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2024年10月09日 Vol.616
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スリープウォーキング・チャイナ 10 セクシー九尾狐に魅入られて(前編) ──中国東北とバンコクでの調査記録 写真・文:無常くん(副書記)
2019年5月某日、廈門大学に留学中だった私は、マレーシア人留学生の阮さんに連れられ、例の驚異の仏具展覧会を散策していた。そこで私はある衝撃のブツと運命の出会いを果たしてしまったのである。 そのブツは、荘厳な仏具展の雰囲気をまるで嘲笑うかのように、金銀財宝の上でドカッとM字開脚し、豊満な胸をポロリとはだけ、「ねぇねぇ、煩悩滅却した人生って退屈じゃない?」とでも言いたげに、道行く僧侶や道士に向かって艶めかしい視線を送っていた。よく見るとその頭上には狐の耳が生えており、お尻からは9本の尻尾まで伸びているではないか。「けしからん! なんてけしからん姿なんだ!」。鼻息を荒くし興奮する私は、気づけば完全に彼女の虜になっていた。 「お客様、お目が高い。そちらは九尾狐といって今大人気の商品となっております。ほら、ほかにもこんな九尾狐ちゃんもございますよ?」。販売員に案内された先には、くだんのセクシー九尾狐が大量に陳列されていた。阮さんがトイレに行っている隙を見計らい、もっともけしからん一体をチョイスした私は、貧乏留学生には分不相応な値段のそれをためらいもなく購入し、リュックにこっそり忍ばせたのだった。
travel
Freestyle China 即興中華 「逃げる人」の鶴崗+あかすりとダンスホール (写真・文:吉井忍)
今回も北京から列車で北へ向かう旅をした。出発は9月上旬、まだ東京が真夏の気温だったので、とにかく涼しいところに行きたい。旅程は9泊10日。前回訪ねた本渓(遼寧省)を再訪する以外は、長春とかハルビンを観光しようぐらいのぼんやりしたプランだったが、思いがけずロシア国境近くまで行くことになった。
lifestyle
おいでよヘンタイの森 15 こすりつけ変態 パート1 文・イラスト:mimi(会社経営&フリー女王様)
ちんこをこすりつけるだけでいってしまう人がいるのはご存じだろうか? こすりイキ 結構極めた者の境地ではあります 全く手をつかわないでイケるゆうとくんの話をまずはしましょう ゆうとくんは無類の谷間フェチ わたしの谷間がかなり気に入ってしまったらしく見るだけで大興奮してしまう それプラス彼はM男ということでわたしは彼を調教し始めました
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編み物☆堀ノ内の「帰ってきた肖像編み物」 第10回 ザ・ダムド オーダーした人/マユミ・バーンズ (聞き書き:川上雅乃)
今月のお客さまはイギリスで暮らすマユミ・バーンズさん。ザ・ダムドの2ndシングル『Neat Neat Neat』のジャケットを編ませていただきました。マユミさんはなんと、ザ・ダムドのキャプテン・センシブルの妻!!! 千葉の九十九里で生まれ育ち、オリーブ少女→ナゴムギャル→原宿(ラフォーレ原宿とキッズラフォーレ)などでショップ店員→32歳でイギリス留学→キャプテンさんの妻に……というドラマティックな人生を歩んでいます。イギリスまでの道のりとキャプテンさんとの出会い・結婚、そしていまの暮らしについてお聞きしました。
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 53話 一人旅 (画・文:新開のり子)
休日、7時台の新幹線に乗るため、少し早めに駅に到着したので駅弁やアイスクリームを買ってホームで待ちました。 ホームにはカメラで構えている人が何人か居ました。 私も携帯のカメラの用意をし動画に切り替えました。 到着時間になり、 「はやぶさ」が見えました。 動画は、順調に撮れています。 「かっこいいところを撮るぞ!!!」と私は気合いが入ります。 すると駅員さんが低い声で「もう少し中に入ってください!」 慌てた私はよろめいてしまいました。 あーこれは失敗だー。
art
藤原新也展「天国を下見する僕」
ロードサイダーズにも藤原新也ファンは多いと思う。藤原さんは僕と同じ大久保にアトリエをかまえていて、ときどき道で会って立ち話したり、近くのネパールレストランに連れていってもらったりするのだが、最近はタブレットで絵を描くのに熱中していると聞いていた。その「デジタル画」の展覧会が銀座の永井画廊で開催中だ(19日まで)。
photography
妄想ホテル room:043 ここにいる誰かが私であること (写真・文:フクサコアヤコ)
例えば電車に乗っていて遠くの知らない街を通りかかった時、その街に住んでいるもう一人の自分の存在を感じたことはないだろうか。 駅前のだだっ広い駐車場、車窓から見える大きなマンションの窓、長閑な川沿いの土手。そこで生活している別の自分を見かけたことはないだろうか。 そしてそんな時いつも思うのだ。今ここにいる私もまた、誰かの別の自分なのだと。
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デザインの世間体 018 特別編 『カミオン』創刊40周年・記念連載 我が青春のバイブルよ永遠なれ! 第4回 装飾の基礎と魅惑の「男の城」 (写真・文:松吉 満 / 編集:若生友見)
今回はデコトラの美を理解するための基本的なアートトラックパーツや、トラックドライバーの仕事場である運転席を美しく装う「男の城」にもスポットを当てながら紹介していきたい。日本では、アートトラックパーツがない時代のトラックは武骨なスタイルだった。当時は唯一観光バスにだけ「バスマーカー」やメッキ製のフロントバンパーが備わっていた。
2024年10月02日 Vol.615
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大道芸術館・新展示公開!
