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ハマザキカク
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新連載! 絶滅サイト 01「人工言語野」~「長崎ちゃんぽん」(文:ハマザキカク)
ハマザキカクという編集者がいる。硬派の出版社に勤務しながら、みずから書いた『ベスト珍書 このヘンな本がすごい!』を刊行したり、『アイラブユーゴ3』『ココロピルブック』『絶対に解けない受験世界史』『超高層ビビル4』など数々の奇書を手がけてきた、稀代の「珍書プロデューサー」であり、さらに「辺境デスメタル・ヒップホップ愛好家」でもある。前から気になっていたハマザキカクさんとじっくり話す機会が最近あって、おしゃべりしているうちに話が盛り上がり、いきなりメルマガでの連載をお願いすることになった。今回のテーマは「絶滅危惧種のウェブサイト」。これから月にいちどのペースで、とてつもないワールドワイドウェブの徒花たちをご紹介いただく。気になるサイトがあったら、ぜひ飛んでみていただきたい。絶滅危惧種たちは、いつまでそこにいてくれるのか、だれにもわからないのだから。
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絶滅サイト 02「自作大腸カメラ」~「台湾軽便鉄路」(文:ハマザキカク)
先月からスタートした珍書プロデューサー・ハマザキカクさんによる新連載「絶滅危惧種のウェブサイト」。今回もまた、とてつもないワールドワイドウェブの徒花たちをご紹介いただく。気になるサイトがあったら、ぜひ飛んでみていただきたい。絶滅危惧種たちは、いつまでそこにいてくれるのか、だれにもわからないのだから。
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絶滅サイト 03「誤訳映画字幕」~「有名人死亡時年齢リスト」(文:ハマザキカク)
安保・全共闘世代にファンが多い趣味「プロレタリアの歌」――筆者は2011年に『世界軍歌全集』という本を編集したが、その頃、他に似たようなテーマのものも複数見つけていた。北朝鮮の軍歌、ソ連の軍歌を集めているサイトなどがあったが、革命歌・労働歌を集めているのがこれ。残念なことにWayback Machineでも復元できないリンクがほとんどだが、色々な曲が紹介されていた。「「安保」粉砕」や「群馬共産党事件革命歌」などの曲名がインパクトある。「プロレタリアの歌を聴こう!」というコーナーでは、確か曲も聴けたはずだ。
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絶滅サイト 04「巨大ラジコン戦車」~「日本全国街並風景」(文:ハマザキカク)
8分の1から4分の1スケールの超巨大ラジコン戦車を扱ったサイト。4分の1のものは、実際の戦車と見間違えるほどのインパクト。実際に砲弾が発射されそうな勢いである。置き場所に困るが、これは金持ちだったら絶対欲しくなる。実際にトップページで「各著名人や中東の王族達も、当RC戦車を非常にインパクトがあり実際に力強く可動する、最高の嗜好品として購入している」と記載されている。値段は50万から160万ほど。「あらゆる戦車を再現させます。新モデルご希望の際はご相談下さい」とあり、オーダーメイドだったのだろうか。しかし会社名の「DOMUS INC」で検索すると、代金を振り込んだのに納品されないと訴える被害者による告発サイトもあり、現在行方不明のようだ。実際に購入した人のレポートもあるのでビジネスが行き詰まったのだろうか。一時期は『ホビージャパン』等の雑誌でも紹介されていただけに残念である。
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絶滅サイト 05「AV年表」~「幼児ペダルカー・コレクション」(文:ハマザキカク)
『白髪三千帖のフライングサーカス』という個人サイトの1コーナー。他は『シベリア超特急』や音楽のレビュー、個人の日記など他愛もないものだが、この紙ナプキンコレクションのコーナーだけ異彩を放っている。サイト上でも「当サイトのメインコンテンツ」と明記されている。喫茶店やファーストフード、中華料理屋、アミューズメント、洋風レストラン、和風レストラン、とんかつ屋など細かいカテゴリーに別けられている。残念ながら画像の復元は全く出来ないが、文章のレビューが詳しく記されている。また肌触りやデザイン、使いやすさ、希少性、総合評価などの項目で5点満点の評価を下し、オマケにトイレットペーパーに転用可能かどうかというジャッジも。
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絶滅サイト 06「特殊特許」~「ミスターピーナッツ」(文:ハマザキカク)
