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2024年09月18日 Vol.613
art
破壊せよ!とポンチャック・アートは叫ぶ
根本敬・湯浅学・船橋英雄による幻の名盤解放同盟による、40年間におよぶ採集をまとめた『ポンチャックアート1001』(東京キララ社刊)がこのほどリリース。刊行を記念した「大ポンチャック展」も開催中だ(10月4日まで)。 幻の名盤解放同盟は1984年に初渡韓、それまで韓国ロックのレコードは知っていたけれど、ポンチャックという音楽の存在すら知らないまま「行く先々で聞こえてくる不思議な音楽」に魅入られて、屋台のカセット屋でジャケ買いを始めてから今年でちょうど40年。ポンチャックという音楽自体については1990年代に同盟によってまず日本で、それが逆輸入されるかたちで本国でもブームとなった李博士(イパクサ)などベテラン・ポンチャッカー(ポンチャックの演奏者)の存在や、NewJeansのプロデュースなどで知られる250(イオゴン)によるプロジェクト『ポン』(2022年)などでふたたびトレンド化しつつあるのはご存じのとおり。しかし原初のポンチャック音源であるカセットテープのジャケットを、「アート」として再定義したのは、日本も韓国も含めてこれが世界初の試みだろう。
design
デザインの世間体 015 お供えスイートパラダイス (写真・文:若生友見)
暑さ寒さも彼岸まで。お彼岸の時期ですね。 お盆がビッグイベントなので、どうしても秋のお彼岸は陰が薄くなりがちですが、この機会にスーパーの和菓子コーナーの一画にあったりなかったりする「お供え菓子」をチェックしてみるのはいかがでしょうか。 「お供え菓子」といえば、王道はやはり菊や蓮の花をかたどった三色重ねの落雁でしょう。
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 50話 パートタイマーはじまり (画・文:新開のり子)
運良く、仕事が決まりパートがスタートしました。 オシャレでセレブ御用達のお店での接客経験者という事で面接を受けました。 面接に行く途中、何度も何度も途中で引き返そう!と 戸惑いながらも、面接に行くことにしました。 応募する時の気持ちと実際面接が決まった時の気持ちのズレがだんだん生じてきました。 面接地のお店には、高身長スタッフばかりです。 「あのー面接にきました」と声をかけても聞こえません。 また来る人に 「あっあのー」と声をかけますが、耳まで届かないようです。
travel
ユーラシア後ろ歩き 16 祈りの湖、ナムツォからバイカル湖へ (文・写真:多田麻美)
五体投地をする人々の姿、一心にラサへと進む無我の境地に触発され、ひとしきり祈りの形について思いを馳せているうちに、バスはダムシュンに着いた。ラサで出会ったおじさんが「当雄」と呼んでいた場所だ。 そこからナムツォまで車をチャーターすると、かなり高くつくので、私は翌日に定期バスが走ることを願いつつ、ダムシュンで宿をとった。 今はどうか分からないが、私が訪れた時のダムシュンの町は、舗装道路の両脇に一列に店が並んでいるだけで、とくに印象に残る建物などもなかった。ダムシュンを特徴づけているのは、町そのものより、周囲を囲む雄大な山々だった。それらは夏でも所々で雪をかぶっていた。 集落自体は日本の田舎と同じで、店の品ぞろえは少ないが物価は高く、ホテルの宿泊料もどこも高めだった。その一つに部屋をとると、テレビのチャンネルが2つしかないところまで、昔の日本の田舎を思い出させた。一つだけ大きく違ったのは、携帯の電波ばかりはきちんと届いたことだ。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 76 動いてダメなら眠ってみる (写真・文:オカダキサラ)
なんとなく本調子ではない気がする、というのが、何年も続いています。運動不足か筋力不足が原因かと思い、ウェブで筋トレやストレッチを調べてはいろいろ試してみましたが、いまいち効果を実感できていませんでした。 そんなときに、ちょっとした事件が起きました。 恥ずかしながら、先日、終電を逃してしまうまで深酒をしてしまいました。ここまで酔ったのは本当に数年ぶり。楽しい一夜から翌日は二日酔いで半日以上苦しむことになりました。
lifestyle
バンカラ女銘々伝 第12回 自覚なき?「女スパイ」 河原操子 (文:平山亜佐子)
