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バックナンバー

2017年04月19日 Vol.256

book

バーコードの隙間から

「アップ・アンド・オーバー」という英語は、少なくなった髪の毛をむりやり頭頂部に広げたヘアスタイル、日本で言う「バーコード・ヘア」を指す。シンガポール、中国、韓国、日本を旅しながら撮りためたバーコード・ヘアの「イイ顔おやじ」が一堂に会した写真集『Up and Over』は2012年に韓国ソウルの出版社から発売された。僕は2、3年前に入手したと思うのだが、その著者であるポール・ションバーガーが新しい作品集をつくるために東京に滞在中、と制作を手伝った中野タコシェの中山亜弓さんから教えてもらい、さっそく会うことにした。ポール・ションバーガーはオーストラリア・シドニー生まれ、今年48歳のアーティストであり、旅人である。

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fashion

アリス・イン・フューチャーランド 第1回

サイトウケイスケという画家と出会ったのは2013年だった。『ヒップホップの詩人たち』のトークイベントで声をかけてくれたのだったが、1982年山形に生まれて、ずっと山形で活動していたサイトウくんは、ちょうど30歳になったその年に東京に移住。それからずっと、働きながら絵を描いている。去年の夏から秋にかけて原宿、高円寺界隈をサイトウくんとうろついていた時期があった。「都築さん、ネオカワイイって知ってます?」と聞かれて、「なにそれ?」と尋ねたら、「なんか、不思議な感じの女の子たちと、原宿や高円寺や、イベント会場でいっぱい会うようになって~」と言う。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 30 Glore Psychiatric Museum, St. Joseph, MO

先週に続いてミズーリ州から。カンザスシティから71号線を、プレシャスモーメンツ・パークとは反対に北上すると、1時間足らずで着くのがセントジョセフ。ポニー・エキスプレス(郵便馬車)の本拠地が残るなど、西部開拓の基地となった地域であり、歴史的建造物も数多い。セントジョセフ病院の一角にある博物館は、3フロアにわたる立派なもの。もともとミズーリ州精神衛生局で41年間勤め上げた、ジョージ・グロアという人間が独力で集めたコレクションである。中味も無味乾燥な専門資料ではなく、中世から現代にいたるまで、人間が精神病とどのように向かい合ってきたかを示す、非常に興味深い展示となっている。

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art

八潮秘宝館 春の一般公開!

「秘宝館が絶滅寸前」と嘆く諸氏は多いけれど、ならば自宅に秘宝館をつくればいいだけ!という、日本でおそらくただひとりの勇者・兵頭喜貴さん。すでに本メルマガではおなじみだが、自宅を開放する『八潮秘宝館』の4回目となる「春の一般公開」が今月末からの黄金週間に開催される。昨年、ロケーション撮影中に大規模な盗難に遭ったものの、同志の支援により別府秘宝館に展示されていた蝋人形3体が参加し、これまでとはまたひと味違ったインスタレーション空間に仕上がっている。

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photography

『羽永光利一〇〇〇』刊行記念展

去年8月17日号で紹介した写真家・羽永光利の作品集『羽永光利一〇〇〇』がついに完成、そのお披露目を兼ねた展覧会が恵比寿ナディッフで開催される。戦中世代である羽永は文化学院卒業後、アート・フォトグラフィーを目指しつつ、フリーランス・カメラマンとして前衛アーティストたちの記録を雑誌などで発表するようになる。1981年からは新潮社の写真雑誌『フォーカス』の立ち上げに参加。その後、国内外の写真展に参加したり個展を開いていたが、1999年に死去。2014年になって、AOYAMA | MEGUROTOとぎゃらり壷中天によって、あらたな紹介が始まった。つまり死後15年も経ってから「再発見」された写真家だ。

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2017年04月12日 Vol.255

movie

黒点としての『クズとブスとゲス』

最近日本映画が元気だという声をよく聞く。特に若手の作家が目立っていて、それはそのままテレビ界が彼らの才能を活かせないほど凋落しているからでもあるのだろう。ただ、そうした作品にありがちな「日常を淡々と丁寧に描写する」スタイルには、個人的にはほとんど興味が持てなくて(それは小説も同じことだが)、「でもこれだけは絶対観て! わたしもう10回観たから!」と飲み屋のママから熱烈推薦され、上映時間141分という長さにたじろぎながらも観ることになったのが『クズとブスとゲス』だった。奥田庸介という若い監督の『クズとブスとゲス』が公開されたのは2016年。当時一部で話題にもなったので、なにをいまさらと言われるかもしれないが、公開後なかなか映画館にかかる機会がなかったのが、ようやくDVDがリリースされることになった(4月21日TSUTAYA先行でレンタル開始)。

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book

エクストリームSM画師ファレル

いまやオシャレの範疇に入れられている多くのSM/フェティッシュ系アーティストも、ポルノショップや特殊書店のみで流通する書籍から生まれてきたのだったが、1960年代からすでに50年以上にわたって、ハードコアなSMアートワークを断続的に発表してきたひとりに「ファレル(Joseph Farrel)」がいる。日本では(というかフランスの一般書店でも)滅多に見ることのできないファレルの作品を200点以上収録したハードカバー、限定600部の作品集がこのほど完成、中野タコシェにも入荷していて、さっそく見せてもらった。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 29 Precious Moments Chapel, Carthage, MO

