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2015年04月22日 Vol.161
travel
緊急報告:レトロスペース・坂会館、存亡の危機!?
レトロスペースが揺れている。北海道屈指のビザール・ロードサイド・アトラクションとして名高い、札幌のレトロスペース・坂会館。珍スポット・ファンはすでにお聞き及びかもしれないが、今月なかばあたりから「レトロスペースが4月末で閉館か!」とTwitterなどで噂が拡散。レトロスペースや母体となる坂ビスケット本社にも、問い合わせが相次いでいるという。『珍日本紀行』の取材で初めてレトロスペースを訪れたのが1999年。もう15年以上のお付き合いになる。館長・坂一敬(さか・かずたか)さんには、ご自身の半生を『巡礼/珍日本超老伝』でも語っていただいた。北海道秘宝館がすでに閉館し、去年は札幌市民の憩いの場・喫茶サンローゼすすきの店も閉店。このうえレトロスペースまでなくなってしまったら、いったい札幌でどこに遊びに行けばいいのだろう。
movie
はぐれAV劇場 03 花公路夏男のSM放浪記(文:大須蔵人)
私が専門にしている「ヌケないAV」というのは、もちろんジャンルとして区分されている訳ではなく、何らかの理由(失敗、狙いハズレ、無計画)によって、いわば偶発的に世に送り出されたものといっていい。もちろんこれらは、別に「ヌケない」ために発売されたものではないので、他の多くのAVと同じように販売され、レンタルビデオ屋の棚に入り、時期を過ぎて廃棄され消えていくという過程で、たまたま拾われ、その収録内容によって不名誉にも「ヌケないAV」という称号のもとで世間に曝されるに至ったというものである。
lifestyle
上新庄のヘルマプロディートス(写真・文 ヤマモトヨシコ)
ヤマモトヨシコさんから久々に連絡があり、「なかなか不思議な出会いがあったので、書いて送ります!」と言われて、届いたのがこれからおおくりする「大阪版・両性具有物語」である。タイトルにある「ヘルマプロディートス」とはギリシャ神話に登場する両性具有の神。もともとは美少年だったのが、水浴び中に泉の精に強姦されて、むりやり合体、両性具有者にさせられたという・・・フェリーニの『サテリコン』に出てくる両性具有の生き神もそうだし、美術作品では豊かな乳房を持った少年や、男根を持った女性などの姿でしばしば描かれてきた。さて、大阪のヘルマプロディートスは、いったいどんな生き神様なのだろうか。
2015年04月15日 Vol.160
fashion
華やかな女豹たちの国
いまからちょうど10年前の2005年に僕は週刊朝日で『バブルの肖像』という連載をしていて、それはいまからちょうど25年前(四半世紀!)のバブル期をうれし恥ずかしく振りかえるシリーズだった(2006年に単行本化)。いまもたまに飲み話に出たりするけれど、あのとき日本に、いったいなにが起こったんだろう。株価が2万円に乗るかどうかぐらいで大騒ぎしている2015年のいまから考えると、それは「不可思議」としか言いようのない時代だった――
photography
地べたからパリを眺めてみれば
おもしろそうな展覧会があると聞けば、どこへでも走っていきたいが、さすがにニューヨークやパリやロンドンに「じゃあ明日行ってきます」というわけにはいかなくて、悔しい思いが日々募る。先月もパリでものすごく興味深い写真展があるのを知って悶絶、本メルマガで去年オルセー美術館のサド展などを取材していただいた、パリ在住の作家・飛幡祐規(たかはたゆうき)さんにさっそくリポートをお願いした。パリ市庁舎の建物を囲む柵をギャラリー代わりに、つまり屋外で開催されたこの展覧会は、パリのホームレスたちが撮影した作品を集めた写真展なのだ。
travel
案山子X 20:中田かかし祭(富山)(写真・文 ai7n)
こんにちは。ai7n(アイン)です。今回は富山県高岡市の中田かかし祭を紹介します。中田のかかしの特徴は、頭部が発泡スチロールや紙粘土、身体はワラで作っている事です。ただ単純にワラを使って作っているのではなく、細かく編み込んで髪の毛にしたり、芯に巻き付けて手足になったり、細い指の様々な動きもワラで表現しています。服や小道具や動物等様々な物にもワラが使用されています。中田は農業が盛んな地域なのでワラを入手しやすく、かかしといえば米、米といえばワラのイメージがある為、このようにワラを使用してかかしを作る事になったそうです。
2015年04月08日 Vol.159
art
猫塊の衝撃
新宿から京王線で約30分、稲城は多摩ニュータウンの東端に位置する、静かなベッドタウンだ。改札口で僕を待っていてくれたのが、先日の「ヴァニラ画廊大賞 2014」で大賞を獲得したアーティスト・横倉裕司さんだった。いかにもニュータウンらしい駅前を抜けて鶴川街道を渡ると、景色は突然、のどかな田舎ふうになってくる。代々続いているらしい農家や、放し飼いのニワトリが地面を突ついてる果樹園のあいだを抜けて歩いた先に、空き地に適当に建てられたような、家屋とも倉庫とも言いがたい平屋の建物が数軒かたまっている。そのひとつが、横倉さんが友人とシェアしているアトリエだった。
photography
テンダーロインをレアで
