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2020年06月24日 Vol.410

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 95 『幻の本場インドカレー』 高野秀行(ノンフィクション作家)

本場のインドカレーは美味い──。昔から今に至るまでそう聞いているが、いまだに真実がわからないでいる。インドには四度も行っているのに。最初にインドへ行ったのは三十数年前、大学一年生の春休みだった。私にとって初めての海外旅行で、一人で一カ月ほど北部をまわった。当然毎日インドカレーを食べた。なにしろインドでおかずと言えば、すべてスパイスで味付けされた料理なのだ。カレーとは何か特別な料理でなく、日本で言うならしょう油みたいな、基本的な味つけのことなのだと知った。なのに、それが美味いかどうかはわからなかった。辛すぎたからだ。昭和の日本にはトウガラシが普及しておらず、今の若い人は驚くだろうが私は日本でピリ辛の食べ物を一度も経験したことがなかった。

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book

新連載! 圏外雑誌 GON! 回想録 第1回 創刊前夜・幻の創刊準備号 一般流通させなかった超レア・タブロイド版制作裏話 (文:初代編集長・比嘉健二)

日本最強のストリート・エディター比嘉健二編集長による、伝説の雑誌創刊回想録。本メルマガで2018年にお送りした「ティーンズロード回想録 よろしく流星」に続く新連載のテーマは『GON!』。1994年に創刊され、2000年代に『実話ナックルズ』に後継されるまで、『ティーンズロード』『egg』など同じミリオン出版からの雑誌とともに、日本の90年代アンダーグラウンド・シーンの公式メディアとして熱い支持を得てきた。あの時代のコンビニ雑誌棚を懐かしく思い出すひとも多いはず。 振り返ればインターネット登場以前における印刷版のSNSとも言える、希有な雑誌の誕生秘話がいま、創刊編集者によって明かされる!

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photography

我的香港 Vol.004 香港空撮 (写真・文:ERIC)

空から香港を撮影してみたい、という僕に、香港でヘリコプターの操縦を学んでいるWさんが紹介してくれたのは、Jさんという男性だった。Jさんは既にパイロットライセンスを持っていて、ヘリさえあれば空を飛ぶことができる。Wさんは、操縦士免許を取得するための教習を受けている香港ヘリ協会で、彼と知り合ったらしい。Jさんは、某有名ファストファッションブランドのベビー商品を生産する会社を経営する社長。僕と同じ年齢だけれど、香港の富裕層に属するセレブな人である。

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lifestyle

タキシードサムライ 4 「砂の女」とソニービル

銀座マキシムを語るには、まず映画『砂の女』から始めなくてはならない。安部公房の原作を、草月流十二代目家元でありながら幅広い分野の芸術活動でも知られる勅使河原宏(昭和2 ~平成13年)が監督した特異な名作である。昭和37(1962)年にやはり安部公房原作のテレビドラマを映画化した『おとし穴』(自身初の長編劇映画であり、旧来の商業映画から一線を画す新たな映画表現を目指して設立されたATG初の日本映画でもある)が第15回カンヌ国際映画祭に出品されたが、それに続いて昭和39(1964)年につくられた『砂の女』はキネマ旬報ベストワン作品賞、同監督賞、毎日映画コンクール作品賞、同監督賞、優秀映画鑑賞会ベスト1位、NHK (映画賞)作品賞、同監督賞など国内の映画賞を総なめにしたあと、第17回カンヌ映画祭に出品されて審査員特別賞を受賞。そのほかサンフランシスコ映画祭外国映画部門銀賞、ベルギー批評家協会グランプリ、メキシコ映画雑誌協会賞といった栄誉に輝き、昭和41(1966)年の第37回アカデミー賞では外国語映画賞にノミネート、第38回では監督賞にもノミネートされている(この年の監督賞を取ったのは『サウンド・オブ・ミュージック』だった)。戦後日本映画史に輝くこの作品の企画製作にあたったのが、三好三郎が設立したワールドフィルム社だったのである。

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2020年06月17日 Vol.409

food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 94 『丸福(仮名)の醤油らーめん』 村田沙耶香(小説家)

子供の頃、私は千葉にあるニュータウンに住んでいた。私たち家族が引っ越したばかりのころ、そこは、工事現場と、空き地と、まっさらな家しかない世界だった。飲食店などもちろんほとんどなかった。徒歩で行くことができる飲食店はデニーズだけだった。駅前にはまだスーパーもできていなかった。私たち家族は、週末になると車に乗って遠くのスーパーまで買い物に行った。その帰り道に寄ることがあるのが、「丸福(仮名)」というラーメン屋だった。

