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2024年11月27日 Vol.622

fashion

再会! 1970年のポップ・アイコンたち

いろんな催しで大賑わいの万博公園を出口に向かってひたすら歩いていると、気になるポスターを発見。「EXPO’70 パビリオン企画展 1970年大阪万博ユニホーム・コレクション」ですと!  まあ、たいしたことないだろうけど、いちおう寄っておくか・・・くらいの気持ちで公園の奥にあるEXPO’70 パビリオン――ちなみにこの建物はEXPO’70閉幕後に残された、数少ないパビリオンのひとつ鉄鋼館――に足を運び、入場料を払って入館したら・・・なんと実際に着用されたユニホーム(一部は再製作)65種、80着が並び、しかもデザイン画や発注仕様書など初公開の資料もあり!という、予想をはるかに超える充実の展示なのだった!

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design

デザインの世間体 024  デジャヴュの街 (写真・文:若生友見)

30作を超える私の作品のなかでも、ダントツで売れ行きがいい作品というのがあります。それがこの「alcoholics」です。 飲屋街にある雑居ビルの看板群を撮影し、実際の縦横比に近づけるようにまっすぐ補正をかけ、とにかく画面にぎゅうぎゅう詰めにした作品です。 まあこれだけの作品なのですが、デザイナーやタイポグラフィ好きの方々、あるいはレトロ好きの方などが購入してくださることが多く、私のほかの作品とはちょっと違う需要に応えられているようなのです。

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art

小松葉月「雷とショベルカー」

2014年12月17日号で掲載した「生きて痛んで微笑みがえし――小松葉月のパーソナル・アート・ワールド」が最初の記事で、それから2015年4月8日号「大逆転戦車」、2017年03月22日 号「小松家の大移動展」、2023年07月26日号「あらいぐまと登る」と、展覧会のたびに取り上げてきた小松葉月の新たな個展「雷とショベルカー」が、11月28日から12月8日まで、東京日本橋本町のmsb galleryで開催される。何度か開催されてきた個展はいずれも小規模なものだったし、メジャーなグループ展に参加する機会もないままだけれど、僕にとってはほんとうに大切なアーティストでありつづけている――と前の記事に書いてから、いまも小松さんの状況はまったく変わってないけれど、小松さんの作品に対する僕の思いも変わることなく、ほんとうに大切なアーティストでいてくれている。

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photography

Freestyle China 即興中華  地下道を忘れない:許曉薇(シュウ・ショウウェイ)写真展 (写真:許曉薇 / 文:吉井忍)

写真家・許曉薇(シュウ・ショウウェイ)さんの新作個展「地下道的史内爾(地下道のスネイル)」が開かれていると聞き、台北に行ってきた。身体に植物を介入させたセルフポートレートで知られるシュウさんだが、今回はまた違った作風らしい。会期中はイベントも何度か行われ、SNSにはみんなでスープを飲んだりと何やら楽しそうな様子がアップされてはいる。だが全貌がよく分からない。閉幕2日前になんとか取材を行った。 場所は台北駅からほど近いイベントスペース「未命名(WMM)」。

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lifestyle

おいでよヘンタイの森 17  パンストにおぼれた男 とよさんの場合  文・イラスト:mimi(会社経営&フリー女王様)

パンストにおぼれた男はまだいます  こちらチャットで知り合ったとよさん  50代 会社員 MR 息子が夜更かし  この息子が夜更かしというのは、わたしとチャットするのがいつも夜なのですが、その夜にオナニープレイをしたいんだけど、リビングにパソコンがあるためなかなかできない

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art

暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  60話 新車  (画・文:新開のり子)

夕食の時間になり、いつもは無言の友人のお兄さんが「購入した車が今日届いた」とお父さんに嬉しそうに報告をしました。 いつもどんよりと重たい空気の食卓でしたが少し明るい雰囲気になりました。 皆、食事を終えどんどん部屋に戻って行くところ 私が立ち上がると急にめまいがして足元がふらつきました。 たまたま近くにいたお兄さんが支えてくれたので、倒れなくてすみました。 「色々と疲れたじゃない? 気晴らしに車に乗らない?」

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lifestyle

蒲田リハビリ日記 第26回  フリー編集者・都築響一さん考 (写真・文:リーサル・ウエポン金本)

