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2018年11月28日 Vol.333
book
アーカイヴ:ヴォーン・オリバーと音の夢
ヴォーン・オリバーとは80年代のどこかで、大竹伸朗くんの紹介で会ったのが最初だった。すでに4ADでの仕事は見ていたので、それはすごくうれしい出会いだったし、1993年には現代美術全集「アートランダム」のスピンオフ企画である「ARM=アートランダム・モノグラフ」の一冊として、大竹伸朗xヴォーン・オリバーの共作『東京サンショーウオ アメリカ夢日記1989』という、たいへんぜいたくな本を編集することもできた(京都書院刊、僕がしたのはやり取りの交通整理ぐらいだったが)。ヴォーン・オリバーの作品をまとめた本はこれまで数冊発表されているが、この10月には決定版ともいえる『Vaughan Oliver: Archive』が2冊組ボックスセットとして、ロンドンのユニット・エディションズから刊行された。ずいぶん前に刊行のためのキックスターター・サイトが立ち上がって、それから長い制作期間を経ての、待望のリリースである。今回はその刊行を記念して、内容の詳しい紹介と、大竹伸朗によるトリビュートの文章をお送りする。『Archive』は限定900部。興味を持たれた方は、急ぎ出版社サイトに注文していただきたい。
travel
Freestyle China 即興中華 ラブドールと作る世界観・中国の愛好家たち(写真:コンテスト参加者のみなさま 文:吉井忍)
少し前に武漢でセックスミュージアムを取材させていただいた際、様々な展示物の中で特に印象的だったのが入り口近くに置かれていたラブドールだった。確かに、これも「文化」であり後世への遺産となるものだなと気づいた次第。この時に都築編集長より中国ラブドール業界のオモシロ事例をご教示いただき、いつか書いてみたいとぼんやり思っていた折、今度は中国で初のラブドール写真コンテストがあると聞いて興味炸裂! さっそく主催側に連絡してみたところ、とても好意的に対応していただいた。今回はこの写真コンテスト「娃娃撮影大賽」を中心に、中国のラブドール愛好家たちが繰り広げるストーリーの数々をご紹介したいと思う。
travel
赤線酒場×ヤミ市酒場 ~盛り場のROADSIDERS~ 第3回 神奈川県横須賀市(文・写真:渡辺豪+フリート横田)
第3回に訪れた地は、戦前は日本海軍の拠点、戦後は米軍、自衛隊の基地の街としてにぎわった軍都・横須賀。軍隊あるところ必ず歓楽街あり。今回のゲストはそんなテーマにふさわしいノンフィクション作家にご登場いただいた。「黄金町マリア」等の著作で知られる、八木澤高明氏。いま日本全国の「軍都と色町」をテーマに聞き取りを進める氏は、横須賀の酒場で、何を語るのか? 今回降り立ったのは神奈川県横須賀市。JR横須賀駅の眼前に拡がる港湾には、米軍横須賀基地に寄港する駆逐艦や空母が停泊し、ドブ板通りなど、アメリカナイズされた街が今も多くの観光客を引き寄せている。横須賀の発展は幕末に建設された横須賀製鉄所から始まり、明治17年には横須賀鎮守府が設置、昭和に入ると帝国海軍の一大拠点となった。現在は、アメリカ軍や自衛隊が駐留し、横須賀は関東を代表する「軍都」でもある。今回のゲストはノンフィクション作家・写真家の八木澤高明氏。八木澤氏は軍都と遊廓の繋がりに関心を寄せているという。
travel
Back in the ROADSIDE USA 90 The Paper House, Rockport, Massachusetts
ボストンから約1時間、観光漁港としてにぎわうロックポートのはずれ、ピジョンコーヴと呼ばれる小さな入り江を見下ろす丘に、ペーパー・ハウスがある。その名のとおり「紙でできた家」、正確に言えば10万部以上の新聞紙を使って建てられた家なのだ。エリス・ステンマンという機械技師が、ロックポートに夏の家として建てたこの家。1922年に思いついてから、なんと20年間以上の時間を費やして作られたというペーパー・ハウスは、新聞紙を使い、しかもその新聞が「読めるように」デザインされたという恐るべき手業の集積である。
2018年11月21日 Vol.332
design
だれも知らなかった土方重巳
阪神間モダニズム、という言葉をご存じだろうか。大正から昭和初期にかけてのモダニズム文化のなかで重要な役割を果たした大阪と神戸の間の高級住宅地――いまで言う尼ヶ崎、西宮、芦屋市あたり――で育まれた、オシャレでありながら品の良いライフスタイル。いまでもなんとなくその名残が漂っている気もする香櫨園の住宅街にある西宮市大谷記念美術館で、いま『グラフィックデザイナー土方重巳の世界』を開催中だ。土方重巳という名前には、よほどデザイン史に詳しいひとでないと親しみがないかもしれないけれど、その作品には昭和の時代に育った日本人ならだれもが親しんでいるはず。そういう「知られざるトップ・デザイナー」の、これは貴重な回顧展である。
art
バッドアート美術館、まさかの東京展!
