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2018年06月27日 Vol.313
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 28『東京ヒルトンホテル オリガミ』篠崎真紀(イラストレーター)
父親の仕事の関係で、子供のころはよく赤坂の東京ヒルトンホテルに行っていた。家族4人で年末から新年にかけ宿泊して、隣の日枝神社に初詣にいくことも多かった。ヒルトンホテルは1963年、日本初の外資系ホテルとして開業。障子や蒔絵をつかったシックな和洋折衷は、子供心にも「これが素敵な大人の世界なんだ」と強く影響を与えた。今でもこの世界が一番好きだ。私と弟が子供だったので、よく行ったレストランは「コーヒーハウス オリガミ」。
book
焼け跡の白日夢――カストリ雑誌コレクション探訪記(文:臼井悠)
ぼーっとSNSを見ていたら「カストリ雑誌 創刊号表紙コレクション」というスゴいタイトルの本が目に・・・。え? マジ2018年の話? 驚いて調べると、発行は昭和の夜の道先案内人・カストリ出版さん。さ、流石です! 100冊を超える表紙コレクションは本当に圧巻でうわ~って食い入るように見てしまったけど、でもなんというんだろう、その意図せず生まれてしまったであろうデザインの面白さに、時代を超えた不思議な気持ちになった。いったいなんでこんな雑誌が生まれていったんだろう。本書によるとコレクションは新潟県に暮らす西潟浩平さんという80才の男性のものだということで、えー、これは絶対会いに行かないといけないやつじゃないですか・・・。
art
日独伊親善図画――80年前の児童画を巡って(文:田中直子)
いまから3年かそこら前、杉並の女子美大にトークに行った。南嶌宏先生が呼んでくれたから。南嶌さんは僕にとって、ほんとうに数少ない無条件で信頼・尊敬できる美術評論家で、たぶんただひとり僕の写真プリントを自腹で買ってくれた美術評論家でもあった。僕とほぼ同い年。毎年、銀座ヴァニラ画廊大賞で審査を一緒にするのも楽しみだったのに、2016年にたった58歳で亡くなってしまった。トーク会場で出会った若い研究者が田中直子さん。その田中さんから「たった5日間の会期ですが、こんな展示をやります」と教えてもらったのが、この6月1日から6日まで女子美大の学内ギャラリーで開催された『日独伊親善図画―80年前の児童画を巡って』という、かなり珍しいテーマの展覧会だった。会期最終日の午後になんとか滑り込み、ちょうど在廊していた田中さんにお話を聞かせてもらえたのは幸運だったけれど、展示はカタログや書籍にまとめられる予定も、いまのところないという。第二次世界大戦勃発の直前という時代に、こんなにユニークな絵画が生まれ、ほとんど知られないままに消えていったこと。その片鱗だけでも見ていただきたくて、田中さんに原稿と作品資料提供をお願いした。たった5日間の貴重な展示を補完する、これはささやかな誌上展覧会である。
travel
Back in the ROADSIDE USA 79 Spud Drive-In, Driggs, ID
ワイオミングとの州境にそびえるグランド・ティトン山系は、ロッキー山脈の最北端に位置し、登山家、スキーヤーに広く愛されている。ティトン山系のアイダホ側にあるベース・キャンプとなる町がドリッグス。町の南端には、アメリカでもなかなか見ることのできなくなったドライブイン・シアターが、いまだに営業中だ。週末ともなれば若者や家族連れがクルマで乗りつけ、道路脇にそびえる巨大スクリーンにクルマの中から見入りながら、評判のハンバーガーをぱくついたりしている。
2018年06月20日 Vol.312
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 27『佐野さん、あのレストランの名前、教えてよ。』九龍ジョー(ライター、編集者)
食のことなんておざなりだった20代前半、一年間だけ築地市場で働いていたことがある。きっかけは……なんだったっけ。4年付き合った彼女にフラれたから、新卒で入った映像制作会社をやめたかったから、いずれにせよたいした話じゃなかった。立川流の落語家になりたくて、当時の前座は河岸修行すると聞いたから、ってたまに人に話してきたけど、たぶんあとからデッチ上げた理由だ。許してほしい。魚のことなんて何も知らなかった。それでもどうにかなった。朝4時に場内に着くと、まずダンベに入った魚の名前と目方をメモする。これなんだろ? あ、ホウボウ。マルにヨ? 養殖か。
art
カーテンの襞から覗く顔
現役の、という言い方は変だけど、いま生きている作家の美術には大別して「現代美術系」と「団体展系」がある。そのどちらにも入らない作家は、美術館でも美術雑誌でもなかなかフィーチャーされにくいけれど、そういう作家たちのほうが実はたくさんいて、ただ見つけにくいだけなんじゃないかと思うようになった。藤田淑子という作家を知ったのはまだ2~3年前のこと。どこかの展覧会のレセプションでポートフォリオを見せてもらったのか、銀座ヴァニラ画廊の公募展に送られてきた作品を見たのが先だったのか。よく覚えてないけれど、すごく妙な絵だな、と思ったのはよく覚えている。銀色の背景に、ほとんど赤と青、みたいな単純な色合いの人物やカーテンのドレープ、つまりひだひだがべたっと描かれていて、でも人物には目も鼻も口もない。むしろ主役は赤や青のひだひだみたいだ。
music
数の子ミュージックメイトの素晴らしき「身内音楽」世界(文:臼井悠)
「身内音楽」と聞いて、いったいどんな音楽を思い浮かべますか。今年の冬ごろ三宿にある『バー725』のママから、「こんど身内音楽のDJイベントやるから遊びにこない? 絶対好きだから!!!」と激しく誘われた。DJの名前は「数の子ミュージックメイト」さんといい、身内音楽ってのは合唱コンクールとかカラオケスナックの録音とか、いわゆる商業ベースにのらない素人音源で、しかも数の子さんはそのハードコアな収集家らしい。うーーーん、マジでなにがなにやらすぎ(笑)! 残念なことにその日はヤボ用でいけなかったのだけど、気になって気になってしょうがないので、数の子さんのご自宅に突撃訪問してきました。数の子さん、身内音楽って、いったいなんなんですか!!
