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2012年02月22日 vol.008
interview
烈伝・ニッポンの奇婦人たち 2 切腹アーティスト 早乙女宏美 [後編]
1983(昭和58)年、新宿東口の伝説的“ポルノデパート”ファイブ・ドアーズで働きはじめた早乙女宏美、ちょうど20歳になったころだった。ノーパン喫茶ふうのラウンジにテレフォンセックス、ポラロイド撮影など「5つのコーナー」にわかれていたファイブ・ドアーズは、ビニ本やピンク映画に女優さんを供給するプロダクション部門も持っていて、早乙女さんはそこに所属、本格的に雑誌モデルの仕事を始めるようになっていた。
food & drink
電気の街の、わくわくうさぎランド
新・秋葉原の中心部に2月10日オープンしたばかりなのが『CANDY FRUIT うさぎの館』。その名のとおり、うさぎがいっぱいいる館なんです・・しかも動物のうさぎと、人間のうさぎが。猫カフェというのはよく聞くけれど、うさぎですか・・と絶句したら、連れてってくれた友達によると、すでに東京だけで10店以上、なぜか横浜にはさらに多くの「うさぎカフェ」が盛業中だとか。
book
あいかわらず無茶なTRASH-UP 11号!
「出版界は構造不況で・・」とか、高給もらいながら能書き垂れてる大手出版社のオヤジたちに、正座して読んでほしいのが『トラッシュアップ』。「日本で唯一のトラッシュ・カルチャー・マガジン」と銘打たれてますが、たぶん世界でいちばん豪華な(笑)トラッシュ・カルチャー・マガジンじゃないでしょうか。だってA4の大判で300ページ超のボリューム。ちゃんとカラーページもあって、おまけに広告は(たぶん)表3と表4(裏表紙)だけ! いったいどうやったらこんなの成立するんだろうという、ミステリアスすぎる雑誌であります。
photography
刺青村長!
四ッ谷3丁目のギャラリー・シュハリで今月28日から開催されるのが、片山恵悟さんの『刺青村長』。「刺青村長、変態村の住人たちの、歌と踊りのしつこい饗宴!」というキャッチコピーもイカレてますが、写真もすごい・・見ておわかりのとおり。片山さんは本業が雑誌編集者。それも『実話マッドマックス』『劇画マッドマックス』両誌の編集長という、なかなかスリリングな誌面の責任編集を長く続けているので、その人脈と度胸とエネルギーは大したもの。東京の、いちばんディープなアンダーグラウンド・シーンに案内してくれます。
2012年02月15日 vol.007
interview
烈伝・ニッポンの奇婦人たち 2 切腹アーティスト 早乙女宏美 [前編]
早乙女宏美はおそらく日本でただひとりの「切腹パフォーマンス・アーティスト」である。そしてピンク映画からSMビデオまで、数々の映像で男たちを魅了してきた伝説の女優であり、SMショーの花形であり、作家でもある。業界では知らぬもののない存在でありながら、一般のメディアからは不当に過小評価されつづけてきた、アンダーグラウンドのミューズ。その劇的な半生をこれから2週にわたってご紹介する。
design
昭和のレコードデザイン集
レコードがCDになって音質はよくなったし、A面とB面をひっくりかえす必要もなくなったが、かわりに失われたものがある――ジャケットの魅力だ。あの、プラスチックのCDケースに封入された12センチ角のブックレットが、いかにお洒落にデザインされようと、30センチ角のLPジャケットや、シングル盤のビニール袋に入れられたペラのカバーにすら、とうていかないはしない。そして在りし日のLPを縮小した紙ジャケCDは、さらにもの悲しい。
photography
石川真生『港町エレジー』
ここにあるのは『日の丸を視る目』のような明確な社会派メッセージではなく、おのれの肉体にすべてをかけて生きる男たちの圧倒的な存在感に、目を見張る女性写真家のまなざしです。撮影されたのはいまから20年以上前ということになりますが、これが50年前でも、いまでもたぶん変わらないであろう、フリチンの生き様。モノクロームの画面から匂い立つような、男臭さ。
2012年02月08日 vol.006
travel
福岡郊外に隠された匠の理想宮・・ 鏝絵美術館探訪記
「鏝絵」・・・「ウナギ絵」じゃありません、これで「こて絵」と読む。「鏝」とは左官屋さんが漆喰を塗るのに使う、あのコテ。したがって「こて絵」とは漆喰を素材にして、こてで描かれたレリーフ様の半立体美術作品である。 こて絵といえばまっさきに名前が挙がるのが、「伊豆の長八」こと入江長八。幕末から明治にかけて活躍した稀代のこて絵師であり、伊豆松崎には石山修武の設計になる『伊豆の長八美術館』があるので、訪れた経験のある方も多かろう。
art
石子順造的世界:府中市美術館にて開催中
1970年代に『ガロ』を読みふけった世代にはおなじみ、石子順造は『キッチュ論』、『コミック論』などで知られた美術評論家であり漫画評論家。漫画にアングラ芸術、街場のデザインなど、当時見向きもされなかったストリート・レベルのアートの価値を積極的に評価した、先駆的な存在でした。昭和52(1977)年に、わずか49歳で亡くなっているので、もちろんお会いしたことはないけれど、業績を見てみれば僕の大師匠というか・・・。
archive
見本市だよ人生は:レジャー&サービス産業展2007
露出度満点のキャンギャル(キャンペーン・ガール)とカメコ(カメラ小僧)は、愛憎半ばする結合双生児として、見本市会場に華(?)を添える存在である。師も走る12月のある平日、東京有明のビッグサイトでは、キャンギャル軍団はこれでもかと魅力を振りまいているのに、カメコがひとりもいない、異例の光景が展開していた。あー、もったいないというか、ちょっと寂しい。
2012年02月01日 vol.005
interview
烈伝・ニッポンの奇婦人たち 1 旅館『西の雅・常盤』女将 宮川高美 後編
365日休みなし、毎晩8時45分からたっぷり1時間半にわたって繰り広げられる女将劇場。先週はそのステージの様子をお伝えしたが、今週は女将劇場の演出家であり、舞台監督であり、主役でもある大女将・宮川高美さんのインタビューをお送りしよう。老舗旅館の娘に生まれながら、これでもかというぐらいの、苦労と試練の連続。
archive
そして夜のオプションは『スナック来夢来人』で!
『西の雅 常盤』のすぐ裏には、おそらく湯田温泉でも最強のスナック『来夢来人』があります。2008年から2010年にかけて、『アサヒカメラ』誌上で『今夜も来夢来人で』という連載をしていたのですが、それは「全国各地の、来夢来人という名前のスナックを訪ね歩く」という、すばらしくおいしい(笑)お仕事でした。
photography
佐藤信太郎 『東京 I 天空樹 Risen in the East』
『東京 I 天空樹』には2008年12月、まだ更地だった段階から、2011年8月、すっかり完成した姿が隅田川の花火と並んで見えた夜まで、52景のスカイツリーが記録されている。そこに、ありがちな「真下から仰ぎ見るスカイツリーの威容」なんてカットは1枚もない。あるときは近くから、あるときはすごく遠くから撮影されているのは、「風景の中のスカイツリー」だ。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!