• TOP
  • バックナンバー

BACKNUMBERS
バックナンバー

2022年05月25日 Vol.502

art

ふたたび妖怪たちのいるところ

中国地方のちょうど真ん中あたりに位置する広島県三次(みよし)市。江戸時代から浅野藩の城下町として栄えた三次が「もののけのまち」として町おこしをはかり、2019年に開館したのが湯本豪一記念 日本妖怪博物館、通称「三次もののけミュージアム」。日本屈指の妖怪コレクターである湯本豪一(ゆもと・こういち)さんの30年以上をかけた約5千点におよぶ膨大なコレクションをもとにした、もののけ=妖怪に特化したミュージアムである。 ロードサイダーズでは2021年7月14日号で「妖怪たちのいるところ」と題して、開催中だった企画展「幻獣ミイラ大博覧会―鬼から人魚まで―」を特集。コロナ禍が始まる前に訪れることができて幸運だった。そもそも2020年春に開催された「妖怪のかたち 魔像三十六体と百体の謎」で、展覧会タイトルにもある謎に包まれた木彫妖怪像の立像36体、座像100体、あわせて136体が一挙に展示されると聞いて、すごく興味を惹かれたのが始まり。ただ、ちょうどコロナ禍が始まったころで「妖怪見物旅行」できる時期ではなく断念したのだった。 そしてようやくコロナ禍が一段落しかけてきた現在、もののけミュージアムでは春の企画展「妖怪のかたち2 あつめて・くらべて・かんがえる」を開催中(6月7日まで)。

続きを読む

design

nobunobuと歩く東京ビル遺産 12  古書にカレーに純喫茶、江戸東京の中心  神田神保町古書店街にはシブいビルがまだまだ健在!! (文:鈴木伸子 写真:都築響一)

日本一、いや世界一の古書店街と言われる神田神保町。 古書店だけでなく新刊書店、出版社、大学や専門学校なども数多く集まり、カレー、中華料理、レトロ喫茶などの名店が多いのも街の魅力となっています。ひと昔前は古書マニアや学生、研究者などが目的の本を探しにくる場所というイメージでしたが、今では食べ歩きや雑貨感覚で古本探しにくる若者や女子などにまで客層も広がっています。 nobunobuが神保町の街と親しむようになったのは、新卒で雑誌「東京人」を編集する会社・都市出版に入ってから。飯田橋にある会社から神保町は徒歩圏内で、同僚で、後に文筆家になった故・坪内祐三さんに古書店街の巡り方をガイドしてもらい、神保町一人歩き、すなわち目指す古本探しが一人でもできるようになりました。

続きを読む

music

おかえり TOKYO ATOM vol.27 July 2000  歴史の生成 (文:マーク・ロビンソン)

2000年7月のTOKYO ATOMには暗黒と光があった。まず、闇について。オーストリアのウィーンにあるグッギング精神病院は、第二次世界大戦中にナチスによる最悪の戦争犯罪の舞台となった場所のひとつだ。占領軍は精神科の患者たちを実験台にしたあげく、無残に殺害したのだった。友人のグラフィックデザイナー、辺土名みゆきさんはウィーンを訪れて病院の敷地内にある博物館を取材してくれた。そこに展示されているのは戦争犯罪に関する資料ではなく、敷地内に住みながら制作を続けている患者たちによって作られたアートワークだった。 辺土名さんは昨年、沖縄の海難事故で亡くなってしまったが、この記事をあらためて読んでみて、グッギングという場所を選んで僕らに伝えようとしてくれた、彼女の好奇心とヒューマニズムにあらためてこころうたれる。辺土名さん、安らかに。

続きを読む

movie

本宮映劇 presents ポスター番外地~野方闇市篇!