「ボストン美術館の至宝展」が去年東京都美術館で始まって、名古屋展で閉幕したのはまだこの夏のことだけれど、世界的なコレクションを誇るボストン美術館がボストン美術界の頂点とするならば、ボストン美術界の最底辺(笑)に位置するのがミュージアム・オブ・バッド・アート=略称「MOBA」。モマじゃなくてモバね。しかしこんなものまで・・・とニュースを聞いて絶句したのが、明日11月22日から東京ドームシティのギャラリー・アーモで始まる「バッドアート美術館展」。本気でしょうか・・・。「ROADSIDE USA」でボストン郊外デダムの映画館地下にあったMOBAを訪れたのは2001年のこと。それから17年経ったいま、あのコレクションが東京で、それも公立美術館ではなくて遊園地のなかの展示スペースという・・・ふさわしいと思えなくもない場所で見られることになるとは!
travel
Back in the ROADSIDE USA 89 Town Hall, Fremont, New Hampshire
というわけで久しぶりのロードサイドUSAは、かつて取材でアメリカ中の田舎を回っていたときに、本来の取材の寄り道として、僕が好きなアメリカ音楽の聖地を見てみたうちの一箇所、シャグズの生まれ故郷をご紹介! ニューハンプシャー州フリモント。人口3000人かそこらの小さな町ですが、ここはフランク・ザッパをして「ビートルズよりすごい!」と言わしめたザ・シャグズの生まれ故郷であります。1968年、父のオースティン・ウィギンの勧めに従ってドロシー(ヴォーカル、リードギター)、ベティ(ヴォーカル、リズムギター)、ヘレン(ドラムス)、そしてのちにレイチェル(ベース)も加わったウィギン4姉妹によって結成された、「ロック界のアウトサイダー・アート」とでも表現したい、最重要バンド。
lifestyle
ティーンズロード回想録 よろしく流星 第4回 史上最強レディース 三河遠州女番連合(通称・女連)参上! 後編 [文:比嘉健二(ティーンズロード初代編集長)]
「女連伝説」として連載開始――三河遠州女番連合(以下スケレン)が巻頭で掲載したティーンズロード1991年2月号は売れに売れた。VOL5で低迷していたテーィンズロードが、東松山紫優嬢の掲載で爆発的に売れ、息を吹き返してからしばらくは安定路線で月刊誌としては順調ではいたが、もうひとつ勢いに乗れそうで乗れない時期でもあった。このスケレンの登場で、完全にティーンズロードはヤンキー雑誌として他誌を凌駕した。読者、他のレデーィスからの賛否両論の意見が凄かったのは、スケレンの存在がそれだけ印象的だったということの証でもあった。こんな存在感のあるチームはそうは出てこないだろう。これはなにか連載を開始して、毎月スケレンを登場させたい。しかし、ネックは活動拠点が愛知県なので、そう頻繁には訪れることはできない点だろう。 そこで考えたのが、もういちど初代会長のぶこに会い、集中的にインタビューして、何回かにわけて連載することだった。題して「女連伝説」、ストレートでなんのひねりもないが、読者はこういう判り易さを求めている。
travel
ディープ・コリアふたたび 20 大川~道高温泉(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
駅のまわりが殺風景なのは、新築である証し、とでもいうように、大韓西海岸の駅のいくつもが同じような様相を見せつけてくる。かつては小さな町の小さな駅ばかりだったが、大川駅も高架の大きな駅へと変貌を遂げていた。駅のまわりには町らしい町はない。以前は町の真ん中にあった。こじんまりとしていたが周囲には商店と民家がひしめきあい活気があった。新しい駅周辺には新築のモーテルが一軒、後はコーヒーショップのある小さめのバスターミナルのビルがひとつあった。おそらく鉄道とバスの駅を近くに設置できる土地を探して、現行の場所になったのだろう。旧市街のほうへ行かないと、宿にも飯にもありつけないようだった。
photography
ホテルニューマキエの、おピンク・クリスマス!
