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2022年11月23日 Vol.526
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ポップアートとしての玉井力三
すでに終わってしまった展覧会を紹介するのは心苦しいが、11月15日まで東京・千代田区日比谷図書文化館で開催されていた「学年誌100年と玉井力三――描かれた昭和の子ども」は、一般メディアからSNSまでずいぶん取り上げられたので、気になったひと、観に行った!というひともたくさんいるだろう。僕も最終日の閉館30分前!に駆け込み観賞できたので、観に行けなかったひとたちのためにその内容と感想をお伝えしたい。
travel
地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #07 ワット・ドゥシダラームウォラウィハーン วัดดุสิดารามวรวิหาร (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月25日 昨日託しておいたアンケート調査用紙を回収しに、ふたたびワット・パークボーへ。 かなり不安であったが、昨日のおじさんはちゃんとアンケート調査を書いておいてくれた。これでひと安心。ワット・パークボーをあとにする。 この日のメインは、バンコクにあるワット・ドゥシダラームウォラウィハーン。 本堂にある壁画が描かれたのは18~19世紀で、この調査時点では最古の現存作品である。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 25 懺悔の値打ちもない 第5章(終章) 俺・トオル (文:シブヤメグミ)
俺が覚えてるいちばん古い記憶は、フィンガー5に会った時のことだね。 小学生になったばっかりだったと思う。 ドサ回りであのへんに来たんだよね。 俺、フィンガー5が大好きでいっつもモノマネして歌ってたんだよ。 誰のコネ使ったのか知らないけど、親父とコンサート行った後、楽屋に通されてさ。他にもそんな親子連れがたくさんいたなー。一生懸命書いたファンレター渡して、なんか私物にサインしてもらって、写真撮って握手して。メンバー全員、この流れ作業を死んだ目でこなしていたよ。いま思えば、あんな大変な仕事を自分とたいして変わらない年齢の子供がやってたなんて考えられないよ。ほんとに凄いよね。
fashion
Tシャツをめくるシティボーイ 第4回 ルシンダ・バラード、下着だったTシャツの運命を変えた女/文:高畑鍬名(QTV)
Tシャツをめくるシティボーイ、第4回は「ルシンダ・バラード、下着だったTシャツの運命を変えた女」をお届けします。 ルシンダ・バラードは『欲望という名の電車』の衣装を演劇版・映画版ともに担当した女性。つまりTシャツの運命を変えた映画の、そのTシャツに命を吹き込んだ人物です。 冗談抜きに、『欲望という名の電車』という一つの映画がTシャツの運命を変えてしまいました。主演したマーロン・ブランドのTシャツの着こなしによって今わたしたちはTシャツを街着として一枚で着ることができています。 下着とみなされていた存在の運命を、一つの映画がすべてを変えてしまった。 それはルシンダ・バラードが「汚れ」「破れ」の美を映画衣装の中にもってくることで成し遂げられたのです。
2022年11月16日 Vol.525
art
HEY! LE DESSIN 絵画とは素であり描であり 2
先週に続いてパリ・モンマルトルの丘のふもとにあるアウトサイダーアート/アールブリュット/ロウブロウアート専門の展示施設、アルサンピエールで開催中の「HEY! LE DESSIN」から、2階展示室のアーティストたちを紹介する。先週も書いたとおり、約60名/組のアーティストが参加した「HEY! LE DESSIN」には、もちろんアウトサイダーアートあり、戦地の兵士たちの作品もあれば、タトゥーやグラフィティの下絵、原画もあり。「描くこと」の多様さと奥深さ、同時に技術的な修練も難解なコンセプトも飛び越える直感的な表現の可能性も強く感じさせる。「ひとから教わること」と「自分でつくること」のあいだにある決定的な差を、こうした野心的な展覧会があらためて僕らに突きつけてくれるのだ。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 32 とろける魅惑 (写真・文:オカダキサラ)