「女スパイ」といえば、古くはマタ・ハリ、川島芳子、戦後でいうと大韓航空機爆破事件実行犯の一人、金賢姫などが思い浮かぶが、そこにひそむロマンを否定することは難しい。 それはひとえに暗殺、盗聴、毒薬、暗号、誘惑などドラマティックなイメージによるものだが、それだけが諜報活動ではない。国家の安全保障のために情報を集めたり、人を匿ったり、伝言を受け渡したりすることも立派な(というとおかしいが)スパイ行為である。 河原操子がカラチン王家の家庭教師として日本をたったとき、メディアは「勇ましき家庭教師」と報じた。そして実際、操子は教師としての任にも十二分に応えた。
2024年09月11日 Vol.612
travel
韓国江原道オン・ザ・ロード 4 チャムソリ蓄音機・エジソン科学博物館
7月から続けてきた「韓国江原道オン・ザ・ロード」、最終回は江陵(カンヌン)市のビーチリゾート・エリアにある「チャムソリ蓄音機・エジソン科学博物館」にお連れする。ソウルから高速鉄道KTXなら1時間半、高速バスでも2時間半ほどで着く江原道の海辺の街・江陵は、手軽なリゾート地として人気。しかしおしゃれカフェが並ぶビーチサイドの裏手にあるミュージアムまで足を伸ばす向学心旺盛な韓国人は、残念ながらあまりいないようだ・・・・・・。 ちょっと見は小さなショッピングモールふうのチャムソリ蓄音機・エジソン科学博物館は、その名のとおり(チャムソリは真・音の意)は蓄音機・映画・エジソンの発明品という3テーマの、およそ5千点とも8千点とも言われる厖大なコレクションを4つ並んだ展示館に詰め込んだ予想外に充実のミュージアム(すべては展示できないので常時展示替え)。
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 49話 待ちに待った面接!! (画・文:新開のり子)
やはり、社員の道は諦めるしかなさそうです。 そんな時、求人募集で「オープンニングスタッフ募集‼️正社員‼️年齢不問‼️」に目がいきます。 どうやらオシャレなパン屋さんです。 年齢も大丈夫そうです‼️ さっそく申し込みをすると面接に来てくださいというので行きました。 気持ちは、もう合格した気分です。
photography
Freestyle China 即興中華 公園の性張力:孫一氷「公園奇譚」より (写真:孫一氷 / 文:吉井忍)
友人に「公園に行こう」と誘われたら、あなたはどんな場所を思い浮かべるか、何を準備するか。それが日本と中国では大きく異なる。北京在住の写真家・孫一氷(ソン・イービン)さんの個展「公園奇譚」を訪ねて、改めてそれを意識した。 孫さんはコロナ期間中、北京にある公園を訪ね歩き、そこで体を鍛える高齢者たちを撮影していた。鉄棒や雲梯、健康遊具を巧みに使いこなし、抜群の身体能力で華麗なポーズを決める高齢者たちは中国でも話題を集め、2023年には写真集『在公園』(孤独図書館)が出版された。原宿のギャラリー・SOMSOCで行われた今回の個展(8月11日終了)は、孫さんにとって日本初の個展で、これに合わせて中国版に未掲載の作品も収録した写真集『公園奇譚 SAGA IN THE PARK』(研美株式会社、2024年)を制作。
lifestyle
おいでよヘンタイの森 13 くすぐりTくん 文・イラスト:mimi(会社経営&フリー女王様)
とってもとっても大きな男の人が くすぐられてるだけ あんあんあえぎ 昇天寸前にまでなってしまうなんて 見たことはないでしょう でもわたしのオフ会に長年きてくれたTくんは そんなM男くん
design
デザインの世間体 014 公私混合サニーデイ (写真・文:若生友見)
この連載の初回でも自己紹介をしましたが、私は大学の卒業制作から「ragan(ラガン)」シリーズという本の形態の作品を作り続けています。今回はその第1作目をご紹介します。 いろいろあって(とくにたいした理由ではないのですが)自費出版としてのナンバリングは24番目になっているものの、卒業制作として作った10作のうち、最初に完成させたのがこの「Native Tongues」でした。
photography
妄想ホテル room:042 夏の終わり 卒業写真 (写真・文:フクサコアヤコ)
「被写体をやめることにしました。最後に写真を撮っていただけませんか」 そんなメールをもらったのは夏の始め、今年最初の蝉の声を聞くころだった。 『被写体という仮面を捨てて「ただの女」になる今こそ、フクサコさんに撮っていただきたいんです』とそのメールには綴られていた。 被写体の「始まり」と「終わり」、私はなぜかその両方に立ち会うことが多い。 被写体を始めるのにはそれぞれにその人だけの理由があって、私はその物語をなるべく記録したいと思いながら撮影に臨んでいる。そしてそれは「終わり」も同じ。
2024年09月04日 Vol.611
photography
AIカメラクラブにようこそ
