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2017年05月24日 Vol.261
fashion
『捨てられないTシャツ』単行本、できました!
本メルマガで2015年から16年にかけて連載した『捨てられないTシャツ』が、ようやく単行本になりました。今月26~27日ごろには全国の書店に並ぶ予定です! 連載で紹介した69枚、それにスペシャル・ボーナストラックとしてもう1枚、計70枚のTシャツと、70とおりの物語。それに序文と、僕自身の「捨てられないTシャツ」を後記として紹介した、なかなか読みごたえたっぷりの一冊。しかもその文章のほとんどは、Tシャツの持ち主が書いたそのままか、インタビューをまとめただけなので、これまで僕が発表した書籍のうち、「もっとも自分で書いてない本」でもあり!
travel
ディープ・コリアふたたび 03 木浦(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
大韓の鉄道には改札がない。改札的な入口はあるが切符をチェックする駅員はほとんどいない。切符の自動販売機はない(地下鉄はある)。切符は窓口と対面して買う。座席はコンピュータで管理されている。希望の列車を告げて、空きがあればそこに座る。それだけのこと。希望列車の座席が埋っていると窓口の切符売が相談に乗ってくれる。ただそれだけのことで、日本でも長距離はそうやって買うことが多いわけだが、しかし改札チェックは必ずある。そのため切符が発行される。しかし大韓鉄道には切符がない。そのかわりにあるのは、レシートである。コンピュータ管理だから入口チェックなんていらない。だから切符も改札機もいらない。嘘乗車するようなやつはすぐわかるのだコンピュータで。そもそもそういう輩は列車に乗ろうと考えないものだ。鉄道乗車性善説もそこには投影されている。
travel
爆安の彼岸――ABS屋で68円宇宙遊泳
本メルマガでおなじみ「八潮秘宝館」を見学に行ったとき、館主の兵頭喜貴くんが教えてくれたのがゑびすや商店/ABS卸売りセンター、通称「ABS屋」だった。足立区辰沼に本社・本店を構え、葛飾、江戸川、三郷、市川など東京外縁部に8店舗を展開するABS卸売りセンターは、百円ショップならぬ「68円ショップ」という驚異の低価格で、地元住民の日常生活を支え、テレビ番組にもしばしば取り上げられているので、ご存じの方もいるのでは。「ABS屋と水元公園があるから、このあたりに引っ越したようなもんですよ」という兵頭くんは、不覚にもABS屋を知らなかった僕を、「秘宝館の前にまずは」と、わざわざ見学に連れて行ってくれた。今週は八潮秘宝館館主・兵頭喜貴みずからが案内する、これもまた東京屈指の秘境であるABS屋探検記をお送りする。
travel
案山子X 36:山田のかかし村まつり(宮崎)(写真・文 ai7n)
こんにちは。ai7n(アイン)です。 今回は宮崎県都城市山田町の山田のかかし村まつりを紹介します。宮崎市と鹿児島市のほぼ中央に位置する都城市は、宮崎県内第2の人口を擁する主要都市です。温暖な気候と雄大な自然に恵まれており農業や畜産が盛んです。都城市の中心市街地から12キロ程の場所にある山田町は、町のシンボルがかかしです。多くの人に自然豊かで農業が盛んな山田町を知ってもらおうと「かかし村構想」が立ち上がり、童謡「案山子」の「山田の中の 一本足の案山子」という歌詞から着想を得て、田畑を守るかかしを町のシンボルとして町おこしを始めました。かかし村構想の一環として、毎年9月頃に町の中心部にある一堂ヶ丘公園で「山田のかかし村まつり」が開催されます。出店や催し物も多く、夜になると花火も打ち上げられる大きなお祭りで、市内外から約1万人が訪れます。お祭りの一大イベントであるかかしフェスティバルは2015年で23回目を迎えました。
movie
はぐれAV劇場 18 葵マリー監督『SM調教24時間 折檻雪化粧』(文:大須蔵人)
夜、みるからに寂れた田舎の駅。ホームには雪が厚く積もっている。そこに電車が入ってくる。窓からのぞく車内に乗客の姿はほとんど見られない。それでも電車が到着すると駅の改札からは続々と人が出てきた。その中に突然異様な一行が姿を現す。先頭の女性は軍服(ナチスの腕章!)にティアドロップのサングラス、手には手綱を持っている。その手綱で引かれているのはなんと、半裸の男女だ(しかも、男は女装している)。この状況から考えると、一行はこんな格好のまま、電車に乗ってきたということだろうか?