travel
Back in the ROADSIDE USA 78 Petrified Creatures Museum of Natural History, Richfield Springs, New York
ニューヨークシティからカナダ国境まで広がるニューヨーク州の真ん中へんにある、小さな町リッチフィールド・スプリングスは、マンハッタンから4時間ほどのドライブ。オープンが1934年というペトリファイド・クリーチャー・ミュージアムは、太古の恐竜と化石を観察しながら、自分で化石を掘り出せる体験型の学習観光施設だ。とはいえ最大の魅力は林のあちこちに配置された、手作り感あふれすぎのコンクリート製恐竜。午後の日差しを浴びて蛍光色のようにぎらぎら光る極彩色の皮膚は、科学というより現代美術の領域に足を踏み入れているような、ビザール感をにじませている。
movie
桃色の罠――日本成人映画再考 04 山本晋也と『大色魔』(文:鈴木義昭)
やっと捜し出したフィルムだった。何度も映画会社に電話して、実際に企画の説明にも出かけた。映画会社も古いフィルムが稼働するのは願ってもないという雰囲気だったし、旧作が再評価されるのは良いことだと思ってくれたようだった。しかし、実際に「〇〇の映画の原版をお願いします」と依頼しても、それを膨大な倉庫に保管されたフィルムの中から見つけ出すというのは、こちらが思う程には簡単にはいかないものらしく、それなりに時間を要した。「ありましたよ!」という電話があると、小躍りして喜んだものだ。
2018年06月13日 Vol.311
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 26 『六本木シュルレアリスム前夜』和知 徹(料理人)
東京のレストランで働くことが決まり、フランス研修から帰国して直ぐ、白金にあった店の寮に入った。六畳一間の部屋に二人。寝るだけに帰るからと最初は気にしなかったが、相方はサービスマンで帰って来るのが自分より遅く、眠りについたところでレッドホットチリペッパーズをガンガン流されて、よく寝不足になっていた。給料は手取りで八万ちょい。それでも遊びたい盛りだったし、六本木から歩いて帰れるからと、朝まで遊んでそのまま出勤なんてこともざらだった。
photography
マーシャ・イヴァシンツォヴァを追って(文:鴻野わか菜)
数ヶ月前、ネット上でマーシャ・イヴァシンツォヴァというロシアの女性写真家を知った。本メルマガでは2015年に、住み込みのナニー(乳母/ベビーシッター)として働きながら、だれにも見せないままニューヨークとシカゴの街や人々を撮りつづけ、死後になって奇跡的に「発見」されたヴィヴィアン・マイヤーの作品を紹介したが、マーシャ・イヴァシンツォヴァは月並みな言い方をすれば「ロシアのヴィヴィアン・マイヤー」とも言える存在である。1924年から91年までのソヴィエト連邦時代にレニングラードと呼ばれていたサンクトペテルブルクに生まれ暮らし、やはりどこにも発表しないまま街や人々の写真を撮りつづけ、死後になってこれもまったくの偶然から、膨大なフィルムとプリントが発見されたのが、いまから半年ほど前のこと。
food & drink
ニューヨーク、ふたつのチャイナタウン満腹回遊記(文:スナック・アーバンのママ)
生まれて初めてニューヨークに行ってきた。これまで、アメリカに行く機会はめちゃくちゃあったはずなのに、選択肢があればヨーロッパを選んでしまってたし、後半にいたってはもっぱら、早くて安くて美味しいよ♪な東南アジアばっかり旅していた。でも時が来てしまった・・、わたしがNYに行く時が来てしまった・・・。ちょうどNetflixでやっていたトランプのドキュメンタリーも見たし、滑り込みで「さよなら、僕のマンハッタン」も見に行って、やたらTwitterで上がってきたDA PUMPの「U.S.A」も聴きこんだし、準備は完璧。で、せっかくだから、NYで暮らす最高の先輩ふたりに、ちょっとおもしろいごはん屋さんに連れてってと頼んでみたら、結果、全く違うところにあるふたつのチャイナタウンを味わうことになった。どちらもすごくおいしくておもしろかったので、この場を借りてリポートします! またしてもメルマガ史上最ゆる記事になりそうですが、箸休めにどうぞお付き合いください!
