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2022年02月23日 Vol.490

art

おかんアート村の住人たち 4 系谷美千代さんのこと

神戸市兵庫区にお住まいの系谷美千代さん。家事と子育てをしながら(67歳で子ども4人、孫7人!)、ずっと習字の先生をしている。阪神淡路大震災でお宅が被災、小学校の体育館で避難生活をしていた経験から、いつか恩返しをしたいとずっと思っていたそう。 神戸のほかに地方にも習字を定期的に教えに行っていて、北陸で出会ったのが紙でつくる花。仲良しの生徒さんがお姉さんの家でお茶に誘ってくれたときに、こんな紙の花がたくさん飾ってあったという。

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photography

現代アイヌの肖像 1

写真家・池田宏は2008年ごろから北海道に通い、アイヌのひとびとの生活を記録している。本メルマガでは2018年1月17日号「SIRARIKA 池田宏とアイヌ」で展覧会を紹介させてもらったこともある。2019年には10年間あまりの作品をまとめた写真集『AINU』を刊行。翌20年12月から写真展を東京で開催するはずだったが、新型コロナウィルスのためになんと2度にわたって延期という悲運に見舞われた。これからしばらくのあいだ、毎週!お届けするシリーズ「現代アイヌの肖像」は、宙ぶらりんの写真展を補完する誌上展覧会である。池田宏の写真、それに写真集の編集を手がけた盟友・浅原裕久によるテキストで、池田さんとアイヌのひとびとが共にした時間のかけらを体験していただけたらうれしい。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol.15 July 1999  妖怪たち (文:マーク・ロビンソン)

前号のフィリップ・トルシエとのインタビューに続いて、今号ではゲゲゲの鬼太郎の生みの親である水木しげるを紹介することができた。居心地良さそうな、飾り気のない調布市の御自宅でお会いしたとき、水木さんは77歳。小柄なからだを大きなソファに沈めて、眼鏡を振り回しながら僕らに話してくれた。第二次大戦中、ニューギニアの島での戦闘で片腕を失ったことを、僕は取材の直前まで知らなかった。 過去の出来事を語ってもらえるかどうか心配だったが、水木さんは僕の質問に辛抱強く答えてくれた。つたない日本語でインタビューを受けるよりも、ずっと大事なことがあったろうに。TOKYO ATOMを水木さんは知らなかったし、あんなに小さな文字が並ぶ誌面をわざわざ読みはしなかったろう。もちろん、クラブカルチャーとも無縁だったし。でも、水木さんが描く妖怪一家と同じくらいの魑魅魍魎がみるくにはびこっていると思っていたから、僕は水木さんとみるく、その両方の世界に魅了されたのだった。

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movie

六邦映画の桃色秘宝!@ラピュタ阿佐ヶ谷

ロードサイダーズではすでにおなじみ福島県本宮市の本宮映画劇場。1914年に劇場・本宮座として生まれ、1947年から映画館となって営業開始。1963年に常設館としての活動休止を余儀なくされたものの、館主・田村修司さんの努力によって建物はいまだ健在、今年で築108年を迎えるという奇跡の建造物だ。 本宮映画劇場と田村修司さんの映画に捧げた半生は『独居老人スタイル』での紹介をはじめ、これまで何度も記事にさせてもらってきた。その田村さんが秘蔵するピンク映画の至宝が、3月12日から阿佐ヶ谷ラピュタのレイトショーで公開される。

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2022年02月16日 Vol.489

art

おかんアート村の住人たち 3 森敏子さんのこと

東京都渋谷公園通りギャラリーで開催中の「Museum of Mom’s Art ニッポン国おかんアート村」。厖大かつ珠玉のおかんアートが並ぶメインの展示室1のなかで、その悶死級のかわいさ、愛らしさでとりわけ人気を集めているコーナーのひとつが森敏子さんの陶芸作品群だ。 神戸市長田区の路地に面した家にお住まいの森敏子さんは、いま83歳。今回の展覧会の共同キュレーターであり、会場デザインも担当してくれた建築家であり下町レトロに首っ丈の会の隊長でもある山下香さんが、行きつけのマッサージ屋さんの券売機の上に飾ってある陶芸作品に魅了され、さっそく紹介してもらってお付き合いが始まったことから、展示に参加していただいたくことができた。

