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2021年10月27日 Vol.474

travel

ラゲージ・タグで旅する昭和 (文:茅野裕城子)

ある日、小説家の茅野裕城子さんが「こんなの出てきたので見せにいく」と、大きな袋を抱えてやってきた。白いビニール袋に「A BATHING APE」とあり一瞬引いたが、中から出てきたのは古びた一冊のスクラップブック。いまでは滅多に見ない大判サイズで、開いてみるとそこには往年の観光ホテルの荷物タグがきれいに貼ってあった。もう、いまどきのホテルは荷物にタグなんか滅多につけてくれないから、コレクション自体が貴重なのはもちろん、きれいにアレンジされた貼り込みかたから、持ち主の思いが数十年の時を経てあふれ出てくる。気楽に旅行にいけなくなって、もう2年。こんな時期にこんなものと出会うことができて、昭和デザインとしても眼福だけど、どこか、どこでもいいから遠くに行きたくてたまらなくなった。 数えてみると500点近くあったタグのすべてを今回お見せすることはできないが、なるべくたくさんのタグを見ていただきながら、50年、60年前の日本、つまり戦争から立ち直り観光という娯楽に夢中になれる余裕を取り戻しつつあった、ひとびとのこころに思いを馳せていただけたらと願う。

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photography

我的香港  Vol.010 我的猫部屋 (写真・文:ERIC)

僕は香港で生まれ、香港で育った。 数年前から、僕は香港の住宅を撮影している。住宅と言ってもインテリア誌に出てくるようなオシャレな家ではない。僕が撮っているのは、狭くて暗い、まるで物置のような部屋だ。 香港という場所には、昔から華やかなイメージを持つ人が多い。ここ数年の間の香港の状況を思えば、その印象はもはやかつてのものとなってしまったかもしれない。しかしそれでもやはり、香港と聞くと今でもたいていの人は賑やかできらびやかな街の様子を思い浮かべるだろう。もちろんそれは間違った見方ではない。けれど、香港で生まれ育った僕にとってこの街は単なる日常で、過ごしてきた日々や目にしてきた光景は明るいことばかりではない。 香港の明と暗。それが最も表れているのが、住宅事情だろう。

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art

波磨茜也香のおんなのこ散歩 第18回  朝礼と礼拝

この学校には半年に一回のペースで「朝礼」なるものがある。 なんとか4月を越えて5月分の時間割表が配られた時、1日の1限からデカデカと「朝礼」と書かれていて生徒たちが途端にザワザワし出したのを今でも覚えている。専門学校でも朝礼があるなんて予想していなかった、ダルすぎ。 そういえば小学生から高校生まで朝礼代わりにあったのが「礼拝」でる。 キリスト系列の学校に行っていたので(かといって両親は無宗教)、「礼拝」は私の中では朝礼よりも馴染みのあるものだった。内容は先ず今月の司会進行の教員が今日歌う歌のページ数を言い、生徒は一斉に歌集を開き讃美歌斉唱。その後は旧約聖書or新約聖書の読む箇所を言い(例「マタイによる福音書○章○節」)、代表者の朗読を聞きながらみなもその箇所を黙読。次は今月の先生からのお話(多い時は2人話すことがあった、1人で充分だ)、そしてみなでお祈り、再び讃美歌で終了である。

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travel

Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 35 徳島2  日本最大の喫茶で瀬戸の世紀末を満喫

徳島と香川を結ぶ瀬戸内海沿いの国道に面して、偉容を誇っていた「カフェ・ギャラリーレストラン・UZU珈(うずか)」。残念ながら2006年ごろに閉店してしまったようで、更地になったあと現在では太陽光発電施設になっている(このパターン、多い気が)。 あらためて調べてみると、「UZU珈」をつくったのは赤松健一さん。店のあった島県鳴門市北灘町大須字長浜から、県境を越えてすぐの香川県東かがわ市引田に昭和3年生まれ、農家の長男だった。しかし家業を継ぐことなく産経新聞大阪本社に就職。カメラマンとして働き始める。社には福田さんというやけに博学の先輩がいて、それが実はのちの司馬遼太郎であった。

