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2015年12月23日 Vol.193
photography
渋イケメンの国から
美しさに絶句する写真集もあれば、刺激的な内容に絶句する写真集もある。でも、「なぜこれが一冊の本に!」と存在自体に絶句する写真集にはなかなか出会わない。そんな驚きで、久しぶりにフラフラな気持ちにさせてくれたのが『渋イケメンの国――無駄にかっこいい男たち』だった。著者である三井昌志はもう十数年間、アジアを中心に長い旅を続けて、その道程で撮影した写真を本にまとめたり、CDーROMにして自分のサイトで販売して生計を立てている「旅の写真家」である。2010年にはバングラデシュで購入したリキシャ(三輪自転車タクシー)に乗って、日本一周6600kmを走破するプロジェクトも達成している。過去の作品には『アジアの瞳』『美少女の輝き』『スマイルプラネット』など7冊の写真集があり、その幾冊かは旅行本を専門にする書店などで見た覚えがあるが、「渋イケメン」にフォーカスした写真集はさすがに初めて。おそらく類書もゼロだろう。
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シカの惑星
『渋イケメン』と同じく、こちらも誤解されがちなタイトルと裏腹にシャープな視点を持った写真集『しかしか』をご紹介する。「ねこ派? いぬ派? しか派! フシギでカワイイしかの魅力に迫る」なんていう女子っぽい帯文にだまされないように。タイトルどおり、シカを撮った写真集ではあるけれど、ここにあるのはかなりシュールでダークな光景だ。見方によっては『猿の惑星』ならぬ『シカの惑星』という映画のスチル写真集のようでもあるし、ここにいるシカたちは「バンビ」のイメージとはまるで別種の、人間と野生の境界線を自由に行き来する、しぶとく不可解な生物にも見えてくる。みずからを「シカ写真家」と名乗る著者の石井陽子さんは1962年生まれ。53歳でのこれが初写真集だ。
fashion
捨てられないTシャツ 22
手描きのエログロ/34歳女性(案山子家、漫画家)/広島県出身。子どもの頃からグロテスクなものに興味があり、小学生のころは父親にレンタルビデオ屋に連れて行ってもらい、たくさん並べられたホラー映画のビデオパッケージを見るのが楽しみだった。ねだってもなかなかホラービデオを借りてくれなかった親が、やっと1本借りるのを許可してくれ、自分で選んだホラー映画『ヘルレイザー』を見たが、あまりの怖さにショックを受けトラウマに。以降ホラーやグロテスクが苦手になり、そういったものとはあまり縁の無い生活を送っていた。
travel
セーヌ川にアングラは流れる――マダム・マキコのパリ悪妻日記 vol.02 乱れ寿司の夜(写真・画・文:田中麻記子)
連載開始が今年3月18日、今回が2回めという超不定期!、でもどうしても読みたかった『セーヌ川にアングラは流れる』を、久しぶりにお届けする。パリ在住の田中麻記子さんはバリバリの現代美術でもなく、伝統的な洋画でもなく、なんともフワフワした、可愛らしさと怖さが混じりあって、そこにあの世感をふりかけたような、不思議な絵を描く不思議な画家だ。その麻記子さんの「夜のトラベローグ」。どんなに詳しいガイドブックにもぜったい出てこない、パリの深い水底を見せてくれる。で、今夜はどこに?
art
えびすリアリズムの奇跡
もっとも新春にふさわしくないというべきか、ふさわしいというべきか、判断に迷う展覧会が元旦(!)1月1日から渋谷パルコで開催される。『新春 えびすリアリズム 蛭子さんの展覧会』――そう、蛭子能収の絵画作品展だ。いまや「バスに乗って(大した感動もないまま)旅行するひと」「使い勝手のいい変人おやじ」というテレビ的イメージが完全に定着してしまった蛭子さんだが、つい先日のNHK Eテレ「ニッポン戦後サブカルチャー史II」でも力説したように、私見では1970~80年代ヘタウマ・カルチャーを体現する最重要アーティストのひとりである。当時、『地獄に堕ちた教師ども』(1981年)を代表とする初期の蛭子漫画に計り知れない影響を受けた若者が、(僕を含め)どれほどいたろうか。
2015年12月16日 Vol.192
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日々、常に――オカダキサラの日常写真
東京都心部でもっとも東に位置する街のひとつ、南葛西。旧江戸川を隔てた対岸はディズニーランドのある浦安・舞浜という、トーキョー・イーストエンドである。1980年代に建設された戸数900近い巨大団地にオカダキサラは生まれ、いまも住んでいる。1988年生まれ、27歳の写真家だ。
fashion
捨てられないTシャツ 21
退職祝い/27歳女性(写真家)/オカダキサラさんのお宅で雑談していたときのこと、「私も捨てられないTシャツ持ってます!」ということで提供いただいた秘蔵Tを、今週はご紹介。学校に通いながら、葛西臨海公園の水族園の中にあるレストランでバイトしていた時期があった。退職したのが3月で、ちょうど同じタイミングで卒業や就職が決まって辞めるひとがけっこう多く、バイト仲間で合同退職祝いの打ち上げ宴会を企画してもらった。
music
UNO――たったひとつの音楽に向かって
ロックやブルースを何十年も聴いているオヤジたちが、いまいちばん熱くなっているのが22歳のアーティスト、Rei(レイ)だろう。目を閉じて聴いたら熟練のエレクトリック・ブルースマンにしか思えない華やかな、しかも強烈なアタックのギターを弾くRei。歌に耳を澄ませば、完璧な日本語をしゃべるアメリカ人のような、英語と日本語、ふたつのネイティブ・ランゲージを自然に組み合わせたリリックを書いて、歌うRei。まだ2枚のミニアルバムしか発表していないのに、これだけみんなをゾワゾワさせているRei。なんなんだろう、この子!?
