- TOP
- バックナンバー
BACKNUMBERS
バックナンバー
2012年06月27日 vol.024
photography
うれし恥ずかし駅前彫刻
ある日、友人から届いた封書には「都築くんならこういうの好きかと思って・・」というメッセージとともに、小さな手づくり雑誌が2冊入っていた。『駅前彫刻』と『駅前彫刻2』と題されたそれは、名前のとおり駅前や公園や道端に、だれにも気にされないままひっそりたたずむ、ブロンズや石の彫刻作品を撮影した写真集だった。
art
特別集中連載:カッセルでの日々4 (写真・文 大竹伸朗)
カッセルの路上ゴミ神様に身を委ねる日々においては、常に進行形の未知の作品に思いを向けていれはいいかというとそういう理屈にはならない。あまり思いつめるとカスばかりつかむことになる。そこには「間」といいますか見て見ぬ振りをするというのか本当は凄く欲しいのだがその思いをゴミ神様に察せられるとスルリと逃げてしまうと申しますか、ゴミとの微妙な距離感、気持ちの駆け引き、無言の折り合いが必須となる。
book
発禁本から世界が見える
先週は用事で大学を3つほど訪れた。最初に行った江古田の日大芸術学部は、門でいきなりガードマンに止められる。来訪者はすべて記名、訪問者カードを首から下げさせられた。そのあと慶応大学日吉キャンパスと、明治大学駿河台キャンパスに行ったら、こちらはまるで出入り自由。なんだか大学のランクとキャンパスの開放度って、相関関係にあるみたいだ。
archive
ゴシックホラー喫茶・伴天連
広島県東広島市西条。県道32号線から「広島カントリークラブ西条コース」の指示看板を頼りに脇道に入り、コース内を通り抜けて裏山へと登っていく。人家も途絶え、こんなところに・・と不安が募るころ、カーブした道の先に「伴天連」と大書された柱が。ああ、やっと見つかった。これが広島エリアで名高い「ゴシックホラー喫茶」伴天連(バテレン)なのだ。いままでテレビ番組などで何度も取り上げられた、ある意味地元きっての有名店である。
2012年06月20日 vol.023
art
ドクメンタ・リポート:裸の王様たちの国 2
先週に続いてお送りする「ドクメンタ13」リポート。今週は広大な会場を歩き回りながら(これから訪れるひとには自転車レンタルを強くおすすめしておく)、なにを見て、なにを考えたのかをなぞってみようと思う。
art
特別集中連載:カッセルでの日々 3 (写真・文 大竹伸朗)
滞在場所であるアパートとドクメンタ本部、森の設置場所の位置関係もきちんと把握できないまま毎朝チャリ発進の日々が始まった。日本とくらべると真冬に近い気候の中、時にロンドンの遠い日々を時に別海での忘却の彼方が頭をよぎり樫の巨木元とにかく終わりの見えない作業に突入した。「小屋作品」の最終形はここカッセルで何を拾うかにすべてがかかっている。
interview
突撃! 隣の変態さん 2 サエボーグ
デパートメントH・ゴムの日特集でも、とりわけ異様に目立っていたラバー・パフォーマーがサエボーグさんと友人たちだった。なにせ空気で膨らませたラバー製の農婦(サエノーフ)、そのうしろには雌牛が出てきて搾乳、そのあとはメンドリが出てきてタマゴを産む! という驚愕のステージが展開されたのだから。
archive
明暗分かれるケルンのふたつのミュージアム
ベルリンにお株を奪われるまでは、ドイツ現代美術シーンの中心だったケルン。いまケルンを訪れる美術、建築ファンが真っ先に向かうのは、完成まで600年かかった奇跡のケルン大聖堂・・・じゃなくて、そのすぐそばに2008年に完成した通称「コロンバ」―― 聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館だろう。
2012年06月13日 vol.022
art
ドクメンタ・リポート:裸の王様たちの国 1
今週、来週の2回にわたって、そのドクメンタの「理想と現実」、「コンセプトとリアリティ」を、僕なりに考えながらリポートさせていただく。その1回目は、56の国・地域から約190人/組が参加したなかで、唯一の日本人アーティストとなった大竹伸朗の作品『モンシェリ:スクラップ小屋としての自画像』を、作家本人の言葉を交えながらたっぷりご紹介しよう。
art
特別集中連載: カッセルでの日々 2 (写真・文 大竹伸朗)
去年同様降り立ったフランクフルト空港で印象的だったのはいろいろな公共機器のデザインがクールでカッコいいこと、イギリスとも違う鉄壁のジャーマンセンス。しかしここにハマっていくと嫌みな「江戸っ子自慢」に似た妙な「ヨーロッパコンセプトかぶれ」「臭いアートセンス野郎」「一見進化系パソコン常備携帯バカ」「欧米語るがお前には黒船は永久にやって来ない野郎」へ急接近する危険性もあるので要注意だ。ドイツの時刻表よりオレは北千住のスナック看板を信じる!
