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2021年05月26日 Vol.454
art
読めそうで読めないけど読めそうな「レターズ」へ
渋谷PARCOとは交差点を挟んだ対面に位置する東京都渋谷公園通りギャラリーは、東京都現代美術館のサテライト施設として2020年2月にオープンしたアールブリュット/アウトサイダー・アートに特化した展示施設。本メルマガでは昨年7月8日号で「フィールド⇔ワーク展 日々のアトリエに生きている」、9月16日号で「満天の星に、創造の原石たちも輝く -カワル ガワル ヒロガル セカイ-」と、2つの展覧会を続けて紹介した。その公園通りギャラリーではただいま「レターズ ゆいほどける文字たち」を3月から開催中……のはずが東京都の緊急事態宣言により臨時休館中(涙)。現時点では5月31日までということになっているけれど、この先どうなることか。会期は6月6日までなのに。今週は再開への願いを込めて、アールブリュット/アウトサイダー・アートと文字の関わりに焦点を当てたこの展覧会を紹介してみたい。
photography
「portraits 見出された工藤正市」展@KKAG
東京東神田の写真専門ギャラリーKKAGで、2019年から開催している「都築響一の眼」シリーズ。「ラマスキー写真展 肌見の宴」(2019年4月)、「石井陽子写真展 鹿の惑星」(2019年9月)、「許曉薇(シュウ・ショウウェイ)写真展 花之器」(2020年3月)に続く4回目として、6月9日から「portraits 見出された工藤正市」展を開催させていただく。 メルマガ2020年10月14日号で特集した工藤正市は、これまでほとんどだれも知らなかった青森の写真家。亡くなった後に発見された膨大なネガを家族がスキャンして、1年ほど前からInstagramにアップを始め、いきなり世界に知られるようになった。 周囲の写真好きにも工藤正市はかなりの話題を呼んだが、「発見」から1年あまりのいま、青森市民図書館で「くらしのかまり 工藤正市が撮った昭和30年頃の青森市」というパネル展示が開かれてはいるが(6月30日まで)、本展は東京における工藤正市の初写真展となる。
design
私の特別な人を編んでください!――編み物★堀ノ内の「肖像編み物」 第8回 スティーヴィー・ニックス/ユカ・クワントリル(カスタムケーキ職人) (聞き書き:川上雅乃)
【編み物☆堀ノ内よりお客様のご紹介】 アメリカ西部のワイオミングからインスタのDMでオーダーくださったユカさん。どんなひとなんだろう?とインスタを覗いたら、ものすごいケーキをひとりでつくっていました。キャプションを読むと、本物にしか見えないバラやシャクヤクやボタンの花は、どれも砂糖で出来ていて。ケーキ側面のテクスチャーも大理石や鉱物風、レースやドレープだったり。タダ者ではないユカさんのご注文で、フリートウッド・マックのスティーヴィー・ニックスを編みました。
movie
はぐれAV劇場 33 『ブルーフィルム』 (文:大須蔵人)
今年の3月に、俳優の田中邦衛さんが亡くなられた。大俳優の死に、メディアは彼の代表作とされる「北の国から」シリーズの話題を中心に取り上げて故人を偲んでいた。だけど僕にとって田中邦衛は黒板五郎でも青大将でもなく、勅使河原宏の『他人の顔』(精神病患者!)や、「仁義なき戦い」シリーズ(インテリヤクザ!)で、みるものに妙なインパクトを与える名脇役としての姿だったりする。そして何より山田洋次監督『学校』のイノさんか。 田中邦衛さんが主演した映画に、森崎東監督の『黒木太郎の愛と冒険』(1977)という作品がある。小心者でありながら、ジープのボンネットに日本国旗を掲げて、軍モノのジャケットを羽織った“右翼っぽい”格好をして、国家機関の施設を挑発して回るという変な趣味をもったスタントマンを演じている。 この作品の冒頭、映画を志す青年三人がカメラに向かって自身の話をする場面がある。そのなかでひときわ声が低く、滑舌の悪い青年が語る。 「オレは、主に俳優をやった伊藤銃一です。オレらは素人で、こんなことやらされるのは初めてだけど、映画は好きで、オレはそのうち映画監督になるつもりでいます。〔後略〕」