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2021年10月20日 Vol.473

book

国ちゃんの「手紙」

先週の告知で京都ホホホ座ねどこでの出版記念展を紹介した松本国三の『手紙 松本国三』。存命・現役のアウトサイダー/アールブリュットの作家としては異例のボリュームとなる4冊組作品集だ。今週は国ちゃん(付き合いが長いのでそう呼ばせていただく)と制作のお話を書かせていただく。国ちゃんの創作については2003年にデザイン誌『IDEA』で掲載、2009年には『現代美術場外乱闘』(洋泉社刊)に収められたが、長く品切れのままなので……そのときに書いた文章も挟みながら、あらためて紹介してみたい。

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photography

顔ハメニストの憂鬱

展覧会のたびに顔ハメ看板を設置しようと提案しては学芸員を困らせている、僕もけっこう顔ハメ好きではあるけれど、このひとにはかなわないと思うのが「顔ハメ看板ニスト」をみずから名乗る塩谷朋之(しおや・ともゆき)さん。2015年に顔ハメ看板行脚の集大成的記録集『顔ハメ看板ハマり道』が刊行された際に、本メルマガでも「穴があればハメてきた――顔ハメ看板ハマり道」(2015年09月09日号)で紹介させていただいた。「おそらく日本でいちばん「顔ハメにハマった男」。これまでハマった穴が2千枚以上!」とそのとき書いたが、すでに6年前なので、いまは何千枚に記録を更新していることか……。 塩谷さんは『顔ハメ看板ハマり道』出版のあと、県別顔ハメ記録集として2019年に第一弾『顔ハメ百景 長崎天領ぶらぶら編』(阿佐ヶ谷書院刊)を発表。そして2年後の今月、第二弾『顔ハメ百景 青森最果てワンダー編 』をリリースした。

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art

死刑囚表現展 2021

毎年10月に開催されている世界死刑廃止デー企画「響かせあおう死刑廃止の声」。今年は10月9日に新宿・角筈区民ホールで開催。ゲストに弁護士の徳田靖之さん、ジャーナリストの青木理さん、そしてアーティストのSUGIZOさんも参加しての開催となった。ロビーでは例年どおり死刑囚たちの絵画作品などが展示されたが、去年に続いて新型コロナ感染防止で密を避けるために応募作品の全点を展示することができず、かわりに11月5日から7日までの3日間、昨年と同じ中央区入船の松本治一郎記念会館で全点展示とのお知らせをいただいた。 このメルマガで最初に死刑囚の絵画作品を紹介したのは、広島市カフェ・テアトロ・アピエルトで開催された展覧会を紹介した2012年10月17日配信号「死刑囚の絵展リポート」。それから今年で10年目となるまで、何度も誌上で紹介する機会があったが、いまだに美術メディアで正当な扱いを受けているとは言いがたい。もう、そういうことに文句をつけたりする気も失せたけれど、メルマガが続くかぎり!しつこく紹介し続けるつもりなので、ひとりでも多くのかたに見てもらい、死刑に反対のかたも、賛成のかたも含めて、日本の死刑制度が抱える多くの問題に関心を持っていただけたらなによりである。

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス 06 ニューノーマルキススタイル (写真・文:オカダキサラ)

今回のテーマは「キス」です。 ドラマやアニメなどのキスシーンには、恥ずかしくて目を反らしてしまいがちなのですが、路上で見かけると5度見くらいしちゃいます。 唇を重ねるという優しい行為の裏には、「好きだ!」とか、「自分のものにしたい」とか、「愛おしい」とか、「かわいい」とか、そういった狂おしいほどの思いが詰まっています。 感情を抑え「理性的」に振る舞うことを良しとする往来のなか、こっそりと、または大胆に互いへのアツイ気持ちを確かめ合う姿に、いつも感動させられます。 しかし最近、以前よりキスシーンを見かけなくなってしまいました。 感染対策が徹底されている今、マスクをちょっと外してチュッとするのは、たしかにしらけてしまいますが、私としては非常に残念です。 この記事を書くにあたり、「キス」についていろいろと調べました。 なんと、愛するもの同士のキスは免疫力を高める効果があるというトピックを発見。マスクとキスは最強の感染対策であると医学的に証明されれば、今度は街中にキスシーンが溢れるようになるかも知れません。 そんなニューノーマル時代の訪れに、密かな期待を抱いています。

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travel

Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 34 徳島1 巨大ウナギからデンキウナギまで、ヌメリものならおまかせ!

