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2019年09月25日 Vol.373

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 82『三鷹アンダーグラウンド』平民金子(文筆家・写真家)

三鷹駅の南口を降りて中央通りをほんの1分ほど歩けば、左手に吉野家が目印のニューエミネンスビルがある。そこの階段を地下に降りると三鷹アンダーグラウンドカルチャー(地下飲食店街)の心臓部である喫茶店リスボンと中華そば「みたか」に辿り着くだろう。トイレは両店共用、和式。2011年の4月。そのころ西荻窪に住んでいた妻と私は、前年に「江ぐち」の味を継承し屋号を「みたか」とあらためた新しい中華そば屋を応援するような気持ちで、たまにここでラーメンを食べ、帰りにリスボンでコーヒーを飲むのが習慣だった。

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photography

いまそこにいるイヴのために

「ラブドールの写真集をつくってるんです」と言われて一瞬、またかという気持ちになった。先々週、馬喰横山町KKAGで開催された石井陽子さんの写真展『鹿の惑星』トーク会場でのこと。話しかけてくれた青年はいかにも手づくりっぽい、薄い写真集を取り出してみせた。「SAORI」とタイトルがついているのは、オリエント工業の一番人気モデル「沙織」のことだろう。正直言ってあまり期待しないままページをめくってみると、そこにはめったに見られないラブドールの写真が載っていた。SAORIと名づけられてはいるけれど、この写真集の主人公はラブドールではなくて、ラブドールを愛するひとりの中年男なのだった。人造美女ではなくて、ラブドールと人間――サオリとナカジマさん――が交わした愛の記録が、写真と文章でつづられているのだった。

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lifestyle

ラブドール誘拐事件

SNSで拡散したばかりか、スポーツ新聞でも取り上げられたりしたので、すでにご存じのかたもいらっしゃるだろう。本メルマガでもおなじみの、異端のラブドール愛好家・兵頭喜貴が岩手山中で作品撮影中にドールと付属品などを盗まれたものの、執念の探索で窃盗犯を特定。犯人を相手取った損害賠償訴訟を提起し、このほど完全勝訴を勝ち取ったという顛末である。埼玉・越谷簡易裁判所で判決が言い渡されたのが7月24日のこと。その直前に兵頭館長から詳しい事情を聞いていたが、自宅を開放する「八潮秘宝館・秋の一般公開」がアナウンスされたので、取材から少し時間が経ってしまったけれど、ここでまとめておきたい。

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travel

日本性祭紀行4 鹿島神社の「へいさんぼう」(写真・文:深沢佳那子)

男根崇拝の祭りが開催される目的は様々であるが、その中で圧倒的に多いのが「五穀豊穣」を願う祭りである。妊娠によって膨らむ腹を稲穂の実りに重ね合わせ、男根の持つ生殖能力を田畑に授かろうという考えによるものだ。かすみがうら市牛渡地区の鹿島神社では、そういった男根によって豊作を願う御田植え神事「へいさんぼう」が毎年5月5日に行われている。このへいさんぼうは田植えの一連の流れを儀式的になぞることで豊穣を祈る、「田遊び」「御田祭り」「御田植祭」などと呼ばれる祭りのひとつだ。

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art

波磨茜也香のおんなのこ散歩 第7回 地獄はまだ続く・・・・・・28歳の夏休み日記

あー、もう無理。専門学校の夏休みの課題がまったく進みません(現在深夜2時過ぎ)。こんなに集中力が無いのは久しぶり、何か理由があるはずなんだけどまったく見当がつかんのです。おかしいなおかしいなと考えながら、今年の夏コミで手に入れたエロ同人誌をめくっております。あ、これか、原因はこれか、作業机の横に大量に積まれるエロ同人という戦利品か。28にもなってエロ同人誌を挟まないとレポートも書けない脳ミソになってしまいました。

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2019年09月18日 Vol.372

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 81『しみいるうどんといなりずし』スケラッコ(漫画家)

こんにちは。私は普段マンガやイラストを書いて生活しています。文章を書くのは苦手なのですが、でもこのテーマ、「二度と行けないあの店で」というのは自分の思うところとぴったりで、字面だけで泣けてくるような気持ちです。以前マンガにも書いたことがある「弁慶食堂」のことを今回はちょっと細かく描きます。私は大学卒業後、京都の会社に就職してデザイナーの仕事を8年くらいしていたのですが、その時たまにお昼ご飯を食べに行っていたお店です。

