昭和のレコードデザイン集
レコードがCDになって音質はよくなったし、A面とB面をひっくりかえす必要もなくなったが、かわりに失われたものがある――ジャケットの魅力だ。あの、プラスチックのCDケースに封入された12センチ角のブック…
design 世界を桃色に染めて――本宮映画劇場ポスター・コレクション3 |
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これまで2週にわたってお送りしてきた、福島県本宮市の奇跡の映画館・本宮映画劇場館主・田村修司さんのポスター・ライブラリー。先週まではピンク=独立系成人映画――日活、東映、大映、東宝、松竹というメジャー5社に属さない小規模な制作配給会社によってつくられた、インディーズのポルノ映画――を紹介してきたが、最終回となる今週は、ちょっとテイストの異なるふたつのジャンルをお見せする。すなわち、怪談と女湯! |
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映画上映もすれば、女子プロレスや小人プロレスの実演もある、ストリップもある、浪曲や講談や歌謡曲やロカビリーの演奏もある、というような地方の映画館は、言ってみればその町のエンターテイメント・センターだった。 |
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夏祭りの見世物小屋やお化け屋敷の絵看板そのままのような、おどろおどしいイラストと描き文字が画面いっぱいに踊る、場末怪談映画のポスター。しかしそこにはタイトルと、「そら出た! また出た!」「うらめしや・・」といった煽り文句があるだけで、ほとんどの場合、監督も俳優も、製作配給会社の名前すら入っていない。 |
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田村さんによればこうしたポスターは、「ポスター屋」と身も蓋もない名前で呼ばれる、小さな会社に外注されていた。地方の小屋主は、そんなポスターでお客を集め、ときには映写機を車に積んで、映画館すらないような小さな町や村へと移動上映して回っていたという。そういう牧歌的で、映画を見世物以上でも、以下でもないエンターテイメントとして楽しめていた時代が、いまから40~50年ぐらい前には確かにあったのだ。 |
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『ねこと人間と性』(先々週紹介)のような、ワケのわからないセクスプロイテーション・ムービーから怪談映画まで、あらゆるB級映画を愛してきた田村さんが、実はことのほかお気に入りなのが「女湯映画」。本宮映画劇場のコレクションには、見たこともない、もう見ることもできない女湯映画のポスターが、どっさり秘蔵されているのであった・・・ぜんぶほしい! |
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「女湯映画」という特殊なジャンル(裸が出ても自然だという意味で)をつくったのは、かの山本晋也監督=カントクだった。 |
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大ヒットシリーズとなった『未亡人下宿シリーズ』や、ギネスブックに載るかという本数となった『痴漢』シリーズなど、カントクの代名詞となったジャンルはよく知られているが、同じように60年代後半から70年代にかけてヒットしたのが『女湯』シリーズ。昭和44(1969)年の『女湯三助物語』を皮切りに、たくさんの女湯シリーズを撮影している。 |
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ちなみに1979年に刊行された『わたしは痴監』(レオ企画)の巻末にあるフィルモグラフィーによると、昭和44年度の監督作品が―― |
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女湯物語(小島マリ・東京興映) |
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と13本、月に1本以上撮っていたことになる! また、女優のなかに谷ナオミ、白川和子など、のちに日活ロマンポルノなどで有名になる名前を見つけることができるが、これはピンク映画に押された大手による「五社エロス」のスタートにより、ピンク映画の女優たちがスカウトされていった結果でもある。その対抗策として、ピンク映画業界では「実演」という新機軸を打ち出したことは、先週述べたとおり。 |
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昭和44年という段階で「女湯」「未亡人」「痴漢」というカントクの三大テーマ(?)がすでにスタートしていたわけだが、山本晋也のいわばやぶれかぶれのエネルギーが爆発したこの時期は、実はピンク映画が絶頂から下降期に向かう転換点でもあった。現在もピンク映画について精力的な執筆を続けている映画評論家の鈴木義昭さんによれば、それはこういう状況だった―― |
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1968年は日本の「セクスプロイテーション映画」にとって曲がり角の年となった。吹き荒れる独立プロ旋風。迎え撃つ「五社エロス」。斜陽の映画産業を桃色に染めて、激しいバトルが生まれたのがこの年だ。振り返ってみよう。独立プロ系の「成人映画」は、65年の218本をピークに翌66年には176本と、早くも下降線に入った。67年には169本と横ばいのままだったが、その年の邦画洋画全興行収入の1割弱に相当する60億円も稼いだ。当時の東宝、松竹、東映、日活、大映の邦画大手「五社」は、このまま見過ごすことは出来ないと考えた。地方では「ピンク映画」といわれた独立系成人映画と市場の奪い合いが起きていたのだ。三本立て四本立ての中にピンク映画が入っていなければ客が来ないという盛り場裏の映画館も多くなっていた。なにより独立系は「写真料金」のダンピングで五社を脅かしたのだ。興行収入に対する配給側の取り分は、67年段階で「40%」まで落ち込んでいたが、独立系は「15%」まで下げることもあって、五社はたまらなかった。「独立系成人映画の一掃」を、五社は決意する。 |
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すでに斜陽の日本映画界で、すでに下降線に入ったピンク映画界で、予算も時間もないなかで、ただアイデアと情熱だけで闘っていった最下層の映画人たち。和製グラインドハウスの扉を閉めようとしなかった小屋主たち。その雑草スピリットが、デザイナーすらいなかったであろうポスター1枚にも宿っていると言ったら、言いすぎだろうか。 |
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そして『旅する映写機』も絶賛上映中! |
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先々週もお伝えしたが、本宮映画劇場も登場する、全国各地の映画館と映写機と「映画館のある町」を訪ね歩いたドキュメンタリー映画『旅する映写機』が、東京と名古屋で現在上映中(ポレポレ東中野、名古屋シネマスコーレ)。いずれも今月20日(金)までなので、御見逃しなく。 |
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映画公式サイト:https://eishaki.com/ |
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【編み物☆堀ノ内よりお客様のご紹介】 内海さんが大学生だった1981~1984年はサーファーブーム。横浜育ちの内海さんはバリバリのサーファーになり、大学時代は湘南で波乗り三昧。新卒でサーファー雑誌『…

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!