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2023年08月23日 Vol.562
music
『ロック自身』のロックな半生記
ラグビー・ファンにはおなじみの花園ラグビー場に隣接する東大阪市民美術センターで、「視覚の迷宮 ヒトとイヌとの美術館」という風変わりな企画展が今年4月末から6月まで開かれていた。ロードサイダーズ読者のかたから教えていただいたのだが、そのかたから「京都でもう20年くらいつくってる『ロック自身』というフリーペーパーをご存じですか」と言われ、本人が集めてきたバックナンバーを東大阪まで持参してくれた。 あまりに手作り感満載の風合いにまず痺れ、読んでみると新旧のロックと一緒になじみの定食屋(王将とか)の熱い記事も、すべて勢い溢れた手書き文字で綴られて、ニンマリせずにいられない。企画・編集・制作・印刷(コピーだけど)・配布まですべてひとりでやっているという編集長の星直樹さんは、調べてみるといま京都を引き払って故郷の帯広に住んでいるという。さっそく連絡を取って、先週号で紹介した岸キエコさんと同じ日の夕方、仕事帰りの星さんと帯広のコメダ珈琲でお会いした。
travel
スリープウォーキング・チャイナ 02 エブリデイフィーバー、広場舞の研究 / 写真・文:無常くん(副書記)
2023年7月23日、新生活の準備に追われながら、つかの間の休息日を得たわたしは、本連載のネタを探すため、廈門の街に繰り出しました。 まずは得意分野の民間信仰に狙いを定め、お廟めぐりをしてみます。じりじりと照りつける太陽。汗だくになりながらとぼとぼ歩いていると、程なくしてわたしの脳裏にこんな思いがかすめはじめました。 (あ、あれ? 面白くない……あんまり面白くないぞ、中国!)
photography
Freestyle China 即興中華 ラブホがあぶり出す台湾 (写真:陳淑貞、黄郁修/文:吉井忍)
台湾の街を歩いているとたまに見かける「汽車旅館」の看板。米国のモーテル(motor+hotel)の直訳だが、必ずしも「自動車で旅する人向けの宿泊施設」を指すわけではなく、意味としては日本の「モーテル(つまりラブホ)」に近いことが多い。一部屋ごとにテーマが異なり、リゾート地のヴィラを模したものや回転木馬で優雅に遊べるタイプ、さらにはジュースやコーヒー、お菓子、カップラーメンなどが無料で提供されるお得なサービスも後押しし、2000年代初頭には爆発的な流行を見せたという、この台湾ラブホ。これらを一軒ずつ訪ね歩いて撮影を続けた陳淑貞(チェン・スウチェン)さんという写真家がいる。
art 無料公開中
LIFE ―― ある家族(と犬)の情景
2022年6月1日号、8日号の2週にわたって紹介した「クイーン・オブ・バッドアート降臨!」。そこで取り上げた衝撃の鉛筆画家・新開のり子さんは、すでにロードサイダーズのみなさまにはおなじみだろう。向島の大道芸術館にも彼女の作品がすでに2点展示されている(秋から増える予定!)。去年の記事ではその年の5月の連休に世田谷美術館の区民ギャラリーで開かれた「女系家族 パート3」の会場で、新開のり子さんに会えたことを書いたが、あれから1年ちょっと経った今年8月初めに同じ世田谷美術館区民ギャラリーで「女系家族 パート4」が開かれた。
art
妄想芸術劇場 #09 強金長交
ニャン2倶楽部最初期から、コンスタントに投稿を続けてきた常連のひとり「強金長交」。しかも彼の作品こそは、ふだんのニャン2の誌面を眺めているだけでは真価を推し量ることができない、秘密兵器的な存在として歴代担当編集者に知られてきた。 ほとんどが葉書サイズほどの、比較的小さなサイズに描きこまれた繊細な線画。淡い色彩とあいまって、それは画面だけ見ていてもおもしろいのだが、実は強金長交のほとんどの投稿の裏面には、小さな文字でびっしりと絵柄の解説が書き込まれている。ときにそのバランスは、「挿絵のついた短編エロ小説」と呼びたいほどになっていて、彼の投稿作品は絵と文章が一体となって、はじめてその真価を発揮できることを実感する。
2023年08月16日 Vol.561
art
日々の泡のなかで ――岸キエコの絵と手紙
西荻(西荻窪)に「ニヒル牛(ぎゅう)」というアートギャラリー雑貨店がある。たまのパーカッショニストとしてよく知られた石川浩司さんがプロデュースするニヒル牛は、2000年に開店してもう20年以上、高円寺とも吉祥寺とも異なる西荻カルチャーの一角を担ってきた。 もともと小さなニヒル牛の店内には200個以上の、木や廃材でつくった箱やスペースがびっしりで、さらにぎゅうぎゅうの空間。そのひとつずつの箱を参加作家が月極めで借りて、思い思いの作品や商品を並べている、蜂の巣みたいなひと箱展の集合体だ。 そのひとつを借りて展示販売を続けているのが帯広在住の岸キエコ。去年、ファンから教えられたという大竹伸朗くんに「おもしろい作家がいるよ」と言われて、西荻に見に行ったのがキエコさんを知るきっかけだった。