art
アンドロイドとスケーター
今月から来月にかけてロードサイダーズにはおなじみの顔ぶれによる展覧会が続けて開催されるので、ここでまとめて紹介させていただく。先週土曜日(5月20日)から渋谷アツコバルーで始まったのが、『オリエント工業40周年記念展「今と昔の愛人形」』。僕は初日が開館してすぐの時間に寄ったのだけど、すでに大盛況。初日でこれだから、会期末が近づいてきたらいったいどれだけ混雑するのか・・・くれぐれも早めのご来場をオススメします。去年の『神は局部に宿る』展でもおなじみの会場には、1982年製の「面影」から2010年代のシリコン製新作までの新旧ラブドールが勢揃いして壮観。知っているひとがみればそれは「ラブドール」だけど、知らないひとにとっては異様な趣の現代彫刻展覧会に見えるかもしれない。
travel
Back in the ROADSIDE USA 35 Gene Cockerel’s Yard Art, Canadian, TX
ルート66上に位置するテキサス州マクリーン。人口2000人ほどの小さな町のはずれにジーン・コクレルと彼の家族が住む家がある。庭にはイエス・キリストやバッファローや宇宙人や、ダラスカウボーイズのチアガールが立っている。ジーン・コクレルが「コンクリートの彫刻」を作りはじめたのは7、8年前のこと。「毎日ハンティングやフィッシングにでかけるわけにもいかないんで」、なんとなくコンクリートで作りはじめたのが、いまでは20体以上。さらにハイウェイ沿いの丘の上には、巨大な恐竜まで設置されている。いずれも素朴なタッチと表情が楽しい。
2017年05月17日 Vol.260
photography
いま、そこにある異景
ラルフ・ユージーン・ミートヤードという写真家の不思議な作品を初めて見たのはいつだったろうか。モノクロームの画面の、一見どこにでもあるようなアメリカの郊外風景でありながら、その登場人物たちがハロウィーンのような不気味な画面をつけ、しかしこちらを怖がらせようとするふうでもなく、ただそれが自分の顔であるようにたたずみ、こちらをまっすぐ見ている。怖がらせようとしていないのが、よけい怖い。ひどい悪夢から目が覚めて、まだ現実とのあいまいな境界に意識があるような、落としどころのない気持ちにさせられる。その写真家の名前がミートヤード(Meatyard=肉の庭!)だと知って、さらに不思議な気持ちになったのを覚えている。この3月から5月初めまで、サンフランシスコのフランケル・ギャラリーでミートヤードの写真展『American Mystic』が開催された。観に行くことはできなかったが、展覧会に際して発行された作品集を入手できたので、小さな紹介を試みてみたい。
travel
圏外の街角から:キャバレーと路地裏迷宮の若松
先週末から福岡ギャラリー・ルーモで開催中の『キャバレー・ベラミの記憶展』にもなんとか間に合い、会場でUSB版を販売中だ。昨秋、福岡アルティアムで『僕的九州遺産』展を開き、関連イベントとして企画されたバスツアーで僕はかつてのベラミ従業員寮=「ベラミ山荘」を訪れ、そこで電子書籍に収録した写真コレクションに出会ったのだったが、会場に遊びに来てくれたのが木村勝見さん。もともと日劇ダンシングチームのメンバーで、九州に移住してからは奥様の樽見タツ子さんと共に「ザ・インパルス」というユニットを結成。日本全国のキャバレーやホテル、クラブのステージに立ち、ベラミでもよく踊っていたのだという。
travel
Back in the ROADSIDE USA 34 Vent Haven Museum, Fort Michell, KY
ケンタッキー州の、隣接するオハイオ州の大都市シンシナティからほど近い、フォート・ミッチェルの静かな住宅街にある一軒家。ヴェント・ヘイヴン・ミュージアムという控えめな立て札が目印だ。ヴェントとはヴェントリロキスト(ventriloquist)の略。難しそうだけど、日本語でいえば腹話術師。ヴェント・ヘイヴンは世界唯一の腹話術博物館である。母屋裏のコテージのような平屋の鍵をキュレイターに開けてもらい、一歩足を踏み入れると、そこには腹話術の人形が壁を埋めるようにずらりと並び、不気味なまでに壮観。その数およそ600体に達し、現在でも増え続けているそうで、もちろんコレクションとしても世界最大だ。
photography
食卓の虚実
シャネルにプラダ、マックイーンにラガーフェルドと、世界のハイファッション・メゾンを顧客に持つ超売れっ子でありながら、いつもちょいブラックで悪戯っぽいテイストを忘れないノーバート・ショーナーという写真家がいる。本メルマガでは2012年7月18日号で作品集『Third Life』を取り上げ、そのときは代官山蔦屋書店で一緒にトークもした。古い友人である、そのノーバートが久しぶりに東京でいま写真展を開催中(5月21日まで)。『NEARLY ETERNAL』と題された今回の展覧会は、なんと食品サンプルがテーマ。たしかに「ニアリー・エターナル=ほとんど永久」・・・。
art
シリアルキラー、ふたたび!
