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2014年05月28日 Vol.117

travel

紅包場――哀愁の歌謡空間を探して

「台北の原宿」として観光客にもおなじみの西門町(シーメンティン)をぶらぶら歩いていると、やたらケバい顔写真を壁一面に貼り込めた店頭に出くわすことがある。「紅包場(ホンバオツァン)」と呼ばれる台湾ならでは、いや台北ならではのユニークな娯楽施設だ。もともと西門町は日本統治時代初期に、浅草のような日本人向け繁華街としてつくられたエリアだった。ランドマークになっている赤レンガの西門紅楼は、当時の商店街だった建物である。それが第二次大戦後、蒋介石の中華民国・南京国民政府軍の台湾上陸とともに、こんどは大陸からやってきたひとびと(いわゆる外省人)のためのエンターテイメント・タウンになった。そこで地元台湾の歌ではなく、中国大陸の流行歌を聴きながら、外省人たちが故郷を懐かしむ場として生まれたのが、紅包場である。

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photography

抗体――アントワーヌ・ダガタ

最初に見た瞬間――多くのひとがそう思うだろうが――これってカメラで描いたフランシス・ベーコンじゃないか!と僕も思った。ブレというのは写真家にとっていつも魅力的な要素だが、これだけシャープにブレをエネルギーの表現につなげている写真家って、いまいるだろうか。いま渋谷で開催されている『アントワーヌ・ダガタ 抗体(Anticorps)』は、今年もっとも重要な写真展のひとつになるはずだが、それにしてはメディアの無関心さが目立つ。

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travel

隙ある風景 ROADSIDERS' remix 19 春(ケイタタ)

商店街ポスター展の記事、ちょっとマジメすぎたかも・・・熱が入りすぎてついつい長くなってしまいました。今回はケイタタに戻りまして「隙ある風景 ROADSIDERS’ remix」今回のテーマは「春」。さくらは春らしいのだけれども、以前の書いたものだからさくら以外の春の風景を。どうぞリラックスしてお楽しみください。

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travel

案山子X 9:やまくにかかしワールド(大分)前編(ai7n)

2013年秋に7回目を迎えた「やまくにかかしワールド」という名称のかかし祭りは、大分県中津市山国町で開催されています。10月27日から約1ヶ月間、山国町の観光スポットや道の駅等16ヶ所の会場に、それぞれテーマの決まったかかしが展示されました。16ヶ所の会場は広範囲に散らばっており、撮影しながら原付で急いで見て回ったのですが全ての会場を回るのに5時間位かかりました。街中いたる所にいるかかしはざっと数えただけでも1200体以上!「かかしワールド」の名前に相応しい、国内最大級のかかし祭りです。

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2014年05月21日 Vol.116

photography

移動祝祭車  ――沈昭良の『SINGERS & STAGES』

台湾の写真家・沈昭良(シェン・ジャオリャン)の『STAGE』シリーズを最初に見たのは、2006年新宿のPLACE Mギャラリーだったと思う。1968年台南市生まれ、新聞社で働いたあとフリーの写真家となり、日本工学院で学んだ経歴もあって日本語は完璧。そして本人いわく「時代遅れのドキュメンタリー・フォトグラファー」である沈昭良は、台湾各地の庶民の暮らしに密着した写真を長いあいだ撮りつづけてきた。冠婚葬祭や催し物の場所で、荷台が開けばステージに変身する、「ステージ・トラック」を舞台として繰り広げられる移動ショー劇団。それを台湾では「台湾綜芸団(タイワニーズ・キャバレー)」と呼ぶそうだが、2010年ニコンサロンでの展覧会に続いて、2011年末に出版された彼の写真集『STAGE』については、本メルマガの2012年5月23日号(020)でも紹介している。