アイスクリーム。 口の中でとろける甘さが堪らないスイーツです。冷たさとそのあとに広がる甘さ。これは病みつきになります。 味のバリエーションも多く、特に地方に行くと奇抜な組み合わせに驚かされます。 アイスは好きな人も多いし冷凍して保管できる利点もあるので、自治体の商品化への判断も甘くなるのでしょうか。 地域活性化への情熱と期待と願いが込められて完成したご当地アイスは、中には食べるのを戸惑う商品もあり「無茶しやがって…」と、なんとも言えない気持ちになることもあります。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 24 懺悔の値打ちもない 第4章 調理師・アサコ (文:シブヤメグミ)
カーテンは3日おきに洗ってた 窓は1日おきに拭いてた 掃除機の音が大嫌いなひとだったから、 職人さんが手造りしたシュロ箒で掃除してた お布団は乾燥機でいつもふかふかにして、 枕カバーは毎日取り替えてた 湯呑み茶碗に茶渋が付かないように毎日漂白してた お気に入りのお漬物と お気に入りの海苔を切らさないようにいつも気にしてた お米は研ぎ汁が透明になるまで研いでた お味噌汁と玉子焼きに湯気が立っていないと怒られた でもいま、なにひとつしてないの 理事長が死んだから
travel
地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #06 ワット・パークボー วัดปากบ่อ (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月24日 この日はバンコクにある小さな寺院、ワット・パークボーへ向かう。 と、その前に。 ワット・パークボーへ行くにはBTS(スカイトレイン)オンヌット駅で下車するのだが、その一駅前にプラカノーンという駅がある。タイに詳しい人、とりわけホラー映画に詳しい人は、プラカノーンと聞けばすぐにピンと来るであろう。そう、タイの国民的幽霊譚『メー・ナーク・プラカノーン』の舞台である。 『メー・ナーク・プラカノーン』(別称『ナーン・ナーク』)は、口頭伝承をもとに生成された幽霊譚で、バンコクにあるマハーブット寺院が舞台とされる。その初出は100年以上も遡り、1912年には演劇化、1936年には映画化がなされた。特に映画はこれまでに少なくとも20本はリメイクされていて、タイのピー(おばけ)イメージの一端を担うものとなっている。
fashion
Tシャツをめくるシティボーイ 第3回 下着だったTシャツの運命を変えた男たち・後編 / 文:高畑鍬名(QTV)
シティボーイの肖像。 Tシャツの裾の裏にあるファッション史の「死角」。 めくっていきましょう。 第3回のテーマは前回に引き続き「下着だったTシャツの運命を変えた男たち」です。前回は二つの世界大戦を軸に、1910年代から戦後にかけて無数の名もなき兵士たちによってTシャツの印象が変わっていった様子を確認しました。今回の後編では1950年代の映画を見ていきます。 Tシャツの運命を変えた男たち。 それはマーロン・ブランドとジェームズ・ディーンで、映画は『欲望という名の電車』と『理由なき反抗』です。 この二人、この二つの映画は、ファッションに限らず「若者文化」「ポップカルチャー」に関する歴史に必ず登場します。それほど大きなインパクトをアメリカに、そして日本に与えています。
2022年11月09日 Vol.524
art
HEY! LE DESSIN 絵画とは素であり描であり 1
2年半待った。ようやく自主隔離もPCR検査もなくなって、まだ航空券は高額だけど我慢できず久しぶりの海外取材、いまパリにいる。日本からも死刑囚の絵画作品群が参加した(僕もテキストを書かせてもらった)、アルサンピエールで開催中の大規模グループ展「HEY! LE DESSIN」を見ておきたくて。 パリでいちばん高い丘。その頂上にサクレクール寺院がそびえるモンマルトル。ピカソやモジリアーニが住んだ安アパート洗濯船、ルノワール、ユトリロ、ロートレック……そうそうたるアーティストたちが青春を過ごしたモンマルトルは、パリ有数の観光地であるとともに、そのふもとにあたるマルシェ・サンピエール地区はパリ随一の生地問屋街。ファッション関係者にはとりわけよく知られる、まあパリの西日暮里というか。 カラフルな生地が店先からあふれ出す商店街の奥にあるのが、ミュゼ・アル・サンピエール。もともとはマルシェ(市場)だった19世紀の建物を改装、素朴派の作品を集めたマックスフルニー素朴派美術館として1986年に開館した。1995年からはアウトサイダーアート/アールブリュット/ロウブロウアート専門の展示施設として毎年1~2本の企画展示を開催している。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 23 懺悔の値打ちもない 第3章 事務員・バンビ (文:シブヤメグミ)