travel
Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 21 兵庫1
淡路の海にニラミをきかすタワーリング・ブッダ――「淡路島の世界平和大観音、6月から解体開始」というニュースを先週見て、ついに……とシミジミした珍スポット・ファンもいらっしゃるだろう。こんなものが(といっては悪いが)思いのほか大きく取り上げられたことに、僕もちょっと驚いた。『珍日本紀行』で世界平和大観音を取材したのは1994年のこと。当時はまだけっこう観光客で賑わっていた記憶がある。大阪のビル経営企業オクウチグループの創業者、奥内豊吉氏が生まれ故郷の淡路島に私財を投じて1977年に建立したのが世界平和大観音。大阪湾を一望する絶好の立地にそびえ立つ「世界最大の像」(当時)は、あまりのスケールに平和というより周囲から浮きまくる異様な存在感が際立っていたが、1988年に奥内豊吉氏が死去。遺志を継いだ奥様も2006年に死去したのを機に閉館。遺族が相続を放棄したため、ゆっくりと廃墟化していった。
2021年05月19日 Vol.453
art
虎よ逃げろ! ――大・タイガー立石展@千葉市美術館
スポーツ観戦や演劇はいいのに美術館はダメという不条理な百合子ブシに苦しむ東京のおとなり千葉県では、公立美術館も通常開館中。千葉市美術館では「大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師」が開催されている。英語のサブタイトルが「The Retrospective」とTheで強調されているように、日本のポップ・アートを振り返るときに欠かすことのできない、しかしその全貌がなかなかつかみにくいアーティストでもあったタイガー立石の、決定的な回顧展だ。グループ展などでいくつか作品を見る機会はよくあるけれど、デビューから遺作までこれほどまとまって活動を辿れることはめったになかったので、個人的にもすごく楽しみにしていた展覧会だった。
travel
レバノン紀行 青い海とデストピア 4 (写真・画・文:アツコ・バルー)
戒厳令がまだ夜8時までだったとき、山岳地帯に遊びに連れてもらったことがある。 ベイルートから20キロメートルほど内陸に向かって、レバノン―シリア国際高速道路を走る。ところが高速道路とは名ばかりで、信号こそないものの、道の両脇には商店が並び、車は自由に停まって買い物をしたり、原付に家族4人で乗ってお父さんは膝の間に子供をひとり挟み、後ろのお母さんは片手でもうひとりの子供をつかみ、もう片手で旦那の耳に携帯電話を当てながらすごいスピードで車に切りこんできたり。中には反対方向から突っ込んでくるキチガイもいたりで、怖いったらありゃしない。
lifestyle
蒲田リハビリ日記 第13回 田園調布に家がない! (写真・文:リーサル・ウエポン金本)
大田区田園調布は世田谷区成城とならぶ東京・最上層の高級住宅街だが、昨今どういうわけか異変が起きている。更地や空き家が、そこかしこに増え続けているのだ。住民の多くは経営者や著名人、もしくはそのご子息だが、不況とコロナのダブルショックで、それぞれの事業が立ちゆかなくなってしまったのだろうか。 最上層と最下層でありながら、田園調布と蒲田は同じく東京都大田区に属し、東急東横(・目黒)線と多摩川線を乗り継ぐものの、わずか15分程度の近距離にある。以前は東急目蒲線が直通運行しており、移動時間はもっと短かった。2000年8月に行われた東急線の路線再編により、目蒲線は目黒線と多摩川線に分割されたのだ。
design
私の特別な人を編んでください!――編み物★堀ノ内の「肖像編み物」 第7回 上野達也/サトコ・ラモーン(遠藤聖子・会社員) (聞き書き:川上雅乃)
