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2022年12月28日 Vol.530
art
合田佐和子が遺してくれたもの
今年も見ておきたい展覧会がたくさんあり、その多くを見逃してきた。いま高知県立美術館で開催中の「合田佐和子展 帰る途もつもりもない」は11月の初めからスタートしていて、気になりながら行けないでいたが、1月15日の閉幕を前になんとか間に合い、こうして紹介できてほっとするばかり。 合田佐和子という名前に「お!」と反応するのは中年以上のひとがほとんどかもしれない。僕が社会に出た1970年代から80年代にかけて、合田さんはアート/イラストレーション界のスター的な存在でもあった。当時の合田さんは唐十郎の状況劇場や寺山修司の天井桟敷、それに商業ポスターの仕事の最盛期だったので、僕が最初に知ったのは売れっ子イラストレーターとしての合田佐和子だった。でも、そのころはアーティストよりもイラストレーターのほうが時代の先端にいると思われていたので、いまのイラストレーターという肩書きとはちょっと違うニュアンスというか、キラキラの存在感があった。
fashion
Tシャツをめくるシティボーイ 第7回 日本で一番Tシャツの裾をインしにくい場所 / 文:高畑鍬名(QTV)
Tシャツをめくるシティボーイ。 第7回はクイズから始めます。 日本で一番Tシャツの裾を「イン」しにくい場所はどこでしょう。 これから2022年8月15日に撮影したストリートスナップを並べていきます。 同じ日に二箇所、べつべつの場所で撮影した光景。 Tシャツを「イン」しにくい場所は、どちらでしょうか。
travel
地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #10 ワット・プートウドム วัดพืชอุดม (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月28日 記念すべき調査10か所目の地獄寺は、パトゥムターニー県にあるワット・プートウドム。 ここには昨年も訪れていて、この日はSNSで出会った友人と一緒に行くことになっていた。まずはバンコクからランシット行きのロットゥーに乗車。その後、ランシットからタクシーで数十分。400バーツ近くもかかってしまったが、無事到着。 ワット・プートウドムは、1956年制作とタイの地獄寺のなかで最も古い地獄寺だ。 それに加えて、他に類を見ない屋内型の地獄寺でもある。薄暗い空間の雰囲気も相まって、日本の人にも人気があるようだ(と勝手に思っている)。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 26 懺悔の値打ちもない 第6章 エンドロール (文:シブヤメグミ)
10月26日号から11月23日号まで5回にわたって連続掲載した衝撃のシリーズ「懺悔の値打ちもない」。いまだ余韻さめやらない短期集中連載の扉を閉じるべく、今回はそのメイキング編を書いていただいた。
design
街にチラシがあったころ ――1985~90年代の日本のインディーズ・チラシとアンダーグラウンド文化 06 ワルプルギスとミニコミ(後編) (文:浜里堅太郎)
高校二年生の頃だった。 ブレザーの制服を着て、世田谷の都立高校にむかう通学電車。いつものように吊り革につかまっていると、隣町の制服を着た見知らぬ少女に背後から突然声をかけられた。 「あなた、東京グランギニョルの人でしょ? わたしも演劇をやっているの。」 振り返ると端正な顔立ちの少女がニコニコと立っていた。 「わたし、横町慶子ってゆうの。劇団健康って知ってる?」 たしか、こんな感じで話しかけられたと思う。
2022年12月21日 Vol.529
art
夢は細部に宿る――「藤野一友と岡上淑子」展を見て
福岡市美術館で開催中の「藤野一友と岡上淑子」展が気になっているかたも多いだろう。 1928年、高知市生まれの岡上淑子は主に1950年から1956(昭和31)年にかけてのわずか7年間に洋雑誌を切り抜き貼り合わせたコラージュ作品を140点ほどつくりだし、長く忘れられたあと40年後の1996年に「再発見」され、いまや回顧展や作品集が目白押しのアーティスト。いっぽうの藤野一友は1928年東京生まれ。1950年代からシュールな幻想絵画を描き続けたが1980年、51歳で死去。ふたりは同年に生まれ、1957年に結婚した夫婦でもあった。「藤野一友と岡上淑子」展は、このふたりの作品を同時に展示する並列個展であり、ふたりの業績を通して当時のクリエイティブなエネルギーを感じることもできる、初の機会でもある。