本名より、バンビとかバンちゃんって呼ばれてる期間の方が長くなっちゃった。 いま85歳だから、もう60年は呼ばれてきた。人が産まれてから還暦になる長い間、ずっと私はここにいたのかって思うと目眩がするわね。 婚約者がいたの。 高校の頃から付き合っていたんだけど、その人が真面目な人でね、 「家業を継ぐから、僕のお嫁さんになってくれ。その日までちゃんとしておきたい」 って20歳の誕生日に言ってきて、両家のご挨拶とかもちゃんとして指輪まで買ってくれたの。ちっちゃーいダイヤが真ん中にちょんって埋め込まれてて、それが可愛らしくってね。薬指を見るたびに、嬉しくてたまらなくなってた。 それから少しして、生理の出血がおかしくなるの。
travel
地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #休獄日~マヒドン大学 มหาวิทยาลัยมหิดล (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月23日 この日は休獄日(地獄寺へ行かない日)。 ゆっくり起きて、朝ごはんにガパオを作ってもらった。 タイ人の友達によれば、ガパオは「何も考えないごはん」らしい。献立を考えるのがめんどうな時や、とりあえず何か食べたい時に食べる、それくらいポピュラーなメニューということである。 日本でもそうだけれど、ガパオは店や作る人によってぜんぜん味が違う。だから、これが正解というものはないんじゃないかなと思う。
photography
妄想ホテル room:020 女体持ちのオートガイネフィリアと町田デート (写真・文:フクサコアヤコ)
新宿から快速で30分。 思っていたより遠くないのだなと思いながら、私はその日初めて町田の地に降り立った。 駅前は栄えており、その賑わいは神奈川県に間違えられる立地でありながらも確実に東京の郊外都市としての気概を感じるものだった。 さらに町田は宇宙人多発地帯でもあるらしく、行政による注意喚起のポスターなどが掲示されていた。不思議な街だなと思いながらも好感を持った私は待ち合わせのJR町田駅の改札へ向かった。 「撮影の日は女装していきますね!」という事前のメッセージ通り、待ち合わせ場所にはガーリーな服に身を包んだ彼女が立っていた。 それは私が知っていた彼女とはあまりにもかけ離れていたため、声を掛けられるまで彼女と気づけなかったほどだった。 女性なのに女装?と不思議に思っていた私だが、後に彼女がその言葉を用いた真意を知ることになる。 果たして人形のような彼女と合流した私はラブホテル街へと向かった。
fashion
Tシャツをめくるシティボーイ 第2回 下着だったTシャツの運命を変えた男たち・前編/文:高畑鍬名(QTV)
シティボーイの肖像と、Tシャツの裾の裏にあるファッション史の「死角」。本日もめくっていきましょう。 第2回のテーマは「下着だったTシャツの運命を変えた男たち」です。 先に名前をあげてしまうと、それはマーロン・ブランドとジェームス・ディーンです。この二人が1950年代に主演した映画でのスタイリングが、Tシャツの運命を変えることになります。 ということで今回は1910年ごろの「Tシャツ前夜」ともいえる下着の資料から、二つの世界大戦を挟んで大きく変わっていったTシャツのパブリックイメージ、そして2022年の現在まで、Tシャツの運命がどのようにめくられてきたのか見ていきます。 まずは2022年の話から。 今年の初め、ある男性のTシャツ姿が話題になりました。 ウクライナ大統領ゼレンスキー氏のカーキ色のTシャツです。
2022年11月02日 Vol.523
art
栗山豊とアンディ・ウォーホル