フリー編集者として、世の中から認められることは実に難しい。俺なんかがそう名乗ったところで、アルバイトや日雇い労働者と何も変わらないと思う。数年前に、不動産屋の担当者がいっていた。「ご自身の名前で本を出し、顔が知られてこそ、初めてフリーランスと名乗れるのです」と。それ以外は無職扱いとなり、物件を借りる際には、とても不利になるそうだ。2017年のことである。 我らが都築響一さんは一度も就職したことのない、筋金入りの、フリーランスの編集者である(もちろん写真家でもある)。出版業界では最高峰の経歴だ。俺も若い頃は就職しない生き方に憧れたが、社員になると年末に賞与が支給されると聞き、秒で鞍替えした。俺は20~30万円の金額に最も弱いのである。

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2024年11月20日 Vol.621

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PABF2024 直前情報!

今年も東京アートブックフェアが近づいてきました。楽しみだけど、あんなに混んでるとちょっと・・・・・・と思ってるひともいますよねえ。出展料も高額だし、抽選だし!もちろんロードサイダーズ・ウィークリーは参加しません(笑)。 2019年7月にPABF(=プアマンズ・アートブックフェア)という小さなブックフェアを自前で開催したのを、覚えていらっしゃるでしょうか。

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photography

御徒町のニュー桃山時代  写真・文:紅子(色街写真家)

ロードサイダーズでもおなじみ、色街写真家・紅子さんのSNS投稿で上野御徒町の老舗ソープランド「ニュー桃山」閉店を知ったひともいるだろう。いまや絶滅危惧種となりつつある「駅前ソープランド」の典型であるニュー桃山は、文京区で営業する唯一のソープランドでもあった。その終焉に立ち会った紅子さんにお願いして、写真と文章で鎮魂の思いをつづっていただいた。

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art

弥勒・・・それはとろける菩薩のかけら

「弥勒(みろく)」と題した展覧会が阿佐ヶ谷の小さなギャラリーで15日から始まっている。作家は杉本英輝、わずか7つの出品作品はいずれも美しくグロテスクな蝋人形・・・いや、人形というと「ひとがた」になってしまうけれど杉本さんの作品はものすごく有機的な、でも得体の知れない生命体に見えるので「蝋彫刻」というべきか(名刺にも「蝋彫刻師」とあった)。とはいえからだの一部分のようでもあり、でも見たことのない不思議な立体作品が白い空間にそっと置かれている。

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デザインの世間体 023  あなたの知らない世界的権威の世界 (写真・文:若生友見)

これまでこの連載で紹介してきた私の作品は10年以上前のものが圧倒的に多かったので、今回は比較的新しい作品についてお話しようと思います。 今はあまり見なくなりましたが、昔は雑誌の後ろのほうに「コレを身に付けただけで高額宝くじ当選! 異性にモテまくり! 神秘のパワーを宿した〇〇ストーン」というような内容のアクセサリーやキーホルダーなどの怪しげな広告が入っていた時代がありました。 そういった広告の一番有名な例は、美女を侍らせた男の札束風呂の画像でしょう。しかし私は少々違う部分に注目していました。

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バンカラ女銘々伝 第16回  芸者から尼になった無手の女 大石米子 (文:平山亜佐子)

1905(明治38)年6月20日午前2時。 大阪・堀江の遊郭「山梅楼〈やまうめろう〉」で六人が日本刀で惨殺される陰惨な事件が起こった。 後に「堀江六人斬り」と呼ばれるその事件で、唯一の生き残りとなった妻吉こと大石米子が記した回想録の臨場感は、そんじょそこらの本では太刀打ちできない。  今回は、米子の人生を紹介しつつも、なにより回想録の記述をたっぷり味わってほしい。 まずは事件までの経緯を見ていこう。

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photography

ニュー・シャッター・パラダイス 80  ロマンスとトレンドと現実と (写真・文:オカダキサラ)

最近、街の若い子たちがよく着ているコーディネートに、既視感を覚えています。私が高校生の時に流行ったスタイルだからです。流行は繰り返す、を実感しています。このままいくと、次は「エビちゃん」ルックが来るかと予想しているのですが、どうでしょうか? 少し前なら、服の傾向は雑誌名やモデル名でまとめられていました。近年ではトレンドにまとまりを感じられません。今は「○○系」とグループ分けするのも大変そうです。

