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2021年11月24日 Vol.478

art

存在のこたえられない軽さ

東京でアートギャラリーめぐりをしているひとは、ここ数年徐々にギャラリーが東京の東側にシフトしていることに気がつくだろう。江東区冬木はもともとの木場エリアで、材木商の冬木屋から町名がつけられている。前は材木屋だったという天井の高い空間を持つギャラリーM16(いちろく)は、この夏にオープンしたばかりの新しい画廊。そこではいま木彫家・内堀麻美の個展「もの懐かしさ」が開かれている(11月28日まで)。

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photography

よみがえる加納典明

11月3日配信号で清里フォトアート・ミュージアムで開催中の「細江英公の写真:暗箱のなかの劇場」を紹介した(12月5日まで)。88歳という細江さんは、さすがにあまり写真は撮っていないようだが、去年お会いしたときも気力充実、お元気な声を聞かせてくれた。細江さんは1933年という戦前生まれだが、戦後どころか戦中生まれの写真家で、いまでも現役バリバリで活躍しているひとがたくさんいて、写真家は特別に長生き人種なのかとつくづく思ったり。細江さんは別格としても、僕が子どものころに平凡パンチやアンアンで見知った写真家の御大たちが、いまでも元気にカメラを握っているのは驚異的というか、年下の写真家には脅威的というか。僕は長濱治さんとはPOPEYE時代に編集担当としてずいぶん仕事をご一緒したが、その長濱さんと高校の同級生というのが加納典明。荒木経惟とは別の方向性のスキャンダラスなヌード写真の数々で、このひと以上に一世を風靡した写真家はいないと思う。その加納さんがいきなり脚光を浴びることになった1969年のシリーズ「FUCK」が、発表から60余年の歳月を経て、初めてきちんとプリントされた写真展となって、いま天王洲アイルのYUKIKO MIZUTANIで開催中である。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol. 03 July 1998  グローイングアップ (文:マーク・ロビンソン)

山で開催されるロックフェスティバルでテントを張るときに、丘の中腹を選びたくなるのは無理もない。いい景色を眺めつつ、草の上に寝転んで。すごくいい考えに思えるけれど、でもひとつ確かなのは、すぐに重力によって下へと引きずられ、パンツが尻の割れ目に食い込んでしまうという悲劇。どんな体勢を試しても快適に過ごすことはできない。重力には勝てないので、けっきょく平らな場所にテントを移動させるか、イモムシのように一晩中、傾斜地でもぞもぞする羽目に……。 これは山梨県で開催された最初のフジロックに行った人から聞いた話。みるくのお客さんをはじめ、多くのキャンプ初挑戦者がこの不運なイベントに足を運んだのだった。

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travel

Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 37 北海道1  雪降る町のレコード・サンクチュアリ

レコードを買うようになってもう半世紀を越え、これまでずいぶんいろんなレコード屋のドアを開けてきたが、伝説的中古レコ屋「札幌リズム社」は国内有数の魔窟と呼んで差し支えないだろう。 ビルが建ち並ぶ札幌中心部にポツンと残る、崩れ掛けの木造住宅。触るだけで壊れそうなドア。一瞬で指が黒くなるほど汚れたビニール袋(買うと新しい袋に入れてくれる)。レコードにはすべて値札がついておらず、いちいち店主に聞くしかないというドキドキ感。しかも営業時間は気まぐれで、だいたい夕方にならないと開かない。気になったまま、ついに入店できずに終わった地元の音楽ファンもたくさんいたはずだ。

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2021年11月17日 Vol.477

art

死刑囚表現展 2021、誌上展覧会!

先月(10月20日号)紹介した「死刑囚表現展 2021」。これまでずっと毎年10月に開催される世界死刑廃止デー企画「響かせあおう死刑廃止の声」会場で、絵画や文章作品がロビー展示されてきた。しかし去年に続いて新型コロナ感染防止のために今年も応募作品の全点を展示することができず、かわりに11月5日から7日までの3日間、昨年と同じく中央区入船の松本治一郎記念会館で全作品展示イベントが開催された。 僕が行ったときもかなりの盛況だったけれど、3日間だけでは予定が合わず行けなかったひともたくさんいるだろう。これから日本各地で巡回展が開催される予定だが、会場の関係で全点が展示できるとはかぎらない。また図録もいまのところ予定がないということで、今週は主催の「死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金」にお願いし、一部をのぞいた全作者による作品を誌上公開させていただく。

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス  08 ひとりスポーツ (写真・文:オカダキサラ)