昨年6月に銀座ヴァニラ画廊で開催された『シリアルキラー展』は予想以上の観客を集め、アメリカのシリアルキラーが日本でこんなに人気とは!と驚かされたが、同じヴァニラで今年も第2回目の『シリアルキラー展』が、それも今回は前後期にわけて2ヶ月におよぶ展覧会となって還ってきた。タイトルにあるように、今回展示される作品群も日本国内の収集家「HN」氏によるコレクションである。
2017年05月10日 Vol.259
art
妄想版・夜の昭和史
描くもの、書くもののイメージと、本人の見かけがかけ離れているというのはよくあること。僕もそう言われることが多いが、2016年に『女たちの夜』というZINEのような作品集を、作者である吉岡里奈そのひとから手渡されて、「え、これ描いたんですか?」と、かなりとまどったのを覚えている。目の前に広げられたお色気熟女(とオヤジ)がプンプン振りまく昭和の匂いと、目の前にいる華奢な女の子の見かけが、どうしてもうまく合わさらなかったからだ。2015年に初作品集である『女たちの夜』を、2016年には「日本一展覧会を観る男」として本メルマガでもおなじみの山口“グッチ”佳宏プロデュースによる小作品集シリーズ「ミッドナイト・ライブラリー」で『eat it』を発表した吉岡里奈が、この5月23日から『女體名所案内』という、これまた昭和の夜の匂いにまみれた絵画展を開催する。
design
失われた「童謡レコジャケ」世界
吉岡里奈展が開催される幡ヶ谷パールブックショップ&ギャラリーでは、その前週に吉岡さんの「発見者」とも言える山口“グッチ”佳宏による『Kawaii!! 童謡レコジャケの世界』展が開催されるので、こちらも紹介しておきたい。グッチさんのレコード・コレクションといえば、本メルマガ2012年2月15日号『昭和のレコードデザイン集』を皮切りに、「お色気レコジャケ」の記事や展示会など何度も紹介してきたので、おなじみのはず。2015年7月15日号では『目眩くナレーション・レコードの世界』と題して、1960年代から70年代にかけて徒花のように生まれ消えていった「お色気レコードジャケット」を大特集した。そのグッチさんが今回展示するのは「お色気」とは正反対の「童謡」! すでに著書『昭和のレコードデザイン集』などでもコレクションが掲載されているが、もしかしたら「お色気」以上に実物を目にすることが難しい、貴重な展示になるはずだ。
travel
ディープ・コリアふたたび 02 釜山~光州(画・写真・文:幻の名盤解放同盟)
南の玄関口といわれる駅のすぐ前のアイスクリーム屋のそのまたすぐ裏が性臭漂うチャイナタウン(かつてのロシア人街)であるが、夜とはいえ外国人女性の戸口呼び込みの4つや5つはあるものの、通行人そのものが極めて少ない。だから客はさらに少ない。中華とボルシチとシシカバブがメニューに揃っている店をのぞいても店員すら見えない。釜山に人々は少なくないが、色に呆けているやつの絶対数は極端に減った。それとも別天地で盛り上がっているのだろうか。淋しい盛り場は哀愁よりも虚しさにあふれている。「ニホンジン? チャイニーズ?」と声をあげる女たちは寒中水泳の後のようなかっこうをしている。店の奥からもれてくる音楽はユーロ系のハウスのようなもの。
design
絶滅サイト 16「煎餅」~「デパート屋上観光案内」(文:ハマザキカク)
英語の解説まで充実『盆踊りの世界』/2003年~2017年 運営期間14年 放置期間0年/全国には500以上の伝統的な盆踊りがあるらしいのだが、そのうち200近くを紹介したサイト。「詳細ガイド」で各地域に別けられており、例えば東京だと「佃島盆踊り」がある。中を見ていくと、盆踊りの写真や歴史、起源伝承、歌、歌詞、動画、日程、プログラムなどが詳しく記されている。雨天の場合中止するかどうかやアクセス方法、駐車場の有無まで記録されており、データベース中のデータベースサイトと言ってもいいだろう。近年『ニッポンのマツリズム 祭り・盆踊りと出会う旅』や『盆踊り 乱交の民俗学』など、盆踊りの書籍が沢山出版されているが、このサイトでは盆踊りの「動画」が豊富にあり、この点は書籍よりも優位性があると言える。サイトの構造が若干分かりにくいのだが、サイトマップを見るとなんと英語のページまで設けられており、それもほんのお情けでなく、かなりのページ数。盆踊りデータベースというより盆踊り大全と言ってもいいかもしれない。