田岡まきえ(現・マキエマキ)の写真を本メルマガで初めて紹介したのが2016年2月10日号(「自撮りのおんな」)。そのときマキエさんは50歳の誕生日を迎えたばかりで、セクシー自撮りを始めてから1年も経っていなかった(前年10月末のグループ展が初お披露目)。それがいまや! あっという間にツイッターのフォロワーは15,000を超え、その作品の過激さにしばしばアカウント停止をくらう「インスタ垢バンクイーン」として熟女シーンに君臨する存在に。これまで主な発表の舞台は自身のSNSや、展示にあわせてリリースされる自費出版の冊子やポストカードだったが、年明けには初写真集の商業出版も予定されている。そういう、いろんな意味でホットなマキエさんの個展『ホテルニューマキエ ♥マキエクリスマス♥』が、おなじみ板橋のカフェ百日紅で29日からスタートする。
2018年11月14日 Vol.331
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 45『カフェのランチでよく出てくるミニサラダ』川田洋平(編集者)
「二度と行けないあの店」について書くということはつまり、「無愛想な店主が作ったあの優しい味が忘れられなくて」とか、「あの店には恋人と過ごした甘酸っぱい時間がたっぷり詰まってて」とか、きっと自分の人生のある重要な一時期を強烈にフラッシュバックさせるような「自分にとっての名店」について書いてくれよ、という主旨の依頼なのだと解釈している。しかし、二つ返事で引き受けたはいいが、いくら思い返せど、僕にとってそんな連載のセオリーに沿う店など思い浮かばない。どんなにおいしい料理でも感極まるのは口に入れたその一瞬だけ。1年も経てば、もはやその店に行ったことすら忘れてしまう。それでも「二度と行けないあの店」は、きっとある。あるはず。
movie
映画パンフは宇宙だ!(文:臼井悠)
来週11月20日(火)から25日(日)までの5日間、自由が丘のgallery yururiにて「映画パンフは宇宙だ!」と題された企画展が始まります。本メルマガの読者のみなさんなら、このタイトルだけで思わずゴクリと喉がなるんじゃないでしょうか。展示中はパンフにまつわる豪華なトークショーも開催! いったいどんな想いでこの企画が生まれたのか、主催のたきあずささんにお話をうかがったところ、そのアツいパンフ愛に思わず涙・・・。やっぱり愛がないと何も生まれませんよね。じっくりお話を聞きながら、たきさんにおすすめパンフをセレクトしていただいたので、後半では誌上版「映画パンフは宇宙だ!」展も! それではパンフレットの世界を隅々までお楽しみ下さい。
lifestyle
ティーンズロード回想録 よろしく流星 第3回 史上最強レディース 三河遠州女番連合(通称・女連)参上! 前編 [文:比嘉健二(ティーンズロード初代編集長)]
豊橋駅前が女連72人で埋め尽くされた!――それは一本の電話から始まった。ティーンズ編集部は出勤とほぼ同時に、全国の読者や取材依頼のヤンキー連中からの電話がひっきりなしに鳴る。中には父兄や学校関係者からのクレームも少なからずあることはあるが、そういう対応にも次第に慣れてきていた。その一本の電話を取ったのは編集部最年少の今井だった。「編集長、内容がよく聞き取れないんですが、なんか文句があるみたいで、あと、ちょっとラリってるようです」シンナーを吸いながら読者やヤンキーからの電話は日に数回あるが、今井の態度を見ると、俺が対応したほうが早そうだったので電話を代わった。女性だったが、その声はあきらかに少女の声ではない。多分、OBだろう。確かにシンナー特有のラリリ方と、早口な名古屋弁があいまって、先方が何を言いたいのか理解するのに数分を要した。ティーンズに出ているレディースはみなハンパばかりだ、うちのチームはハンパじゃない、比較にならないので取材に来て欲しい。要約するとこういうことで、よくあるといえばよくある話。みな、自分たちのチームがナンバー1だと自負してる自己顕示欲の塊みたいな連中なのだから。「で、そちらは何人ぐらい集まりそうですか? え、ひ、100人以上・・・ですか。本当に?」