ロードサイダーズにはもうおなじみ、福島県本宮市の本宮映画劇場。今年で創立108年! ということで館主・田村修司さんの秘蔵ポスターを展示するイベント「ポスター番外地」が今週末(28日)より開幕! 「野方闇市篇」と名づけられたとおり、中野からも高円寺からも近いのに、奇跡的に戦後闇市の風情を濃密に漂わせたまま生き残る「野方文化マーケット」が舞台。これ以上ぴったりな場所はなかなかないですね~。

続きを読む

2022年05月18日 Vol.501

design

街にチラシがあったころ ――1985~90年代の日本のインディーズ・チラシとアンダーグラウンド文化 02 東京グランギニョルとの出会い (文:浜里堅太郎)

チラシ、それはアンダーグラウンドな世界へ誘う宝の地図のようなもの…。 1984年、わたしは都立高の一年生だった。 「昨日、お芝居を見に行ったんだけどさあ、音楽に坂本龍一や細野晴臣、JAPANとかが使われているんだよ!それで漫画家の丸尾末広が出てるんだよ!丸尾末広って知ってる?」という話を、ある朝の教室で、突然同級生の女子に興奮気味に聞かされた。 こっそり隠し持っていた丸尾末広の漫画を親御さんに取り上げられてしまった文学少女のSちゃんと、YMOやRCサクセションが好きだった宝島オリーブ少女のKちゃんに「その演劇のポスターがデプトに貼ってあるんだけど浜里くんたぶん好きだと思うよ。学校の帰りに見に行こうよ」と誘われたのだ。

続きを読む

photography

ニュー・シャッター・パラダイス 20  サンサン日傘 (写真・文:オカダキサラ)

5月。気温とともに紫外線もピークに向かって急激に強くなり始める時期です。 日傘をさして歩く人も多くなりました。 日傘には4千年の歴史があるといいます。初期の傘は高貴な人たちしか使えなかった上に、閉じることができませんでした。13世紀になって開閉ができるような仕組みがイタリアで開発され、18世紀にはヨーロッパ圏で一般人にも普及するようになったそうです。

続きを読む

music

〈歌〉は揺れる〈わたし〉の残像 ~シンガー・ソングライター見汐麻衣インタビュー~(聞き手・文:松永良平(リズム&ペンシル))

シンガー・ソングライター、見汐麻衣が約2年半ぶりの新曲〈水曜日 Wednesday / 永い瞬間 Eternity As Instant〉をアナログ7インチ・シングルで5/8にリリースした。  このメールマガジンを購読者なら、もしかしたら彼女のことをスナックアーバンのスタッフのひとりとして認識している人も少なくないと思う。彼女のミュージシャンとしてのキャリアは意外と長い。ソロ・ユニットの埋火(うずみび)を2001年に福岡で結成し、2014年の解散後には新バンド、MannersでEPを発表。そしてここ数年は見汐麻衣のソロとしてThe Goodfellasというサポート・バンドを迎えてレコーディングやライブを行っている。シンガーとして、ソングライターとして、ギタリストとして、そのときどきの自分と向かい合いながら彼女は自分の音楽を作り、歌を歌ってきた。

続きを読む

lifestyle

エロチカ・バンブーの「ショーのためならどこまでも」

2015年8月05/12日号でお送りした「アナーキーゲイシャ・キス・キス!――エロチカ・バンブーの踊り子半生記」を皮切りに、もうロードサイダーズのみなさまにもおなじみの、バーレスクの生ける伝説!エロチカ・バンブー。彼女の近況はFacebookの投稿でいつも追っかけさせてもらってるのだが、今年の初めにベルリンから東京に居を移したと思ったら、春になってヨーロッパに踊りに行くと! しかもポーランドのクラクフに! それって、ウクライナからけっこう近いはずなのに大丈夫か……と心配していたら(クラクフからウクライナ西部のリビウまではたったの約300キロ)、すごくエネルギッシュな投稿が連続投下されてひと安心。無事に帰りついたタイミングで、巡業報告記を書いていただくことにした。停戦どころか、延々長引きそうな気配しかないウクライナ情勢に直面する東欧の国々の日常、メディアのニュースでは伝わらない日々の空気感を少しでも味わっていただけますよう。

続きを読む

music

おかえり TOKYO ATOM vol.26 June 2000  からだをめぐるあれこれ (文:マーク・ロビンソン)