あれは鞆の津ミュージアムが開館したときだったから2012年、いまから3年前のことだ。展覧会に参加した縁でトークに招かれて、終わった後に参加してくれたひとたちとおしゃべりしていたとき、ちょっと・・・ではなくて、いかにも一癖ありそうな革ジャン姿の青年が近寄ってきて、僕に聞いた――「都築さん、サンフランシスコのリサーチって知ってますか」? リサーチ=『RE/Search』は1980年代から90年代にかけてサンフランシスコで発行されてきた、元祖オルタナティブ・マガジンで、その後のZINEをはじめとする世界のオルタナ系出版に決定的な影響を与えた、最重要雑誌である。もちろん、僕も含めて。その『RE/Search』という名前が、こんな場所で、こんな若い日本人の口から出るなんて・・・一瞬、30年前にぐいっと引き戻されたような、目眩に近い感覚に襲われた。弓場井宜嗣(ゆばい・よしつぐ)は鞆津のある福山に暮らす若い写真家。
food & drink
くいだおれニューヨーク・アンダーグラウンド 02 SPICEY VILLAGE(写真・文 アキコ・サーナー)
だれにも人に教えたくない大好きなレストランというのが、1つか2つはあるもの。今日紹介する店は、私が週1通っているお気に入りの店で、実はあまり人に教えたくない店である。というのもここ最近、雑誌などにぼちぼちとりあげられ、週末の7時になると列ができるほどになってきているからだ。ただ私が行く時間帯、ほぼ昼前はかなりすいていて、日本のみなさんには、今回こっそりと教えることにしよう。ここはNYに来たあかつきには、是非とも足を運んでほしい店だから。
design
史上最大のデザイン・レイヴ
1970年、僕は中学2年生だった。修学旅行は京都大阪で、そのハイライトが大阪万博見学だった。「万国博覧会」というものが輝ける存在だった、もしかしたらあれが最後の晴れ舞台だったのかもしれない。大阪万博は6ヶ月で6421万8770人の観客を集め、これはいまだに日本のイベント史上破られていない記録だが、2015年のいま、「エキスポ見物のために旅行」しようという人間が、どれくらいいることか(5月1日から「食」をテーマにしたミラノ万博が始まるの、知ってました?―日本館は建築が北川原温、特別大使がハローキティ・・・)。世界のひとびとの多くが「人類の進歩と調和」を信じていられた、あの時代のあの場所は、いま振り返ってみればクレイジーでポジティブな、アートとデザインの壮大な実験場だと見えなくもない。
2015年04月01日 Vol.158
art
光彩のスクラッチ――Liquidbiupilのアナログ・ライティング・アート
1960年代から70年代に最盛期を迎えた「リキッド・ライティング」を甦らせている若いライティング・アーティストがいると聞いて、耳を疑ったのが数年前のこと。ただ、そのころはライティングどころか、暗すぎて写真も撮れないようなヒップホップのライブにばかり行っていたので、なかなか巡りあうことができず、ようやく一昨年アシッド・マザーズ・テンプルのライブ会場で会えたのが、「Liquidbiupil」(リキッドビウピル)というライティングのチームだった。「Liquid」を裏返してつなげたという風変わりな名前を持つLiquidbiupilは佐藤朗と清水美雪、ふたりのライティング・アーティストによるユニットである。往年そのままに複数台のオーバーヘッドプロジェクターを駆使し、あたかも光と色をスクラッチするように、ライブハウスにサイケデリックな光の空間をつくりあげるスタイルは、アシッド・マザーズ・テンプルのようなバンドからノイズ、さらに演劇の舞台にまで起用され、注目を集めている。
lifestyle
どこのドイツでお達者くらぶ 02 ドイツ式あたりまえ生活(写真・文 久保田由希)
市内中心部の住まいは、4、5階建ての集合住宅が基本だが、郊外まで来ると、ぽつりぽつりと一戸建ても現れはじめる。今日これから訪れるヴェルナー・ネアコンさんのお宅は、テーゲル空港からほど近い、一戸建てが並ぶ住宅地にある。ネアコンさんは1947年生まれの、今年68歳。自営で電気の配線工事を専門としている。私が今のアパートに引っ越したとき、わが家のコンセントを増設してくれた人だ。立派な口ひげが印象的で、初めて見たときはまるでZZ TOPのようだと思った。ハーレーダビッドソンを飛ばしていそうな容貌だ。ネアコンさんのような職人の生活は、私がこれまでたくさん取材してきたデザイナーやアーティストたちの家とは、まったくの別世界に違いない。何かこう、実直な生活がありそうだ。そういう暮らしぶりを覗いてみたくて、家を訪問したいとお願いした。
travel
ニセモノの本気――大ニセモノ博覧会@歴史民俗博物館
東京から成田空港に向かってすぐ手前にある千葉県佐倉市。ミュージアム好きには国立歴史民俗博物館とDIC川村美術館という、ふたつのビッグ・ミュージアムがあることでおなじみ。その歴史民博ではいま『大ニセモノ博覧会―贋造と模倣の文化史―』という、かなり野心的な展覧会を、わりとひっそり開催中だ。「ニセモノ」とか「パクリ」とか言うと、最近では自動的に中国を連想してしまうひとが多いだろうが、ちょっと前までパクリと買いまくりにかけては元祖エコノミック・アニマル=日本人の代名詞だったことを忘れてはならない・・・というような歴史エピソードはともかく、真似ること、コピーすることは、かならずしも「やっちゃいけない悪いこと」で済まされるわけでもない。音楽にしろ美術にしろ、映画にしろ建築にしろ、つねに模倣はオリジナリティの重要な源泉であった。模倣によって磨かれた技術は数限りないし、模倣によって発見された真実もたくさんある。今回の展覧会ではそうした「本物」と「ニセモノ」のあいだのからみ合いから生まれてきた文化を、膨大な館蔵品を中心によって紐解いてみようというもの。考古学から古美術、骨董、見世物まで、時代もジュラ紀から現代まで!と思いきり幅広い展開。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!