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art

SYSTEM K ―― ゲットーの未来派たち

「神は局部に宿る エロトピア・ジャパン」(2016年)や「渋谷残酷劇場」(2018年)を開催したアツコ・バルーを主宰し、現在はロンドンを拠点に活動するアツコさんから「これ、知ってる?」という短いメッセージと一緒に、映画の予告編のリンクが送られてきた。『SYSTEM K』というそのドキュメンタリーは、今年1月にパリでワールドプレミアを迎えたばかりの新作。それはコンゴ民主共和国の首都キンシャサのゲットーで活動するストリート・アーティストやパフォーマーを記録した、刺激でひりつくドキュメンタリーだった。 監督はフランス人のルノー・バレ(Renaud Barret)。2010年にはやはりコンゴの路上で活動する、ポリオ(小児麻痺)障害者たちのバンドとストリート・チルドレンによるプロジェクトの記録『ベンダ・ビリリ もう一つのキンシャサの奇跡』が公開され、日本でもかなり話題になった(フローラン・ド・ラ・テュライとの共同監督)。

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photography

我的香港 Vol.003 Wさんの肖像画 (写真・文:ERIC)

雨傘革命の撮影に一旦区切りをつけ、僕は一度、香港から東京に戻った。その3週間後の2014年11月、再びそのデモを撮影するために香港を訪れた僕は、友人であるジョン君の家に、また泊まらせてもらうことになった。 彼の家に行くと、前回訪れた時に彼が描いていた、Wさんの絵が完成していた。ジョン君がWさんを描いたその作品は、僕が知るいわゆる肖像画とはまるで違っていた。 「わっ! 何これ 笑」 青い空に光る無数の星と、宙に浮かぶ3つの惑星。輪がかかったその惑星の上には、それぞれ、ランボルギーニ、ネコ、チーターが乗っている。そして、真ん中に大きく描かれるのは、赤い水着とハイヒール姿で、プロペラ機に微笑みながら寝そべる、長い黒髪の女性。そう、Wさんだ。下には、チャイナドレスやスリッパの柄に描かれるなど、昔から香港の人たちに愛されてきた紅色の牡丹の花が咲き乱れている。

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lifestyle

タキシードサムライ 3

徳山という地方都市から北新地、そしてついに夜の商売の頂点である銀座へと、わずか7年で駆け上がった三好三郎のラモール。 終戦後すぐに復活した銀座では昭和30年代、すでに大小さまざまのクラブがしのぎを削っていたが、その中心は有名なエスポワールのるみ子ママ、京都と銀座を飛行機で往復した 「空飛ぶマダム」おそめママなど、傑出したママたちのキャラクターがなにより売りの、小規模な店だった。 そういうなかに出店したラモールは 「銀座一高い店」 を最初から謳い、花田美奈子という魅力溢れるママを表に出しながらも、主役は豪華な調度と徹底したサービス、そしてなにより美しいホステスたちという、それまでになかったビジネス戦略による大型クラブ経営を目指していた。他店できれいな子を見つけたら積極的に引き抜く。「指名料」システムをいち早く取り入れて、ホステスという「夜の蝶」同士をいわばいわばライバルとして競わせる。有名作家や文化人は料金面で優遇して、広報に役立ってもらう。お金はその取り巻きたちから払ってもらえばいい。 昭和30 年代の銀座はラモールのような大型店の出現によって、それまでのカリスマ・マダムたちを核とする小さなソサエティから一変、その全盛期を迎えることになるのだった。

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fashion

ドレス・コード?東京展、開幕前の会場から

昨年8月に京都国立近代美術館でスタート、秋に熊本市現代美術館に巡回したまではよかったけれど、4月から初台オペラシティ・アートギャラリーで開催されるはずだった東京展は、新型コロナウィルス直撃であえなく延期……しかしめでたく7月4日からのスタートが決定しました。中止じゃなくてよかった! オープンまではまだ2週間以上あるのですが、「これからなんかあったら大変なので!」という担当学芸員の切ない気合いで、先日早々と設置作業に立ち会ってきました。京都では展示室の左右の壁にわけて、熊本ではL字型にプリントを並べましたが、オペラシティでは最終コーナーというか、主展示室から出口に向かう廊下をまるごと使えることになって、高さ2.4メートル、長さがなんと約26メートルという、巨大な壁面写真が登場します!

