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2019年11月27日 Vol.381
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工房集の作家たち6 横山涼
埼玉県川口市の工房集につどう作家たちを紹介する連続企画、6回目となる今週は横山涼(よこやま・りょう)を紹介する。陽射しが明るい窓際の席で、白いワイシャツのボタンを首元まできちんと留めた青年が、一心に木片を削っていた。うっすら生やした髭が、かえって若さを引き立たせている彼の名は横山涼。1988年生まれ、2008年からグループ内の「浦和太陽の家」に通い始め、2012年からはそれまで暮らしていた実家を離れ、ホームに入所して制作を続けている。横山さんには知的障害があるそうだが、質問にもきちんと答えてくれるし、穏やかな口調に接していると、ここが障害者施設であることを一瞬忘れそうになる。「でも、来た当初はぜんぜん違ってて、大変だったんです」と案内してくれたスタッフのかたが教えてくれた。
lifestyle
西成ガギグゲゴ「七人の侍」4 ジャブ(写真・文:くまがいはるき)
SUPREMEの服をさり気なく着こなし、お洒落な被り物をのせてる 毎日来るのに着こなしている服が違う 古着や新作などの服をさらりと着こなすその人物は、私の店ピカスペースに訪れる 七人の侍の一人、ジャブさん 陽気な赤の自転車に乗りながら、これまた陽気に酒を飲む人物である お気に入りのマイク・タイソンのTシャツやボクシング関係のTシャツを着ている時は、さらに陽気で シャドーボクシングをしながら入店してくるのも良くある光景である ジャブさんも古参のお客さんで、6年ほどの常連 日に何度も訪れるのがジャブさんの飲み方だった 「はるちゃん サッポロ!!グラス2つ」と言い 必ずその都度わたしと乾杯する
travel
案山子X 60:羅漢の里もみじまつり・かがしコンテスト(兵庫)(写真・文:上田愛)
こんにちは。上田愛です。今回は兵庫県相生市矢野町の「羅漢の里もみじまつり・かがしコンテスト」を紹介します。兵庫県の南西部に位置する相生市。南は海岸部に面しており、北は自然豊かな山間部が広がる南北に長い地域です。ペーロン競漕や海上花火大会で盛り上がる初夏のイベント「相生ペーロン祭」や、相生名物のかきを楽しめる冬のイベント「相生かきまつり」が有名です。秋の一大イベントとして、毎年11月の2週目に開催されるのが「羅漢の里もみじまつり・かがしコンテスト」。矢野町瓜生の羅漢の里にある800mの沿道に、約1000体のかかしが立ち並びます。
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 総集編5(文:臼井悠 [アーバンのママ])
ネバダイ総集編もついに最終回です。これまでの84回、どの話をどこから読んでも面白くて、本当にこの連載が大好きだ! さて次回からは本編も復活です。残り少しですが、どうぞお楽しみに。とその前に、特別編として「二度と行かなくてもいいあの店 girls side」をお届けさせてください!
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隙ある風景と山ぐるみ
本メルマガに登場してくれている作家たちの展覧会を、ふたつまとめて紹介させていただく。まずはもうおなじみ、『隙ある風景』のケイタタ写真展。こちらは大阪のビジュアルアーツギャラリーで、すでに始まっている(1月12日まで)。そしてもうひとつは2016年11月16日号「手芸のアナザーサイド」で紹介した、山さきあさ彦による「山ぐるみ」の東京展。
2019年11月20日 Vol.380
art
工房集の作家たち5 杉浦篤
埼玉県川口市の工房集につどう作家たちを紹介する連続企画、今週は工房に所属しながら、ふつうの「作家」とは少し異なるスタンスで作品を発表する杉浦篤(すぎうら・あつし)を紹介する。埼玉県川口市の工房集には、入口に小さなギャラリーがあって、所属作家の作品がいつも飾られている。最初に訪れたとき、もっとも興味を惹かれたのが、というより見たとたんに動揺させられたのが、杉浦さんの作品だった。これがなんだか、見てとれるだろうか。それはもともとサービス版かもう少し小さいくらいの写真プリントの、表面がすり切れ、角がちぎれ欠けて、丸みを帯びた、イメージの破片なのだった。
travel
圏外の街角から:今治の昼と夜と
地方でトーク・イベントに呼ばれるとき、前後の日にどこか別の場所に立ち寄ってみることがよくある。11月初めに愛媛の松山でトークがあり、いつもだったら松山から南下して宇和島方面に遊びに行くところ、反対方面の予讃線に乗って今治で1泊してみることにした。今治・・・・・・どんなイメージが湧くだろう。まず「いまばり」って読めるだろうか。あとは造船、タオル、焼鳥(鉄板にへらで押しつけて焼くスタイル、今治のソウルフードらしい)? 松山市に次ぐ愛媛県2番目の都市であり、四国全体でも各県の県庁所在地に次ぐ5番目に大きい市である今治は人口約16万人。四国の陸地と、伯方島、大島、大三島など瀬戸内海の島嶼部で構成されている。
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ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 15 寧夏回族自治区(写真・文:関上武司)
