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2016年05月25日 Vol.213
travel
海辺の町のロウ人形館
南インド・ケララ州のコーチン(コチ)は、アラビア海に面した大都市。観光のメインとなる旧市街フォートコーチンと川を隔てた、新市街にある「ケララ州で2番目に大きいショッピングモール」というオベロンモールの3階に『スニルズ・セレブリティ・ワックス・ミュージアム(Sunil's Celebrity Wax Museum)』があった。旧市街の美しいポルトガル建築や、『地獄の黙示録』気分に浸れるバックウォーター・クルーズとかを取材しとけばいいものを、なぜに南インドまで来てロウ人形館を・・・と思わなくもないが、ロードサイダーズなんだからしょうがないです!
travel
昼下がりのインディアン・コーヒーハウス
インドを旅するひとの多くが抱く不安、それが「腹具合」であることは、インド通にも異論がないだろう。体温以上の気温のなか、ふだん食べ慣れないスパイシーなインド料理を毎日食べていれば、どんなに丈夫な胃腸でも疲れが溜まるはず。ディスカバリーチャンネルで世界中の庶民の料理を食べ歩く人気番組『アンソニー世界を喰らう』を、もう10年以上も続けているシェフ兼作家のアンソニー・ボーデインによれば、「スタッフのなかでいちばん食あたりになりやすいのは、屋台料理や地元料理におじけづくタイプ、そういうやつに限ってホテルの朝食バイキングで腹を壊す」らしい。ま、そうは言っても、ベテラン旅人ですら「下痢の洗礼」をいちども受けずに長期間、インドを旅することは難しいはず。数日間のパック旅行ならともかく、ある程度の期間インドを旅する場合、否応なくヘビーローテーションすることになる店がある。それが「インディアン・コーヒーハウス」だ。
fashion
捨てられないTシャツ 42
PR-y/40歳男性(キュレーター)/広島県生まれ。家の裏はヤクザの事務所で、周囲は飲み屋や風俗街が並ぶ環境で育つ。家の前はポルノ映画館で、小さい頃から常に女性の裸の写真を目にしてきたため、エロに対する免疫力が薄れ、あまり興味関心を持てないでいた。少年時代は野球チームに所属し活躍。通っていた体操教室ではバク転をこなすなど、人前にスポーツもやっていたが、集団行動が苦手で次第に「週刊少年ジャンプ」の漫画を読み漁ったり、ファミコンゲームに熱中したりするインドアな子どもになっていった。
art
アウトサイダー・キュレーター日記 15 小林伸一(写真・文:櫛野展正)
横浜市の西区と保土ケ谷区をまたにかける洪福寺松原商店街。ダンボールを屋根に積み上げた光景が名物の外川商店をはじめ、あたたかい下町人情が漂い、「ハマのアメヨコ」としていつも賑わいをみせている。その商店街の中にある総菜店「京町屋」で、なぜかいつも自分のメガネを中性洗剤で洗ってもらっているという人に出逢った。この店の常連でもある小林伸一さんだ。そのメガネは、とても変わっている。レンズはセロハンテープで固定され、耳にかける部分は何重にもガムテープが巻かれていた。
travel
ジワジワ来る関西奇行 07 伝統工芸の街・京都西陣で出会った歌う畳職人(写真・文:吉村智樹)
再婚を機に大阪から京都へ移り住んで4年になる。しかし、いまだに僕は京都についてなにも知らない。ある日、僕はキッチンのダイニングテーブルで、ぱらぱらと週刊誌のページをめくっていた。ページがちょうど藤原紀香と片岡愛之助の入籍を伝える記事に留まったところで、妻がこう言った。妻「藤原紀香ってむかし、『西陣織会館』の着物ショーのバイトをやっとったんやで」
music
電子たくあんの夜
このメルマガが始まって間もない、2012年4月4日号で初めて紹介した、福岡県大牟田市のノイズバンド「電子たくあん」を覚えてらっしゃるだろうか。当時、高校2年生だった驚異のドラマー・村里杏をフィーチャーした電子たくあんは、そのあとも幾度か記事に取り上げたり、DOMMUNEスナック芸術丸にも出演してもらった。あれからもう4年、現在も電子たくあんは活動継続中だ。村里杏ちゃんは他にもさまざまなユニットに参加したり、ソロ・ライブもやったりと、相変わらずエネルギッシュなプレイを続けている。
2016年05月18日 Vol.212
art
太陽と大地と人形の国――ネック・チャンドのロックガーデン訪問記
コルビジェのキャピトル・コンプレックスに隣接する広大な彫刻庭園が「ネック・チャンドのロックガーデン」である。ル・コルビュジエではなくて、実はこのロックガーデンが見たくて、僕はここまで来たのだった。アウトサイダーアート/アールブリュット・ファンにとって、生涯でいちどは訪れなくてはならない場所が、2カ所ある。そのひとつはフランス・オートリーヴの「郵便配達夫シュヴァルのパレ・イデアル(理想宮)」、そしてもうひとつがネック・チャンドのロックガーデンだ。
fashion
捨てられないTシャツ 41
ユニコーン/40歳女性(アパレルPR)/母親の実家・広島で生まれ、幼稚園までは西明石、そのあと小学校まで神戸で暮らす。小1の終わりごろ、大学病院で働いていた父親が留学することになり、テキサス州ダラスに家族で引っ越した。平日は現地の小学校、土曜は日本人学校に通うが、とにかくカルチャーショックが凄くて。アイスクリームは学校で売ってるし、トイレに行ってる間に同級生が机からなにか盗もうとしてるし!