高知県との県境に近い徳島県南東部の海部町(かいふちょう 現・海陽町)にあった「大ウナギ水族館 イーランド」。天然記念物のオオウナギをフィーチャーした、世にも珍しいウナギ専門水族館だった。ちなみにオオウナギは蒲焼きにして食べてるウナギとは別種、種名なので大ウナギではなく「オオウナギ」と書くのが正しいそう。 開館は1989年だが年々来館者が減少、赤字運営が続いて、ついに2005年に閉館となった。閉館時の累積赤字が5613万円だったという……。「全国水族館ガイド」という水族館を網羅したサイトには、こんなヒトコトも―― 展示規模を考えると、入館料の割り高感はいなめない。それを解消するためには、ぜひ、ウナギつかみを試したい。自由につかめるコーナーがあって、初めての体験だとしたらけっこう興奮する。 イーランドの名物としては「日本一のオオウナギ・うな太郎」がいて、なんと体長2メートル、体重27キロの巨体を誇ったが、2003年4月に死去(というのか)。それから2年ほどで閉館となったわけで、うな太郎を失ったのが致命傷だったのかもしれない。

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2021年10月13日 Vol.472

art

塔本シスコ、日常の楽園絵巻

9月4日から始まっているので、もう行かれたかたもいらっしゃるだろう、世田谷美術館で「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス」が11月7日まで開催中だ。 塔本シスコをこのメルマガで取り上げたのは2013年10月02日号「百年の孤独――101歳の現役アマチュア画家・江上茂雄の画業」で、熊本県荒尾市に住む101歳の現役アマチュア画家、江上さんを取材。そのとき荒尾に隣接する福岡県大牟田市と田川市で彼の小さな展覧会が開かれていて、ちょうど同じ時期に熊本市から南下した宇城市の不知火美術館で始まったのが塔本シスコ展。僕が塔本シスコの作品をまとまって見ることができた初めての機会だった。

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lifestyle

蒲田リハビリ日記 第16回  求職迷走録 2021「怪しく胡散臭い」夏の終わりから初秋へ (写真・文:リーサル・ウエポン金本)

深夜2時。小5から「怪しく胡散臭い人(や物事)」を追求してきた俺(今年53歳)だが、あれから40年余…いったい誰がNo.1だったのだろうか? と思い返す。真っ先にフルネームで名前をあげられるのは3人。みな甲乙つけがたいスリートップだ。彼らはどんな劣等感を抱え、どんな反動や裏返し作用から怪しく胡散臭い人物になっていったのか。ふとんのなかで、そんなことをあれこれ考えていたら眠れなくなった。内実を知れば知るほど、夭折した昔の作家が「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」といった《本当の意味》が浮かびあがってくる――。

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photography

妄想ホテル room:007 ハトが見たヒトの世界はロストコミュニケーション (写真・文:フクサコアヤコ)

子どものころ、フランスではハトを食べるということをテレビで知って、翌日公園のハトを捕まえて家に持ち帰ったことがある。 今考えたら諸々アウトだが、子供のすることである。もちろん親にこっぴどく怒られた。 流石に大人になった今では、公園でのんきにえさをついばんでいるハトは食べれたもんじゃないと理解しているが、それでもお腹がすいているときなどにはぎらぎらした目で見てしまう時もある。 そんな私とハトとの関係だが、偶然にも私にはハトの友人がいる。 たまにパフォーマンスに出てたりするが普段何をしているのかはよく知らない。そういえばヒッチハイクでNYへ行ったりもしていたな。 友人であるハト、豆山はハト目ハト科、学名はmameyama。

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travel

Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 33 香川3  小豆島に燃えるギリシャの火

昔は「二十四の瞳」とオリーブぐらいしか印象がなかった小豆島。いまや意識高い系のひとたちの移住先として、長野と並んで人気急上昇中だ。 その小豆島の名勝・寒霞渓に近い山中に1973(昭和48)年オープンしたのが「太陽の丘ピースパーク」だった。パーク内にはギリシャ風神殿が建てられ、アテネから運ばれた聖火がともされ、さらに芝生広場からは播磨灘を望む絶景も楽しめたが……2004年に残念ながら閉園。そのまま廃墟となって久しいようで、Googleの航空写真を見ても、建物がそのまま残っている。 まあ、いまでは瀬戸内芸術祭の舞台でもあるし、おしゃれなカフェやナチュラル系食堂もいっぱいあるしで、寒霞渓まで足をのばす観光客も減ってるだろうし……。しかし建物(神殿)はそのまま残っているので、芸術祭に参加するアーティストに甦らせてほしいものだ。