music
アイドルというパンクス――おやすみホログラム@新宿ロフト観戦記
西新宿にオープンしたのが1976年。99年に歌舞伎町に移転して、来年で40周年を迎える新宿ロフト。東京を代表するロック系ライブハウスであることは言うまでもないが、その新宿ロフトでいま、いちばん頻繁に出演しているのがハードコアパンクバンドの・・・ではなくてアイドルユニットの「おやすみホログラム」であることを、ご存知だろうか。先月の告知で紹介したとおり、雑誌『EX大衆』の連載「IDOL SYLE」で、この二人組ユニットのひとり・望月かなみるちゃんを取り上げたので、見てくれたかたもいらっしゃるだろう(もうひとりは八月ちゃん)。
art
上野都美館でプロ・アマ美術散歩
なにか展覧会を見に行って、そのまま帰ればいいのに、ふらふら常設展示コーナーに足を踏み入れて、そこで思わぬ作品と出会うことがよくある。サイトウケイスケという若い画家に教えられて先週、東京都美術館に行った。彼が参加する『東北画は可能か?』というグループ展が、2週間だけ開かれているという。東京都美術館=都美館は企画展と同時に、いつも大小たくさんの公募展や貸しギャラリー展が開催されている、言ってみれば東京最大級の貸し画廊でもある。久しぶりに上野公園を横切って都美館に着いてみたら、平日の午前中なのにものすごい人混みで驚いたが、それは東北画じゃなくてモネ展を見に来たひとたちだった。ついこのあいだ、印象派と娼婦の関係に焦点を当てたオルセー美術館の展覧会を記事にしたばかりなので、ちょっと好奇心が湧く。入場を待つ列に並んでいる善男善女は、どんなモネを期待しているのだろう。モネ展の雑踏をぐっと回りこみ、地下3階まで降りたギャラリーBで『東北画は可能か?』は静かに開いていた。
2015年12月09日 Vol.191
fashion
捨てられないTシャツ 特別編 捨てられないハイレグ/44歳男性(不動産賃貸業)
1980年代後半から90年代前半に青春、というか青臭い時期を送った人間(つまり現在の中年)にとって、「ハイレグ」とはバブル時代を象徴する単語のひとつだろう。レースクイーンのハイレグ、飯島直子のハイレグ、岡本夏生のハイレグ・・・。どんな体型の女性でも、それなりに足を長く、ウエストをスリムに見せる、それはほとんど「魔法のデザイン」だったが、ハイレグが世の中から消滅して、もうずいぶん時がたつ。バブル経済がダウンしたあとも過激度をアップしていったハイレグ水着が、セクシーさのピークを迎えたのは1999年と一説に言われているが、その反動でレースクイーンの衣装規制が実施されたあたりを境に、ハイレグは急速に水着売り場から姿を消していく。
music
いまのブルース――三村京子、5年ぶりの新譜を聴く
北京の空のように息苦しいライブハウスで2時間立ちっぱなしが辛い年齢になっても、やっぱりライブ通いをやめられないのは、CDや配信の音源だけではとうていつかめない、生音の吸引力がそこにあるからだ。今週、来週と2回にわけて、いますごく気になっている、そしてぜひライブを体験してもらいたいアーティストを紹介したい。偶然だけど、ふたりとも独自の歌とギター・ワークが沁み入る女性歌手/ギタリストである。今週はまず、三村京子さんから。
art
“癒し”としての自己表現展・報告
8月18日号から11月25日号まで短期集中連載した『詩にいたる病――平川病院と東京足立病院の作家たち』。先に告知したとおり、その締めくくりともいえる展覧会『第22回“癒し”としての自己表現展』が、先週2日から6日までの5日間、八王子市芸術文化会館いちょうホールで開催された。これまで紹介してきた平川病院の〈造形教室〉の作家たちが多数参加したこの展覧会を、今週は駆け足で振り返ってみたい。『“癒し”としての自己表現展』では毎回、簡素な冊子が準備されているが、その中に収められている各作家自身によるテキストがいつも非常に興味深いので、そちらも併せて紹介させていただく。
art
大竹伸朗の壷中天
展覧会は作品が勝負である。広告費の大小は関係ない――と言うのは正論かもしれないが、半分しか正しくない。作品をつくるのはアーティストだが、作品を広めるのはキュレーターやスタッフたちの役目だ。予算の多い少ないとは別の次元で、「ひとりでも多くのひとに見てほしい!」という運営側のエモーションが、展覧会の成否を左右した例をこれまでたくさん見てきた。そして貧弱な広報が、せっかくの作品を暗闇に追いやってしまった例も、あまりにたくさん見てきた。三田の慶應義塾大学アート・センターではいま、『SHOW-CASE project No. 3 大竹伸朗 時憶/フィードバック Time Memory/Feedback』と題された展覧会が開催中である(2016年1月29日まで)。