photography
昭和の終わりの新宿で
新宿区三栄町、といっても地元の人間以外にはイメージが浮かばないだろう。JR.四ッ谷駅から徒歩約10分、市ヶ谷の防衛省方面に下る坂道の途中にある、静かな住宅街にあるのが新宿歴史博物館。本メルマガではすでに2014年3月19日号で『新宿・昭和40年代 ―熱き時代の新宿風景―』、2015年1月7日号で『新宿・昭和50―60年代 <昭和>の終わりの新宿風景』と、ふたつの新宿風景写真展を紹介してきた。新宿歴博では2010年から新宿の風景写真展を連続開催してきたそうだが、その総まとめとして、太平洋戦争終戦から昭和の終わりまでの変遷を写し取った、約100枚のプリントによる『戦後昭和の新宿風景 1945―1989』を開催中だ(6月12日まで)。
2016年05月11日 Vol.211
art
死刑台のギャラリー――極限芸術2~死刑囚は描く~
広島県福山市の「鞆の津ミュージアム」を、これまで本メルマガでは何回も紹介してきた。全国各地に続々と誕生しつつあるアウトサイダー・アート/アールブリュット関連展示施設のうちで、ほとんど唯一「障害者」という枠組みをあえて逸脱しようとする姿勢が際立つ、本来的なアウトサイダー精神に深く共感したからだった。ヤンキーにスピリチュアル系、ただ単に「我が道を行く」変人表現者まで――福祉施設を母体に持ちながら、それはどんな公立美術館も手をつけない、ひりつくリアリティに満ちた企画で、だからこそ全国から熱心な来館者たちを集めていたのだが、そのキュレーションの中心にいたのが櫛野展正だった。本メルマガでも「アウトサイダー・キュレーター日記」を連載している櫛野くんが、昨年末で鞆の津ミュージアムを離れ、同じ福山市内に開いたのが「クシノテラス」。その第1回目の本格的な展示として、『極限芸術2~死刑囚は描く~』が先月末から開催中だ(8月29日まで)。
design
手帳類収集プロジェクト――名もなき誰かの記録を読み解く(写真・文:イチゴドロボウ)
こんにちは。イチゴドロボウです。前回取り上げたのは、80年代バブル期ファンシーキャラクターグッズにみられる文化を「保護」するためのコレクションでした。今回も引き続いて「コレクション」をテーマに記していきます。突然ですが、デジタルとアナログ、どちらがお好みでしょうか。スマホ依存が騒がれる?世の中ですが、ペンを持って紙に書くという行為は、なんだかんだいっても尚、生き残り続けている、そんな気がしませんか。その証拠にみなさんお持ちのカバンの中に、少なくともボールペン1本・メモ帳、或いはスケジュール帳などの類が1冊は入っていたりするのではないでしょうか。今ではアナログ的な手段となった、手帳などの「紙」類に、個人が私的に書き記す行為と記録がもたらす意味を考えるきっかけとなるような、「個人の記録」の数々をご紹介いたします。
fashion
捨てられないTシャツ 40
ネクタイ/37歳男性(通販会社勤務)/田んぼに囲まれた山形の町に生まれた。喘息、アトピー、アレルギー持ちとなかなか病弱な子供だったようだが、いつの間にか全部治った。通っていた保育園で、納豆ごはん・卵かけご飯・納豆卵かけご飯を毎昼ローテーションで食べさせられたのがよかったのか。幼稚園では非常にもてた。卒園式の日、保育士の先生からひとりだけこっそりと超合金のおもちゃをプレゼントされた。こんな異常な状態は今だけだろうな、と幼心に予感していた。見事に当たった。
art
絶滅サイト 04「巨大ラジコン戦車」~「日本全国街並風景」(文:ハマザキカク)