最近、エアスポーツをやりそうな人の気配を察知できるようになりました。 エアバッティングやエアピッチ、エアスイングなど電車やバスを待っている時や、次の仕事までの合間など、ちょっとした空き時間に楽しむ人が多いようです。 フォームの正しさや美しさについて、スポーツと縁がない私には分からないのですが、本人たちは思い描いている理想をなぞって動いているのでしょう。 最初は軽かった身の動きが、繰り返しているうちにだんだん真剣みを帯びていきます。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol. 02 June 1998  Dear MIRO (文:マーク・ロビンソン)

フリーペーパーにもいろいろあるけれど、TOKYO ATOMのやりかたはとてもいいモデルだったと思う。なぜかといえば、いつもクラブが中心にあったから。クラブを楽しんでくれたお客さんや出演者が、そのまま読者や投稿者になってくれたのだった。 みるくに出演するミュージシャンやアーティストだけでなく、アルバイト、無職、学生、サラリーマン、プロモーター、デザイナー、編集者……さまざまな出会いからインスピレーションを受けてきた。そのひとたちの言葉をそのまま掲載しないとしても、彼らの生活や視点が僕らを後押ししてくれた。

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photography

Freestyle China 即興中華  世界を纏うステージ:沈昭良『STAGE』から (写真:沈昭良 / 文:吉井忍)

台湾の写真家、沈昭良(シェン・チャオリャン/Shen Chao-Liang)といえば、本誌でも何度か取り上げられている『STAGE』がまず思い浮かぶ。10年ほど前に発表されて台湾に一大“ステージブーム”を巻き起こした写真集だ。この沈昭良と同書について考察した論文『世界を舞台化する:異文化間の理解もしくは無理解、および台湾における移動式ステージ現象と沈昭良の作品について(※)』を、都築編集長から送っていただいた。 『STAGE』が台湾の人々に与えた影響を分析しつつ、あの華やかなステージトラックには彼らの世界観が凝縮されているとする内容だ。『STAGE』は海外でも評価が高く、私たちも外国人としてその作品を堪能することはできるが、この論文にある台湾の内部での受け止め方という視点は新鮮だった。

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travel

Paradise Lost 二度と行けない珍日本紀行 36 高知1  街の魚屋の店頭ギャラリー

安芸市で偶然見つけた西沢鮮魚店も、いまは探しても見つからないので、おそらく閉業されたのだろう。あの見事な流木オブジェはどこに行ったのだろうか。なお、平成8(1996)年には地元の熱心な誘致運動が実を結んで『男はつらいよ』第49作、『寅次郎花へんろ』の高知ロケが決まっていたが、渥美清の死によって映画はまぼろしに。しかし寅さんの偉業をたたえてつくられた「寅さん地蔵」が、伊尾木洞のすぐ近くに現存している。フーテン人生に憧れる諸氏は、いちど拝みに行くといいかも。

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2021年11月10日 Vol.476

art

信濃の国の妖怪劇場

文科省の統計によると、全国には1064館の美術館があるそうだ(2015年調べ)。こんな仕事をしているからずいぶんいろんな美術館に行ってきたと思うけれど、それでも全体の1割にも届かないはず。人生の残り時間を考えると、あとどれくらい行けるのか……。そのなかでもっとも美術館の多い県は東京都(88館)ではなく、なんと長野県(110館)。さすが教育県といわれるだけあるが、今回訪れた山ノ内町立志賀高原ロマン美術館も、訪れるのは初めて。本メルマガでは2016年07月13日号「北国のシュールレアリスト――上原木呂2016展によせて」、2020年11月11日号「木呂とマメとBOROの一幕劇」で紹介した上原木呂さんの大規模な個展「上原木呂 妖怪画展 つくも神と百鬼夜行」を観覧に行ったのだった。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol. 01(文:マーク・ロビンソン)

前号で書いたように、1998年4月、東京タワーの近くにある1950年代開業のロシア料理店「ヴォルガ」で開かれた「TOKYO ATOM」創刊パーティで、僕は緊張しつつスピーチを終えた。そのころ、みるくはオープンから3年目を迎えていて、新しいフリーペーパーを気にしてくれるひとたちも増えていた。パーティには200人ほどのお客さんが来場、僕がいちども会ったことのない人が大半だったけれど、その中には広告主になってくれそうなひとがいるのもよくわかっていた。

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photography

妄想ホテル room:008 二足のわらじで駆け抜けろ!人生を2倍楽しむ方法 (写真・文:フクサコアヤコ)