今月で開館から2周年を迎える向島・大道芸術館。去年の1周年でも展示作品数を増やしましたが、今回は2周年にあたってさらに増強! ふつう美術館は「展示替え」となるところ、こちらは「空いてるところをツメツメして作品入れ替えずに増やすだけ」という圧縮展示! 日展ふうというか、ドンキホーテふうというか、もっとかっこよく言えばロンドンのジョン・ソーン・ミュージアムみたいな館まるごとヴンダーカマーふうというか・・・・・・。すでにかなり窮屈だったところに、今回は20数点の作品をむりやり追加! やりくりすれば入るもんだな~と思ったけど、来年はどうしよう。 あらたに加わった作品についてはこれからSNSで少しずつ紹介していきますが、今週からリニューアルオープンした館内はこんな感じです。
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デザインの世間体 017 嗚呼、みずいろの雨 (写真・文:若生友見)
あんなに暑かった夏が急に終わり、行楽の季節になってきましたね。お弁当を持ってどこかに行く計画を立てている人もいるのではないでしょうか。 最近はあまり見なくなりましたが、昔は仕出し弁当といえばポリビニール製の風呂敷に包まれていたものでした。 私にとって一番なじみがあるのは青い透明ビニールに白い水玉模様のものです。子どもの頃、首のあたりで結んでマントにして遊んでいた記憶があります。
travel
ユーラシア後ろ歩き 17 火と水の世界 (文・写真:多田麻美)
バイカル湖の湖岸を手が届きそうなほど低く羽ばたく鳥たち。その何かを語りかけるかのような飛び方は、火を使った儀式に引き寄せられたようにも、バイカル湖の底知れぬ深さがもつ引力から逃れられずにいるようにも見えた。 だが、もちろんいずれも錯覚に違いなかった。やがて雪がちらつき始めると、私は彼らが低く飛んでいたのは低気圧のせいだろう、と思い直した。 それにしても、まだ8月なのに雪とは。空中を氷の粒が舞う様子は、火の儀式の後だけに、余計ドラマチックに感じられた。
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ニュー・シャッター・パラダイス 77 通りすがりの最善 (写真・文:オカダキサラ)
会社に勤めていた頃、仕事中によく道を訊かれました。住宅街をラフな格好で歩いていたので、ご近所さんだと勘違いされたのでしょう。尋ねられても大抵分からないので、Googleマップで一緒に探していました。 ただ話しかけてくる人もいました。たいていが世間話ですが、中には他人である私が聞いてもいいのだろうかと心配になるような話もありました。 7年前のことです。 現場に向かう途中でした。大通りから一本入った狭い一車線道路で、ひどく痩せたおじいさんに、「暑いですね」と声をかけられました。 季節は初夏。「暑いですね」というわりに、おじいさんはしっかり長袖を着ていました。
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 52話 ともだち (画・文:新開のり子)
仕事中、私の携帯がプルプルと何度も振動します。 ポケットに手を伸ばしますが忙しくて携帯を見ることができません。 帰り際、やっと携帯を見ることができました。 驚くことに着信履歴が数分おきに並んでいます。 ギョッとして思わず携帯を伏せてしまいました。 イタズラ電話? 急用? こちらからかけ直すのも気が引けるのでそのままにしておきました。 着信履歴のことを忘れた頃、携帯が鳴りました。 一瞬、びくっとしました。 先程の着信履歴の電話番号からでした。 勇気をだし電話に出てみると女性の声でした。 「のりちゃん!かなえだよ! 元気だった!?」
lifestyle
バンカラ女銘々伝 第13回 男のために小指を落とした女 照葉(てるは) (文:平山亜佐子)
日露戦争後から大正時代にかけて芸者が持て囃された時代がある。「酒は正宗、芸者は萬龍」と謳われた萬龍、絵葉書に仕立てた洋装姿のブロマイドが飛ぶように売れた八千代、三越のポスターが有名な栄龍、森鴎外の小説『百物語』のモデルにもなったぽん太など、東西の美妓たちが雑誌のグラビア、美人コンテスト、夜の料亭で花を競った。どんなに人気があってもいつかは上がるのが芸者の運命。運が良ければ華族の妻に収まるが、行方のわからなくなった者も多い。そんな一世を風靡した芸者のなかでもとくに波瀾万丈だったのが照葉である。 照葉の本名は高岡たつ、1896(明治29)年4月22日、大阪南区上本町の鍛冶職人のもとに生まれた。
lifestyle
蒲田リハビリ日記 第25回 遊廓の童DX 渡辺豪さんとの長話&吉岡里奈さん個展「バッデース・ガールズ☆異形の女神たち」@カストリ書房・新店舗 (写真・文:リーサル・ウエポン金本)
両眼の焦点が合いづらいことで本が読みにくくなっており、メガネを作り変えようと思い、処方箋をもらうために眼科へ行った。自分が思っている以上に斜視が進んでおり、担当医から「(焦点を合わせるための)数泊の手術もありますよ」といわれる。俺は昔から面倒臭いことが超苦手なので、当然断った。心臓手術のように行わなければ死亡するのであれば受けるしかないが、俺の見た目がどうだろうが知ったことではないからである。俺は昔から何がどうであれ萎縮することなく、好きなようにやりたい放題やってきたのだ。いちいち停滞することは時間の無駄である。人生は短い。悩む暇があったら次の展開を考えたほうがいい。 新しいメガネでカストリ書房へ行き、店主・渡辺豪さんと長話したのち、後日、イラストレーター吉岡里奈さんの個展にも足を運んだ。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!