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2020年06月10日 Vol.408

art

バンコク・ドリーミング――ひとりだけの地図の先に (写真:塚原悠也)

東京に降り立った外国人が最初に驚くこと、それは「グラフィティがない!」都市風景だ。羽田のモノレールからは運河沿いにちょこっと見えるが、まあほぼ皆無。世界中でこれほどゼロ・グラビティならぬゼロ・グラフィティな大都市って、僕はほかに上海など中国本土ぐらいしか知らない。 本メルマガでは世界のいろいろな都市のグラフィティをこれまで紹介してきたが、今年3月25日号ではタイ・バンコクのグラフィティ・シーンをご覧いただいた。記事で紹介したのが別名「グラフィティ・パーク」と呼ばれる、ラチャテウィー駅近くのチャームラー公園。しかしその同じラチャテウィー界隈を拠点にバンコク市内全域で、ほかのどんなグラフィティ・ライターともまったく異なるスタイルの、もはやグラフィティと呼ぶべきかアートと呼ぶべきか判断に苦しむ独自のグラフィック表現を展開する、それもホームレスの初老の男性がいるという事実を、僕はつい最近まで知らなかった……悔しい!

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lifestyle

タキシード・サムライ 2

特攻隊員として散りかけ、ソ連軍の捕虜となりかけるも、持ち前の強運で無事に終戦を迎えたまだ20歳の三郎青年は、戦闘機乗りから映画屋へと、劇的に転回する人生に踏み出すことになる。暗く重い戦時の環境から抜け出した日本は、焦土と化した中でも爆発的な解放感と、あらゆる娯楽への渇望に湧きたっていた。昭和20(1945)年、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による日本統治が始まってまもなく、松竹大船撮影所製作による『そよかぜ』が戦後日本映画第一作として、8月15日の玉音放送からわずか2ヶ月後の10月10日に全国公開。並木路子が歌う挿入歌『リンゴの唄』が大ヒットとなった。洋画のほうも同年12月6日にはアメリカ映画『ユーコンの叫び』が戦後初公開。ここから昭和35(1960)年に最高製作本数を記録するまでの約15年間、映画産業は戦後の黄金時代を迎えることになる。 *今号では文中ならびに文末にて、大阪・銀座「ラモール」時代の写真や、三好氏のアイデアとセンスのつまったショップカードやPRアイテムを紹介していきます。こんな時代が羨ましいと思わずうっとりすること必須。どうぞお楽しみに!

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photography

我的香港 Vol.002 香港の住宅事情 (写真・文:ERIC)

2014年の秋に香港で起きた、雨傘革命。僕は、それをきっかけに、自分が生まれた香港を撮ってみたいと思うようになっていた。 ちょうどその少し前から、僕は実家に泊まることに居心地の悪さを感じていた。父と母が暮らすその家に泊まると、早朝、母が決まって寝ている僕を起こしにくる。 「飲茶に行くよ」 「あぁ?(またか……)」 香港では、昔から朝ご飯を外で食べる習慣がある。軽食メニューが豊富な喫茶店のような店<冰室>(ビンサッ)に行く人も多いけれど、僕の家では昔から家族で出かける馴染みの茶樓(飲茶をするレストラン)があって、物心ついた頃から毎朝のようにそこへ行っていた。

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food & drink

愛の不時着・歌舞伎町編

歌舞伎町で最後に残ったキャバレー「ロータリー」の最後を今年4月29日号でお伝えしたが、この6月末でもう一軒の、歌舞伎町の伝説をつくった店が閉店する。すでにニュースでご存じのかたもあるかと思うが、老舗ホストクラブ「愛本店」である。1971年創業だったので、足かけ50年目。ビル老朽化による閉店で、移転先はなんとロータリーのあった場所だという。 歌舞伎町ホストクラブ協力会・初代会長もつとめた愛田武社長(本名・榎本武)率いる「愛」グループは、日本ホストクラブの歴史そのものだった。僕はオトコなのでホストクラブにはぜんぜん縁がなかったが、十数年前にひょんなきっかけでお目にかかることができて、憧れの「愛本店」のインテリア撮影をさせてもらうことができた。これまでずいぶんエキセントリックな空間を見てきたが、もうエレクトリック・ウルトラバロックとしか表しようのない空間で、ブルーの光の海に沈みながら、ダンディなホストたちと杯を重ね、生バンドにあわせてチークを踊るというのは……世界的に見てもかなりの希少体験空間だったのではないか。

