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2017年09月27日 Vol.277
art
短距離走者の孤独――岸本清子展に寄せて
かつては名古屋経済の重鎮たちの邸宅が並び、シロガネーゼならぬシラカベーゼ(どちらも死語)の発祥地でもある名古屋屈指の高級住宅街・橦木町。「文化のみち」と名付けられた風情ある一画にある小さな画廊Shumoku Galleryで、『岸本清子展』が開催されている(9月30日まで)。岸本清子(きしもと・さやこ)は1939年名古屋市生まれ。多摩美大在学中から「ネオ・ダダイズム・オルガナイザー」グループ唯一の女性作家としてスキャンダラスな活動を繰り広げ、40代からは名古屋に拠点を移して、闘病生活を送りながら激しい創作活動を続けたが、1988年に49歳の短い生涯を閉じている。
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石川次郎のフランス侵略日記 02(画・文:石川次郎 構成:中山亜弓)
フランス移住も視野に入れ、巡回展FRANCE INVASIONのために、アラフィフではじめての1人海外旅行でフランス再上陸を果たした石川次郎。展示のコーディネイトに奔走したモンペリエのルノ(Reno)のアパルトマンに居候しながら、ギャラリーLa Jetée(ラ・ジュテ)での展示開催に漕ぎ着けたのが前回までのお話。今回は、翌月にパリでの展示を控え、制作を続けながら、ルノの友人や地元のアーティストたちと交流する一方で、恋や婚活に邁進。が、一段落して1人になったとき、ふと、肌で感じる日仏文化の違いや、孤独について日記に綴るようにーー。なぜか蛭子さん風になってしまった登場人物(フランス人)たちの似顔絵とともにお送りします!!!!!
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案山子X 40:夢コスモス園創作かかしコンテスト(京都)(写真・文 ai7n)
こんにちは。ai7n(アイン)です。今回は京都府亀岡市夢コスモス園の創作かかしコンテストを紹介します。亀岡市は京都府の中西部に位置し、京都市や宇治市に次ぐ人口を有する都市です。戦国時代に明智光秀が丹波亀山城と城下町を築いた場所です。JR亀岡駅から3キロほどの場所にある夢コスモス園は、約4haの面積に20品種約800万本のコスモスが咲く関西有数の規模を誇るコスモス園です。コスモス園がオープンする時に、イベントをやって盛り上げていこうと創作かかしコンテストが始まりました。毎年9月下旬から10月下旬頃までの開園中に創作かかしコンテストが開催され、コスモスだけでなくかかしを楽しみに多くの人が訪れています。
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Back in the ROADSIDE USA 51 Magic Forest, Lake George, NY
いちどマンハッタンを離れ、高層ビルなど影も形もない、自然にあふれた「田舎としてのニューヨーク・ステート」を巡ってみると、そこには世界の流行の発信地として君臨するニューヨークとはまったく正反対の、キッチュでのどかな風景がだらだらと広がっている。こういう、ゆる~いニューヨークも、またいい。マンハッタンから州間高速87号線を北上していくルート沿いで、もっとも有名な観光地は、4時間ほどのドライブで着くレイク・ジョージ。東京から富士五湖へという感じだろうか。湖のまわりには瀟洒な別荘と、下品なお土産屋や安普請モーテル群が入り混じって、なかなか楽しい雰囲気。ロウ人形館もあれば、いまだ全米で唯一、興業を続ける「馬のダイビング」がウリの遊園地『マジック・フォレスト』もあったりする。
2017年09月20日 Vol.276
art
鉄彫家・藤井健仁のメタルマシン・ミュージック