art
渡辺雅絵「魔改造」展@mograg
アウトサイダー・アートというよりもロウブロウ・アート、と世間的には認識されているのだろう。でも、mogragギャラリーにときどき立ち寄って、それまで名前も知らなかった若い作家たちの展覧会を見ていると、いわゆる現代美術でもなければ、むろん伝統美術でもなく、障害を背負ったからだやこころから生み出される表現でもない、ただ音楽をやりたかったから楽器を買って曲を作ったり歌ったりするように、ただ絵を描いたり立体物を作りたくて作ってるだけ、むしろこっちのが「ふつうのアート」なんじゃないかと思えてくる作品によく出会う。送られてきたDMの写真が妙に気になって、先週日曜に見に行ったのが渡辺雅絵個展『魔改造 MAKAIZO』。DMのコピーには、「ガンプラ×植物」「洗練された造形技巧により」「二つの異世界が亜空間融合!」「動植物をモチーフとしたモンスターたちを制作するアーティスト。生物のフォルムや、機能美に憧れ、アクリル画や立体作品で表現する。」とある。
art
絵筆の先のロング・アンド・ワインディング・ロード(文:臼井悠)
酒場で呑み散らかしていると、たまに、このひとが呑んでいるとなぜかその店にひとが集まりそう、というタイプのひとがいる。けっして騒々しく盛り上げるのではなく、誰かにこびるのでもなく、でもなんでかそこにいると、ちょうどいい。岡田成生くんは、そんなひとだ。でも、彼自身はなんか淡々としてるし、彼の描くイラストレーションも、その印象とは裏腹に緻密でクールだとも思った。いったいこのひとは、どんなひとなんだろう。気になったので、新宿の鄙びた居酒屋で揚げ焼売をつまみながら話を聞いてきました。
travel
案山子X 特別版2:私の好きなかかしベスト60(写真・文:上迫愛)
こんにちは。上迫愛(うえさこあい)です。前回に引き続き50回記念の特別版ということで、「私の好きなかかしベスト60」の発表します。私が今まで見てきたかかしは1万体位なのですが、その中から自分のお気に入りのかかしを紹介します。全てのかかしが好きなのだけど、特に好きだったり思い入れのあるかかしを選んでいるので、かなり偏っていると思います。
photography
天幕の見世物小屋、サーカスの時間
『サーカスの時間』という写真集をご存じだろうか(河出書房新社刊)。1980年にオリジナルが発表され、2013年に再刊された本橋成一による貴重な昭和の旅芸人たちの記録を、本メルマガでは2013年に詳しく紹介した。ご存じのように本橋さんは写真家・映画監督であり、東中野ポレポレ坐のオーナーでもある。そのポレポレ坐で今月14日(きょう!)から25日まで、『天幕の見世物小屋、サーカスの時間』が開催される。
travel
ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 09 湖南省(写真・文:関上武司)
大家好!(中国語で皆さん、こんにちは!)軟体トラベラーの関上武司です。今回は湖南省長沙市で目撃したかなり衝撃的だったパレードやお化け屋敷について紹介します。2015年1月3日。この日は江西省九江市から南昌市を経由して高速鉄道で湖南省長沙市へ。「長沙世界の窓」という何やら面白そうなテーマパークがあるとのことで行ってみると、到着した時点で午後1時過ぎに。入場ゲート付近の屋台で長沙名物の臭豆腐(強烈な臭いなので一般的な日本人は敬遠するはずですが、私にとっては貴重なカロリー補給源)を昼食としました。
2018年11月07日 Vol.330
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 44『新宿、サグ・パニール、恋。』小谷実由(モデル)