好久不見了!(中国語でお久しぶりです!)軟体トラベラーの関上武司です。今回は2016年の盆休みに寧夏回族自治区へ訪問したレポートになります。2016年8月13日。この日は青海省西寧市から甘粛省蘭州市へ移動して遊園地の撮影をし、寧夏回族自治区銀川市まで列車で移動する予定だったのが、自分自身のいい加減な性格のおかげで列車の切符を入手できず、急遽、バスで向かうことになりました。蘭州市から銀川市へのルートは基本的に荒れた大地が広がっているという印象です。バスの車内で『ドラゴン×マッハ!』(原題:殺破狼2)という中国と香港の合作アクション映画が上映されていて、ダブル主演の中国のウー・ジンとタイのトニー・ジャーの超絶アクションにしびれていました。
travel
ディープ・コリアふたたび 24 慶州(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
寺の本堂にキーボードが置いてあるのを、25年ほど前に見かけたことがあった。それも何回か。中にはエレクトーンのような結構高価で立派なものがどんと設置されているところもあった。それはたとえば教会におけるオルガンを連想させた。「このキーボードは何に使うの?」「みんなで歌を歌うときの伴奏に使います」それだけか? そんなことのためだけにこんな立派なものを本堂に置くのか?と、そのときは思った。しかし、そもそも仏教で歌を歌うってどういうことなんだ。という疑問も湧いた。大韓の友人に問うと、お坊さんや信者の人たちで歌う会があるのです、という。お寺で歌の会をやっている。それはめずらしいことではない。どういう歌を歌うのかというと、仏教の歌だという。仏教にも賛美歌のようなものがあるらしい。
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 総集編4(文:臼井悠 [アーバンのママ])
ついにネバダイ総集編も第4回です、感慨深い・・・。今回も海外はバンコク、重慶、タウンヂー、国内も和歌山、名古屋、福井・・・、さらには高野山の道場まで、全国津々浦々からのネバダイをお届けします。来週は残り4回分に加えて、「二度と行かなくてもいい、あの店」という特別編を書きたいと思います! お楽しみに。
2019年11月13日 Vol.379
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工房集の作家たち4 齋藤裕一
埼玉県川口市の工房集につどう作家たちを紹介する連続企画、今週は工房に所属するうちでもっともよく知られ、展覧会やアートフェアでの発表も多い作家のひとりである齋藤裕一(さいとう・ゆういち)を紹介する。齋藤さんは1983年生まれ。重度の知的障害を持ち、工房集には2002年の開所と同時に通うようになった。たとえば家の鍵を閉め忘れたか、ガスを消したかとかが気になって何度も確認してしまう、そうした無意味な行動を止められないことを強迫性障害と呼ぶ。
photography
Freestyle China 即興中国 存在することの、一抹の不安――写真家・張克純インタビュー(文:吉井忍 写真[作品]:張克純)
先日訪ねた寧波の写真専門ライブラリー「Jiazazhi」で写真集を見せていただいている時、オーナーの言由さんから「これは黄河の流域を撮ったやつ」と手渡された一冊があった。よくある「われわれの文化を育んだ偉大なる河」を表現した風景写真かな……と思いつつページをめくると、予想とは違った世界が広がっていた。黄河ももちろん写ってはいるが、面白かったのはどの作品にも写り込んでいる人々の姿だ。荒廃しながらもまだ圧倒的なパワーを持つ中国の自然と、その中でどうしようもない自身の小ささを受け入れながら弾け散る人々の生命。この『北流活活(The Yellow River)』は四川省成都市在住の写真家・張克純(ジャンクーチュン)さんの作品集だ。
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 総集編3(文:臼井悠 [アーバンのママ])
ネバダイ総集編もついに第三回です。改めてみると、不思議な人選ですね・・・。そしてどれだけ書いてもらっても、絶対にかぶらないのにもびっくり。今回は広島のネバダイが3軒、京都は2軒、さらにカトマンズ・台湾・イギリスとインターナショナル! ちょっと旅をしたくなる総集編になりました。
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1万年の時を超えて――縄文タトゥーのプリミティブ・フューチャー
最近ではテレビ番組『クレイジージャーニー』や雑誌『BURST』の復刊でも知られるようになったケロッピー前田さんは、いつも興味深いことや恐ろしいことやおぞましいことをいろいろ教えてくれるのだが、ここ数年はトライバル・タトゥーの彫師・大島托さんと組んで「縄文族 JOMON TRIBE」なるアートプロジェクトを運営。2016年に開催された展覧会は本メルマガでも告知したが、来る11月15日から3年ぶりの個展が東京阿佐ヶ谷TAV GALLERYで開催される。最初に写真を見たときからこころをざわつかせる存在だったので、今回じっくりお話を聞かせてもらうことにした。
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BORO、世界をめぐる 2(写真・文:辰巳清)
先週に続いてお送りする、浅草アミューズミュージアム館長・辰巳清さんによるBOROワールドツアー・リポート。浅草のミュージアム閉館までの軌跡を記した前回に続く今週は、いよいよBOROが海を渡ってオーストラリアに上陸する!