【編み物☆堀ノ内よりお客様のご紹介】 先週お話を聞かせていただいた博多の上野広子さんが経営する美容室「ビーハイブ・デラックス」(https://beehivedeluxe.com/)の美容師だったサトコ・ラモーンさん。その名の通り、パンクにメチャ影響を受けて大人になったそうです。闘病中だった上野BOSS達也さん(ビーハイブ・デラックスの経営者で美容師)の笑いをとって病魔を退散させようと、BOSS達也さんの肖像編み物をオーダーくださいました。
photography
妄想ホテル room 002「東京」をあきらめると彼女は言った (写真・文:フクサコアヤコ)
今年の桜は早咲きで、春を待たずに散ってしまうような気がして落ち着かない日々を過ごしていた。そんな3月の終わり、一通のメッセージが届いた。 「東京を離れることにしました。最後に撮ってもらえませんか」 浅葉爽香、ラッパー、ポエトリーリーディング、詩を纏うキメラ、文字と肉体の表現者からの依頼だった。 彼女とは数年前、劇団の撮影を通じて知り合った。そして去年の夏、彼女自身からの依頼で彼女のミュージックビデオ「無修正ポルノ」に挿入するスチール写真を撮り下ろしていた。
travel
Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 20 石川県3
仏教テーマパークで心も体もリフレッシュ――北陸きっての珍スポットとして長く親しまれた?「ユートピア加賀の郷(さと)」。日本中がバブル祭に踊り始めた1987年に開園、「仏教テーマパーク」というハイブリッドすぎるコンセプトが斬新だったが、年々入場者が減っていき、親会社の関西土地建物も経営不振に陥り1998年に破産宣告。翌99年に遊園地部分のユートピアランドが閉園したのを皮切りに、順次閉鎖されていく。そこまでなら普通(?)のバブル遺産として忘れられるはずだったが、ユートピア加賀の郷には劇的な第二章が待っていた。
2021年05月12日 Vol.452
design
映画ポスターは「終わったメディア」なのか
12月中旬に出た本書、映画の本ではあるが名監督でもスターでもなく「広告図案士」、つまりポスターや新聞広告のデザイナーという、業界人しか知ることのない人物の作品を集大成した大判の分厚い作品集で、定価が9000円! なのに初版がもう売り切れ、増刷がかかっているという・・・・・・近頃の出版界ではめったにない現象を巻き起こしている。 2020年にデザイナー生活60周年を迎えた檜垣紀六さんは、1960年代から90年代まで、僕らのだれもが見てきた洋画ポスターを手がけてきた。本書にはそのうち約600本のポスター、チラシ、題字(日本語タイトルロゴ)、新聞広告が収録されているが、そのいくつかを懐かしく思い出さないひとはいないだろう。
travel
レバノン紀行 青い海とデストピア 3 (写真・画・文:アツコ・バルー)
11月1日にレバノンに着いてから毎日車で街を回る。ロックダウン中なのでしまっている店も多いが、食料関係の店は開いているから結構楽しい。学校も閉まっているので子供たちはどうしているのだろう。姿はあまり見えない。 レバノンで運動をしたければ私立のスポーツクラブはある。素敵なプールもマリンスポーツもなんでもできる。よい教育を受けることもできるし、宗教の縛りがない自由な思想を持っている家族もたくさんいる。しかしそれは余裕のある人たちである。彼等だけが思想の自由と移動の自由を持っている。それ以外の人たちは国家ではなく宗教団体の厳しい規律に従い、そこから抜け出すことは大変難しい。幼児婚、処女信仰、宗教差別、さまざまな弊害に苦しむ。そんな社会でなんとか個人の幸せを見いだして生きていくしかないのである。
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私の特別な人を編んでください! ――編み物★堀ノ内の「肖像編み物」 第6回 ジョナサン・リッチマン/上野広子(美容室経営・着付師) (聞き書き:川上雅乃)
【編み物☆堀ノ内よりお客様のご紹介】 いつお会いしてもおしゃれで音楽や映画やサブカルにも詳しい広子さんは、博多の美容室「ビーハイブ・デラックス」(https://beehivedeluxe.com/)の経営者(ご自分では女将と言ってます)。2015年、編み物を始めて間もない僕の作品展「狂い編みサンダーニット展覧会」を開いてくれた恩人でもあります。肖像を編んだのはジョナサン・リッチマン。夫のBOSS達也さんと義理の兄のよしみ(イラストレーターの上野”Billy”よしみ)さんの影響で聴き始め、広子さんの人生に大きなインパクトを与えたミュージシャンの1人だそうです。