8分の1から4分の1スケールの超巨大ラジコン戦車を扱ったサイト。4分の1のものは、実際の戦車と見間違えるほどのインパクト。実際に砲弾が発射されそうな勢いである。置き場所に困るが、これは金持ちだったら絶対欲しくなる。実際にトップページで「各著名人や中東の王族達も、当RC戦車を非常にインパクトがあり実際に力強く可動する、最高の嗜好品として購入している」と記載されている。値段は50万から160万ほど。「あらゆる戦車を再現させます。新モデルご希望の際はご相談下さい」とあり、オーダーメイドだったのだろうか。しかし会社名の「DOMUS INC」で検索すると、代金を振り込んだのに納品されないと訴える被害者による告発サイトもあり、現在行方不明のようだ。実際に購入した人のレポートもあるのでビジネスが行き詰まったのだろうか。一時期は『ホビージャパン』等の雑誌でも紹介されていただけに残念である。
travel
案山子X 31:深川かかしコンクール(東京)(写真・文:ai7n)
こんにちは。ai7n(アイン)です。いつも自然豊かな場所に佇む田舎のかかしばかりを紹介していますが、今回は都市のかかしを紹介します。今回ご紹介するのは、東京都江東区三好にある深川資料館通り商店街で毎年開催されている「深川かかしコンクール」。2015年に18回目を迎えました。東京メトロもしくは都営地下鉄の清澄白河駅から徒歩3分ほどの場所にある深川資料館通り商店街。現代美術館へと続く800メートル程の道中に約100店の店舗があります。近くには深川江戸資料館、清澄庭園、東京都現代美術館等があり、昔ながらの商店が多く残る街です。
2016年05月04日 Vol.210
art
『針工場』――豊島に大竹伸朗の新作を訪ねて
今年は瀬戸内国際芸術祭の開催年だ。2010年、2013年に続く3回目。4月17日までの春会期にいち早く訪れたかたもいらっしゃるだろう。直島、小豆島と並んで多くの作品が集まる豊島(てしま)には大竹伸朗の新作『針工場』が完成。直島の『直島銭湯I♥湯』『はいしゃ/舌上夢/ポッコン覗』女木島『女根/めこん』に次ぐ4つめのプロジェクトとなった。
travel
さいはて日記帳 vol.03 夢のさいはて(写真・文:金原みわ)
はじめに断りを入れておこうと思う。わたしは何か書きものをする最初に「良い感じの落とし所」を考える。「良い感じ」というのが自分でもズルいと思うのだが、その方が書いてても読んでても圧倒的に後味が良いと思うからだ。でも残念なことに、どうやっても落とし所が分からない出来事に遭遇することもある。世の中、そんなに後味が良いものばかりではないのだ。ここは静岡県、全国有数の温泉地である熱海だ。ここを訪れている目的は他でもない。ストリップ劇場「熱海銀座劇場」が営業をしているという話を知ったからである。
fashion
捨てられないTシャツ 39
デストロイヤー/49歳男性(アートディレクター)/母親の実家のある岡山県倉敷市に生まれる。父親の仕事の関係で滋賀県野洲市(当時は町)で幼少期を過ごす。地元では「近江富士」と呼ばれる三上山のふもと、田んぼが広がるのどかな場所。住まいは父親の会社の社宅で、裏手に保育園、道を挟んで向かいに小学校という、通園通学には非常に便利な場所だったが、極度の人見知りから最初の1年間は登園拒否児童となり、昼間はずっと家で母親と過ごしていた。
art
ストレンジャー・ザン・ミュージアム――5月の特殊展覧会ガイド
連休中に、といってもすでに後半戦だけど、ゆっくり展覧会を巡ってみようと考えてるひともいらっしゃるだろう。先週のメルマガでは埼玉県立近代美術館の『ジャック=アンリ・ラルティーグ展』という、とびきりエレガントな写真展を紹介したが、今週はがらりと趣を変えて! エロだったりグロだったりファンキーだったり、とにかくふつうの美術館ではぜったい扱わないような、ビザールな展覧会を3つまとめてご紹介する。銀座のフェティッシュ専門ギャラリー、新宿二丁目のバー、京都の古書店・・・場所もさまざま、展示内容もさまざま。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!