lifestyle
シブメグの人生小劇場 28 『天使』 (写真・文:シブヤメグミ)
天使はお弁当屋さんにいた。 新宿の花園神社近く。 路面店にいた。 天使はおじいさんだった。 「ありがとうございます」 「午後も頑張ってね」 レジに頭をぶつけちゃうよって言いたくなるくらい、深くお辞儀してこう言ってた。 新宿の真ん中だから、ホストやキャバ嬢たちが酒臭い息で遅い朝ご飯を買いに来ることも多い。 すると天使は、 「二日酔いなのに揚げ物いっぱいのお弁当でいいのー?」 って、声をかけてた。
photography
妄想ホテル room:029 真夏のヌード・ラブホテル。被写体モデルの未来について思うこと (写真・文:フクサコアヤコ)
盛夏である。連日「酷暑」と表示されている天気予報に、酷暑って天気だったっけ?と首をかしげたくなる日々が続いている。 こんな季節はロケを避けて涼しいスタジオかラブホテルでしっぽり撮影するのが良い。 というわけで、今回のタイトルは「真夏のヌード・ラブホテル 被写体モデルの未来について思うこと」なのだが、キーワードを盛り込んだらさっぱり意味の分からないタイトルになってしまった。 まず「被写体モデル」という単語、最近よく見かけるが意味が重複していて違和感を持っていた。同じ意味じゃん!と。まあそれは今回は置いておくとして、このような謎タイトルになったのには訳がある。 今回モデルを引き受けてくださったのはRitaさん、実は前々からツイッターで拝見して素敵だなと思っていたモデルさんだ。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 50 夏雲、引っ張り出す (写真・文:オカダキサラ)
「酷暑日」という言葉が予報用語として正式に採用されたのは去年のことです。 連日の天気予報を聞いていると、東京でも「酷暑日」は当たり前になる未来は近いような気がします。 ゾッとする話のはずなのに、背筋は凍るどころか暑すぎて汗がつたいます。 私の仕事は外歩きが大部分を占めるので、かなりツライ時期です。 一息つきたくても、外はどこも灼熱地獄と化しており、休める場所はありません。 寄りかかることも休むことも許さない夏の街は、外で働く人たちに厳しいです。
art
妄想芸術劇場 #08 るのわーる
投稿作品の数こそ他の常連投稿者のように多くはないのだが、その特異な画風でニャン2創刊当時から知られてきたのが「るのわーる」。1990年のニャン2倶楽部創刊年から投稿が掲載されているので、そのキャリアは20年以上に及んできた。 読んで字のごとく、という比喩がこれほどぴったり当てはまる投稿作家もいないだろう。るのわーる氏の描くのは、つねに豊満な女性である。その多くに登場するヒロインは「L(エルちゃん」、または年増の「ババLちゃん」である。
travel
中華街を行ったり来たり 06 チャイナタウン、路地裏の美味しいもの紀行 前編 (文:アーバンのママ 写真:アーバンのママ、都築響一)
バンコク・チャイナタウンをめぐる旅の6回目。おなじみアーバンのママによる「路地裏の美味しいもの紀行」をお届けする。 チャイナタウンだから食は充実に決まっているが、行ったひとはわかるとおり観光客向けと地元の華人向けのレストランが入り乱れすぎて、なかなかベストの選択肢を探すのが困難でもある。今回はチャイナタウンの形成に大きく関わった潮州人(中国広東省東部の潮州・汕頭地域にルーツを持つ)が伝えた潮州料理の路地裏名店を食べ歩き、満腹したところで暗い路地の奥に突然トレンディなバーが集まるソイ・ナナにお連れする。バンコクの風俗事情に詳しいかたならソイ・ナナという名前で遠い目になってしまうかもだが、あれは西側スクンビットのソイ・ナナ。こちらとは別なのでお間違えなく。ただしヤワラートの大通りとかは観光客で溢れてるので大丈夫だけれど、暗い裏道は治安が悪い場所もあるので、くれぐれもお気をつけて。
2023年08月09日 Vol.560
art
大竹伸朗展@富山県立美術館
昨年11月に東京国立近代美術館でスタートした大竹伸朗展が、今年5~7月の松山市・愛媛県美術館を経て、8月5日から富山市・富山県美術館で始まった。3カ所を巡回する今回の展覧会の、これが大団円の地となる。 ゴールデンウィークに始まった松山展に続いて、夏休みと重なるタイミングで展覧会が開かれる富山県美術館は、2017年に開館した新しい美術館。「富山県美術館 アート&デザイン(TAD)」という名称のとおり、アートとデザインの領域をまたぐ活動を展開する珍しい美術館だ。
travel
中華街を行ったり来たり 05 川を渡った郊外でアンティーク・ハンティング