Yahoo!ニュースを見ていたら「価値わからない・なぜ5点も・本物に感動…県が3億円で購入、ウォーホル作品に波紋」という刺激的(笑)な見出しが目に入った。「鳥取県がポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの木製の立体作品「ブリロの箱」5点を計約3億円で購入したことが波紋を広げている。2025年にオープンする県立美術館の集客の目玉として期待を寄せる一方、疑問の声も相次ぎ、県は急きょ住民説明会を開催する事態となった」(読売新聞10月27日より)。 記事によれば県は「都市部の美術館にないポップアートの名品を展示できれば、鳥取の存在感をアピールできる」として、2025年に倉吉市に新設する県立美術館向けに《ブリロの箱》を購入(1968年のオリジナル1点と死後の90年に制作された4点、計5点)。しかし9月の県議会では「日本人には全くなじみがない。米国にあってこそ意味がある」と批判があったほか、県教育委員からも「3億円を高いと感じる人がいる」「なぜ1点ではなく、5点必要なのか」といった不満が示された……のだそう。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 22 懺悔の値打ちもない 第2章 母・フサエ (文:シブヤメグミ)
私が生まれた時、あんたのおじいちゃんは三日三晩寝ないで私の名前の漢字を考えてたんだって。 そのくらい溺愛された3番目の子供だったから、兄妹の中でもエコ贔屓されてた。 食事のおかずをね、おじいちゃんは必ず私に最初に取り分けてくれてたの。卵焼きは美味しいと思うところを、焼魚は身と骨をバラバラにして食べやすくしてくれたりね。 高校進学の時にも特別扱い。 ある日の朝、地元の公立ではなく、横浜の私立の女子高を受験しろって突然言われた。 上の姉がそれを聞いて、熱っついアイロンを振り回して激昂してねー。「どうしてお父さんはフサエにばっかりいい思いさせるの!」って。
fashion
新連載! Tシャツをめくるシティボーイ / 文:高畑鍬名(QTV)
去年(2021)、「ファッション イン ジャパン 1945-2020」(国立新美術館)と「Walls & Bridges 世界にふれる、世界に生きる」(東京都美術館)、ふたつの展覧会で生配信番組「ニコニコ美術館」に呼んでもらえた。そのときのディレクターとおしゃべりしていたら、「実はずっと研究しているテーマがあって、今度展覧会もやるんです」と言う。なにを研究してるのか聞いてみたら、「Tシャツの裾をパンツにたくしこむ(タックイン)か出しておく(タックアウト)かについての歴史的考察で」と教えられて絶句。なんと早稻田大学大学院の修士論文が「日本人とシャツのすそ―東京の若者たちはいつからTシャツのすそを出しはじめたのか―」だったという。おもしろすぎ! 2021年10月末には新宿眼科画廊で「1991年の若者たちがタックアウトしたTシャツを2021年の君たちは」展を開催、それは美術展というより文化祭の研究発表のすごく凝ったバージョンぽくもあり、すごく興味を惹かれてメルマガでもなにか書いてくれるようお願いした。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 31 ふわふわのお供 (写真・文:オカダキサラ)
子どもの小さな手に繋がれた風船は、危うくてつい目で追ってしまいます。 人と人とに挟まれて割れてしまいそうになりながら、ふわふわと漂う風船。 子どもの頃はとても欲しかったアイテムですが、大人になった今では手にする機会がめっきり減りました。 というよりも風船を避けるようになりました。 風船を無料配布しているイベントもありますが、もらったとしても往来が多い中で割れないように気をつけるのは疲れますし、家には猫がいます。鋭い爪で破壊される運命を考えると、受け取る気にはなれません。
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地獄よいとこいちどはおいで――タイ地獄寺巡礼記 #05 ワット・スタット วัดสุทัศน์ (写真・文:椋橋彩香)
2016年8月22日(続き) ワット・スラケットからタクシーで十数分、次なる目的地ワット・スタットへ到着した。 ワット・スタットには、サオ・チンチャーと称される巨大な建造物がある。鳥居のようなこの建造物はジャイアント・スイングとも呼ばれ、巨大ブランコとして街のシンボルにもなっている。 ちなみに、このブランコを使用した祭祀行事の際に死亡事故が相次いだことから、ワット・スタットは餓鬼や霊魂が集まってくる心霊スポットにもなっているらしい。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!