travel
Back in the ROADSIDE USA 33 Cermak Plaza, Berwyn, IL
ミシガン湖を吹き抜ける強風から「ウインディシティ」の別名を持つシカゴについては、いくつでも記事ができそうだが、アート方面でよく知られているのが、全米三大美術館に数えられるシカゴ美術館・・もそうだけど、ここで紹介したいのが、シカゴ郊外のバーウィンにある、いささかくたびれた感じのショッピングモール。ショッピングモールと現代美術というのはかなり奇妙な組み合わせに聞こえるが、サーマック・プラザはおそらくシカゴでいちばん有名な屋外インスタレーション・アートが観賞できる現代美術ギャラリーでもある。
2017年05月03日 Vol.258
book
ROADSIDE LIBRARY vol.03 おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち
『秘宝館』『LOVE HOTEL』に続く電子書籍シリーズ「ROADSIDE LIBRARY」第3弾が、ついに来週リリースされる(5月9日予定)。題して『おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち』。そう、今年2月8日号で特集、予想をはるかに上回る反響を呼んだ北九州市若松のグランドキャバレー・ベラミの歴史と、そのステージを飾った踊り子や芸人たちの写真コレクションである。記事でも200点近い宣伝用写真(ブロマイド)をお見せしたが、今回は発掘されたプリントすべて、数にして約1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載、前の2冊に匹敵する約1.8ギガバイト!というメガ・ボリュームのダウンロード版およびUSB版デジタル写真集としてお届けする。
book
俳句と写真のマッシュアップ・ミュージック――『鉄砲百合の射程距離』
ひとつずつではなくて、ふたつかそれ以上合わさったときだけに生まれる気持ちよさというものがある。まあセックスもそうかもしれないけど、音楽だとたまにDJが、クラブフロアでそういう快感を生み出してくれる瞬間がある。似ていたり、共通するなにかがある複数の音源を合わせていくのがミックスだが、共通するところがなさそうな複数の音源を合わせて、意外な効果を生むのがマッシュアップ。『鉄砲百合の射程距離』という奇妙な題名の「句集」を見せられて、瞬間的に浮かんだ言葉がマッシュアップだった。『鉄砲百合の射程距離』(月曜社刊)は内田美紗(うちだ・みさ)の俳句と、森山大道の写真が、編集者の大竹昭子によって組み合わされた=マッシュアップされた句集でもあり、写真集でもある。たとえば桜の花を詠んだ句に満開の桜の写真、などというのではなくて、一見まるで関連のないような俳句と写真のイメージが、ページ上でひとつに合わさって、それぞれ単体の作品とはまた異なる表情を僕らに見せてくれる。そういうスリルを教えてくれる本である。
fashion
アリス・イン・フューチャーランド 第3回
世間一般の「かわいい」とは明らかにちがう、でも「かわいい」としか言いようのない、(たぶん)東京のどこかを震源に育まれつつある新種の「カワイイ」感覚を探る連載の第3弾。今週は僕がずいぶん前から「定点観測」を続けている、ひとりの女の子を紹介したい。最初に「かんだ♡みのり」(アーティストネーム)と出会ったのは2010年、いまは亡き美術雑誌『Prints 21』で、コスプレイヤーたちのレイヤー姿と普段着を撮影、対比してみる連載『当世とりかえばや物語』でのことだった。当時、東京藝大の先端芸術表現科に通っていたみのりさんは、学校から近い取手のマンションで、大好きな楳図かずおの「ピョン子ちゃん」のコスプレで僕を出迎えてくれた。高校1年生のころに、「そのころ流行ってたメイド喫茶に感化されて、かわいいなあって」メイドのコスプレをしてみたのが始まりという彼女のことを、記事でこんなふうに書いた――