いまから1年ぐらい前だろうか、Instagramに不思議な画像が流れてきて、思わず見入ってしまった。それはセピアがかった、見るからに何十年も前のアメリカの風景や人物写真なのだが、なんだかモノクロームの夢というか悪夢のなかに入り込んだように、ものすごく奇妙なカメラや建築が写り込んでいる。写真だからすごくリアルだけど、よく見るとあり得ないようなディテールがあったりもする。こんな写真家、どうしていままで知らなかったんだろう!と驚いて投稿者を見ると、「The AI Camera Club」と書いてある。AIカメラクラブ? さらに探していくと、それはティモシー・アーチボルドが去年始めた風変わりで魅力的な写真シリーズなのだった。
design
デザインの世間体 013 狂い咲きショッピングストリート (写真・文:若生友見)
商店街。 Wikipediaによると「商店街とは、商店が集まっている地区や、商店が建ち並んでいる通りのことをいう。また、地域の商店主の集まりを指す場合もある。」と、かなりざっくりと定義されています。記事内では渋谷の公園通りやラフォーレ原宿周辺まで商店街の範疇に含まれているようです……ということは銀座も例外ではないでしょう。 でも、心理的に銀座を「商店街」と呼ぶことに抵抗感がある人は多いのではないでしょうか。それなのに「銀座」と名のつく商店街(あるいは飲屋街)は日本各地に無数にあるのはおもしろい事実です。 さて、今回の本題は商店街そのものではなく、商店街にありがちなこれです。
lifestyle
バンカラ女銘々伝 第11回 「民権ばあさん」とよばれた女 楠瀬喜多 (文:平山亜佐子)
前回は据置貯金を奨励して全国行脚をした「軍艦女史」こと阿部銀子を紹介したが、今回は女性に参政権を与えよとかなり早い時期に主張した通称「民権ばあさん」、楠瀬喜多について書こうと思う。 但し、その伝説には虚実入り混じっているので注意が必要である。 喜多は1836(天保7)年9月9日、高知市弘岡町雑喉場の米穀商人、袈裟丸儀平のもとに生まれた。父の名を西村熊次とし、職業は車力人夫で背中から腕にかけて昇龍降龍の彫り物の入った勇み肌、家では荒くれものたちに囲まれていたとする資料もあるが間違いである。
art
暗黒絵日記 のり子の夢は夜ひらく 48話 50代の就職活動 (画・文:新開のり子)
この歳で思いもよらない転職活動を始めることになりました。 毎日当たり前のように会社に行っていた時を思うと社員を辞めるなんて考えてもいませんでした。 やはり次も社員として働きたいと思い、求人サイトで社員登用ありの求人を探し始めました。 今までの経験から、毎日毎日何が起こるかわからないよりも、毎日同じルーティンでやる事の方が好きだということがわかりました。
art
楽園の森口裕二
現代美術とはずいぶん離れたフィールドで活動しながら、国内外で人気の高い画家・森口裕二の豪華画集『楽園』が2年あまりの制作期間を経てようやく完成。今月中には発売となり、あわせて刊行記念個展が新御徒町mograg galleryで開催される。発行元の青林工藝舎の『アックス』ではこれまで幾度か巻頭特集が組まれているので、すでにおなじみの熱心なファンもいるはず。僕は不勉強で最近になって森口さんを知るようになったのだが、画集に解説文を依頼されたこともあり、刊行と展示を間近に控えたタイミングで紹介しておきたい。
photography
ニュー・シャッター・パラダイス 75 かくれんぼ (写真・文:オカダキサラ)
ホラー映画の何が苦手かというと、驚かされることです。後ろを振り返ったら化け物がいて、まさに襲いかかろうとしていた、というシーンは、展開をいくら予測できたとしてもびっくりします。 私は会社員時代、リフォームマンションの撮影を担当していました。中には「あれ?なんか嫌な感じがする…」と思う現場もいくつかありました。間取りや家具の配置ではなく、家の中に自分以外の何者かの気配を感じるのです。
travel
ユーラシア後ろ歩き 15 天の湖、ナムツォへ (文・写真:多田麻美)
ナムツォに行こう、と決めたものの、私は肝心の行き方をおじさんに聞くのを忘れていた。外国人に人気の観光地であれ、地元の人の間で有名な巡礼地であれ、きちんとアップデートされた正確な情報がないと、なかなかたどり着けないどころか、かなり無駄足を踏みかねないということを、私は身に染みて知っていた。どこかにきちんと辿り着きたければ一番確実なのは、そこに最近行ったことある人に話を聞くこと。数人に聞いて比較できれば、さらに安心だ。 次の日、私は散歩をした後、私は恐る恐る例の店を覗いてみた。情報を得たいという気持ちやおじさんの恋愛への応援より、怖いもの見たさの気持ちの方が若干、勝っていた。
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ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!