design
nobunobuと歩く東京ビル遺産 06 60年代東京に誕生した“輝く都市”、新宿駅西口の街並みは2020年代に失われるのか?! (写真・文:鈴木伸子)
新宿駅西口の再開発が進んでいるようです。 先日、久しぶりに新宿駅西口を歩いていたところ、私がこのエリアで一番カッコいいシブいビルだと見込んでいた明治安田生命ビル=旧安田生命ビル(1963年築)が解体されつつあるのを発見して、驚くとともにガッカリ。コロナでステイホームしていた間にnobunobuに断りもなく、ここでも都市改造が進んでいたのでした。跡地には23階建てのビルが建つのだとか。
travel
ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 23 広東省中編 (写真・文:関上武司)
大家好(中国語で皆さん、こんにちは!)。実は私、使い古した下着や靴下を中国で履きつぶし、処分しているのですが、昨年は訪中できなかったので、下着がたまる一方です…。遠出をする機会が激減したので気分は鬱屈しておりますが、発展著しい広東省のレポート2回目をお届けします。
travel
Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 19 石川県2
総大理石の宮殿は朝市通りのオアシスだった――能登半島の突端近く、奥能登と呼ばれる地域の核である輪島。高級漆器の代名詞・輪島塗で知られ、朝市通りと呼ばれる商店街で毎朝開かれる朝市は平安時代から続く歴史を持ち、千葉県勝浦市の勝浦朝市、岐阜県高山市の宮川朝市と並ぶ、日本三大朝市に数えられるそう。 その朝市通りに異様なオーラを放つ白亜の宮殿(だった)、イナチュウ・コスモポリタン。創業・昭和4年の老舗である輪島塗大手生産者・稲忠が1992年、つまりバブル末期に開館させた美術館だ。白亜のバロック建築はヴェルサイユ宮殿を模したものという。
2021年05月05日 Vol.451
book
語り芸パースペクティブ ――意味の彼方にあるもの
もう60回以上も続いているDOMMUNE「スナック芸術丸」で、ユーロビート特集に次いでリスキーだなと思いながら配信したのが2016年の「浪曲DOMMUNE」。しかし終わってみれば予想をはるかに超える反響をいただき、伝統芸能への関心の高まりを実感したのだった。 あの番組で導き手となってくれたのが女流浪曲師・玉川奈々福。実はもともと筑摩書房の編集者で、ひょんなきっかけから三味線教室に通ううち、やや強引にスカウトされて浪曲を唸るほうにスカウトされ、いまや業界を背負って立つ若手(浪曲界では)のプレイヤー。しかも筑摩書房時代は僕の本を何冊も手がけてくれた担当編集者という間柄なのだった。
travel
レバノン紀行 青い海とデストピア 2 (写真・画・文:アツコ・バルー)
何日か暮らすうちに、同じベイルートの街でも通り一本違うと風景ががらりと変わるのに気がつく。住まいのある「柘榴の目」の町では角ごとにキリスト教の聖人が祀ってある。しかもかなり派手な飾り方で、時にはクラブまがいのミラーボールがついていたり、スピーカーから讃美歌が流れる仕組みのものもある。ここは古いキリスト教の宗派、マロナイト派の区域なのだ。 ところが大通りを渡ると、どかーんとモスクが建っていて、角ごとに今度は宗教指導者と戦死したヒーローたちの馬鹿でかい写真が看板になっている。それらに混じって背広姿の政治家たちも至る所で看板になっている。それぞれの宗派を母体に持つ政治家たちである、写真の下には○○○さんのお陰で道路が舗装されました、とか書いてある。国会議員は公僕でしょうに、特にお礼されることでもないのでは?と思うのは大間違い。後援会の人たちは様々に口利きをしてもらったお礼に看板を作って讃えるのだという。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 09 2021年の、4月と5月のあいだの夜に (写真・文:シブヤメグミ)