art
アウトサイダー・キュレーター日記 29 一ツ柳 外史春(写真・文:櫛野展正)
改札に石像の模型が鎮座する駅にやってきた。岡本太郎が「こんな面白いもの見たことがない」と絶賛したその像は、『万治の石仏』という名で親しまれ、街の観光名所になっている。ここは長野県のほぼ中央に位置する下諏訪郡下諏訪町。かつては中山道と甲州街道の合流地で宿場町として栄えた温泉宿も多い。駅から国道沿いを少し歩いたところにあるのが、今回の目的地「ヘア・サロン ヒトツヤナギ」。すぐ下にあるのが「海のジオラマ ヒトツヤナギ」の看板だ。ここは、細密なジオラマを制作する店主が営む理容院として知られている。階段を上がり店の扉を開けると、さっそく大きなアクリルケースに入ったジオラマが迎えてくれた。3台ある散髪台のうち、ひとつは作業台となっている。待合いの席で、お客さんとコーヒーを飲みながら談笑しているのが店のオーナー、一ツ柳外史春(ひとつやなぎ・としはる)さんだ。
travel
Back in the ROADSIDE USA 32 Sanfilippo Cress Funeral Service, Madison, WI
ウィスコンシンと聞いて「あー、あそこね」と、明確なイメージが浮かぶ人は少ないだろう。チーズの生産高が全米一位という酪農州で、ビールやソーセージも有名だし、アメリカン・フットボールではグリーンベイ・パッカーズがNFLのトップチームなのだが・・・。しかし! ウィスコンシンは実のところ、珍観光名所においては質・量ともに全米有数の豊富さを誇る、超実力州だ。なにしろウィスコンシンはエド・ゲインとジェフリー・ダーマーという、アメリカ最強の連続殺人鬼を生んだ州だし、自分の名前を「エルヴィス・プレスリー」にかえた人間がふたりもいる州でもある。1972年からずっと毎日、ビッグマックを食い続けている男がいる州でもある(すでに1万5000個を突破―2001年現在)。ハーレー・ダヴィッドソンとヘアー・ドライヤーを生み、マスタードとハンバーガーと天使と蜂蜜とチーズの殿堂がある州でもある。
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- 友川カズキ (1)
- 鈴木久美子 (1)
- 清田貴代 (1)
- クーロン黒沢 (1)
- 柳下毅一郎 (1)
- 幣旗愛子 (1)
- 安田峰俊 (1)
- 平野紗季子 (1)
- ERIC (10)
- 塚原悠也 (1)
- 村田沙耶香 (1)
- 高野秀行 (1)
- 工藤玲音 (1)
- リーサル・ウエポン金本 (25)
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- バリー・ユアグロー (1)
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- 澤村信 (4)
- ショビレヌ・K (15)
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- フクサコアヤコ (42)
- オカダキサラ (77)
- マーク・ロビンソン (41)
- 浅原裕久 (10)
- 八島良子 (1)
- 浜里堅太郎 (9)
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- 新開のり子 (53)
- 山阪佳彦 (1)
- 多田麻美 (17)
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- 平山亜佐子 (13)
- 有賀美雪 (1)
- 若生友見 (14)
- 佐藤千春 (1)
- 押スノ踏マズ (3)
- 松吉満 (3)
BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!