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス 14  ゲーム (写真・文:オカダキサラ)

私はゲームが苦手です。 中学2年生のときに、いとこからプレイステーションをお下がりでもらうまで、我が家にゲーム機はありませんでした。 もらいはしたもののゲームをする時間より使わない期間のほうが長く、いつもホコリを被っていました。 今はテレビゲームよりも、スマートフォンのアプリなどのほうが利用されているのかもしれません。

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lifestyle

シブメグの人生小劇場 15  ラララ (文:シブヤメグミ)

生まれて初めて観た渋さ知らズはただのアングラだった。 白塗りのつるっパゲがう~あ~とか言いながら客席に飛び込んだり、 ワケのワカラン主張を殴り書いた旗を掲げたり、 乱入した酔っ払いなのか、 それとも最初からステージにいたミュージシャンなのかさっぱりわからない人々が、突然マイクを奪い合って喚き散らしたり。 なんかもうとにかく音楽が身体や心に残らずに、 おまけのような存在ばかりが「疲労感」という形で残っていた。 特に最悪だったのは、いまから30年前の本牧ジャズ祭のライブ。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol.14 Jun 1999  魔術と音楽 (文:マーク・ロビンソン)

1998年にTOKYO ATOMを立ち上げた理由のひとつに、メインストリーム以外の記事や作品を取り上げたかったことがある。恵比寿のクラブ「みるく」を拠点にしたフリーペーパーということで「アンダーグラウンド」と思われていたかもしれないけれど、僕自身はマスメディアにも興味があり、犯罪、政治、芸能など、スポーツ新聞がどぎつい見出しで報じるようなネタも扱っていきたかった。「白い魔術師」と呼ばれる存在だったその男は、僕が会ったころにはスポーツ・メディアとの関係が最悪で、取材にはほとんど応じていなかった。でも1999年6月発行の第15号で、僕らはこのユニークな人物にインタビューできたのだった。 1999年初頭のある日の午後、学芸大学駅からフィリップ・トルシエとの待ち合わせ場所の喫茶店アートコーヒーに向かいながら、僕は興奮を抑えきれなかったのを覚えている。

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travel

ROADSIDE CHINA  中国珍奇遊園地紀行 特別編 『中国抗日博物館大図鑑』 (写真・文:関上武司)

大家好!(中国語で皆さん、こんにちは!)軟体トラベラーの関上武司です。今回は当連載の特別編ということで、昨年末に上梓した拙作『中国抗日博物館大図鑑』について紹介させていただきます。 2018年の盆休みに書籍の取材とはまったく関係なしの旅行目的で、中国の東北地方へ向かう寸前でした。突如、パブリブ社のハマザキカク氏から本書執筆の打診があり、慌てて計画を変更。合計4回、中国で取材し、2019年8月に撮影が完了しました。コロナ禍もあって、出版するタイミングを見計らっていましたが、2021年が中国共産党結党100周年だったこともあり、なんとか2021年12月に出版。

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2022年02月09日 Vol.488

photography

暗く冷たい世界で熱を帯びるウィルスと僕ら――アントワン・ダガタ「VIRUS」

今年の初めごろには「日本人は清潔好きだし、コロナもそろそろ収束か」なんて呑気な気分だったのが、いまや緊急事態宣言再発出の瀬戸際に脅える毎日。そんななかで、2020年に新型コロナウィルスによってロックダウンされたフランスで撮影されたアントワン・ダガタの「VIURS」が恵比寿のナディッフアパート3階・MEMギャラリーで開かれている。2020年から世界各地を巡回しているこのシリーズの、日本では初の展示である。