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photography

情色情――タイワニーズ・エロチカ

沈昭良に続いて、今週はもうひとつ台湾から写真の話題をお伝えしたい。台北に親しんでいる旅行者なら、華山1914文創園区という場所をご存知だろうか。「台北の秋葉原」と呼ばれる光華商圏のそばにある華山1914文創園区は、もともと1914(大正3)年、日本の台湾統治時代に建設された清酒工場「芳醸社」が、戦後台湾の専売公社として清酒、梅酒の製造を行ってきたあと、1987年に閉鎖。長らく廃墟化していたところに、アーティストや演劇人たちが注目するようになって、活動場所として活用されるようになった。

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travel

フィールドノオト16 伊豆熱海(畠中勝)

熱海へは数年ぶりにやってきた。夜明けに新宿を出発、そして今は10時過ぎ。今回は秘宝館の取材のためでデートでもなんでもないが、成り行き上、車内には自分を含め男が三人いる。徹夜の仕事だったことから、我々はとりあえず喫煙休憩を兼ね、僕の行きつけである日帰り温泉宿へ向かった。閑散とした熱海の中心街、そのさらに外れにあるこの宿は、より人気も少なく休憩所は無料で広々。入浴料も安いことから昔から定宿に指定している。湯に浸かりながらゆったり予定を考え、休憩所にあがってくると、ちょうど老人たちが一杯やりながら会話をしていた。というより江戸っ子らしき人物が一方的に喋っている。畳部屋に響くその声は妙な清涼感があった。

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design

シャッター通りのポスター・ギャラリー 後編

先週の誌上ポスター展「新世界市場編」に続いて、今週は「文の里商店街編」をお送りする。文の里商店街があるのは大阪市阿倍野区。最近は「あべのハルカス」の開業でちょっとだけ話題になったが、そのにぎわいはここ文の里商店街までは届いてこない、新世界市場に負けず劣らずの寂しい商店街だ。2013年秋、日下さんたちがこの文の里商店街を舞台に繰り広げたポスター・プロジェクトが、ネットはもちろんテレビ、新聞を始めとするさまざまなメディアに取り上げられて、本人たちの予想をはるかに超えるリアクションが広がった。日下さん自身も書いているように、「制作したポスターの23%が広告賞を受賞、キャンペーン全体も2つの賞を獲得、ぼくも佐治敬三賞という今年関西でもっとも活躍した広告マンに与えられるとても立派な賞をいただきました」という評価を得て、プロジェクトはいま全国のシャッター通りに広がろうとしている。今週はその全貌を、52店舗201作品におよぶ全作品とともに紹介しよう!

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2014年05月17日 Vol.115

lifestyle

秘宝館の女

今年の3月、銀座ヴァニラ画廊で兵頭喜貴さんとギャラリー・トークをしたときのこと。「おもしろい女を連れて行きますから」と兵頭さんが言うので楽しみにしていたら、着物姿で、背中に見覚えのある秘宝館のチンマン・マークを背負った女性が現れた・・・「都築さん、これが北海道秘宝館のロウ人形を買った女ですよ」「えっ!」「奥村と申します、よろしくお願いしますぅ(微笑)」「こ、こちらこそ・・・」。奥村瑞恵(みずえ)さん、36歳。パートナーの菊地雄太さんとふたりで「特殊造形製作」という特殊な職業に従事しながら、秘宝館好きが嵩じて、ついに閉館した北海道秘宝館のロウ人形その他を買い取り。現在は自宅に安置、修復に励んでいるという恐ろしい情熱の持主である。ぜんぜん、そんなふうに見えないのに・・・。

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music

ROADSIDE MUSIC 三村京子

すごく不思議にブルージーな歌詞を、すごく深いブルージーな声で、すごくしっかりしたフォーク・ブルージーなギターに乗せて歌う、ぜんぜんブルージーじゃなくて可愛らしい容姿の女性アーティスト、三村京子。今週のロードサイド・ミュージックはここ4年近く活動を休止していた彼女が、友人の穂高亜希子とジョイントで4月1日に高円寺・円盤で開催したばかりのライブ音源をお届けする。早稲田大学在学中の2005年にファーストアルバム『三毛猫色の煙を吐いてあなたは暮らすけど 私は真夜中過ぎの月の青さのような味の珈琲を一杯』を発表、三村さんはいきなり注目を集め、2008年には『東京では少女歌手なんて』、2010年に3枚目の『みんなを屋根に』を発表後、活動を休止していた。