travel
地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #09 ワット・ガイ วัดไก่ (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月27日(続き) ワット・ムアンでの調査を終え、次なる目的地であるワット・ガイへ向かう。 が、寺院からの交通手段がなかった。 仕方なくまわりの人たちに相談すると、全身真っ黒に日焼けして胸に大きなタトゥーの入ったいかついおじいさんが、親切にも停留所まで連れて行ってくれることになった。ありがたい。 おじいさんのおかげで、バイクの前方に取り付けられた荷台に乗るという新しい移動手段を得た。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 34 スルスル~看板 (写真・文:オカダキサラ)
都心部の街並みは広告で構成されているようなもので、カメラのシャッターを適当に切っても必ずどこかに看板が映り込んでいます。 一つ一つのキャッチコピーは秀逸なのに、多くの人は一顧だにしません。 宣伝効果をあげるため看板を持って声を上げている人もいますが、通行人は彼らの呼び掛けには応じず足早に去っていきます。 断るのなら一切応じないのが互いに最善の対応とはいえ、無視され続ける仕事はかなりキツそうです。
music
フランス雑草音楽図鑑 03 ミッシェル・ヘンリッツィ(Michel Henritzi 63歳) (文:ショビレヌK)
ある日の夕方、私はパリ在住のドラマー、村山政二郎とリハーサル後にパリ郊外のカフェでお茶をしていました。そこに偶然、村山氏の知り合いが通りかかり、彼に声をかけました。ギタリスト、音楽ライター、レーベルAKTの主催者のミッシェル・ヘンリッツィであります。この時の出会いをきっかけに友人となった彼を今回、インタビューしました。
design
街にチラシがあったころ ――1985~90年代の日本のインディーズ・チラシとアンダーグラウンド文化 05 ワルプルギスとミニコミ(前編) (文:浜里堅太郎)
「大塚ジェルス・ホール。舞台と客席は、例によって幕で仕切られている。薄いブルーの客電。ちょうど無菌室のような印象。…………………適当な音楽が流れている。」 1986年10月。大塚ジェルス・ホールで開催された東京グランギニョル第6回公演「ワルプルギス」の台本の冒頭。客入れ状態を記したト書である。 「適当な音楽が流れている。」実際に客入れでかかっていた音楽はその年の春に発売されたMINISTRYの2nd「TWITCH」だった。
2022年12月14日 Vol.528
fashion
スカジャンとはなんだったのか
すでに話題になっている横須賀美術館の「PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展」。「スカジャン」は横須賀のジャンパーだからスカジャンなので、開館15周年を記念して開催された本展はまさしく横須賀ならではの好企画だ。ちなみに展覧会タイトルの英語表記は「PRIDE OF YOKOSUKA Exhibition of Souvenir jacket」。スカジャンは日本土産の「スーベニア・ジャケット」として世界に広まっていったのだった。 リリースに記されているテーラー東洋は、戦後にスーベニア・ジャケットなど衣料品を米軍施設に納入していた「港商商会」を前身に、現在に至るまで半世紀以上スーベニア・ジャケットを作り続けていて、この展覧会ではテーラー東洋が所蔵する貴重なヴィンテージ・スカジャン約140点が一堂に展示されている。
travel
地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #08 ワット・ムアン วัดม่วง (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月27日 コンビニで朝ごはんのカノムパン・サンカヤーバイトゥーイ(パンダンリーフを使用した甘~い緑のカスタードクリームのせ食パン)とラブリ~すぎる飴を得て、いざバンコクへ出発。 BTSアヌッサワリー駅でロットゥー(乗り合いバン)へ乗車し、バンコクから北上すること約3時間。アーントーン県にある有名寺院、ワット・ムアンへ到着した。 ここは、私にとって特別な地獄寺だ。
fashion
Tシャツをめくるシティボーイ 第6回 和服からTシャツへと洋装化する日本の腰つき・後編 / 文:高畑鍬名(QTV)