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art

KAEのハイミーな極楽 (文:アーバンのママ)

ここ数年、アクリルを使ってアクセサリーやアート作品を作るアーティスト、KAEの大ファンだ。 はじめに目を惹かれたのはアクセサリーで、例えば、サワー、湯、サウナ、呑、大入、福……KAEが日常の中でセレクトした文字をカラフルなアクリルで切り取ったパーツたち。そのかわいさといったら……。耳から「サワー」と「呑」の文字をぶら下げて居酒屋でレモンサワーとか呑みたいですよね? メルマガ読者の方なら絶対にわかりますよね、この感じ! そのうちにすっかり仲良くなったKAEとわたしは、実はラブホテルとか秘宝館とか同じものが大好きなことも判明して、だったら一緒になにか作ろうよって都築編集長の作品を落とし込んだコラボパーツを作るようになった。最初から細かい相談はせず、すべての素材をKAEに渡して自由にデザインしてもらった。そしたらスケベ椅子もペペローションも秘宝館の看板も、いつも持ち歩きたくなるポップでアーバンなデザインに姿を変えた。耳にスケベ椅子のピアスをつけてゴキゲンになるなんて、そんなこと、ある(笑)?

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art

おかんアート村の住人たち 2 野村知広さんのこと

東京都渋谷公園通りギャラリーで開催中の「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」から、先週の嶋暎子さんに続いて今週は同じ展示室2「おかん宇宙のはぐれ星」から、嶋さんの新聞紙バッグと隣り合い新聞チラシ箱を展示している野村知広さんを紹介する。 新大阪駅のすぐ北側。自称「日本でいちばん駅近の福祉施設です!」という西淡路希望の家に野村知広さんがいる。1972年生まれ、希望の家に30年以上通所し、いまは近くのグループホームで暮らしている。 野村さんは漫画日記のようなものを書いたり、織物をしたりと多彩な才能の持主だが、特に秀でているのが「新聞の広告チラシを折ってつくる箱」。広告チラシをものすごくきれいな折りたたみ式の箱に仕上げて、それを何十,何百とつくり続けている。もともとは親戚のおばさんに折り方を教わったのがきっかけで、家でやることがないヒマなときにつくっていたのを、しだいに施設に持ち込むようになったとか。こんなに大量につくるようになったのは、12年ほど前にグループホームに入所してからとのこと。

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photography

妄想ホテル room:011  女優という生き方~心の中に小さな女優を (写真・文:フクサコアヤコ)

ところで、皆さんには生まれ変わったらなりたいものはあるだろうか。 私にはある。私は生まれ変わったら女優というものになってみたい。 少女時代「ガラスの仮面」という漫画に夢中になった。北島マヤという天才的に演技の才能がある少女が様々な苦難を乗り越えて女優になる物語だ。 日本少女漫画史に燦然と輝き、今なお続いている驚異の演劇大河ドラマ。そう何を隠そう私はガラスの仮面世代のど真ん中である。 だが、少女ながらに自分は女優にはなれないとうすうす気づいてしまった私は、女優は無理でもせめて別の形で演劇の世界にかかわりたいと脚本(のようなもの)を書き始め、友達と演劇部の真似事をしたりしていた。 時は流れ大人になった私は案の定女優にはなれず、脚本も書けなかった。だが幸運なことに私には写真があった。舞台やイメージビジュアルの撮影などで夢であった演劇や舞台そして夢だった女優と関わるようになった。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol.13 May 1999  スティルライフ (文:マーク・ロビンソン)