どこの家(実家)にもかならずひとつはあって、ひとり暮らしを始めるときにぜったい持っていきたくない、もらっても困るバッドテイストの象徴というべきものはといえば・・・日本なら鮭を抱いた熊の木彫りとか、赤べことか? これがアメリカだと「プレシャス・モーメンツ人形」になる。赤ちゃん顔に、なぜか涙目=ティアドロップ・アイをした陶器の人形は、アメリカにおける「ザ・実家」アイテムの代表格だ。

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art

アウトサイダー・キュレーター日記 28 佐藤 和博(写真・文:櫛野展正)

クリスチャン・ラッセンの代名詞とも言えるイルカの絵が胴体に描かれた「こけし」。アンバランスな和洋折衷の雰囲気が、笑いを誘う。ユーモアたっぷりで、どこか批評性に富んだ本作の作り手は、著名な現代美術家ではなく、秋田県に暮らす佐藤和博さんの手によるものだ。日本有数の豪雪地帯のひとつ、秋田県横手市。冬になると「かまくら」で有名になるこの街で、佐藤さんは水道や給排水などの設備工事会社「佐藤施設工業」を営んでいる。社内に一歩足を踏み入れると、たくさんの絵が事務所に飾られていた。社長である佐藤さんが全て描いたものだ。奥から出てきた佐藤さんに「先に見るべさ」と案内されたのが、会社事務所と自宅の間に立つ建つ二階建ての大きな蔵だ。

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photography

渋イケメン集合!

2015年12月23日号で取り上げた写真家・三井昌志の展覧会『渋イケメンの国』が今週13日から1週間、銀座キャノンギャラリーで開催される。1年前に発表された写真集『渋イケメンの国――無駄にかっこいい男たち』の、まずタイトルにやられ、写されたまさしく「無駄にかっこいい男たち」の存在感にやられたひとは、僕以外にもたくさんいるだろう。記事の中で三井さんをこんなふうに紹介した――

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2017年04月05日 Vol.254

art

チンコマン襲来!――石川次郎フランス巡回展

それがアートでも音楽でも文学でもいいのだけれど、メールマガジンで取り上げる創作者の多くは、世間にあまり認知されていないひとびとだ。そこには「こんな才能が埋もれていた!」という発見のうれしさもあるけれど、「こんな才能がどうして埋もれたままなのか!」という憤りのほうが大きい場合もたくさんある。漫画というジャンルでずいぶん前から気になっていて、世間にもっと認知されない理由が理解できない才能の持主が、石川次郎だ。僕が石川次郎と書くと、編集者としての師匠であり『トゥナイト2』の次郎さんでもあるほうを思われる方が多いだろうが、今回の石川次郎は1967年生まれ、今年50歳になる同姓同名の漫画家。2014年フランスのマルセイユ/セットで開催された『マンガロ』『ヘタウマ』展(2014年11月12日号参照)で、ようやく知り合うことができた。

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design

絶滅サイト 15「桜データベース」~「文化祭商店」(文:ハマザキカク)

1998年の時点で1000を越える文化祭を踏破『日本高等学校文化祭研究所』/1999年~2016年 運営期間17年 絶滅期間1年/筆者も高校の文化祭にはかなり燃えたタイプの為、とても興味があったサイトだ。このサイトは正確にいつ閉鎖されたのか突き止めにくいのだが、「文化祭見学校地区別一覧表」では「1998年2月末現在:1104校見学してます」とあるので相当な量である。単純計算で毎週行ったとしても20年掛かる。ざっと見た限りだと1991年頃から文化祭訪問を開始している様だ。そして訪れているのは北は北海道からなのだが、西方面は長崎が一校、高知が二校でそれ以外も中国地方や関西地方が僅かなので基本的には東日本が多い。FAQの「何が面白いの?」では「お金になるわけでもないのに、高校生が必死になって取り組む姿でしょうか。「ばか騒ぎ」をしているのを見ると、私も気分が高揚してきます」とある。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 28 Carhenge, Alliance, NE

ネブラスカからワイオミング、ダコタにわたる中西部一帯は、古くからバッドランズと呼びならわされる、痩せ枯れて貧しい地域だった。いまでもそのネガティブなイメージは、基本的に変わっていない。ネブラスカは、「観光」という言葉からもっとも遠い土地だ。ほぼ長方形のネブラスカの、西端の小都市スコッツブラフから80キロほど離れたアライアンス郊外にあるのが『カーヘンジ』。読んで字のごとく、イギリスの誇るストーンヘンジを、なんとクルマで再現してしまった、きわめてアメリカ的かつ20世紀的なモニュメントである。人家ひとつない平原に、にょきにょきと生えた鋼鉄の木。白くペイントされたその塊は、バッドランズへの象徴的な道標のようでもある。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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