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2019年10月23日 Vol.377
art
不自由で自由な表現展――BABU復活個展@ギャラリーSOAP
先週号でお知らせしたように、北九州小倉のギャラリーSOAPで、BABU個展「障害+ART 50-0」が始まっている。会期中に記事をあげたくて、急いで観に行ってきた。「障害+ART」と題されているけれど、本メルマガでも何回か取り上げたBABUはアウトサイダー・アートやアール・ブリュット系の作家ではない。昨年(2018年)5月、まだ30代の若さで脳梗塞に倒れ、脳の3分の1を失うという危険な状態におかれながら驚異的な回復力で復活、リハビリに励みながら制作してきた1年あまりの新作を集めた、復帰後初個展なのだ。
art
工房集の作家たち 2 大倉史子
先週の尾崎翔悟に続いて、埼玉県川口市の工房集につどう作家たちから、今週は大倉史子(おおくら・ふみこ)を紹介する。にぎやかな工房集のアトリエを抜けて裏庭に出ると、陽当たりのいい片隅に置かれた机に画用紙を広げて、熱心にペンを走らせる女性がいた。大倉史子さん、1984年生まれ。もともと創作が大好きで、高校卒業後、活動を続けられる場所を求めて、みずから工房集を選んで2003年から通うようになった。大倉さんには自閉があり、他人とのストレートなコミュニケーションが難しく、たいていはみんなと離れた庭の机などで絵に取り組んでいる。いつもひとりで。ただ、それは「みんなのなかに入っていかない」だけで、すぐそばにはいるという、大倉さんなりの「一緒にいる」ありかたなのかもしれない。
lifestyle
西成ガギグゲゴ「七人の侍」3 えるびす(写真・文:くまがいはるき)
5年ぐらいになるだろうか 意外と上品で、ムードと世界観をもった男が常連になった 出会いを覚えている 男は、かなり泥酔した状態で、軒先を覗いていた 確か、音楽のイベントで音合わせをしている最中だった 「お金無いんだけど、聞いてていい?」 と聞かれたので、中にどうぞと促した 男は、ニコニコしながら聞いていた しばらくして 「エルヴィス・プレスリー弾ける?」 男は、唐突に聞いてきた 演者のひとりがエルヴィス・プレスリーを奏で出した途端 男は立ち上がり全身を躍動させながら歌いだした あまりのパフォーマンスに演者一同も圧倒されて、その後 しばらくの間、男の即興LIVEが続いていった 素晴らしいパフォーマンスだったので酒を一杯ごちそうした 男は「Happy Night!」と言い残し消えた その男こそが、のちのピカスペース七人の侍のひとり【えるびす】である
movie
はぐれAV劇場 29 弁護士夫妻を知りませんか?(文:大須蔵人)
『全裸監督』のインパクト――もう少し前になってしまったが、今夏にNETFLIXで配信された『全裸監督』が、その内容や宣伝方法なども含めて大きな話題を呼んだ。まさに規格外の男である村西とおるの存在が再び(前回は80年代)メジャーシーンに大きなインパクトを与えることになったのは、当時を知らない私にとってもなんだかとても嬉しい。本作の原作本である本橋信宏さんによる巨編ルポルタージュはこの連載(はぐれAV劇場16)でも紹介した。ドラマの方は、好評を受けて早くもシーズン2の製作が決定したということだが、たしかにシーズン1で描かれたのはだいたい1986年の黒木香『SMぽいの好き』から、同年末のハワイでの逮捕劇、司法取引で帰国するあたりまでなので、まだまだ栄枯盛衰の村西物語は多く残されている。以前も引用した、『全裸監督』で描かれた村西とおるダイジェストは下記のようになっている。
art
酔っ払いの蝶々と僕
2017年04月19/26日号「アリス・イン・フューチャーランド」で特集し、なにかとヤミカワイイ系こじらせ女子(誉めてる!)の動向を教えてくれている画家・サイトウケイスケの、4年ぶりになる個展が今週金曜日から6日間だけ歌舞伎町・新宿眼科画廊で開催される。
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 総集編1 (文:臼井悠 [アーバンのママ] )