Tシャツをめくるシティボーイ。 第6回は「 和服からTシャツへと洋装化する日本の腰つき」の後編をお届けします。 ここまで何度も「ファッション史の死角をめくっていきましょう」と繰り返してきました。 しかし、これまでは服飾史の中でTシャツが誕生する瞬間、そして登場するシーンをつなげてご紹介してきました。 そのため死角感がそれほど出ていなかったと思います。 今回は最初に、Tシャツがいかに歴史の中に埋もれてきたか、相手にされてこなかったか、みていければと思います。
photography
妄想ホテル room:021 「はだかは普通」ラブホテルの一室で全裸の人と友達になった話 (写真・文:フクサコアヤコ)
その日フクサコは悩んでいた。 私には年に数回、どうしようもなく写真を撮りたくなる時期がある。それはまるで発情期のように唐突にやってきて私を撮影へと突き動かす。そんな時は軽い気持ちでネットで相手を探したりする。今回も欲望のままにSNSに「軽率に撮影に誘ってください」と投稿したところ、本当に数名の方が軽率に誘ってくださった。 今回のモデルさんはその中の一人。圭子さんといって福岡で被写体活動をされている方だ。 今度東京に行く予定があるので、撮影しませんかー?とお誘いいただき、いいですねーしましょう!しましょう!とあっさり撮影が決まったのだ。 そしてここで私はある問題に突き当たった。 実はこの圭子さん、「はだかは普通」というスローガンを掲げて活動されている、裸多めのモデルさんである。いや、裸多めというか、むしろ裸が基本のナチュ裸リストさんなのである。 一方の私、エロとその界隈を取り扱う作家でありながら、基本的に全裸は撮らない作風。厳密に言うと全裸はOKだが乳首とヘアーはNGというマイルールがある。
photography
once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 05 インドでの洗礼 ブルース・オズボーン(写真家)
冒険の旅を続けてきた三銃士の一人、いとこのボブは大学生活に戻るためにイランのテヘランを最後に帰国。ビルと私の二人旅となった。まるでバットマンと相棒ロビンかサイモン&ガーファンクルを連想させるような二人。アフガニスタンでは「不思議な国のアリス」のうさぎのように穴に落ちたと思うような経験を、インドでは、映画「オズの魔法使い」のドロシーがドアを開けた1シーンのような不思議な感覚の体験をした。 イラン、アフガニスタン、パキスタンと、保守的な生活習慣と地味な色になじみかけた後に訪れたインドは、まるでビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」を彷彿させる感覚。新しい音、色、匂いに満ち、イスラム教徒、シーク教徒、ヒンズー教徒、さらに外国人も混ざり合う混沌とした国。最初は、そんな多様性に順応するのに戸惑ったが、明るくカラフルなものと暗く神秘的なもの、穏やかさと騒々しさ、豊かさと貧しさ、静かな感情とエモーショナルでハイテンションに変化する感情に慣れ親しんでいくにつれて、自分の中で何かが変わっていくような気がした。
travel
ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 特別編 (写真・文:関上武司)
大家好!(中国語で皆さん、こんにちは!)軟体トラベラーの関上武司です。今回は当連載の特別編ということで、2022年11月に上梓した拙作『中国遊園地大図鑑 西部編』について紹介させていただきます。 2013年からブログ「軟体レポート」で中国の人があまり行かない観光地とかを紹介していたところ、2016年1月にパブリブ社の濱崎氏から書籍出版の依頼がありました。当初は上下巻の予定だったのが、4冊目の『西部編』でようやく完結。本業技術職のサラリーマンの処女作が4部作になるとわかっていたら、書籍化は躊躇していたかもしれません。まさかこんな狂ったテーマで中国全地域制覇を達成(日本で訪問していない県も複数あるのに)、感無量です。
2022年12月07日 Vol.527
art
首都高を走るアート
2017年の末だから、いまからちょうど5年前になる。品川区大崎駅前の大崎ニューシティにある「O(オー)美術館」で『開通55周年記念・芸術作品に見る首都高展』(2017年12月16~20日)という、会期たった5日間の風変わりな展覧会が開かれて、その会場で佐々真(さっさ・まこと)さんという風変わりなコレクターに出会った。展覧会と佐々さんのコレクションは2018年02月28日号 収録「アーティストたちの首都高」にまとめたが、あれから5年、同じO美術館でふたたび佐々さんのコレクションを披露する「開通60周年記念 芸術作品に見る首都高展」が開かれることになった!