メグさん俺ね、ホスト辞めんの。 あの店さ、閉めるんだって。 こないだオーナーが来てね、朝礼で言われた。グループの中でうちの店は売上よくなかったからさー、切られちゃった。 でもうち、リピートする姫が多かったんよ? 小さい店舗で天井も低かったから、シャンデリアもないのに。照明暗くしてんじゃん? だからぶっちゃけ、壁やソファーとかハゲてきてるとこはさ、マジックで塗ってごまかしてるような店だったのにだよ? それでもね、また来てくれてたの。姫たち。みんな、本当に文字通り身体張って稼いだお金握りしめて。俺のこと初めて指名してくれた姫はね、俺の初めての生誕でシャンパンタワーもやってくれたんだけど、そん時タワー見て泣いちゃってさー、それ見たら俺も泣いちゃって。 「ここで遊ぶために頑張ってたら、私、いつの間にかナンバーワンの嬢になってたよ~」 つって。
design
私の特別な人を編んでください!――編み物★堀ノ内の「肖像編み物」 第4回 ジョニー・デップ/國方麻紀(フリーランス・エディター) (文:國方麻紀 聞き書き:川上雅乃)
編み物★堀ノ内からお客様のご紹介:國方さんは映画や海外ドラマなどのエンタメ系が得意な編集者。今から20年前、25歳のときにELLE ONLINE編集部のアシスタントとして編集修業を始め、その後、職場を変わり女性向けWEBメディアの編集長を経てフリーに。今はおもにNetflixが運営する「ネトフリ」編集部(https://note.com/netflix)で映画評やインタビューを手掛けています。國方さんは、僕が編み物活動を始めて間もない頃から「編み物☆堀ノ内の勝手応援団」を名乗り、メディアやSNSでせっせとPRしてくれています。
travel
柴犬のルーツは島根県益田市にあった! ――石号の里・巡礼記
先週号で紹介した「ファッション イン ジャパン」の取材で島根県益田市の石見美術館を訪れたときのこと。たいてい美術館にはロビーの脇とかに他の美術展のポスターが貼られたりフライヤーが置かれていて、それがけっこう有益な情報源だったりするが、美術館が入るグラントワは複合文化施設ということで、美術展のほかに島根県および石見エリアの観光案内パンフレットを集めたコーナーがあった。 『珍日本紀行』で全国を巡っていたころはインターネットというものが存在しなかったので、そういう観光チラシがもっとも重要な情報源だったが、いまだにチラシ・コーナーは欠かさずチェックする習慣がついている。で、温泉案内とかグルメ・ガイドをチラ見していくうち、ちょっと異質のオーラを放つ三つ折りチラシが目に入った。 ここは 柴犬の聖地 「石号の里」 ん? 石号ってなに? 益田市って、柴犬の聖地だったの?
music
NEW WAVE COSMOS 2021展!
ロードサイダーズのみなさまにはもうおなじみ、お色気ナレーション・レコードをはじめとする特殊レコード・コレクターであり、「日本でいちばん展覧会を観る男」でもある山口‘Gucci’佳宏氏がオーガナイズする、パンク・ニューウェーヴのレコジャケとアート展「NEW WAVE COSMOS 2021 ~ニューウェーヴの宇宙~」がオンラインで始まっています。 グッチさん秘蔵のパンクとニューウェイブ・レコジャケ特選コレクションと、それらの音源にインスパイアされた現代のアーティストたちによる作品を並列展示するという、アート・ファンにもパンク&ニューウェイブ・ファンにもうれしい企画。当初は東京田端のWISH LESS galleryで開催される予定でしたが、まん延防止等重点措置~緊急事態宣言のおかげでリアル開催が難しく、まずはオンラインでアーティスト作品をご披露。もしも東京の緊急事態宣言が予定どおり11日で解除されたら、13日から16日までギャラリー会場に展示されるそうです。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!