2017年の12月から始まった「Neverland Diner 二度と行けないあの店で」(通称、ネバダイ)も、ついに84回を迎えました。それまでやっていた「捨てられないTシャツ」に続いて、ライベートな部分を覗き見するような原稿をたくさんの方に書いてもらいました。ふだん書くことを仕事にしていないひとたちも大勢います。ネバダイは「TOKYO STYLE」みたいな本を作りたくて考えた企画です。安くて美味しいものはたくさんあるし、人気のレストランはすぐにピックアップされていく時代のなかで、誰とも絶対にかぶらない場所、それが二度と行けないあのお店、じゃないのかなって。
2019年10月16日 Vol.376
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 84『大阪ミナミ・高島田』鵜飼正樹(社会学者・京都文教大学教授)
市川ひと丸劇団の役者・南條まさきとして舞台に立ち続けていた1982年4月から1983年6月にかけて、関西の劇場で公演があると、よく手伝いとして舞台に出る役者がいた。その役者は男だったが、舞台ではもっぱら、白塗りの女形を演じた。それも、芝居ではなく踊りで舞台に出ることが多かった。出演はおもに土日だったように思う。正確な年齢はわからなかったが、すでに老境に達していて、70代か、ひょっとするともう80代かもしれなかった。踊りで舞台に出るといっても、女形の足取りはどことなくピョンコピョンコとはねるようで、そんなに上手でなさそうなことは、入団間もない私にもわかった。一方で、着ている衣装や鬘が豪華で金がかかっていることも、よくわかった。「太田先生」。その役者は、楽屋ではこう呼ばれていた。
photography
無限界の浜辺にて――山本昌男「手中一滴」展
「うちとしては異例の入場者数でした!」というロバート・フランク展を終えたばかりの清里フォトアートミュージアムで、山本昌男「手中一滴」展が始まっている。写真好きでロバート・フランクを知らないひとはいないだろうが、山本昌男という名前に頷けるひとがどれくらいいるだろうか。展覧会のお知らせをもらうまで僕も不勉強でよく知らず、チラシに載っている写真を見て「知られざる物故作家の発見か」と思ったら、なんと1歳違いとはいえ年下の現役写真家なのだった・・・・・・涙。美術館のスタッフによれば、館長の細江英公さんも「こんな昔の人、よく見つけてきたねえ」と感心したそうなので、その年代詐称というと変だけど、時代感覚の超越ぶりはかなりのものである。
art
工房集の作家たち
最初にアウトサイダー・アートの本をつくったのが1989年のArT RANDOMシリーズだったから、もう30年も関わっていることになる。創作活動を取り入れている日本各地の施設もいろいろ訪ね歩いてきたが、なんとなく緊張してしまうところと、いきなりすごくリラックスできるところがあった。施設の歴史や規模や名声とは関係なく。日本で最初にアウトサイダー・アート/アール・ブリュット専門の商業画廊をつくり、一緒にヘンリー・ダーガーの部屋の本をつくった仲間でもある小出由紀子さんに誘われて、今年の夏の初めに埼玉県の「工房集」を訪れることができた。川口市の郊外、「見沼田んぼ」と地元で呼ばれてきたらしいのどかな一角に、カラフルな建物があった。
travel
日本性祭紀行5 福井県美浜町の八朔祭り(写真・文:深沢佳那子)
八朔、というのは旧暦の8月1日のことを言う。現在では9月1日に当てられることが多く、「八朔祭り」という名の祭りは全国で開催されている。この祭りは主に稲の豊作を祈る豊穣儀礼として、稲刈りの直前であるこの時期に行われるものだ。また台風の多い時期であることから、稲にとって強敵である風よけの祭りとしても機能しているらしい。全国で行われる八朔祭りはそれぞれ様々な特徴を持つが、福井県三方郡美浜町の八朔祭りは「福井一エッチな祭り」という誘い文句で町の観光HPが大々的に宣伝している。一応伝統的な祭りなのにエッチな祭りなどという文言は少々いかがなものか…?とも思うが、なんでも男根を持った天狗が追いかけてくる祭りだという。
travel
ディープ・コリアふたたび 22 成田~釜谷(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