カレーが大好きだ、物心ついた頃からずっと。毎日お昼ご飯がカレーでもいい。毎日お昼ご飯はカレーがいい。幼少期、保育園の給食のメニューは毎週金曜日が必ずカレーだった。ちなみに木曜日は麺類。たとえミートソーススパゲティが出てみんながワイワイ喜んでいても、私にとってそれはカレーが近づいてくることを感じさせるプロローグに過ぎなく、気持ちは翌日のカレーへと華麗に奪われていた。そんな幼少期を過ごして大人になったいま、私の好きなカレーはインドカレー。一番好きだったカレー屋さんは今年の4月末、45年の歴史に突然幕を閉じてしまった。
photography
夢は廃墟をかけめぐる
「廃墟写真」というジャンルが確立してから、もうずいぶん時が経つ。僕自身は廃墟よりも、廃墟になる一歩手前の場所で生活の気配を写そうとすることのほうが多いけれど、廃墟の写真を見るのはもちろん嫌いではなくて、国内・海外の廃墟写真家の作品をずいぶん見てきた。人間の表情のように建物や遺跡や風景は始終変わっているわけではないので、同じ場所にいれば、だれが撮っても同じようなものと思われるかもしれないが、それが微妙に異なるところが廃墟写真のおもしろさでもある。資料としてかっちりと、スキャンデータのように写される廃墟もあれば、建造物を包み込む空気感のようなものが掬い取られる、そういう廃墟写真もある。同じ場所から、同じ角度で撮影しているのに。図面と絵がちがうように、それは撮影者の視点や思いが、デジタルデータという無機的なメディアにもちゃんと反映されるのだ。
travel
Northern Lights 2018 vol.4 ホッキ貝とロックンロールの苫小牧
太平洋に面した苫小牧は札幌、旭川、函館に次ぐ北海道内で4番目に大きな市。ウトナイ湖など自然観光資源に恵まれて、新千歳空港から札幌には車で1時間かかるところ、苫小牧は30分ほどと実はアクセスもいい。首都圏からのフェリーが着くのも苫小牧港だ。苫小牧の港近くには道の駅ならぬ「海の駅 ぷらっとみなと市場」が観光客を集め、大通りを挟んだ港側には苫小牧で一番人気の「マルトマ食堂」もある。市場のほうは海産物の直売や海鮮丼などを出す屋台食堂が並ぶ、よくあるタイプの観光市場だが、駐車場の端っこにある「ほっき貝資料館」は、ほとんどの観光客に無視されているものの、実はかなりのクセモノ系手づくりミュージアム。地味な外観の内部には、驚きのアウトサイダー環境が構築されている。
travel
案山子X 特別版1:かかし旅について(写真・文 上迫愛)
こんにちは。上迫愛(うえさこあい)です。先月案山子Xの連載が50回目を迎えました! 50回記念という事で、今回と次回の2回に分けて特別版を掲載させてもらう事になりました。今回は自分の事と、かかしを巡る旅の事について書きます。1981年、私は広島県の山間部のコンビニも無いようなど田舎に生まれ、のんびりと育った。特に興味がある事もなく、スポーツも勉強も苦手で、なんとなくボーッとしながら日々を過ごし、親からはよく「覇気が無い」と言われるような子供だった。中学生の時、さらに田舎の山奥に住んでいる祖母の家に行くと、近所の人の畑にかかしが立っていた。
travel
ディープ・コリアふたたび 19 木浦~群山(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
木浦に長居するつもりはなかったので、さっさと鉄道に乗る。西の方へ行くことにしたので、群山(クンサン)方面に近づく方向で考えた。翌日の移動を考えるとあまり小さな駅には降りられない。以前光州へ行ったとき、乗り換えで通った光州松汀へ投宿することにした。大きく変貌を遂げて立派な地方都市として見た目と、おそらく内実も整えた光州の中で、光州駅は立地のせいもあって、周辺は今も旧市街然としていたが、光州松汀のほうはKTXの停車する至便な駅のある町として隆盛しているように思えた。実際どうなのか確かめようということになったのである。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!