ハゲ応援サイト「SkinHeads Web」サイトの一番上に「LAST UPDATE」で今日の日付が表示されているので、久々に更新されているのかと思いきや、機械の誤作動で最終更新日は2001年。実に15年以上も期間放置されているのである。スキンヘッドと言い換えれば格好いいが、ハゲを集めたサイトである。ただ確かに欧米では髪が薄くなるぐらいだったら、剃り上げた方が格好良いという雰囲気で、実際にバンドマンでもスキンヘッドで格好いい人は大勢いる。メタルの世界でも長髪ではなく敢えてスキンヘッドにしている人もいるので、市民権を得てきていると言えるだろう。ちなみに極東の日本、中国、韓国では欧米に較べて中年男性のカツラ着用率が突出して高い様だ。歴史上の有名なスキンヘッドを紹介していて、シェークスピアや親鸞、ナポレオン、レーニン、東条英機、ムッソリーニなどが挙げられている。要するハゲオヤジ列伝という事だ。現代の人でもロバート・デ・ニーロやショーン・コネリーなど。
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絶滅サイト 07「怪しい国巡り」~「おもしろ絵馬」(文:ハマザキカク)
今更だが世の中には変わった物を集めるコレクターがいるものだ。バナナのラベルを集めている人は結構いるのだが、アボカドのラベルはかなりレアではないだろうか。ラベルだけを集めている訳ではなく、アボカドに関する事なら何でも大好きな様だ。ホームページでは他にアボカドの選び方、成分、カロリー、国産アボカドなどアボカドに関するありとあらゆる切り口のテーマが設けられている。料理方法も充実しており、グアカモレというメキシコ料理、サラダ、アボカド納豆、台湾のアボカドジュース、アボカド茶漬けなど珍しいものが紹介されている。自宅でアボカドを栽培する方法まで紹介されている。アボカドの語源はアステカ人のナワトル語で「睾丸」を意味するらしい。英語では別名「Soldier's Butter」とも言われるとの事。ちなみに日本では「アボカド」ではなく「アボガド」と言ってしまっている人が1.6倍いるらしいので、要注意だ。
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絶滅サイト 08「逆レイプ情報」~「珍車の街角」(文:ハマザキカク)
「お漏らし」をした時の体験談を集めたサイト。「おもらしウェブリング」なるものが一番上に掲載されおり、お漏らしに関するウェブサイト達に参加を呼びかけている。今となってはどういうサイトが加盟していたのかは不明。Web1.0時代はリンク集やウェブリングが流行っていた。ホームページの真ん中に「おもらしで繋ぐ友情!!」という言葉が記され、それとは関係あるのかよく分からない日本人女性と外国人が笑顔で映る写真が掲載されている。サイト運営者のプロフィールでは「女性のおもらしに興味があり、当サイトを開設しました」とある。それぞれのエピソードでは「高校生の時学校へ行く途中で 体験者:なっちさん 記載日:3月16日」などというタイトルが記載されており、中を見ると女性と運営者がどういうシチュエーションでお漏らしをしたのか語っている。こんな事をわざわざ他人に打ち明ける女性がいるとは考えにくいので、全て自作自演の可能性がある。
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絶滅サイト 09「雅子さま」~「旧ソ連のエアライン」(文:ハマザキカク)
「スポーツセックス推進委員会 (SportSex)」――『珍スポーツ』という企画を考えた時に、それはそれで色々あるのを知ったのだが、一石二鳥になると思ったのがセックスとスポーツを融合させたもの。汗も掛けるし、子作りにも励めるし、ダイエットにもなるし、気持ちが良い。そんな事を考えている人がいないかな?と探したら、ドンピシャで出てきたのがこのサイト。しかしこれは見れば分かるが何かのアフィリエートサイト。この「Sport-sex」というドメインを確保しておくために「子宮頸がんについて」や「ノードラッグ!」という適当に無関係のコンテンツを乗っけているのが明らかだ。スポーツという訳ではないのだがドルショック竹下著『セックス・ダイエット』という本が出ていて、実際にセックスで痩せる方法を指南している。こうなったら『オナニースポーツ』という本を出して、自家発電しながら筋トレも出来る様なマニュアルを作るしかないのかもしれない。
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絶滅サイト 10「超長髪女性」~「ナチズム」(文:ハマザキカク)