成田空港に向かうスカイライナーの中に美人がいた。スッキリとした容姿はCAだろうと想像させた。小さなキャリーバッグを自分の隣の席に置いていた。チャコール・グレーのスーツでタイトスカートがスタイルをより美しく伝えていた。朝8時の日暮里駅ホームにはさまざまな肌の色の人がいた。帰国するのだろうラテン系の人たち、日本人のおばさん二人はサンドウィッチを食べながら笑っている。おにぎりを駅中のコンビニで買ったほうが良かったか。腹が減ってきた。
2019年10月09日 Vol.375
travel
圏外の街角から:秋田県能代市
「木都能代」という言葉があるのだという。青森と県境を接する秋田県北部を東から西に流れる米代川(よねしろがわ)の上流で伐採された秋田杉が、かつてはイカダで運ばれて日本海にいたる、その能代市は日本最大の木材集積地だった。いまも川沿いや海岸近くを走ると山積みされた立派な原木が見られるが、それよりも目立つのは風力発電の巨大な風車群。そして「東洋一」とも言われた木都の繁栄は、凄惨なまでのシャッター商店街と化した現在の能代市中心部には、どこにも見つからない・・・・・・。先週号の編集後記にちょこっと書いたように、1泊2日の急ぎ旅で能代に行ってきた。2015年6月24日配信号「雪より出でよ蓮の花」で特集した「蓮の画家」金谷真が、故郷で初めて開いた展覧会「金谷真 蓮画展」の最終日に、なんとか駆け込めたのだった。
music
インドの路上で未来派サウンドシステム!(写真・文:金谷真)
蓮画家の金谷さんは、能代での個展が始まる直前、インドを旅していた。1ヶ月ほどの北東インド滞在のなかで、ときどきアップしていたFacebookの書き込みを見ていたら、路上で遭遇したインド式サウンドシステムにやられた興奮がひしひしと伝わってきた。せっかくなので能代特集にあわせて、急いで書いていただいたインディアン・サウンドシステム見聞記。爆音で動画も楽しみつつ、お付き合いください!
travel
案山子X 59:常総ふるさとまつり かかしコンテスト(茨城)(写真・文:上田愛)
こんにちは。上田愛です(上迫愛から名前が変わりました)。今回は茨城県常総市新石下の「常総ふるさとまつり かかしコンテスト」を紹介します。常総市は茨城県の南西部に位置し、市の中央に一級河川の鬼怒川が流れています。住宅地と水田地帯が広がる新石下地区では、毎年11月上旬に「常総ふるさとまつり かかしコンテスト」が開催されています。コンテストの期間中は、石下庁舎周辺に多くのかかしが立ち並びます。かかしを作り展示する事で、地域交流をはかる事を目的に開催しているそうです。
art
詩にいたる病、ふたたび
2015年08月18日号「詩にいたる病 ――安彦講平と平川病院の作家たち」を起点に、東京・八王子市の平川病院〈造形教室〉とはこのメルマガで長くお付き合いをさせてもらってきた。安達さんたちは東京都内の精神科病院で構成される一般社団法人東京精神科病院協会(東精協)主催の「心のアート展」(池袋・東京藝術劇場内ギャラリー)のほか、平川病院の〈造形教室〉の作家たちが多数参加する「自己表現展」を地元八王子で定期的に開催していて、今年は地域活動支援センター「ひまわりアーティストクラブ」との共催で、「“癒し”拓くアート 二つの場による自己表現展」がすでに10月1日から開催中。さらに10月17日からは、〈造形教室〉のメンバーである古名和哉さんの個展も開かれるので、あわせて紹介させていただきたい。
photography
黄金の町の「幸子」の幸はどこにある(写真・構成:兵頭喜貴)
本メルマガではもうおなじみ、9月25日号では「ラブドール誘拐事件」の顛末も特集した八潮秘宝館・館主の兵頭喜貴氏。その兵頭くんから「黄金町にすごいギャラリーができたのでメルマガでやってください! 俺が書きますから!」と連絡があり、「へ~、どんなところ?」とか言ってるうちに、いきなり写真と文章のセットが送られてきた。あれほどのマニアを、これほど興奮させるとはいったい・・・・・・。
2019年10月02日 Vol.374
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 83『東京の、みんなのとんかつ登亭』本人(ライター/インターネットユーザー)