創刊2年目のTOKYO ATOM13号(1999年5月)の写真連載「プライベートアイ」の被写体になった若い女性に、僕は恋をしたようようだった。午後の日差しが降り注ぐ赤い部屋。春風に吹かれて吹き飛んでしまいそうなほど、軽やかでシンプルな人生のすべてがそこに見える。服を脱いでポーズを取るのも、その子にはすごく簡単なことのようだった。女性らしさというよりも、女性でも男性でもない、押しつけがましくもない、ただ人間がハダカでいることへの自然で確かな感覚が、彼女を独特に美しくみせているのだった。同時にその光景はいまにも消えてしまいそうな、まるで短編小説のような出会いでもあった。

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2022年02月02日 Vol.487

art

おかんアート村の住人たち 1 嶋暎子さんのこと

おかげさまでオミクロンにも負けず、一部Twitter民の罵倒にも負けず、いまのところ開館を続けられている「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」。しかしこの先どうなるか予断を許さないので、できたら早めに足を運んでいただけるとうれしいです。 ご覧になったかたはおわかりだろうけど、会場は1千点以上の作品で埋め尽くされているので、10年以上の取材でめぐりあったおかんアーティストたち、ひとりひとりのパーソナリティにはほんの少ししか触れられなかった(それでも通常の展覧会に較べれば、はるかに多量のテキストが壁面を埋めているけれど)。なのでこれから少しずつ、特に印象深かったアーティストのひとたちを紹介していきたい。

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lifestyle

雪のなかのバンカラ ―― 花巻北高応援団訪問記

弊衣破帽を「へいい・はぼう」と呼べるひとが、いまどれくらいいるだろうか。弊(つい)えた衣服に破れた帽子――それはかつて日本全国の旧制高校、中学の質実剛健な校風を象徴するものとしての「バンカラ」、そのトレードマークだった。 流行華美な「ハイカラ」への対抗文化として勃興した「バン(蛮)カラ」。しかし旧制が戦後に新制となって、教育機関を取り巻く環境が大きく変わる中で、バンカラという言葉はとうに死語となり、弊衣破帽の出で立ちも日本全国の学校から姿を消して久しい。バンカラ精神がほとんど唯一生存を許されてきた応援団においても、和太鼓と肉声のみで応援を行うかつてのスタイルは、いまや多くの高校生の大会で見る機会が減っている(高校野球の総本山・甲子園大会では現在「和太鼓禁止」、ブラスバンドやチアリーディングは大歓迎なのに)。

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス 13  のんべんだらり (写真・文:オカダキサラ)

自分の思考パターンを知りたくて、1年ほど前から日記をつけ始めました。 1ページが3段に分かれていて、全部書き終えたとき同じ日の過去を3年分見返せる仕様になっています。 iPhoneのリマインダー機能に「日記」というタスクを作ったことで、なんとか続けてこれました。 ところが、昨年の11月末に入ってから急に忙しくなり、日記を書くどころではなくなりました。 忙しないまま年末を迎え、時間ができたのはお正月休みのとき。2022年で初めて取り組んだのが、日記のページを埋めることでした。 この歳になって、小学生の夏休みの宿題みたいなことをやるとは…。

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music

おかえり TOKYO ATOM vol. 12 April 1999  動揺するリアリティ (文:マーク・ロビンソン)

「なにも悪いことをしていないなら、なにも隠すことはない」――警官の脅し文句みたいな言葉が、川元陽子さんの絵画を見ているとなぜか浮かんでくる。TOKYO ATOM 1999年4月号の表紙になっているのが川元陽子さんの作品だ。 川元陽子さんの絵がどこか犯罪現場のようにも見えるせいなのか。それはまた個人的にとても親しい風景でもある。川元さんが描く錆びた白いクーペのように、草むらに打ち捨てられた廃車を僕も見てきたし、ビニールのソファを汚れた陽射しが照らす寂れたダイナーで食事もしてきた。普通だったらこんな風景を気にするひとはいない。犯罪現場の記録写真家でもないかぎり。だからこそ、川元さんが描く世界に妙な共感を覚えてしまうのかもしれない。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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