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art

暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  59話 北海道のおばさん (画・文:新開のり子)

夕方、男子達が仕事から戻ってきました。 北海道の友達の家に気軽に遊びにきたはずが、男子はアルバイトという形でしっかり仕事をしています。 私達3人は、家の中で一日中、安田くんのおばさんと家事手伝いをします。 先日、トランプで負けてしまった私は、何十年分の汚れが溜まった泥だらけの玄関の掃除を頼まれました。 掃除を済ませ台所に行くと、気分良さそうにおばさんが「今日は、いつもと違う食器を使うからあの棚からとってちょうだい」

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travel

ユーラシア後ろ歩き 20  ペテルブルグ行きの列車で (文・写真:多田麻美)

私が乗った列車は、北へと向かっていた。かつての帝都、サンクトペテルブルグへ。 さすが、今でもモスクワに続きロシア第二の地位を占めている都市へと向かう列車は設備が良かった。まず車両自体が新品そのもので、各座席に電源があった。トイレに便座シートと石けんがあったのも、他の車両では目にしなかったことだった。 だが、車両で繰り広げられる会話は、やはりいかにもロシアらしかった。隣席に座っていた女性は、私が日本人だと知ると、自分はウラジオストック出身だと語った。

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2024年11月13日 Vol.620

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PABF=プアマンズ・アートブックフェア詳細発表!

TABF=東京アートブックフェアという巨人に挑む一匹のアリンコとして(おおげさ)、11月30日、12月1日の2日間にわたって開催する“おれたちのブックフェア”がPABF=プアマンズ・アートブックフェア。両日とも参加ブースが出そろいました!

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travel

スリープウォーキング・チャイナ 11  セクシー九尾狐に魅入られて(後編) ──中国東北とバンコクでの調査記録  写真・文:無常くん(副書記)

九尾狐は古代中国において瑞獣だった。しかし、すでに宋代の頃には史上最大の悪女・妲己と九尾狐を結びつける言説が生まれ、徐々に九尾狐=淫らな魔物というイメージが定着していった。こうした文化史を踏まえれば、大方の現代中国人にとって九尾狐がポジティブな存在ではあり得ないことが容易に理解できる。ところがである。私は見てしまったのだ。仏具展覧会の会場に陳列された夥しい九尾狐の偶像に人々が大挙して群がる目を疑うような光景を。そう、現代中国において九尾狐はれっきとした信仰対象として認められていたのである。しかも、それらの九尾狐は艶めかしい女性の姿で擬人化され、エロに厳しい中国のお国柄にはあまりに不相応なセクシーポーズで道行く善男善女を悩殺していたのだった。

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art

暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく  58話 トランプカード (画・文:新開のり子)

昔あった夏休みの出来事。 朝、気持ちよく寝ていると 頭の上のほうから激しい音が聞こえました。 ガッチャーン!ゴロゴロ カンカンカーーーン! 解体工事をやっているような激しい音がします。 カーンカーンカーン! うるささに耐えきれず布団をかぶると誰かが乱暴に布団を剥ぎ取りました。 誰がこんなことを! 寝起きで視界は、ぼんやりです。半笑いをして立っている女性が鍋をお玉で叩きまくっています。

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編み物☆堀ノ内の「帰ってきた肖像編み物」 第11回 まんが道  オーダーした人/コスプレ声ちゃん(コスプレDJ) (聞き書き:川上雅乃)

今月のお客さまはコスプレDJの声さん。藤子不二雄A(安孫子素雄)先生の「まんが道」2巻の表紙絵を編ませていただきました。声さんはアニメ、マンガ、特撮、ナゴム、中銀カプセルタワーを好み、その愛をコスプレで表現。その原動力は「オタクになれないコンプレックス」なんだそうです(え、そうなの?)。広島・呉の銭湯の娘さんが大阪梅田のまんだらけのコスプレ店員を経て、東京で「アートアイドル」そしてコスプレDJに。いまは大道芸術館でも月イチでDJをしています(“夜のメカニズム”)。「取材はNGありませんよ~」とのことなので、声さんのヒストリーを遠慮なくお聞きしてきました。