西荻窪駅の南口を出てすぐ右手に流れると出くわす柳小路。3分で回れるくらいの狭いエリアには、カウンター席だけの飲み屋や個性的な飲食店などが雑多にひしめいて、JR中央線の魅力をわかりやすく教えてくれている。とんかつ登亭は、その横丁の一角に2006年まで存在していた。L字のカウンターテーブルに囲まれ、老夫婦が営む昔ながらの定食屋。そこではデミグラスソースのかかったカツやハンバーグ、サラダなどがワンプレートに盛り合わさって、味噌汁と米を付けて500円ちょっとで食べることができた。
travel
すぐそこにいる幻想生物たち
平日の昼下がり、ふだんなら静かなはずの国立民族学博物館が、やけに賑わっていた。それも、いつもよりもずっと若くて、博物館よりむしろ秋葉原や大阪日本橋にいそうな子たちが、展示に食いついている。8月末から始まっている特別展『驚異と怪異――想像界の生きものたち』が気になっていて、やっと来れたのだった。タイトルどおりこの特別展は「人間の想像のなかの生きものたち」を世界中に求めた特別展。日本を含むアジア、中近東、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ大陸・・・・・・世界各地の人間たちが思い描いた不思議な生きものたちと、それらを通して見えてくる人間の想像力の豊かさやバラエティ、文明をまたいだ共通点などを、約630点に及ぶ資料で探るユニークなプロジェクトなのだ。
lifestyle
SNSの神々 第4回 「走るアート」の男(文:吉村智樹)
SNSを通じて自己表現をしたり、収集や観察の成果を発表したり。そうして熱い支持を集めるカリスマたちに迫る「SNSの神々」。第4回目は、Facebookに、とてつもなく大きな作品を発表し続けている、ひとりの肉体派表現者を紹介したい。友人のライター仲谷暢之くんから、「Facebookに、途方もなく大きな作品を発表し続けている小学校の先生がいます」と教えられたのが今年の1月。仲谷くんが保存していた「小学校の先生が描いた作品」をメールで送ってもらった。そこにあったのは、ネット地図上の道路をうまくつないで描いた、大きな文字や絵。
movie
桃色の罠――日本成人映画再考 11 新高恵子(文:鈴木義昭)
新高恵子さんに会いたかった。だが、なかなか新高さんには会えなかった。それは、銀幕の女優に会うのではなく、銀幕の彼方の「幻の女優」を追い駆けるようだった。中学校の終わり頃、寺山修司の本を片っ端から読んだことがある。ちょうど次々に寺山さんの作品が文庫本になった頃だ。『家出のすすめ』『寺山修司青春歌集』『さかさま世界史』……、そして近所の本屋さんで取り寄せて読んだ単行本『書を捨てよ街へ出よう』。やがて、寺山の演劇や映画を追い駆けた。当時、アングラ映画のメッカだった新宿文化で観た寺山修司監督の映画『田園に死す』(1974年公開・人力飛行機舎/ATG)で、新高恵子は主人公の少年を追い回す草衣役だった。妖しい妖精のようであり、可憐な少女のようでもある裸体が目に焼き付いて離れなくなった。
travel
Freestyle China 即興中華 “ニセ雑誌”を通じてみる中国写真の今――假杂志(Jiazazhi)代表・言由さんインタビュー(写真・文:吉井忍)
中国の本屋で写真集を見たり、知人におすすめの写真家を紹介してもらっているうちに、アートブックを専門に扱うインディペンデント出版社「Jiazazhi Press」という存在に気がついた。調べてみると、同社は日本を含む海外でもよく知られているようで、TOKYO ART BOOK FAIRやパリフォト、アルル国際フォトフェスティバルなど海外フェアの常連でもあるようだ。このJiazazhi Pressが中国浙江省・寧波(ニンポー)市に図書室、ギャラリーと書店を備えた複合施設Photobook Libraryを設け、そこで初の展示を行なっていると聞いてさっそくお邪魔することにした。
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BOOKS
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天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!