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fashion

着倒れ続けてマーク・ジェイコブス

カメラマンとしてファッションのお仕事をすることは数年に一度くらいしかないけれど、8月には珍しくファッション撮影の機会があった。マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)のファンを写真に撮るという企画である。『HAPPY VICTIMS 着倒れ方丈記』は去年、原版から10年ぶりに復刊になった(復刊ドットコム刊)。その中にはマーク・ジェイコブスの着倒れさんも収録されているが、「そのひとと連絡取りたい」と、マーク・ジェイコブスのニューヨーク本社から突然、連絡が来たのが数ヶ月前のこと。いまになって怒られるのか!?と一瞬身構えたが、そうではなくニューヨークでイベントをやるので、あの写真をTシャツにしたいのだという。『着倒れ方丈記』はもともと、今は亡きファッション誌『流行通信』に1999~2006年まで続いた連載で、マーク・ジェイコブスの回は2002年に取材・掲載。かなりの月日が経っているので連絡先を探すのに時間がかかったけれど、なんとか発見。そんなやり取りをしているうちに、「新たにマークの着倒れさんたちを撮影できないか」という提案をもらったのだった。

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photography

死体が見た夢 ―― 東大阪シタイラボを訪ねて

むかしから落語家や芸人、変人文化人などが「生前葬」を催す例は珍しくない。そういう、半分シャレとしての生前葬は自分よりも家族や友人知人など、むしろ他人のために開くといってもいいかと思うが、完全に自分ひとりのための生前葬を体験させてくれる場が大阪にある。今年2月27日号「ラブドールが見た夢」で特集した東大阪の奇妙な写真撮影サービス「人間ラブドール製造所」を覚えていらっしゃるだろうか。「人間をラブドールに仕立てる」ことのもう一歩先にある、さらなる「逆転変身」の取り組みとして、この9月から本格始動したのが「シタイラボ」。~~したい(want to do)でも、肢体でも姿態でもなく、死体のラボ。自分が望む「こんなふうに死にたい」という状況・場面を再現し、「擬似の死」として体験してもらうという、人間ラブドール化を上回るユニークで奇妙な写真撮影サービスなのだ。

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food & drink

はばたけ!宴会芸! 第3回「人間カクテルシェイカー」(文:キャリア英子)

第1回、第2回での20世紀宴会芸史から、さらにフォーカスを絞りまして、バブル時代の宴会芸というものについて今回は語りたいと思います。宴会芸の歴史において、バブル期宴会芸は大変重要な研究対象です。しかしながら、バブル期宴会芸に厳密な定義はございません。80年代末の空前の日本経済の狂乱から、その後の「バブルがはじけた」と呼ばれる失速までの間に生まれ、実践された宴会芸を「バブル期宴会芸」と呼ぶ、という厳密な歴史主義をとる研究者もいれば、より広範に、いわゆるバブルを感じさせるものをバブル期宴会芸と呼ぶという向きもあり、これは日本宴会芸学会としても議論が尽きぬところであります。バブル期宴会芸研究としての私の立場は後者、バブルを感じさせるもの、というスタンスを取っています。それと言いますのも、バブルは数年間の出来事でしたが、当時を生きていた人々はその後も長らく日本の社会の真ん中に居続け、宴会の主役であり続けたからです。

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travel

Back in the ROADSIDE USA 109 Closers' Zoo with IQ / Alligator Farm, Hot Springs, AR

先々週「ジョセフィン・タッソーロウ人形館」にお連れしたアーカンソー州ホットスプリングス。アメリカで最初に国立公園に指定された景勝地であり、由緒正しきリゾートである。しかし、かつては上流階級の紳士淑女や、禁酒法時代には有名なギャングたちで賑わったメインストリートも、いまはかなり庶民的な雰囲気。ちょっと前の熱海といった感じが、意外に心地よかったりする。Tシャツ屋やお土産屋、アンティーク・ショップなどが軒を連ねる一角に店を開くのが『ズー・ウィズ・IQ』。「頭のいい動物たち」を集めた、私設屋内動物園だ。

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2019年09月11日 Vol.371

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 80『突撃せよ!あさましい山荘』小林勇貴(映画監督)