travel
Back in the ROADSIDE USA 77 Rosemary's Texas Taco, Patterson, New York
マンハッタン中心部から100キロほど北にある町、パターソン。ルート22に面して、エキセントリックな内装と、健康的なメニュをそろえたレストランが、ローズマリーズ・テキサス・タコ。アーティストを目指して1969年ニューヨークにやってきた、テキサス生まれのローズマリー・ジェイミスンが始めた店である。
movie
はぐれAV劇場 25『完全保存版~モザイクの彼方より~平成ニッポンAV大全』(文:大須蔵人)
さっそくだが、今回紹介するのはAVの歴史を真正面から扱った作品だ。その名も『平成ニッポンAV大全』。平成が終わり、次の時代を迎えようとするいまの時期に紹介するにはふさわしいタイトルのようにも思えるが、実際のところこの作品が制作されたのは1994年で、平成も始まったばかりという頃のお話だ。AVが誕生した1981年から本作が作られた1994年までのAV史上の主だった出来事を、当事者へのインタビューを交えながらまとめられている。
2018年06月06日 Vol.310
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 25 『北極の雪原で味わった「食」の極限』 佐藤健寿(フォトグラファー)
人よりも多く旅をしているせいで「危険な経験はないんですか」と、よく聞かれる。この旅人FAQみたいな質問に、僕はいつも、これといった答えがなくて困っている(いっそプロフィールに「危険な経験特になし」と書きたいくらい)。アフリカの呪術師に呪われそうになって逃げたとか、タヒチの廃墟で野犬の群れに追いかけられたとか、イランの国境で立ち小便をして警察に捕まったとか、いくらか奇妙な経験はある。しかし例えばブラジルで拳銃強盗に襲われるとか、中東で兵士に拘束されるといった、分かりやすい危険な経験は特にない。だからこういうことを続けてられている。とも自分では思うのだが、聞き手はもっと危険をかいくぐってきた、みたいな話を聞きたいのだと思う。すると不発に終わった質問の次に、だいたいこう問うのだ。「じゃあ、一番美味しかったものは?」
art
未来への帰還――ニューヨークのラメルジー回顧展
ストリート・アートの世界ではカルト的な人気を誇ってきながら、2010年に49歳で亡くなったあとは、著作権の帰属がはっきりしない状態が続いたこともあり、なかなか単独の回顧展が開かれなかったが、5月4日からニューヨークのレッドブル・アーツ・ニューヨークという、あの飲料メーカーが運営する非営利アートスペースで初の大規模回顧展『RAMMELLZEE: Racing for Thunder』が開催されると聞き、いても立ってもいられなくなって急遽ニューヨークに観に行ってきた。RAMMELLZEE――正式にはRAMM:ΣLL:ZΣΣと表記する、Σ(シグマ)は総和をあらわす数式、ラメルジーはみずからの呼称を名前ではなく「方程式」であると主張していた――は1960年にニューヨークJFK空港に近い浜辺の町、クイーンズのファー・ロッカウェイ(Far Rockaway)で生まれた。
travel
案山子X 47:かがしコンテスト(福井)(写真・文 上迫愛)
こんにちは。上迫愛です。今回は福井県坂井市のかがしコンテストを紹介します。坂井市は福井県の北部に位置する街です。西側が日本海に面しており、断崖絶壁の景色で知られる景勝地・東尋坊や、古風な様式で建てられた天守がある丸岡城など、全国的に有名な観光地を擁しています。今年の2月に記録的な大雪で被害が出た為、ニュースで坂井市の名前を聞いた事がある方もいるかと思います。坂井市坂井町では毎年8月初旬に「さかい夏祭り」が開催されます。坂井町は周囲を田んぼに囲まれた米どころで、平成元年に町のPRと市民のふれあいを目的とした夏祭りが始まりました。夏祭りのメインイベントである「かがしコンテスト」も同時期に始まり、2016年で28回目を迎えました。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!