2019年11月06日 Vol.378
art
工房集の作家たち3 長谷川昌彦
前回の大倉史子に続いて、埼玉県川口市の工房集につどう作家たちから、今週は長谷川昌彦(はせがわ・まさひこ)を紹介する。10月16日に配信した第1回記事で、工房集は埼玉県内に施設や事業あわせて22ヶ所を運営する社会福祉法人みぬま福祉会の一部であることをお話しした。今週紹介する長谷川昌彦は工房集と一体運営されている「川口太陽の家」に所属する作家である。障害者の「働く権利」を模索する過程で、単純作業から表現活動へと幅を広げてきた川口太陽の家では、いまステンドグラスづくりが盛んで、明るい作業室には各種作業機器が揃っている。平面作品や立体のオブジェ、照明器具の笠にガラスコインアクセサリーまで、仲間(施設利用者)たちが生み出す作品はさまざま。そんなカラフルな環境で、ひとりだけ鈍い銀色のかたまりに取り組んでいる青年がいた。
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BORO、世界をめぐる 1(写真・文:辰巳清)
メルマガ読者にはすでにおなじみの「BORO」。前に書いたように浅草のアミューズミュージアムが今年3月末でいったん閉館したあと、そのコレクションはオーストラリアから中国へ、そしてこのあとニューヨーク、さらにまだ未発表だがストックホルム、モスクワへとワールドツアーが続いている。コレクションとともに海外の展示会場をめぐっているのが、ミュージアム館長を2009年の開館以来務めてきた辰巳清さん。せっかくなのでこの機会に、BOROが海外のアート・ファン、デザイン・ファンにどう受け止められているのか、リポートしていただくことにした。第1弾となる今回はオーストラリア編。シドニー~メルボルン~キャンベラと続く旅を前後編にわけてお送りする。音楽・演劇のスペシャリストとして働いてきたのが、ある日突然ミュージアムの責任者に抜擢されて、否応なしにBOROとだれよりも関わるようになっていく、そんな辰巳館長のパーソナルな挑戦の物語も、あわせてどうぞ!
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波磨茜也香のおんなのこ散歩 第8回 一夜漬けの向こう側と口腔内の宇宙
いやぁ、テスト期間ってなんでこんなにも忙しいのでしょうね。終わることの無い試験範囲を眺めつつもお菓子を食べ、インスタ及びSNSをチェックしつつANNラジオ聴いてYouTubeで好きなアーティストのライブ動画見て脇に置いてある漫画を無意識のうちに読んで・・・・・・ほんと忙しかったなぁ。前回に少しお話した専門学校3年間の山場、登院試験に2回目で無事合格したと思ったら、間髪入れず期末試験(17教科)がやって来ました。去年入学して以来何度か経験してますが、もうね、本当に辛い。一日基本3教科を一夜漬け・・・・・・そもそも一夜漬けするから辛いんだろ前々からちゃんとやれと皆さん思うのでしょうが、前々から勉強してもいざ直前にやってみると見事に全部忘れているんですよね。その経験が辛かったのでずっと一夜漬けなのですが、いっつもすんごい辛い。基本、朝までやるのでお腹が空いて、ずっとなにかしら食べていて、この学校に入学してから6キロ太りました。歳のせいかもしれませんが。
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ディープ・コリアふたたび 23 密陽~慶州(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
駅前はありがちなちんまりとした整備のされた清潔風なたたずまいで、それに合わせるかのように新しめの雑居ビルなどが立ち並んでいる。釜谷からここ、密陽に来るのに駅近くで大きな河を渡って来たので、この町が河の両側に広がっているのであろうとは想像がつくが、鉄道の駅周辺もそれなりに人々が行きかっていて、かつてのような“おきざりにされた鉄道駅”の風景はない。暑い。大韓にしては湿気もある。気がつけばこの日、午後4時ごろであるのに、コーヒーを飲んでいなかった。駅前周辺にコーヒーショップが、あることはあるが、薄暗い店内がのぞけて、少々入るのがためらわれた。鉄道と平行に走るバス通りに出て探すことにした。5分ほど歩いて一軒見つかった。扉を開けると店内にはおばあさんから高校生らしい一団などまで、女性しか見あたらず、しかもほぼ満員だった。かき氷やアイスクリームが目に入った。こんな日にホット・コーヒーなど飲んでいる人間はいない。
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 総集編2(文:臼井悠 [アーバンのママ])
いまわたしは香港の佐敦にいます。時間は朝の7:49。なんとか2時間でこの原稿を書いて昼ビールに繰り出そうと思っているので、前回に引き続きネバダイ総集編第二弾、さっそくいきたいと思います!
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天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!