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2021年10月06日 Vol.471

book

大阪に舞い降りたアメリカン・ドリーム

ヴィンテージ、ではなくて単なる中古の格安ステレオで音楽を楽しもうという連載「『ステレオ時代』の時代」を昨年連載してくれた澤村信さんから、「うち(ネコ・パブリッシング)から都築さんが好きそうなムックが出ます」と教えてくれたのが、『CLASSIC AMERICAN CARS OF 1960'S JAPAN アメリカ車の時代 1960年代・大阪』という長い題名のムック。1979年に創刊された老舗自動車雑誌『カー・マガジン』の別冊として、9月に発売になったばかりだ。しかしどうして澤村さんに、僕のアメ車好きを知られたのだろう!

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス  05 握手進化論 (写真・文:オカダキサラ)

この連載も今回で5回目を迎えました。 私は数字や記号を覚えるのが、とにかく苦手です。 前回の原稿を納品するときも「3回目です」と送ったところ「4回目ですよ」と指摘されてしまいました。 え!? もう4回も掲載させていただいたのか、とミスを恥じるより、驚きや嬉しさのほうがまさってしまいました。 自分のうっかりですが、サプライズをいただいた気分です。 この記事を読んでくださっている方々に改めて感謝申し上げます。 ありがとうございます。これからも頑張ります。 そんな記念すべき5回目は、手をつないだシーンを集めてみました。

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photography

気配の写真――酒航太『ZOO ANIMALS』

中野のすぐ隣とは思えない静かな(ひなびた)新井薬師駅かいわい。もともと写真屋さんだった店舗を使ったギャラリー&バー「スタジオ35分」は、これまで何度もメルマガに登場してもらった。写真屋時代の看板の「プリントスピード仕上げ35分」から、「プリントスピード仕上げ」の部分を削っただけという「35分」のネオン看板。しかもギャラリーなのに夜しか開かず、隣接のバー(もとラーメン屋)との壁をくり抜いたのでギャラリーからそのままバーカウンターに移動・飲酒可能という、いろいろユニークなギャラリーだ。 店主の酒航太(さけ・こうた)は1973年生まれ、サンフランシスコ・アート・インスティチュートを卒業した写真家であり、自身の制作を続けながら、2014年からスタジオ35分のギャラリーを運営、カウンターにも立っている。

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art

DOMMUNE ダダカン特集、購読者限定アーカイブ!

去る8月30日に渋谷のDOMMUNEスタジオから生配信したばかりの東京ビエンナーレ関連企画「THE 100 JAPANESE COMTEMPORARY ARTISTS season 7 #054 糸井貫二/ダダカン/100歳」。DOMMUNEのご厚意により、さっそくメルマガ購読者限定のアーカイブ・リンクが届きました。宇川くん、いつもありがとう!  番組はなんと当日になってのアナウンスという非常事態で、いったいどれくらいのひとが見てくれたか気がかりでしたが、なんと1万5000人近くのビュワーに視聴いただけたとのこと。うれしいですね~。番組内では、いま仙台郊外の施設で穏やかな日々を送る100歳のダダカン師とスタジオを、オンラインでつないでの登場も実現しました!

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travel

Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 32 香川2  純金トイレでウンをつけよう

瀬戸大橋を岡山側から渡った四国側のゲートウェイが宇多津(うたづ)町。言わずと知れた(?)ゴールドタワーのそびえ立つ地だ。 ある意味、もっともバブルらしいモニュメントのひとつ、ゴールドタワーには珍日本紀行で1994年に、そのあと『バブルの肖像』のために2008年に再取材に訪れている。 そもそもゴールドタワーが瀬戸内海を望む宇多津の地に降臨したのは1993年のこと。1988年の瀬戸大橋全面開通にやや遅れての開業だった。ゴールドタワーを建てたのは愛媛に本店を置くユニチャーム。生理用品、紙おむつなど衛生用品でアジア1位のシェアを誇る大手企業である。なのでゴールドタワーに隣接して「チャーム・ステーション 世界のトイレ館」という、たいへんユニークな便器のミュージアムをつくったのだった。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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