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2018年07月25日 Vol.317

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 31『自覚なく美しかった店とのお別れ』佐久間裕美子(ライター)

マンハッタンからクイーンズに渡ったすぐのロング・アイランド・シティに、ファイブ・スターというインディアンのダイナーがある。行かなくなって5、6年になるだろうか。10年ほど前、よく訪れていた。夜遅くまでやっていて、店の前に黄色いタクシーがいつも何台か駐車されていた。となりはバンケット・ホールになっていて、休日にはインド人の結婚式をやっているのを何度か見かけた。カウンターがあって、残りは二人がけと四人がけのブースだった。が、ここにくる人の大半は、おそらく休憩中のタクシー運転手たちで、いつ訪れても一定数のお客がいた。混んでいることもなかったし、客がまったくいないこともなかった。

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photography

霧の山のいのち

山歩きはほとんどしないけれど、山道を運転することはけっこうある。街を走っていたときは晴れてたのに、山道に入ったらいつのまにか、次のカーブが見えないくらい深い霧の中でヒヤリ、というようなこともあって、そんなときのヒヤリはおもに事故の恐怖だけど、同時に、この霧が晴れたら、それまでとはまるでちがった場所になっちゃってるんじゃないかという妄想に、僕はときどきとらわれてしまう。変なSF映画みたいに。ROSHIN BOOKSから阿部祐己(あべ・ゆうき)という新人作家の写真集リリースのお知らせが来て、さっそく注文して届いたのが『Trace of Fog』=霧の痕跡という題名の一冊。それは信州八ヶ岳の霧ヶ峰を撮影した写真集だった。年間を通した観光地としてしられる霧ヶ峰は、その名のとおり、年間200日以上も霧が発生する高原なのだという。

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book

日本エロ雑誌創刊号コレクション 第三回 1984~1986年編(文・資料提供:安田理央)

古本屋で出会った『ウィークエンドスーパー』でエロ本の面白さに目覚めた僕は、それから様々なエロ本を買い漁った。そうした中で出会ったのが『ボディプレス』だった。奇しくも『ウィークエンドスーパー』と同じ白夜書房の雑誌だった。いや、奇しくも何も、当時面白かったエロ本の大半が白夜書房から発売されたものだったのだが。しかし、僕が最初に『ボディプレス』を購入した理由は、単にその巻頭グラビアの「消し」が薄かったからだった。巻頭グラビアはベール本のような隠し方で、申し訳程度に半透明の「消し」が局部に乗せてある。そんなグラビア目当てで購入した『ボディプレス』だったが、記事はそれ以上に面白かった。『ボディプレス』は「エロ業界」の内側にスポットを当てた雑誌だった。ビニ本などで活躍していたモデルのインタビュー、ビニ本や自販機本を作っていた編集者の回顧録、そしてビニ本やAVの紹介も、まるでロック雑誌のレコードレビューみたいだった。ライターひとりひとりをクローズアップしているのも新鮮だった。

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art

空山導師のメタリック・エクスタシー

空山基=Hajime Sorayamaという名前は知らなくても、あのメタリックな女たちのイメージをいちども見たことのないひとは少ないのではないか。本メルマガでも2012年8月12日号『軽金属の娼婦たち』で代表作とアトリエ訪問を特集したのを手始めに、何度か空山さんの作品を掲載してきた。いま渋谷のNANZUKAでは、同ギャラリーで3度目となる2年ぶりの個展『空山基 Sorayama explosion』が開かれている(8月11日まで)。ご承知のように空山さんには1978年に始まる「セクシーロボット」シリーズの大ブレイクに始まり、1999年のソニー「AIBO」コンセプトデザイン時代と2度の大きな波があり、クライアントからの依頼によるイラストレーション・ワークから、世界中のファンやコレクターに向けて自分の好きな絵を描いて発表するアーティスト的なスタンスに活動をシフトさせた現在が、3度目のビッグウェイブになっているのではないかという気がする。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 83 Blaine Kern’s Mardi Gras World, New Orleans, LA

日本人が沖縄に感じるエキゾチックな印象を、もしかしたらアメリカ人はルイジアナに感じるのかもしれない。人生でいちどは行ってみたい場所を聞くと、多くのアメリカ人はニューヨークでもロサンジェルスでもなく、ニューオリンズとサンフランシスコとアラスカを挙げるという。もともとフランスやスペインの植民地として栄えたルイジアナ。史跡や観光名所に不足はない。全米から観光客が押し寄せるニューオリンズをはじめとして、州都バトンルージュ、北部の中心都市シュリーヴポートまで、見所充実の重要州である。なかでもニューオリンズといえば、まずはマルディグラ、魚介類を中心としたクレオール料理に、毎晩夜更けまで盛り上がるバーボン・ストリートのジャズ・シーンということになろうか。