art
アウトサイダー・キュレーター日記 09 黒川 巌(写真・文:櫛野展正)
全国各地のアウトサイダー・アーティストたちを取材していると、取材を拒否されるケースも少なくない。今回ご紹介する黒川巌(くろかわ・がん)さんもそのひとりだ。かつて、彼の自宅兼アトリエが「2ちゃんねる」で「お化け屋敷」などと酷評を受け、それがきっかけで、2012年に「日刊SPA!」の取材を一度受けてしまった結果、若者たちが毎夜家の周りを取り囲み、自宅周辺にタバコの吸殻を撒き散らしたり庭に卵を投げ込んだり、ひどいときは二階の窓ガラスを投石で割られたこともあったという。黒川さんは、その後一切の取材を拒否。今回、何度かの交渉により特別に取材させていただくことができた。おそらく彼にとって最後の取材となる。
2015年12月02日 Vol.190
travel
ブルゴーニュのタイムマシン
中世の城、といってもフランスでは珍しくないし、現代に復元された中世の城なんて、さらに珍しくない。でもそれが完全に中世の工法で、当時と同じ素材だけを使用して、もう20年近くもかけて建設中となると、ちょっと話が違ってくる。パリから南下すること200キロ弱。ワインで有名なブルゴーニュ地方でただいま進行中の「ゲドゥロン(Guédelon)」は、中世の城を中世のやりかたで建てる(プロセスを見学する)テーマパークであり、この時代にエコロジーの観点から建築を見直す試みでもある、奇抜にして壮大なプロジェクトだ。
movie
孤高の伊勢田監督・新作発表会!
夜ともなれば『ミナミの帝王』の主題歌『欲望の街』(by RIKI)が聞こえてきそうな大阪ミナミ・宗右衛門町あたり。しかし昼間は歌舞伎町以上に前夜の疲れを漂わせる、肌荒れムードの街景が広がっている。その宗右衛門町の11月14日、土曜日午後1時。雑居ビルのなかにあるロフトプラスワンウエストで、『伊勢田勝行監督作品・新作上映会 ~いせださんとつくってあそぼ~』が開催された。流行には敏感だが、流行を超えたものには鈍感な大阪だけに、残念ながら満員にはほど遠い集客だったが、それでも十数名の選ばれし者たちが暖かく見守る中、伊勢田監督はゲストの日下慶太、ai7n両氏(どちらもメルマガではすでにおなじみ)を相手に、新作上映、お客さんとのコラボ撮影、コスプレワークショップなど、多彩なプログラムをエネルギッシュにこなしてくれた。
fashion
捨てられないTシャツ 20
テーブルクロス/36歳女性(通販会社勤務)/生まれも育ちも、現在もずっと神戸に住んでいる。子供の頃は習い事ばかり。母親に言われるがまま、小中時代はピアノ、フルート、声楽、水泳、書道、塾をいくつも掛け持ち。夕飯はいつもひとりで外食。小学校では卓球部と小大連(あらゆるスポーツを片っ端からやるクラブ)にも所属。それだけやっていたのに中学受験に失敗、不本意ながら公立の学校に進む。中学時代も忙しく、バトミントン部、生徒会と、引き続き習い事。よくよく考えたらぜんぜん友達と遊ぶヒマのない、多忙な子供時代だった。
book
『圏外編集者』発売!
このメールマガジンも年が明ければ5年目。書いた記事もすでに600以上。始めたころは、どんどん記事を作っているうちに「これ、本にまとめましょう」と言ってくれる出版社がいくつも出てくると期待していたのが・・・なんと、いまだにオファー、ゼロ! 憮然とせざるを得ない状況のなかで、去年の『ROADSIDE BOOKS 書評2006-2014』に続く新刊が、今年も終わりそうないま、ようやくできました。『圏外編集者』――文字どおり業界の圏外、電波マークが1本も立ってない場所で編集稼業を続けている自分を、立ち止まって振り返ってみた本です。発売は12月5日予定。今週末までには書店に並ぶはずです。書きおろし、じゃなくて「語りおろし」。これまでこういう内容の本も、こういう作り方の本も、あえてやらないようにしてきたのですが・・・
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!