何年かにいちど「日展」に足を運ぶたびに、いちばん興味をそそられるのが彫刻部門だ。広い展示室がまるで、公園から集められてきた男女像が詰め込まれた倉庫というか、彫刻の森状態になっていて、その大半はブロンズ像なのだが、あるときそれがブロンズではなく「ブロンズ加工」されたFRP(強化プラスチック)なのだと気づいて啞然とした。ブロンズは制作が大変だが、FRPの表面にブロンズ加工すれば簡単だし、扱いも楽ということらしい。FRPの生地のままにしておいたら、ずっとかっこいいのにと思ったが、彫刻業界では素材による上下関係があるようで、ブロンズや大理石といった高価な素材が立派で、コンクリートやプラスチックなど、僕らの日常になじみ深い素材は一段劣る扱いを受けてきた気がする。鉄もまた、日常ありふれたマテリアルでありながら、彫刻業界ではマイナーな素材だ。その鉄を使って、これもかつてはメインだったが、現代美術のなかではもはやマイナーな彫像や人形をつくり続けている鉄彫作家が藤井健仁(ふじい・たけひと)だ。
art
ことばの彫刻家、荒井美波
なにもこのタイミングを見計らったわけではないが、いま阿佐ヶ谷のTAVギャラリーでは、藤井健仁とは対照的な、やはり金属を使った立体作品の展覧会が開かれている。荒井美波『行為の軌跡III』、恵比寿トラウマリスから3年ぶりの個展だ。いまは残念ながらなくなってしまった、美大の卒業制作を対象にした公募展「三菱ケミカル・ジュニア・デザイナーズ・アワード」で、2013年の佳作を受賞したのが荒井さんだった。僕も審査員をつとめていて、審査会場で作品と出会ったのだったが、「デザイン」と言えるかどうかは別にして、その発想とセンスには一同唸らされた。
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ディープ・コリアふたたび 09 南原~順天(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
なくなってしまった町の中で、かつて訪れた、かもしれない場所を探すというのは多次元空間物SFではありふれたことだ。それもディープ・コリアだったのね。と思いつつ乾いた初夏の遅い午後の南原を歩いている。『プリズナーNO.6』を連想しないでもないが、とりあえず西の方向へ向かっている。東方には観光公園のようなものがある、とファンシーな観光地図に出ていた。新しいお寺でもできたのかな? という佇まいの木造新築レトロモダンというか朝鮮時代劇のセットそのものの建物が、我々の行く手に出現した。樹木は植えられてさほど時を経ていない。こんなものでもありがたく思う観光客が手を合わせに来るのだろうなあ、と思ってよく見ると、似たような建物で小型化したやつが奥にいくつも点在している。おやおや? お寺じゃないのねここらは。コテージ・ホテルだったのだ。こいつがずいぶんな広さだった。
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アウトサイダー・キュレーター日記 34 馬田亮一(写真・文:櫛野展正)
佐賀県大和町にある「巨石パーク」。静かな森に10m以上の巨石群が17基も点在し、いまや佐賀県を代表するパワースポットになっている。佐賀駅からその「巨石パーク」に向かう途中、国道263号線沿いで異彩を放つ建物に遭遇した。たくさんの廃材や廃物が幾重にも重なり構成されたその建築物は、一見すると廃墟のようでもあるし、どこか異国の要塞のようでもある。入り口にはコンクリートや茶器やガラスなどを組み合わせて制作されたシーサーがこちらを見据えている。その周りの黒板にはポップな社会風刺の言葉が書かれており、どうやらアートハウスのようだ。道路沿いに車を止め、中に入って呼びかけてみた。「こんにちは、どなたかいらっしゃいますか」。
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Back in the ROADSIDE USA 50 Museum of York County, York, SC
ノースキャロライナ州境に近い、ヨークという小さな町。3分もあれば通りすぎてしまうサイズの、なんの変哲もないカントリータウンだが、町はずれにあるヨーク郡の博物館に、実は世界でも有数のアフリカ哺乳類コレクションが眠っている。地元のサファリ愛好家が、何度もアフリカに通っては撃ち殺した動物たちが、みんな剥製になって地味な博物館を埋め尽くしているさまは壮観。キリン、アフリカゾウ、ライオン・・・とにかく数えきれない剥製動物たちが、ガラス玉の眼をきらりと光らせながら、薄暗い照明の中にたたずんでいる。書き割りジオラマの平板さとあいまって、見ようによってはかなり現代美術的でもあり。杉本博司さんに撮影してほしい・・・。
2017年09月13日 Vol.275
photography