photography
地霊:多田裕美子と山谷の男たち
仕事にあぶれた男たちが道ばたにうずくまる山谷の通りを、まるで山谷っぽくない、若い女の子がカメラを提げて歩いて行く。後ろに続くのは重そうなカメラバッグや三脚や、背景布を担いだ、いかにも山谷の男たち。ちょっと変わった一行は、山谷の中心である玉姫公園に到着すると、慣れた手つきで黒い背景布を広げ、カメラをセットし、植え込みの一角に板を立てる。その板にはこんな文句が書かれていた――
performance
ダンスに捧げた人生――『まだ踊る Still dancing』
『まだ踊る Still dancing』と名づけられたそれは、黒沢輝夫・下田栄子・黒沢美香の3人による舞台だ。ダンス・ファンなら黒沢美香さんの名前を知るひとは多いと思うが、黒沢輝夫さんと下田栄子さんは美香さんのご両親であり、黒沢さんが84歳、下田さんが80歳の現役舞踊家。しかもプログラムの最後は、おふたりに縁の深い日本モダンダンスの先駆者である石井漠(いしい・ばく=自由が丘の名付け親でもある)が1921(大正10)年に初演した『山を登る』の歴史的再演でもある。
2012年06月06日 vol.021
interview
突撃! 隣の変態さん 1 チェリスQ
都内某所、私鉄沿線の駅を降りて商店街を抜けた先に「チェリスQ」の基地がある。屋根裏部屋を使った、立つどころか四つん這いでないと入ることも動くこともできない、その超高密度空間に案内されて、僕はしばし言葉を失った・・。 チェリスさんは「美少女系ドーラーコスプレイヤー&美脚着ぐるみパフォーマー」だ。大型美少女仮面を頭からかぶり、からだにはコスチュームをまとって、イベントに出没したりパフォーマンスを展開する「着ぐるみマニアさん」のなかでも、知らぬもののないベテランのひとりである。
art
ドクメンタ13 日本からは大竹伸朗が参加して、6月9日より開催!
ドイツ連邦共和国のほぼ真ん中に位置するカッセル。フランクフルトからICE(インターシティ・エクスプレス=特急)で約1時間半ほどで到着するこの古都は、5年にいちど開かれる現代美術の祭典「ドクメンタ」の開催地として、あまりにも有名である。 実は今回のドクメンタ13には、日本から大竹伸朗が選ばれ、参加している。そこでロードサイダーズ・ウィークリーでは大竹伸朗に依頼し、今回のプロジェクトの制作ノートを連載してもらうことになった。
travel
海と魚とゴミの天国・走島
諸般の事情から展覧会では作品タイトルが『ゴミ福山産』とされたが、淀テクのおふたりによれば、走島は「ものすごくきれいな海と浜とゴミがあって、ナンバープレートのない原チャリや軽トラが爆走する島です!」という、たいへんにおもしろそうな島だったので、翌朝鞆の浦港からフェリーに乗って、半日観光を楽しんできた。今回はその「離島ちい散歩」をお送りする。
archive
Between C & D
カネはないが元気だけはありあまってる、そういうアーティストがおもに住んでいたのが、ニューヨークではダウンタウン・マンハッタンの東側、ロウアー・イーストサイドと呼ばれる地域だった。ご承知のようにマンハッタンは東から縦に1、2,3と順番にアヴェニューが走っているが、ロウアー・イーストサイドにはファースト・アヴェニューのさらに東側にアヴェニューA、B、C、Dという短いアヴェニューがある。
- TOP
- バックナンバー
バックナンバー検索
月別バックナンバー
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年09月
- 2024年08月
- 2024年07月
- 2024年06月
- 2024年05月
- 2024年04月
- 2024年03月
- 2024年02月
- 2024年01月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年09月
- 2023年08月
- 2023年07月
- 2023年06月
- 2023年05月
- 2023年04月
- 2023年03月
- 2023年02月
- 2023年01月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年09月
- 2022年08月
- 2022年07月
- 2022年06月
- 2022年05月
- 2022年04月
- 2022年03月
- 2022年02月
- 2022年01月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年09月
- 2021年08月
- 2021年07月
- 2021年06月
- 2021年05月
- 2021年04月
- 2021年03月
- 2021年02月
- 2021年01月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年09月
- 2020年08月
- 2020年07月
- 2020年06月
- 2020年05月
- 2020年04月
- 2020年03月
- 2020年02月
- 2020年01月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年09月
- 2019年08月
- 2019年07月
- 2019年06月
- 2019年05月
- 2019年04月
- 2019年03月
- 2019年02月
- 2019年01月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年09月
- 2018年08月
- 2018年07月
- 2018年06月
- 2018年05月
- 2018年04月
- 2018年03月
- 2018年02月
- 2018年01月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年09月
- 2017年08月
- 2017年07月
- 2017年06月
- 2017年05月
- 2017年04月
- 2017年03月
- 2017年02月
- 2017年01月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年09月
- 2016年08月
- 2016年07月
- 2016年06月
- 2016年05月
- 2016年04月
- 2016年03月
- 2016年02月
- 2016年01月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年09月
- 2015年08月
- 2015年07月
- 2015年06月
- 2015年05月
- 2015年04月
- 2015年03月
- 2015年02月
- 2015年01月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年09月
- 2014年08月
- 2014年07月
- 2014年06月
- 2014年05月
- 2014年04月
- 2014年03月
- 2014年02月
- 2014年01月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年09月
- 2013年08月
- 2013年07月
- 2013年06月
- 2013年05月
- 2013年04月
- 2013年03月
- 2013年02月
- 2013年01月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年09月
- 2012年08月
- 2012年07月
- 2012年06月
- 2012年05月
- 2012年04月
- 2012年03月
- 2012年02月
- 2012年01月
カテゴリ別バックナンバー
BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!