今月号はTOKYO ATOMで初めて、からだと健康を特集してみたが、そこでなぜ女性の膀胱炎の問題をテーマにしたのか、いまとなってはよくわからない。もしかしたらそのころ話題になっていたのかもしれないし、編集部の周辺に女性スタッフが多かったこと、そして男性より女性のほうが膀胱炎にかかりやすいことがあったのかもしれない。もし興味があれば今回の「Dr WHO」のページで、いろいろ知識を得られるかと。最近では一般のメディアも製薬会社も月経前緊張症(PMS)を取り上げることが増えてきた。女性特有のからだの問題が、男性の「タートルネック問題」(上野クリニックの、あの包茎コマーシャルね)みたいに「普通」に語られるようになってきたのは、いいことかもしれない。

続きを読む

2022年05月11日 Vol.500

art

ヌキ本――苦痛と快楽の果てに

とりあえずこのチラシを見てほしい。「令和4年度 KAC主催 アート5人展」……あまりにシンプルで引っかかりゼロのへなちょこタイトル。これで「行かなきゃ!」と思うひとがどれくらいいるだろうか。しかもKAC(亀戸アートセンターの略)は、アートセンターという立派な名前とはウラハラの小さなギャラリー。最寄り駅の都営新宿線大島から徒歩12分、亀戸駅からだと徒歩20分という……。 「5人展」の5人とはドキドキクラブ、wimp、wu-tang、四本拓也、ヌキ本。このメンバー表を見て「行かなきゃ!」と興奮したひとが何人いるかわからいけど、僕は興奮しました! なぜなら久しぶりにドキドキクラブくんに会えるから。

続きを読む

music

おかえり TOKYO ATOM vol.25 May 2000  ふたりのトーキングヘッド (文:マーク・ロビンソン)

撃たれたり刺されたりこそしなかったものの、新宿の編集部に乗り込んできたヤクザにガラスの大きな灰皿を振り回して脅されたこともあると、雑誌編集者の岡留安則は今月号のTOKYO ATOMのインタビューで語ってくれた。 岡留さんに復讐したかった人間はたぶん何百人もいただろう。2004年に休刊した雑誌『噂の真相』で25年間にわたって公人、有名人の悪事を掘り起こし、報道してきたのだから。訴訟対策も万全で、政治家や芸能人の不倫記事では写真を掲載して訴えられるリスクを回避するため、ベッドでいちゃつくイラストを載せることもあった。

続きを読む

photography

妄想ホテル room:014  たまにはラブではないホテル (写真・文:フクサコアヤコ)

「○月○日 ○○ホテル、どうですか?」という短いメッセージが届く。 私は予定を確認してOKの返事をする。 たったこれだけのやり取りでここ数年撮影を続けている人がいる。 特にどう撮ってほしいとも、撮った写真が欲しいとも言われない。ただ「撮ります?」と連絡をくれるのだ。 ヒルトン、プリンス、マリオット、ハイアットリージェンシー、シェラトン、アンダーズ、椿山荘…彼女が宿泊するのはラブではない普通のホテル。しかも一度は泊まってみたい憧れのホテルばかりだ。

続きを読む

lifestyle

シブメグの人生小劇場 17  プカプカ (文:シブヤメグミ)

初めて会った時はランドセルを背負っていたエミリちゃん。こないだ高校3年生になった。 2011年9月、私は小さな小さなバーのママになった。 場所は新宿のはしっこ。最寄駅からまっすぐ歩いて少し曲がるだけなのに、ほとんどの人が迷ってしまうビルの地下。 地下なのに店名は"浮かぶ"。 初代のママさんが名付けた。 この店名にちなんで、営業していることを「浮かんでます」、閉める時には「沈みます」。 常連のお客様の間では、私が観劇やライブや旅の予定を入れて躊躇わずに休んでいるので、「沈んでばかりの"浮かぶ"」と言われている。

続きを読む

2022年05月04日 Vol.499

art

モンド改め奥村門土・東京展開催!