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2018年07月18日 Vol.316

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 30『欲望の洞窟』Mistress Whip and Cane(女王様)

10年以上前、新宿でよく飲んでいた。いつも数名で集まって飲んでいたが、その中のひとりに、自分が何をやりたいのか分からないというようなことを話していた時だと思う。突然、「女王様やればいいじゃん」と言われた。そしてその一言で、「ああ、そういうことか」と、それまでのモヤモヤが一気に晴れた。

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art

須田悦弘のミテクレマチス

静岡はいろんなキャラクターを備えた県で、名古屋側の西には浜松があるし、真ん中に静岡市、東京側の東には熱海がある。あと、もちろん富士山も。そういうなかで伊豆半島の根っこにある三島市は、観光地としてはあまり話題に上がらないかもしれない。浜松で仕事があった日に、無理すれば日帰りで帰れるところを、ふと思いついて新幹線を三島で降りて一泊することにした。駅前からシャトルバスで行けるヴァンジ彫刻庭園美術館で、須田悦弘の展覧会が開催中なのを思い出したから。

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book

日本エロ雑誌創刊号コレクション 第二回 1980~1983年編(文・資料提供:安田理央)

先週に続いてお送りする、創刊号から眺めた日本エロ雑誌出版史。今週はいよいよ、安田さんのリアルタイム・コレクションがスタートした1980年代初頭から。妄想少年の熱情が、本屋の奥の暗い棚で一気に開花する! なお前回、連載を3回とお伝えしましたが、当然それでは終わらなそうなので、回数を延長してお送りします!

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travel

Back in the ROADSIDE USA 82 Gracelant Too, Holly Springs, MS

ミシシッピ北東部の小さな町ホーリースプリングス。エルヴィス・プレスリーの生地として名高いテュペロまでは1時間足らずである。町の中心近くにある住宅街、地味な平屋が連なる中に、真っ白い外壁と、目の覚めるようなブルーの木が異様に目立つ、2階建ての家がある。これがおそらく世界でもっとも熱狂的なエルヴィス・ファン、ポール・マクルードと息子のエルヴィス・アーロン・プレスリー・マクルード(そう、本物と同じ名前を、息子にもつけてしまったのだ!)が住む、『グレイスランド・トゥー』である。

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photography

迷子のお知らせ――平くんのパンツ

2017年19月11日号『どうでもいいものの輝き――平原当麻の写真を見る』で紹介した、ラブホテルのある郊外風景写真。その平原当麻(たいら・はらとうま)は今年3月、新宿REDフォトギャラリーでの『おんなのアルバム キャバレーベラミの踊り子たち』展をオーガナイズしてくれたが、こんどは平当麻(たいら・たぎま)と、またややこしい名前に改名して、奇妙な写真展を開くというお知らせをもらった。『迷子のお知らせ』というタイトルの展覧会では、ランジェリーショップで買い集めたパンツを、ディスプレー用の電飾マネキンに履かせて撮影した、これもそこはかとなくサバービア感覚漂うイメージの集積である。

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2018年07月11日 Vol.315

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 29『営業許可のない大久保ロシア食堂の夜』ツレヅレハナコ(編集者)

ロシアには、あまり良い思い出がない。初めて現地に行ったのは小学生で、まだソビエト連邦時代だった。当時、私と兄は剣道を習っており、「短期交換留学」なる制度で1か月ほどホームステイをしたのだ。今も当時も私の興味は食べ物にしかなく、行く前から「世界の食べもの/ロシア編」という週刊「朝日百科」のムックを読みあさっていた。ビーツなる赤いカブのような野菜と肉を煮込んだスープ「ボルシチ」、ひき肉をスパイスとともに炒めてパン生地に詰めた揚げパン「ピロシキ」、そばの実をオーブンで煮込んで作る粥「カーシャ」、ふわふわのパンケーキにサワークリームとイクラ(!)を山盛りにのせて食べる「ブリヌイ」……。ロシア料理など見たことも聞いたこともない時代。一人妄想をふくらませ、剣道の練習の数倍は熱心に「ロシアで食べたいものリスト」をノートにみっしりと書き連ねた。