ロバート・フランク 本と映像展
そういえばうちにロバート・フランクの写真集は一冊もなかった、なぜだろう――神戸で開催中のきわめてユニークなロバート・フランク展を観ながら、まずそんなことが頭に浮かんだ。かつて神戸市立生糸検査所だった建物が、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)として生まれ変わった広い空間で、『Robert Frank: Books and Films, 1947-2017 in Kobe』が開催中だ(9月22日まで)。2014年カナダ・ハリファックスで始まり、去年は東京藝術大学でも開催された、世界50ヵ国を巡回中の展覧会「神戸バージョン」である。ただし、この展覧会は白い壁に額装されたオリジナルプリントが整然と並ぶ、普通の写真展ではない。
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牧瀬茜ストリップ巡業追っかけ旅日記(写真:多田裕美子 文:多田裕美子、牧瀬茜)
メルマガではもうおなじみ浅草・山谷のオフィシャル・フォトグラファー、多田裕美子さん。最近はストリップにハマってて、こちらも以前メルマガで連載してもらった牧瀬茜さんのおっかけをしているという。こないだは松山の道後温泉までついてっちゃったというので、「追っかけ旅日記」を書いてくれるようお願いした。女が女を追いかける、情熱のトラベローグ。写真と文に、牧瀬さん自身による文章も加えてお届けする。
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新連載! 石川次郎のフランス侵略日記 01(画・文:石川次郎 構成:中山亜弓)
今年6月末から8月初めにかけて短期連載した中野タコシェ・中山亜弓さんによる『フランスわき道より道 見聞録』でお伝えしたように、異端のアーティスト/漫画家・石川次郎がこの春からフランスで巡回展を開催、大きな反響を得た。次郎さんは旅のあいだずっと、詳細な日記をつけていて、それはまたひとつのアートワークでもあり、旅に慣れない中年男の愉快な冒険譚でもあった。これから隔週で全6回、手書きの日記を読み込んだ中山さんの構成による「石川次郎のフランス侵略日記」をお届けする。長いキャリアで熱烈なファンを持ちつつも、いまや日本よりもフランスのほうでリアルタイムの注目を集めはじめ、本人も日本を捨ててフランス移住を真剣に考えつつあるという石川次郎のマジックカーペット・ライド。じっくりお付き合いいただきたい!
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Back in the ROADSIDE USA 49 South of the Border, Dillon, SC
まちがいなくサウスキャロライナでいちばん有名で、いちばんキッチュな観光名所。ニューヨークやシカゴなどの寒い地域から、常夏のフロリダへ向かう人々が利用する州間高速95号線。ノースキャロライナの州境を越えたとたんに、高さ70メートルはあろうかという巨大なタワーが目に入る。原色にぎらぎら光るソンブレロを被ったこの「南部のエッフェル塔」が見えたら、そこがもう『サウス・オブ・ザ・ボーダー=SOB』だ。ガソリンスタンド、レストラン、お土産屋、遊園地、モーテル、ゲームセンター・・・とにかく、ないものはないというSOBは、楽しく気楽で醜い、いわば究極のサービスエリアであり、ロング・ドライブの貴重なオアシス。
2017年09月06日 Vol.274
photography
オキナワン・ソウルシスターズ
先々週号の編集後記で少しだけ沖縄・コザのことを書いた。極東最大の空軍基地である嘉手納基地に隣接するコザは、米軍人を対象とするサービス産業で急激に発展した町だったが、いまでは大通りに面した数軒のバーやポールダンス・クラブ、衣料品店などに、最盛期の面影をわずかに見て取れるのみである。1972年の日本復帰前から沖縄は多くの写真家たちを引き寄せてきたわけだが、「沖縄以外のものはそこの土地のひとが撮ればいい」と、生まれ故郷の沖縄にこだわり続けてきた写真家が石川真生(いしかわ・まお)。本メルマガでも沖縄の港町に生きる男たちを捉えた『港町エレジー』を2012年に紹介している(2月15日号参照)。その石川さんが1982年に発表した処女作『熱き日々 in キャンプハンセン!!』(あーまん企画刊)が、35年の歳月を経て『赤花 アカバナー、沖縄の女』と新たなタイトルと編集により、ニューヨークの出版社セッション・プレスから発表された。