fashion
Tシャツをめくるシティボーイ 第5回 和服からTシャツへと洋装化する日本の腰つき・前編 / 文:高畑鍬名(QTV)
Tシャツをめくるシティボーイ。 第5回は「和服からTシャツへ洋装化する日本の腰つき」の前編をお届けします。 江戸時代まで和服を着ていた日本人が、いつから洋服を着るようになったのか。 今回も「Tシャツの裾」にこだわってファッション史の死角をめくっていければと思います。 和服から洋服へ。 日本の西洋化にともなった大きな断絶は、十中八九、明治に起きています。 そんな文化的な断絶の記録をまとめた本が石井研堂による『明治事物起源』です。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 33 微睡みが心地いいうちに (写真・文:オカダキサラ)
会社員を辞めてから2ヶ月経ちました。いちばん大きく変わったのは睡眠時間です。 5時くらいに自然に覚醒することもあれば、10時過ぎてもなかなか起き上がれないこともあったり…寝る時間は以前と変わらないのに、起きる時間はバラバラです。 めざまし時計で無理やり起こされていた時は気づきませんでしたが、体は日々変化しており必要な休息時間も一定でないらしいです。
travel
地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #休獄日~シラパコーン大学 มหาวิทยาลัยศิลปากร (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月26日 この日は3日ぶりの休獄日(地獄寺へ行かない日)。 私が下宿しているナコンパトム県には、タイを代表する美術大学・シラパコーン大学の別キャンパスがある。そこにタイ人の友達が通っているので会いに行くことになった。 シラパコーン大学は日本でいう東京藝術大学にあたるような大学で、美術分野ではタイ最高峰の大学である。
movie
ストリップ小屋に愛をこめて
最近ストリップに女性ファンが増えているのをご存じのかたも多いと思う。ストリップが日本で始まったのは終戦直後の昭和22(1947)年なので、もう70年以上の歴史ということになる。1986年には全国に174館のストリップ劇場があったそうだが、現在も営業を続けるのは16館あまり。そういう絶滅間近のタイミングで女性ファンが増えているという現象もすごく興味深い。 ストリップが「踊りながら裸を見せる」芸能から、女性器オープンという新たな段階に突入したのが1970年代。そして80年代には舞台上で観客と性交する「まな板ショー」をはじめ、レズビアン、SM、獣姦(!)と過激路線がヒートアップしていき、その傾向は1985年の風営法改正まで続くことになる。その、見方によってはきわめてアンダーグラウンドな舞台劇であったストリップの熟成期に、プロデューサーとして活躍したのが写真家でもある川上讓治(ジョウジ川上)さんだ。
art
「障害者らしいアート」ってなんだろう――埼玉県障害者アート企画展 Coming Art 2022
本メルマガではもうおなじみ、埼玉県川口市の障害者支援施設・工房集が参加する「第13回埼玉県障害者アート企画展 Coming Art 2022」が12月7日(本日!)から11日までの5日間、埼玉県立近代美術館で開催される。2019年の12月に開催された「第10回埼玉県障害者アート企画展 knock art 10 ―芸術は無差別級―」を2020年1月1日号で紹介しているが、今年も「埼玉県障害者アートネットワークTAMAP±〇(タマップ・プラマイゼロ)に参画する県内各地の30以上の福祉施設から、111名の作家による600点を超える作品が集められた。
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(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!