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book

日本エロ雑誌創刊号コレクション 第一回 40~70年代編 (文・資料提供:安田理央)

これまで師匠と呼べるひとはあまりいなかったけれど、本や作品を通じた師匠はたくさんいる。安田理央(やすだ・りお)さんは僕にとって、エロ・カルチャーというか色物文化における大事な師匠のひとりだ(10歳以上年下だけど)。AVやエロ本についての著作が多い安田さんは、必然的にコレクターでもあり、とりわけ雑誌創刊号コレクションについてはかなりの年季が入っているという。カストリ雑誌は「三号雑誌」とも呼ばれていたが、これからどれだけ続いていくのか、続けていけるのかわからない「創刊号」に込められた特別な思いを、安田さんはページにくるまれた空気から感じ取ってきたのだろう。もはや絶滅しかかっていると言ってもおかしくない、いまだからこそ振り返ってみたいエロ雑誌の無茶なエネルギー。完成度よりも広告の本数よりもはるかに大切な雑誌の原点を、安田さんの貴重なコレクションは僕らに思い出させてくれるのだ。

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lifestyle

かなりピンボケ 12 涙の俺のバースディ編(文:比嘉健二)

以前、ピンパブにおけるバースディ・イベントがいかに重要であるかを説いた。この場合のバースディとは当たり前だが、フィリピーナのことを指す。が、今回取り上げたいのは客側。つまりあの空間にボケーッとダラダラ無駄な時間を過ごしている、だらしないピンボケの客の事を指す。で、今回の客のバースディとはつまり“俺”の事である。俺は5月30日が誕生日で、今年で還暦を過ぎる事2年なのだが、2006年から毎年この夜はフィリピンパブで祝ってもらっている。別に俺はいい歳こいて誕生日など祝ってもらいたくもないのだが、これが摩訶不思議な事に、ちょっとでも仲良くなったフィリピーナ達はさりげなく話した客の誕生日をしっかり覚えているのだ。まぁ、それだけかの国の人達は本当に誕生日というものが重要ということなのだ。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 81 Earl's Art Gallery, Bovina, MS

ミシシッピ州ヴィックスバーグ。南北戦争のヴィックスバーグ包囲戦や、多数の黒人が殺されたヴィックスバーグ虐殺でもアメリカ史に名を残す都市だ。その郊外、ボヴィナの林と地味な住宅街が入り交じるあたりに『アールズ・アート・ギャラリー』がある。アール・シモンズと仲間たちが過去十数年間にわたって作り上げた作品を展示する、ここは美術館であり、直売店でもあるのだ。

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travel

案山子X 48 人間かかしコンテスト in 羽村(東京)、夕やけ小やけふれあいの里 かかしまつり(東京)(写真・文 上迫愛)

こんにちは。上迫愛(うえさこあい)です。今回は東京都の「人間かかしコンテスト in 羽村」と「夕やけ小やけふれあいの里 かかしまつり」を紹介します。最初に紹介するのは東京都羽村市の「人間かかしコンテスト in 羽村」。羽村市は、都心から電車で約1時間の場所にある緑が多く残る街です。2016年9月25日、羽村市内唯一の水田地帯である根がらみ前水田で「人間かかしコンテスト in 羽村」が開催されました。根がらみ前水田では稲作が行なわれる他、冬から春にかけてチューリップを栽培しています。毎年春になると約40万本のチューリップが咲きほこる「チューリップまつり」が開催され、多くの人が訪れます。しかしその他の時期は人が訪れる事が少ない為、秋にも何か催し物をしようという事で始まったのがこの「人間かかしコンテスト」。2016年で2回目を迎えました。

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photography

俺のエロ 2018

先週告知で小さくお知らせした写真展「俺のエロ 2018」が、土曜日から始まります。POPEYE、BRUTUSの時代から組んできて、とりわけ音楽畑では知らぬもののないライブ・フォトグラファーである三浦憲治さん。カップヌードル「hungry?」などの撮影で知られるコマーシャル・ムービーカメラマン瀬野敏さん。御大ふたりとも長年の飲み仲間で、酒の席の勢いで一昨年『俺のエロ』という、冗談みたいなグループ展を六本木のギャラリーで開催。それが「そろそろまたやんない?」という、またも酒の席の勢いで、ふたたび開催することになってしまいました。