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2020年06月03日 Vol.407

art

エロ本とスニーカー

「おもしろいエロ本あります」と言われて届いたのは、ものすごく手作り感あふれる、しかしハードカバーの小さな本が数冊。A4を4つ折りにした、パスポートと同じくらいのサイズで、表紙には『青少年教育マガジン わかば』とある。して中味は、と急いでページをめくると18禁の写真とかはどこにも見当たらず、脈絡のない無意味なスナップが続き、しかしよく見てみるとそこはかとなくウフフな感じのエッチな気分が漂うという・・・・・・ひねくれたエロ本とつくりながら、同時に手がけている「手づくりスニーカー」を集めた展示即売会が、再開したばかりの渋谷PARCO内の「Meets by NADiff」で始まっている(6月1日から)。

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photography

我的香港 (写真・文 ERIC)

ERIC(エリック)という写真家をご存じだろうか。1976年香港生まれ、97年に来日してから写真を学び、道行くひとに大光量のフラッシュを浴びせて一瞬の表情を切り取る、独特のスタイルで知られるストリート・フォトグラファーだ。最初に彼の写真を知ったのは、僕が木村伊兵衛写真賞の審査員をしていたころだったので、東京を拠点にしたERICの活動もずいぶん長いことになる。そのERICがいまになって故郷の香港に目を向け、通うようになった。2014年の雨傘革命をきっかけに、いつものスタイルのストリート・スナップ、極小空間で暮らす人々、スーパーリッチ・・・・・・無限の差異を内包しながら、ひとつの巨大な生命体のようにうごめく香港という希有な都市に、彼なりの歩幅で飛び込んでいったのだった。昨年初夏から始まったデモの報道に接して、いてもたってもいられず東京との往復を繰り返した成果は、昨年末に緊急出版された写真集『WE LOVE HONG KONG』(赤々舎刊)に結実したが、ご承知のようにいま重大な局面を迎えている香港を、いまだからこそERICという眼を通して眺め直してみたくて、「我的香港」=マイ・プライベート・ホンコンのような短期集中連載をお願いした。

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lifestyle

タキシード・サムライ 1

三好三郎さんが亡くなった。5月11日、93歳のまさしく大往生だった。いまから2年近く前だろうか、珍しい依頼を受けた。旧知のレストラン・チェーン経営者・三好玲子さんから声をかけてもらって、父の三好三郎さんの一代記を聞き書きでまとめることになったのだった。最初はどこかの出版社に話を持ちかけようと思ったが、「お世話になったかたたちに配れればいい」ということで、非売品の私家版で制作することに。「お金はかかってもいいから、ほかにないようなものをつくってほしい!」という、ここ数十年聞いたことのないリクエストをご本人からいただき、『捨てられないTシャツ』のデザインをしてくれた渋井史生くんを誘った。逗子のご自宅に1年ほど聞き書きに通い、去年の3月末に『タキシード・サムライ 三好三郎一代記』という、1,000部限定の本を仕上げることができた。こんな仕事はたぶん最初で最後、もう二度とできないだろう。

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food & drink

はばたけ!宴会芸!  緊急寄稿「リモート宴会芸に関する研究」 (写真・文 日本宴会芸学会)

はじめまして!ロブスター夫人です。ちょっと前までただのお裁縫好きな30代主婦(エビ好き)だったのですが、ひょんなことから日本宴会芸学会のお手伝いをするようになり、絶滅危惧宴会芸の研究などで衣装・小道具を担当してきました。近頃では、古典宴会芸を現代によみがえらせるパーティグッズ開発にいそしむなど、すっかり宴会芸の沼にはまっております。歴史ある日本宴会芸学会の中ではまだまだ若輩者ではございますが、御手洗会長からご指名をたまわり、今回の記事を書かせていただくことになりました。さて、日本宴会芸学会における喫緊の課題といえば、お察しの通り「リモート飲みにおける宴会芸=リモート宴会芸」でございます。ステイホームが浸透する中で、ズームなどのテレビ会議ツールを利用したリモート飲みは日本中に瞬く間に広がりました。私たちとしてもこれは一つの宴席のあり方として定着するのではないかと思っております。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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