっている(8月6日まで)。木原さんの写真に出会ってから、まだ2年にもならないけれど、最初からそのミステリアスな画面には強く引き込まれるなにかがあった。記事のなかで、僕は木原さんをこんなふうに紹介させてもらった――不思議な写真を見た。息づまる、というより、ほんとうに息が詰まるような狭苦しい空間が、ずっと先まで伸びていて、それはどこに続くのか、それともどこにも着かないのか・・・。見るものすべてを閉所恐怖症に追い込むような、それでいて難解なSF映画のように異様な美しさが滲み出るそれは、ビルの内部を走るダクトの内部を撮影したものだという。

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art

昭和の夜の匂いにむせて

渋谷アツコバルーで開催中の展覧会『神は局部に宿る』は、おかげさまで連日盛況が続いているが、来てくれるひとの約8割が女性客。ラブホに秘宝館、イメクラにラブドールという内容なのに。入口でコンドームを渡され、カウンターではピンクローターとか売ってるのに。昭和をまったく知らない世代にとっての「昭和のエロ」「昭和のお色気」が、いかに「カワイイ」ものに見えるのかを今回は思い知らされた。当時を知るものにとって、それは「イカガワシイ」ものであったり、「下品」なものであったりしたのだが、世代がめぐるうちに、「品」も微妙な変化を遂げるのかもしれない。酸っぱいワインが、いつのまにか芳醇な香りを放つように。先週の記事『ミッドナイト・ライブラリー』でも紹介したが、新進イラストレーター・吉岡里奈の個展『食と女と女と夜と』が、渋谷HMVで始まっている(7月11日まで)。

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fashion

捨てられないTシャツ 47

PPFM/40歳男性(特殊呼び屋/会社員)/1976年に北海道帯広市で生まれる。父親の仕事の関係で、北海道内の足寄町、標茶町、中標津町、幕別町、帯広市などを転々とした。小学校入学前から帯広に定住することになり、高校卒業まで暮らす。小学校の頃、毎朝欠かさずにやっていたのはワイドショウをじっくり観ること。学校から帰ってきたら、母親と一緒にまたワイドショウを観てから、夕方のドラマ再放送を観ていた。田宮二郎版『白い巨塔』『特捜最前線』、天知茂『江戸川乱歩の美女シリーズ』や、『花柳幻舟獄中記』などの再放送を楽しみにしていた。ちょうど小学校に入った頃に『ロス疑惑』、その後は『豊田商事事件』『岡田有希子自殺』もあって、取材報道が過熱していた時代。他の子供が観ている様なアニメとかウルトラマンや戦隊モノはほぼ関心なしだった。

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design

絶滅サイト 06「特殊特許」~「ミスターピーナッツ」(文:ハマザキカク)

ハゲ応援サイト「SkinHeads Web」サイトの一番上に「LAST UPDATE」で今日の日付が表示されているので、久々に更新されているのかと思いきや、機械の誤作動で最終更新日は2001年。実に15年以上も期間放置されているのである。スキンヘッドと言い換えれば格好いいが、ハゲを集めたサイトである。ただ確かに欧米では髪が薄くなるぐらいだったら、剃り上げた方が格好良いという雰囲気で、実際にバンドマンでもスキンヘッドで格好いい人は大勢いる。メタルの世界でも長髪ではなく敢えてスキンヘッドにしている人もいるので、市民権を得てきていると言えるだろう。ちなみに極東の日本、中国、韓国では欧米に較べて中年男性のカツラ着用率が突出して高い様だ。歴史上の有名なスキンヘッドを紹介していて、シェークスピアや親鸞、ナポレオン、レーニン、東条英機、ムッソリーニなどが挙げられている。要するハゲオヤジ列伝という事だ。現代の人でもロバート・デ・ニーロやショーン・コネリーなど。

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movie

はぐれAV劇場 13『縄炎~美濃村晃の世界~』(文:大須蔵人)

叙情的な音楽をバックに、柱に縛られた女性の足。肉感的な大腿から肩にかけて色鮮やかな刺青が彫り込まれ、その足は畳敷きの床にギリギリの高さでつま先立ちしている。屈曲した足の指は、自らの重みに耐えて痙攣しているさまがありありと伝わってくる。これは、伝説の責め絵師・喜多玲子による絵画だ。その絵にオーバラップして、同じ片足吊りの体勢に縛り上げられた女性の姿が現れる。口には帯のような布を咥えさせられて苦悶の表情を浮かべている。陰影の強いその映像に唐突に2人の男性の会話が被さる。「いいですよね~」、「これ結局、彼女が苦しいから、口離しちゃったら全部見えちゃうという……」、「うん、これは本当に、美濃村晃の、美濃村晃十種の一つですよね、最もいいポーズの……」、「ああいいな~、すごい、喘ぎ始はじめてね」、「うん、これは口を離すと全部見えちゃうという」、「うん、見えちゃうね、見えたら恥ずかしいんだよ、彼女」、「うん恥ずかしいよ、これは」、

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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