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ディープ・コリアふたたび 08 全州~南原(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
鮮やかな朝とは? 美しい朝やけとかさわやかな風とか美しい妻の作ってくれた朝食とか朝露が光っているくさはらとか、雲がゆるやかに動く山々とか、そのようなものが身近な朝ということなのか。想像しては見る。鮮やかとはスカっと晴れ渡った朝のたとえば10月や5月の空というものかもしれない。ベイビー・ワシントンの69年の作品に「ブレックファースト・イン・ベッド」があるが、考えようによってはこれも情交の果ての朝食だったらきっと鮮やかかもしれない。キャット・スティーヴンスの「モーニング・ハズ・ブロークン」は確かに爽やかで、鮮やかといえないこともないメロディとサウンドであるしソフトな歌い口も大韓民国人には良好だろう。しかしそれらがはたして朝の鮮やかな半島でいかように感じられているのか。何度も何百時間もその土地に足を踏み入れ立ってみてもイメージはぼやけている。鮮やか、という言葉に思い至るものといえば、不備やピンぼけや歪美がまっさきに浮かぶ。それらの鮮烈さは天下一品だ。有無をいわせない反論の余地などない揺るぎない堂々としている。人類はここに学ばねばならない。アイロニーや比喩ではない。心底そう思っている。
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絶滅サイト 19「電車通勤士」~「マルフク看板コレクション」(文:ハマザキカク)
ダジャレというより単に音が似てるだけ『もし中国語をダジャレで覚えたら?』(https://jackal.blog.jp/ 2011年~2016年 運営期間5年 放置期間1年)――筆者が最近編集した本でブレイクしているのが『エロ語呂世界史年号』と『エロ語呂日本史年号』である。エッチな言葉で受験世界史の年号を覚える暗記本である。語呂合わせのテーマは数多くあり、類似企画をやろうと思って色々集めていた時に知ったサイトだったかもしれないのが、本サイト。文字通り中国語を日本語のダジャレにして覚えようというもの。例えば最終更新の「星座」はピンインでは「Xīngzuò」と表記し、発音は「シンズオ」である。したがってダジャレの暗記法として「安倍晋三の星座」が掲載されている。「价格」は「値段」といった意味でピンインは「Jiàgé」で発音は「ジャガー」。そこから導かれるダジャレは「ジャガーの値段」で実は何の捻りもない。2011年から開始され、既に300語以上開発された様なのだが、ただ単に発音が二言語間で似ているというだけだと、結びつきの関連性が乏しく、自然に覚えられる訳ではないのではないだろうか。
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Back in the ROADSIDE USA 48 Potter's Wax Museum, St. Augustine, FL
アメリカ最大のカーレース「デイトナ500」と、春休み(スプリングブレイク)に全米からお楽しみを求めてやってくる大学生たちで有名なデイトナ・ビーチから、大西洋岸を州間高速1号線に沿って北上すると、セント・オーガスティンという町があらわれる。アメリカ人以外にはあまり知られていないが、1513年にスペイン人ポンス・デ・レオンが上陸したこの場所は、アメリカ合衆国史上もっとも古い居留地であり、町全体が歴史観光地となっている。スペイン時代の城郭や要塞などまっとうな史跡も多いが、そこはフロリダ。ビザール・スポットにも事欠かない。メインストリート(と言っても3、4ブロックのエリアだが)にある『ポターズ・ワックス・ミュージアム』は1949年開館、ウソかマコトか「アメリカ最古のロウ人形館」を自称する。
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ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!