ロードサイダーズのみなさまにはもうおなじみ、福岡のモンド画伯。似顔絵から始まったイラストレーションにとどまらず映画デビューも果たし、もうミュージシャンのボギーさんの長男という説明が不要の活躍ぶりだ。 2003年生まれのモンドくんと出会ってから、もうすぐ10年になる。2013年10月02日号「天使の誘惑――10歳の似顔絵師・モンド画伯の冒険」で紹介したのが最初(ちなみにその号は同じ九州の101歳の現役アマチュア画家・江上茂雄さんも紹介、ものすごい年齢差の記事が並んだ)。そのときモンドくんは10歳、小学4年生だったのが、いま17歳で高校を卒業したばかり。アーティストネームを「モンド」から本名の奥村門土にあらため、創作活動に専念する人生を送り始めたところだ。

続きを読む

art

Freestyle China 即興中華  逃げたサルが向かった先は――写真家・魏子涵インタビュー (写真:魏子涵、都築響一/文:吉井忍)

「動物園、よく行きますか。」 先日まで品川で展示されていた『情動の匂い』について、作者である魏子涵(ぎ・しかん/ウェイ・ズーハン)さんにお話を伺った日のこと。挨拶が済むと、彼女が先に口を開いた。 魏さんは中国山東省出身、メディア関連の名門・中国伝媒大学(北京市)で写真を専攻した後、2016年に来日。武蔵野美術大学大学院の写真コースで学んでいた2019年、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が開催する写真家オーディション「SHINES(シャインズ)」に入選した。これに関連して2022年2月25日~3月29日まで「キヤノンオープンギャラリー1」(東京都品川区)で開催されていたのが『情動の匂い』だ。都築編集長に教えていただき、会期内に滑り込むことができた。

続きを読む

photography

ニュー・シャッター・パラダイス 19  傘がない (写真・文:オカダキサラ)

人間の最大の特徴の一つに、道具を作ることが挙げられます。 長い人類史と共に、道具は工夫を重ねられてきました。身近な例としては、カメラやテレビ、電話やコンピューターなどが挙げられます。 外観から大きく進化していったものもあれば、変化があまりみられないものもあります。 そのひとつが、傘です。 ジャンプ傘や折りたたみ傘など多少便利になりましたが、手で持たなければならない不便さはいつまでたっても解消しません。

続きを読む

photography

現代アイヌの肖像 10(最終回) 八谷麻衣

1982年生まれ/旭川市出身/札幌市在住/アーティスト。取材日:2020年10月19日/写真とインタビュー:池田宏/インタビュー構成:浅原裕久。

続きを読む

music

おかえり TOKYO ATOM vol.24 April 2000  犬と心中 (文:マーク・ロビンソン)

ガングロ女子高生を描いた西沢友恵さんのイラストが表紙になった今月号のTOKYO ATOMには、ペットのいる生活を取り上げた記事がふたつ載っている。みるくのキッチンバーに君臨する女神が、当時の夫と愛犬と一緒に、天然そのもののすがたで都築さんの写真に収まった「プライベート・アイ」を、まず見てほしい。 さらに見逃してしまいがちな犬の小特集があって、これこそまさにTOKYO ATOMが得意とするタイプの記事だった。一見、「飼い主はなぜかペットに似てくる!」という、たった2ページのおもしろ記事だけど、その脇には犬を育てる上でのさまざまな考察や、犬がなついてくれない飼い主の悩みといった、深い内容も加味している。

続きを読む

travel

ROADSIDE CHINA  中国珍奇遊園地紀行 27 新疆ウイグル自治区後編 (写真・文:関上武司)

大家好(中国語で皆さん、こんにちは!)。ロシアがウクライナへ侵攻し、様々な物価が上昇。コロナ禍もあって、いつになったら中国で撮影できるのかわからない状況の軟体トラベラーの関上です。中国政府は日中戦争の日本軍の行為を批判しているので、ロシアのウクライナ侵攻についても「それはおかしいだろう」と積極的に止めてほしいところです。今回は新疆ウイグル自治区後編ということで、灼熱のトルファンと涼しい気温ながらもピリピリした空気だったウルムチ市のレポートをお届けいたします。

続きを読む

  • TOP
  • バックナンバー

月別バックナンバー

FACEBOOK

BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

特設販売サイトへ


ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

SHOPコーナーへ


ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

SHOPコーナーへ


捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

amazonジャパン


圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

amazonジャパン


ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

amazonジャパン


独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

amazonジャパン


ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

amazonジャパン


東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

amazonジャパン


東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

amazonジャパン