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lifestyle

おいでよヘンタイの森 17  パンストにおぼれた男 フェチ夫の場合  文・イラスト:mimi(会社経営&フリー女王様)

フェチ的な要素をもつパンスト好き  こちらも変態さんの登竜門というか、お好きな方はかなりおおいジャンルです  パンストとひとこといってもいろんな種類があるため、いろいろな楽しみ方があり  好きといっても一概にみんな一緒ではないんです。 今回登場するフェチ夫さんは、とにかく収集家 パンストを集めることに命を懸けている  パンストを集めるといっても、しっかりその人のにおいも封じ込めたい  そのためいつも持ち歩いているもの  それはジップロック

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photography

妄想ホテル room:044  猫と承認欲求 (写真・文:フクサコアヤコ)

急に肌寒くなった。 もはや日本から秋と春という季節は消えてしまったのではないかと思うほどの急激な変化だ。 今日は30度近くあった最高気温が、明日には最低気温11度まで下がるとニュースが告げている。私は急いで押入れの奥から冬用の毛布や上着を引っ張り出した。南方の生まれ故、寒さにはめっぽう弱いのだ。 私が家で使用する毛布やシーツ、ブランケット、部屋で羽織るカーデガンなど、ぬくもりを提供してくれるグッズはすべてふわふわ、もこもこした素材でできている。暖かさよりもむしろ手触りを重視しているふしすらある。 昔はそれほど素材にこだわりはなかった。暖かければ多少ゴワゴワしていてもなんでもよかったはずだ。 いつから、なぜこんなにもふわふわな手触りにこだわるようになったのか。おそらくそれは今の私の生活に猫がいないからだ。私は失った猫のぬくもりと手触りをいつだって求め続けている。

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art

秋のおかんアートフェス in 京都!

2022年1月から4月まで東京都渋谷公園通りギャラリーで開催された「ニッポン国おかんアート村 Museum of Mom's Art」、ご覧いただけたろうか。展覧会に参加してくれた神戸のカリスマおかんアート作家たちはあれからも、もちろん活発な制作と発表を続けてきた。その”カリスマおかん”たちによる「おかんアートフェス in 京都」が11月23日~25日の3日間開催される!

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デザインの世間体 022 特別編  『カミオン』創刊40周年・記念連載 我が青春のバイブルよ永遠なれ! 第5回 カミオン巻頭特集とザ・プロの現場! (写真・文:松吉 満 / 編集:若生友見)

前回はアートトラックの装飾ポイントや内装関連のことをメインに記したが、今回は「カミオン」における巻頭特集や3.11東日本大震災の炊き出し取材、「カミオン」の別冊である「トラックグラフィックス」の現場取材や、建機モデラーでありイラストで誌面に協力してくれている早川弘一さんについて語る。

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2024年11月06日 Vol.619

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大阪ミナミの銀河系――味園をめぐる物語  第1回 ダンスホール「ユニバース」の誕生 (文・写真提供:COSMIC LAB)

知るひとぞ知る大阪なんばの総合レジャービル、味園(みその)の年内完全閉業というニュースに衝撃を受けたひとが、関西人だけでなく日本中にたくさんいるだろう。 昭和の巨大キャバレーをそのままライブホールに転用した地下のユニバース。新宿ゴールデン街がビルの1フロアに凝縮したような屋内飲食街。1950年代に出現しておよそ70年間、大阪のアンダーグラウンド~サブカルチャー~クラブカルチャーまでをぜんぶ抱き寄せてきた垂直の銀河系のような、味園という小宇宙。まもなくの終焉に向かって、これからたくさんの追悼記事やメッセージが出てくるだろう。 その味園のビル内にアトリエ・オフィスを構え、20年以上の時を味園とともにしてきたクリエイティブ・デザインプロダクションCOSMIC LABが、これから数回にわたって、去りゆく味園の光跡を追いかける物語を連載してくれる。語り手はCOSMIC LAB代表のC.O.L.Oと高良和泉(たから・いずみ)両氏。 今回初めて世に出る数々の貴重な資料に彩られた、なんばの夜のオデッセイ。まずは味園誕生の秘話から始めていただこう。

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lifestyle

バンカラ女銘々伝 第15回  美貌で神童のバイオリニスト 諏訪根自子 (文:平山亜佐子)