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2018年07月04日 Vol.314

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 番外編『さよなら、アーバン・ウエスト』写真・文 臼井悠(アーバンのママ)

みなさん、こんにちは。スナックアーバンのママです。今回のネバダイ、本当は通常営業の予定だったのですが・・・・。はぁぁ、聞いてくださいよぉぉ、神戸でやっていたアーバン・ウエストという小さなお店がある日突然、急速な地上げからの1ヶ月で立ち退きという衝撃的な展開に!!! はぁぁあぁぁ・・・。なので今回は急遽、番外編としてそのことを書いてもいいですか。てか、こんなことってある?! 地上げ、めっちゃ大変だった!! まさか自分の店が、本当に二度と行けないあの店になるなんて(涙)!

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travel

Freestyle China 即興中華 「僕が最後の砦なんだ」――中国唯一のセックス・ミュージアム「武漢達臨性学博物館」(文:吉井忍)

先週号の編集後記に書いたように、6月の終わりに中国湖北省・武漢でのトークに招かれて、中国内陸部屈指のメガシティを堪能してきた。すでに全日空が成田直行便を就航させているほど、日本企業にとっても重要な都市である武漢は、赤壁など三国志ゆかりの名所旧跡を擁する観光地でもあり、また北京、上海に次いで大学の数が多いというカレッジタウンの面もあって、トークにも学生たちがたくさん来てくれた。しかしまあ・・・三国志の話をロードサイダーズでしても場違いだし・・・と思っていたら、なんと「中国唯一のセックスミュージアム」があるという重要情報を入手! 本メルマガで「Freestyle China 即興中国」を連載中で、トークのお手伝いもしていただいた吉井忍さんに館長インタビューをお願いした。おそらく日本のメディアでは初紹介になるはず。いかにも中国らしい陶磁器から最新のチャイニーズ・ラブドールまで、幅広いコレクションを誌上でお楽しみいただきたい!

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music

宇宙で一枚だけのレコード

NHK-FMの民謡番組『吉木りさのタミウタ』で小さなコーナーをもらってから民謡の専門家と知り合う機会が増え、ディレクターのひとりから町田佳聲(まちだかしょう、1888-1981)という民謡研究家を教わった。『民謡に生きる 町田佳聲 八十八年の足跡』(竹内勉著、ほるぷレコード刊)という伝記を読むと、蓄音機のラッパ部分に向かって演奏した音をレコード盤に直接カッティングする「写音機」が発売されたのを機に、これに改造を加えた「町田式写音機」を制作。病気がちで40キロそこそこしかない身体で、重さ13キロの写音機を担いで自費で全国をめぐって消えゆく民謡を記録、40年を費やし2万曲の採譜を成し遂げたという・・・アラン・ローマックスみたいな人間が日本にもいたことを知って感動。とりわけ、土地の古老を探しては頼み込み、写音機をセットして、ラッパに向かって歌ってもらうという、フィールド・レコーディングの様子に激しく興味をかきたてられた。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 80 Shoshone Ice Cave, Shoshone, ID

「アイダホの鬼押出し」クレイター・オヴ・ザ・ムーンの、奇怪な溶岩台地を窓の両側に眺めつつ走っていくと、「アイス・ケイヴこちら!」と力強く主張する看板が。思わずハイウェイをそれ、砂利道をしばらく走っていくと、巨人インディアンや恐竜のあいだに、おみやげ屋をかねた入口がある。これがアイダホはもちろん全米でも有数の規模と、「アイス・ケイヴ」の名のとおり真夏でも氷の張るユニークな環境で知られる観光洞窟だ・・・が、緑色のコンクリート製恐竜の頭部にまたがる「原始人」の姿を見た時点で、そのチープな観光ビジネス感覚に期待が高まる。

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travel

ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 06 重慶市後編(写真・文:関上武司)

大家好!(中国語で皆さん、こんにちは!)軟体トラベラーの関上武司です。重慶市のレポート後編となる今回は地獄巡りスポットで有名な豊都の鬼城や、中国でもトップクラスのマッドなテーマパークの美心洋人街を紹介します。2013年8月12日。早朝6時に四公里バスターミナルへ足を運び、豊都県(中国の行政区分は県よりも市の方が大きい)へ向かうワンボックスカーに乗り込みます。真夏でも中国奥地の重慶ではまだ夜明け前。現在は重慶から豊都まで高速鉄道で1時間くらいだそうですが、車では片道約3時間かかりました。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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