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travel

隙ある風景 ROADSIDERS' remix 18 プレイする人(ケイタタ)

今号のテーマは「プレイする人」。プレイといえどいろんなプレイがあるけれども、これはゲームをプレイする人です。それではご覧くださいませ。

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design

シャッター通りのポスター・ギャラリー 前編

シャッター商店街でアート・イベントを開いたり、若者を招いて「祭り」をやったりすれば、それはその期間だけはひとが集まるだろうが、終わればまた元のまま。それでは意味がないだろうと痛感したケイタタさんは、実は気鋭の広告マンでもある。そこで社内の若手たちに声をかけて、有志でプロジェクトを立ち上げたところ、予想を上回るリアクションを得て、現在も拡大続行中だ。そこでロードサイダーズ・ウィークリーでは今週・来週の2回にわけて、その楽しくも挑戦的なプロジェクトの全貌を、ケイタタさん本人から報告していただくことにした。

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2014年05月07日 Vol.114

art

ロッキン・ジェリービーンの下腹部直撃画

(前略)ディスコじゃなくてクラブ。小箱じゃなくて大箱。それもダンス・ミュージックじゃなくてロック。でもライブハウスじゃなくて、居心地よく爆音を楽しめる店! という場所がほしくて、MILKには「ロッククラブ」という肩書をつけたが、店名の「みるく」はもちろん精液のことだったし、ロゴもコンドームを想起させる、要するにロック・ミュージックの持つセクシーさを強調したい気持ちを、たっぷり込めたつもりだった。そのMILKで一時期、こちらの気分にずっぽりハマるグラフィックをつくっていてくれたのが、ロッキン・ジェリービーンである。

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travel

案山子X 8:菜の花とかかし祭り(兵庫)(ai7n)

今回は兵庫県淡路市久野々の「菜の花とかかし祭り」を紹介します。「菜の花とかかし祭り」が開催される淡路市久野々(くのの)は淡路島の北側に位置し、常隆寺山の高台にある人口60名程の集落です。(中略)「菜の花とかかし祭り」は毎年菜の花の咲く4月上旬に開催され、1000人以上のお客さんが訪れる大きなお祭りです。久野々の人々(実行委員会)が中心となり地域おこしの為に始めたお祭りで、2014年に7回目の開催となりました。4月の第一日曜をはさんだ1週間、地元の方・学校・企業や老人ホーム等の人々が制作した450体程のかかしが菜の花畑の中に展示されました。

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travel

フィールドノオト15 京都2(畠中勝)

猟師、増山賢一氏による鹿猟二日目。猟でもパートナーを務める氏の奥さんとともに、今回は子どもたちも山へやってきた。もちろん猟をするわけではない。麓で猟犬の世話をアシストする心強い味方なのだ。猟を終え、獲物を捕らえた父のもとに子どもたちが駆け寄ってきた。子どもたちは生まれた頃から、父の獲った肉を食べ、それらの肉が好物にもなっている。成功を喜び合う親子。

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archive

ペルソナのいる役所

ここは京都府庁広報課。パソコンに集中するスタッフを見おろすように、じっと動かない女性の上半身。彼女(マネキンのほう)の名前は人見知子(ひとみ・しりこ)。亀岡市に住む32歳の主婦。性格は協調性があるが人見知り。趣味はガーデニング、オークション・・なんだか不条理演劇の舞台みたいだが、これ、実は本気(マジ)。よりよい広報活動のための、新しい取り組みだ。もともとは職員のひとりが「自治体のウェブサイトを使いやすくするためのセミナー」に参加。そこで講師から紹介されたのが、「ペルソナ手法」という聞き慣れない単語だった。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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