美貌と才能、天は諏訪根自子に二物を与えた。 しかし、環境については幾たびもの試練を与えた。 彼女の稀にみる強い意志がこの荒波をどう乗り越えたか、その足跡をたどってみたい。 根自子は1920(大正9)年1月23日、諏訪順次郎、瀧の長女として豊多摩郡渋谷町大字下渋(現渋谷区広尾)に生まれた。両親とも山形出身だが、出会いは東京のカトリック教会。順次郎は肥料会社を経営する裕福な家庭に生まれたモダンボーイ、瀧は声楽家になるため東京音楽学校の受験準備をしていた音楽家志望だった。ふたりは社会運動家でクリスチャンの木下尚江の媒酌で結婚。瀧は音楽家の夢を諦めた。

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ニュー・シャッター・パラダイス 79  おトイレクリエイティヴ (写真・文:オカダキサラ)

トイレ待ちで並んでいたときのことです。 私の前には、おばあちゃんとそのお孫さんが待っていました。ひとつトイレが空いて、女の子はいそいそと入っていきましたが、中を見たとたんに出てきてしまいました。 「このトイレの使い方、分からないよぉ」と、女の子はおばあちゃんに訴えます。そのトイレは和式だったのです。ジェネレーションギャップに驚かされました。 洋式トイレが初めて日本に輸入されたのは1887年。場所は横浜にある外国人住居地です。今の形の和式トイレが開発されたのは1902年で、意外にも洋式トイレ導入の後です。

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デザインの世間体 021  ファンシーの復権:キラデコシール観察史 (写真・文:若生友見)

前回ご紹介した2010年の作品「Girls, Over the Dimensions」の表紙にはキラキラのグリッターや宝石風、パール系のシールを使用し、そのときの気分でデコっています。 同じ仕上がりのものはないため、イベントなどの対面で直接販売できる場所では購入時にお好みのデコの表紙のものを選んでもらっています。 このキラキラした立体系デコレーション用シール(以下、キラデコシール)は100円ショップで入手しているのですが、実は2010年代中~後期の数年間には店頭からほぼ消えるという現象が起こっていました。買い占めが起こったのではなく、単純に棚に並ばなくなったのです。

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travel

ユーラシア後ろ歩き 19  橋を渡ってクリミアへ (文・写真:多田麻美)

慎重に自分の人生の目標や方向を定めたつもりでも、知らぬ間に環境が変わったり、思わぬ出来事に巻き込まれたりして、あれ、こんなはずじゃなかったという結果になることはままある。ましてやカーチャのように感情に操られたり、私のように無防備に思いつくまま生きたりしては、かなり危ない。そういう人は往々にしてそれなりの痛い目に遭うのだが、すべてが悪い方に転がるかというと、そうでもないのが人生の皮肉であり、妙味だ。 例えば私があの頃、ただカーチャに会うためだけに、深い考えもなくアナパに行ったのは、今思えばいい決断だった。なぜなら数年後に始まったロシアのウクライナ侵攻の影響で、平和な行楽地だったアナパはかなり危険になり、よほどの覚悟がないと行けない場所になってしまったからだ。

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暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 57話 挫折続きのダイエット (画・文:新開のり子)

ダイエットに挑戦していた時期のこと。 食べても食べてももの足りない! ずいぶん長い期間、一日あたり3000カロリー越えの生活をしていました。 主食は、炭水化物。 パン、麺、ご飯と野菜は一切食べません。 たまに少し入っているだけでもハズレくじを引いてしまったようでガッカリしていました。 飲料は、お酒かジュース。 水や麦茶は、味が薄いので避けていました。

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travel

ROADSIDE CHINA  中国珍奇遊園地紀行 特別編 重慶マニア旅 (写真・文:関上武司)

今回は特別編ということで、今年の7月に敢行した重慶マニア旅のレポートをさせていただきます。私が知る限り、重慶の最強ガイドと言えば、『重慶マニア』(パブリブ)の著者の近堂彰一さんでしょう! 近堂さん、『北朝鮮アニメ大全』(パブリブ)の著者の大江・留・丈二さんに「重慶に一緒に遊びに行きませんか?」と誘われ、7月の連休と有給を使って行くことに。しかも、在重慶日本国総領事館の皆様とも会見するという、私の行動パターンでは有り得ない展開になりました。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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