突然だが私はこう見えて(?)仕事人間である。 仕事と言っても写真の方ではなく、通常のオフィスワーカー、いわゆるOLというやつである。 私は専業カメラマンではない。写真を初めて20年以上になるが、常に写真活動と並行して写真とは別のフルタイムの仕事に従事してきた。 時には正社員として時には契約社員として、雇用形態を問わず基本的には月曜から金曜の日中はいわゆる「会社員」として写真とは関係のない仕事をしながら過ごしているのである。 このように昼はOL、夜はカメラマンとして常に二足のわらじで歩いてきた私であるが、常々仕事について思うところがあり、今回はそれについて語ってみたいと思う。 少々堅苦しい話にはなるかもしれないので、その分今回のモデル、謎のラバー美女ナマダメタボさんのクールなラバー姿とファニーな表情のギャップをお楽しみいただきながら読んでいただけると嬉しい。

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travel

ROADSIDE CHINA  中国珍奇遊園地紀行 26 新疆ウイグル自治区中編 (写真・文:関上武司)

大家好(中国語で皆さん、こんにちは!)。最近は近所の古本屋で山田風太郎の忍法帖シリーズを大人買いしている軟体トラベラーの関上です。新疆ウイグル自治区で撮影していた際は、ほぼ毎日、長距離を移動していた記憶が…。今回はタシュクルガンからカシュガルにもどり、ウルムチを経由してトルファンへ到着したレポートをお届けいたします。 2015年8月12日、北京時間07:00頃起床。この日は忘れもしない、新疆ウイグル自治区地獄旅の開幕です。人間、時には己の尊厳を守るためにたった1人でも闘わなければいけない場面があります。などと大げさに書きましたが、下痢です。起床早々、腹痛でホテルの部屋のトイレに3回、かけこみました。マジで下痢する5秒前。前日に食べたピラフか羊肉串に問題があったのでしょうか? それでも、同じ部屋で寝ていた公務員の張さんからもらった梨を食べてから早朝のタシュクルガン撮影のため、歩き出します。タシュクルガンは広大な中国の西の果てといっても差し支えのない街で、07:00くらいでも星が見えるくらい真っ暗。07:30くらいになって、ようやく夜が明けようとしています(中国は最東端から最西端まで経度約60度の国土が広がるが、時差を設けず北京時間で統一しているため――編集部注)。前日に目撃した大きい犬3匹は道路の脇で眠っていました。

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2021年11月03日 Vol.475

photography

細江英公という怪物

ロードサイダーズにはもうおなじみ、山梨県の清里フォトアート・ミュージアムでは夏から「細江英公の写真:暗箱のなかの劇場」が開催中だ(12月5日まで)。戦後日本写真史のなかで、細江英公は重要な一章を占めるフォトグラファーであり、その膨大な作品群はいまもテーマごとに大小さまざまな展覧会が日本各地、また海外で開かれているが、今回は1960年代に取り組んだ、そして細江英公の名を世に知らしめたシリーズを横断的に、それも発表時(つまり約60年前!)のヴィンテージ・プリントで見せるという、細江さんとしてもかなり珍しい展覧会である。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol. 00

連載の序にかえて:都築響一―― 恵比寿にあった「みるく」という店を覚えているひとが、どれくらいいるだろうか。 大学生のころPOPEYE編集部で働き始めて、編集者として最初に担当したのがディスコ・コーナー。当時いちばん勢いのあった新宿ツバキハウスで、店長だった佐藤俊博さんと仲良くなって一緒に遊んでるうちに、新しい店を開くたびに「どんな店がいいと思う?」と相談を受けて、それがイメージをつくる仕事になった。これまでずいぶんたくさんの佐藤さんの店に関わらせてもらったうち、1989年に開店した芝浦GOLDのあと、1994年に乃木坂に「ORANGE」という小ぶりなロックバーをつくり、それを発展させて大がかりな店になったのが1995年にオープンした恵比寿のみるくだった。

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス  07 次回までお楽しみに (写真・文:オカダキサラ)

自分で自分にカメラを向けている様子は、初めこそ、ギョッ!としましたが、今となっては文化といってもいいくらいに世間に浸透しました。 若い方はもちろん、おじさんもおばさんもお年寄りも、自撮りを楽しんでいます。

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lifestyle

シブメグの人生小劇場 14  ストリート・ファイティング・マン (文:シブヤメグミ)

「あんたは昔っから乞食に優しかったわよねー」 と、母親が電話の向こうで笑いながら言った。 乞食に優しいって言い方なんなの? 私は人間に優しくありたいだけだよと言い返した。母親は小さく、あらごめんなさいと謝ったあとに、 「とにかく、新聞掲載のきっかけもあんたらしいし、このエピソードもあんたらしい。メグミの金太郎飴よ」 と、笑いながら電話を切った。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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