「殺してやる、殺してやっからヨォー!」ぶん投げられて割れる酒瓶! 石にぶつかって散った破片が池に落ちると、餌と勘違いしたアホ面の鯉が水面からコンニチハ。ノーコンで酒瓶をぶん投げたサメハダのバカが「ゼッテー殺してやっからヨォオ」といって泣きながら、ゲロを吐きました。以前海水浴に行ったとき、海岸に打ち上げられていた瀕死状態のサメの子供をひたすら殴って撲殺したことから『サメハダ』と呼ばれるようになったこいつは、兎に角短気で超危険。数ヶ月前には殺したスズメバチを繋げて作ったネックレスを首から下げていたことでハチノコと呼ばれていました。本名はコウタロウ。コウは幸せと書きます。

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art

「ビル景」の息づかい

すでにご覧になった方も多いだろうが、大竹伸朗『ビル景』展が7月13日から水戸芸術館で開かれている。本メルマガでは今年4月3日号で熊本市現代美術館での展覧会を特集したが、そこからさらに新作など100点あまりが加わり、約600点の「ビル景」が並んだ大規模な展示になっている。また今回の『ビル景』は、大竹くんにとって2006年の東京都現代美術館での『全景 1955-2006』以来、なんと13年ぶりとなる関東エリアでの美術館個展でもある。

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art

あいちトリエンナーレ雑感1

早く行かなきゃと思いつつ時間が取れず、そのうち「今週いっぱいでサエボーグの公演終了!」と聞いて焦り、「あいちトリエンナーレ」に日帰りで行ってきた。「愛知芸術文化センター」「名古屋市美術館」「四間道・円頓寺」「豊田市美術館・豊田市駅周辺」と4つにわかれたエリアのうち、事情通のお話によると「豊田エリアがいちばん充実」らしいのだが、サエボーグの公演がある芸術文化センターと両方日帰りでこなすのは無理があり、断念。会期中にもういちど挑戦したいので、今回はメルマガでの「第一報」と思っていただきたい。

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photography

ペイジ・パウエル「ビューラ・ランド」展、開幕!

先々週号「ニューヨークが「ほかのどこにもない場所」だったころ」で特集したペイジ・パウエルの写真展「BEULAH LAND」が、先週末にドーバー ストリート マーケット銀座で開幕した。ドーバー ストリート マーケットの1階には「エレファントルーム」と呼ばれる小部屋がある。中央にイギリスの立体作家ステファニー・グエールによる巨大ゾウが鎮座するガラスの空間が、今回の展示室。ゾウは半透明スクリーンで囲い込まれ、壁面すべてと床面に約3,000枚のプリントを貼り込められて、なんだか80年代に直結するタイムカプセルに飛び込んだ気分にさせられた。壁面のあちこちには無料のポストカードが仕込まれていて、好きなものを持って帰れるようになっている。

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photography

失われた京都を求めて

「ニュイ・ブランシュ」は毎年10月初めの週末にパリで開催される「徹夜のアート・イベント」。こういうのはほんとうにパリが羨ましいところだよなあ・・・・・・と思っていたら、パリと姉妹都市である京都でも「ニュイ・ブランシュ京都」が京都市とアンスティチュ・フランセ関西(昔は「日仏学院」でしたね)が共同開催されるようになって、今年は10月5日の土曜夕方から、京都市各所で開催される。その関連企画のひとつとして、なんと二条城で開催されるのが甲斐扶佐義初回顧展『京都詩情』。このメルマガでも何度か登場している甲斐さんは元「ほんやら洞」店主、いまは木屋町でいちばん汚いとされる(誉めてるつもり!)「Bar八文字屋」の店主であります。

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lifestyle

DOMMUNEスナック芸術丸・再配信「BONE MUSIC」5時間スペシャル!

今年前半にお送りした3本のスナック芸術丸プログラムを、ロードサイダーズ購読者限定で公開してもらうDOMMUNEからのプレゼント! 最終回の今回は、原宿での展覧会にあわせて4月27日に特別配信された、「BONE MUSIC」5時間スペシャル! ソヴィエト冷戦時代、レントゲン写真に音を刻んだ奇跡と感動の音楽秘話。ロンドンから展覧会のキュレーションを担当したスティーヴン・コーツとポール・ハートフィールド、さらにBird、Seiho、そしてオープンリール・アンサンブルの和田永各氏によるライブ演奏を、その場でレントゲンフィルムにカッティングする実演もあり! DJ Licaxxxによる、ボーン・レコードによるDJプレイまであり! 丸々5時間ノンストップ・・・・・・ボーン・レコードに関して、これだけ充実のプログラムは世界のどこを探しても、他にないはず。気合い入れて、じっくりお楽しみください!