2000年代の初めごろだからもう15年以上前、バンコクで歌謡曲のLPレコードや古い映画ポスターを探すのに夢中になっていた時期があった。そのときに「郊外のお寺の境内に巨大なジャンク骨董ビルがある」と聞いて行ってみると、それは確かにそのとおりで、6階建てぐらいの建物にウッディな大型家具からテレビや冷蔵庫といった電気製品、バケツみたいな日用品まで溢れかえっていた。その「骨董寺」のことは長く忘れていたが、今回チャイナタウンの情報を探しているうちに、あの寺がまだ現存することを知って、チャイナタウン探索の合間に行ってみることに。今週は息抜きにちょこっとチャイナタウンを離れて郊外(といってもクルマで1時間足らず)のワット・スアン・ケオ骨董センター(勝手に命名)に遠足してみよう。
art
妄想芸術劇場 #07 政尾早和惠
政尾早和惠(まさお・さわえ)はニャン2創生期からの名物投稿者のひとりである。御本人が1993年に投稿された作品の裏に「・・通算45枚目の投稿です。'90年8月の初採用から93年7月までの3年間の投稿枚数は38枚、採用数は24枚。月1枚の投稿で6割強の採用率」と書いているとおり、90年代初期の投稿ページでは欠かせない存在であった。 その彼は、しかし94年ごろになって突然、投稿をストップしてしまう。そしてほとんど10年ぶり近い2002年ごろになって、また本格的な投稿が始まっている。そのあいだに、なにが起きていたのだろうか。
2023年08月02日 Vol.559
travel
中華街を行ったり来たり 04 チャオプラヤー川べり散歩
先週はバンコク中華街の北端近いサムヨート駅からオンアン運河あたりを行ったり来たりした。今週はチャイナタウンのメインストリートであるヤワラート・ロードの南側、チャオプラヤー川ほとりのソンワット・ロードから、新しい観光スポットとして注目を集めているタラートノーイを行ったり来たりしてみる。
travel
地の橋、人の橋 ――イラン定住旅行記 03 「木曜日」 写真・文:ERIKO(定住旅行家・モデル)
2018年の春にイランのお正月を体験してから4年経った2022年12月、再びテヘランの地に降り立った。冬のテヘランは肌の水分がすぐ奪われるほどカラカラで、街から見える周囲の山々は雪に覆われていた。空港にはショジャエイ家で働くお手伝いのアリさんが迎えにきてくれていた。増えた白髪から少しの歳月と、その間にあった苦労が見え隠れした。 ショジャエイ家は前と変わらない佇まいで、オフィス街バナック地区にあった。呼び鈴を鳴らすと、高校生くらいの年齢の若い女の子が、はしゃいで出迎えてくれた。以前会ったことがあるどうか。私の記憶を混乱させるほどフレンドリーに接してくる。私の頬に3回キスをすると、荷物を抱えて「さあ入って」と目で合図した。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 49 夢の中の銃撃戦 (写真・文:オカダキサラ)
幼稚園の頃から定期的にみていた、忘れられない夢があります。 私は、理由もわからず軍人ぽいいで立ちのムキムキマッチョの外国人に命を狙われるのです。夢の中で私は彼のことをボブと名付けていました。 彼は銃やナイフだけでなく爆弾や機関銃、小型ミサイルなど、ありとあらゆる武器を使って私を殺そうと追いかけてきました。言葉を交わしたことは一度もありません。 私はたくさんの人を巻き添えにしながら、命からがら逃げまくります。友人の命と自分の命を秤にかけられることもあり、泣きながら起きた時もあります。 夢占いでは、殺されそうになって逃げる夢は、時間に追われてストレスが溜まっている状態が、これから変化することを意味しているといいます。
art
妄想芸術劇場 #06 ハリマオ
今週、来週の2回にわたってご紹介するのは「ハリマオ」氏。ニャン2創刊時代から20年間以上、途切れることなく作品を送りつづけてくれる、彼もまた伝説の投稿イラスト職人である。そのキャリアの長さから言えば、以前に紹介したクッピイと肩を並べる歴史的な存在だ。 ハリマオ作品の基調をなしているのはむろん露出・SMなのだが、そのフラットな画面構成と色彩感覚のせいか、陰湿さがなく、むしろほがらかな明るさが感じられるところに最大の特徴がある。ソフト・オン・デマンドの一連の露出スポーツもののような、と形容するのが当たっているかはわからないが、テーマはハードでありながら、そこに悲惨さはまったくない。それどころか、どこかプレイをエンジョイしているような、積極的な気配すら感じられる。
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カテゴリ別バックナンバー
BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!