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2019年09月04日 Vol.370

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 79『北浦和 さらじゅ』島田真人(編集者・カレー愛好家)

ほぼ毎日のようにカレーを食べ歩くようになってからもう10年以上経っている。そんな生活をしていたら、いつのまにか自分でカレー関係の本の編集をしたり原稿を書いたりをするようにもなってしまった。そういったことをしていると、やはり「いちばん好きなカレー屋はどこですか?」と聞かれることもある。これがまた答えるのが難しくて、そのときによって答えが違っていたりもするんだけど、最近ではいちおうそういったときに答える用のカレー屋もある。自分の中では「いちばん好きなカレー屋はどこか」という問題について、とくに最近は美味しい美味しくないというところでカレーを食べているというよりは、カルチャー的に楽しんで食べていることもあるので、まだきちんとした答えが見つかってはいないのが現実でもある。いつも出先でカレーを食べたりなんなりしていれば、数多くのカレー屋で食べてもいるし、いまはもう閉店してしまったカレー屋も数多くある。

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design

針と糸でつづる香港愛

抗議活動が13週目を迎え、いよいよ臨界点に近づきつつある香港情勢を、世界が固唾を呑んで見守っている。そんなタイミングで、「香港を忘れないために」先々週はふたりの香港在住写真家を紹介したが、今週はこれもきわめてユニークなかたちで「香港愛」を表現し続ける日本のアーティストを紹介したい。鈴木久美子さんと知り合ったのはもう20年近く前で、そのころ彼女は『SWITCH』という雑誌の編集者だった。仕事でも、夜の遊び場でもよく会うようになって、でも彼女が「編集者のかたわら家でチクチク刺繍をしている」ことは数年前になって初めて知ったのだった。2011年ごろから「macaroni」という活動名で作品を発表している鈴木さんは「刺繍作家」ということになるけれど、大げさな現代美術インスタレーションとかではなく、ハンカチやトートバッグ、ポーチのようなかわいらしいサイズの布地に自分の好きなものを、絵を描くように刺繍している。

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travel

赤線酒場×ヤミ市酒場 ~盛り場のROADSIDERS~ 第7回 秋田県・湯沢市(文・写真:渡辺豪+フリート横田)

今回目指すは秋田県湯沢市。東京上野駅から秋田新幹線で北上。大曲駅で在来線・奥羽本線に乗り換えて、南へ転進すること3時間。目的地の湯沢で旅装を解く前に、一つ手前の中核都市である横手に降り立った。横田「渡辺さん、秋田県のヤミ市は大きなものだと秋田駅前にあったようですが、県南部のこのあたりでは、特にそういった規模のものは聞きません。」渡辺「この辺りはむしろ物資の供給地だったので、ヤミ市はなかったと地元の人に聞いて腹落ちしたことがあります。一方、遊廓は相当賑やかなものがあったようで、現在の歓楽街、中央町がかつての遊廓・馬口労町です。もともと宿場町や地域の集散地として商取引の盛んな街でしたが、明治38年に奥羽本線の開通が、遊廓の発展を後押ししたようで、7軒の妓楼と40名以上の遊女がいたようです。」

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travel

Back in the ROADSIDE USA 108 Josephine Tussaud Wax Museum, Hot Springs, AR

ロウ人形館ができるとその観光地は、なぜか2段階ぐらい、ぐっと品が落ちてダメな感じになる。アーカンソー州南西部のホットスプリングスは、百年以上前からにぎわう老舗観光地。エレガントなバスハウスが湯煙に霞む光景は、アメリカの熱海と呼びたい非現実感が漂う。温泉といえば「飲む、打つ、買う」というわけで、ホットスプリングスはかつて名だたるギャングたちが闊歩する、スリリングな土地でもあった。禁酒法時代にアル・カポネが本拠にしたのもここ。往時の残り香をとどめるアナクロ観光スポットが、いまでも街には生き延びている。そしてホットスプリングスにも、やっぱりロウ人形館があった。それもジョセフィン・タッソーなどという、いかにも正統派のロウ人形館らしい名前の。

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lifestyle

DOMMUNEスナック芸術丸・再配信「ビル景のかなたに with 大竹伸朗」!

先週に続いて今年前半にお送りした3本のスナック芸術丸プログラムを、ロードサイダーズ購読者限定で公開してもらうDOMMUNEからのプレゼント! 今週は4月1日に、大竹伸朗氏を迎えてお送りした「ビル景」スペシャル! 2時間たっぷり、ふたりで語り合います。展覧会のことから、おたがい持ち寄ったレコード披露まで、ご堪能あれ!

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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