超長髪女性の専門サイト『Long Hair Magazine』――このサイトは何度か本気で出版の依頼メールを出そうか迷った事があるので、正直この『絶滅サイト』で紹介するには躊躇いがある。超が付くほどのロングヘアーの女性達の写真を沢山掲載したサイトである。1997年から開始しているので相当な老舗サイト。閉鎖された訳ではないのだが、最後に確認出来る更新日は2013年で、それも2回のみで2009年以降はあまり目立った動きがない。ブログへのリンクがあるのだが、それの最終更新は2012年。ただロングヘアだったら良いわけではなく、染めていないのも必須条件だ。ロングヘアの女性の写真集にはインタビューも掲載されており、手入れの仕方やいつから伸ばしているのかなどを聞いてる。他に「ロングヘアの有名人」や「ロングヘアとファッション」「ビューティフルヘア」などのコラムも多種多様に設けられていて、コンテンツ作成能力が高い。こうやって説明を書いていると、また依頼したくなってきてしまった。
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絶滅サイト 11「航空機事故」~「カレーライス研究会」(文:ハマザキカク)
『全翼機の世界』(1997年~2004年 運営期間7年 放置期間12年)――全翼機とは胴体がなくて、全身が翼の形をした飛行機のこと。見た目がブーメランの様で異様だ。ノースロップのステルス機と言えば分かるだろうか。その謎めいた全翼機に特化したサイト。それだけで貴重なテーマだと言える。実際に今まで日本では本や雑誌のトピックとして取り上げられる事はあっても、全翼機に特化した書籍は全く出版されていないようだ。全翼機の解説から始まり、「全翼機図鑑」「日本の無尾翼機」「全翼機 Link」「全翼機おもちゃ箱」などコンテンツがバリエーションに富んでおり、ホームページ自体のクオリティは高い。ノースロップだけでなく、ホルテンやそれ以外のメーカーの全翼機を紹介している。おもちゃコーナーではプラモデルだけでなくワッペンや、全翼機が出てくる映画やビデオまで集めている。難点なのは図鑑で掲載されている写真が他の出版物からの転載で、一切著作権を有していないと宣言している事だ。
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絶滅サイト 12「カイトと散歩」~「日本女子の髪型の歴史」(文:ハマザキカク)
いつどこで何発の花火が打たれてるのかを網羅――『花火大会データベース』(2005年~2009年 運営期間4年 絶滅期間10年)/日本全国のいつどこで花火大会が開催されているかを紹介したサイト。しかしこれは一見、何か人間の手で構築されたものではなく、機械的なbotの様なもので収集されたのかと勘ぐってしまうほど、無味無臭のサイト。トップページには各地域の花火大会の「名称」「時刻」そして「詳細が載っているだけ。また頭には日本全国の簡易地図が掲載されていて、そこからも飛べる様になっていた様だ。各花火大会の「詳細」に飛ぶと「開催日」や「玉数」「会場名」「交通」といった細かい項目も。「玉数」は門外漢からすると全く目安が検討も付かないが、ざっと見た限り少ないのは1000発で多いのになると2万だった。
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絶滅サイト 13「シャチハタに認められたい名字」~「モスクワ1990」(文:ハマザキカク)
意外にメジャーな名字も登録されていない『シャチハタに認められたい名字』(2000年~2016年 運営期間16年 絶滅期間1年)/ギャグサイトではないのになんとなくギャグに感じられる。シャチハタとは実は会社名で、朱肉が一緒に付いているハンコの事。既製品で買える名字は2100氏名で、それ以外は特注する必要がある。冒頭には登録されている2100名字が掲載されているが、その下には「メジャーな名字なのに」というコーナーで、意外と取り扱われていない名字が羅列されている。驚いたのが「荻野」「中嶋」「矢部」「高梨」「茂木」「皆川」などがないという事。しかもこれらは名字の多さランキング「名字博士」で1位~500位に入っているとの事である。そう考えると多い順から2100位まで作ればいいのではないかと思うのだが、駄目なのだろうか。「シャチハタに加えて欲しいランキング」というのもあり、クリックしてみたのだが何と文字化け(文字コードを調整すれば見られるのかもしれないが)。ある地方にだけ多い名字というのもあり、2100種全部置いてない店舗では無料で取り寄せられる様だ。
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絶滅サイト 14「面白い日本」~「稜堡式城郭」(文:ハマザキカク)
スチュワーデスの服装の変遷とそれを着ていたOBが登場『CA制服ギャラリー』/2000年~2001年 運営期間1年 絶滅期間16年/スチュワーデスの制服の時代ごとの写真と、当時その制服を着ていたスチュワーデスのOBが「制服の思い出」としてショートインタビューで登場している。なぜ閉鎖してしまったのかよく分からないほど魅力的なコンテンツ。個人によるサイトではなく、ANAの公式サイトの一部だったので組織編成などで消滅してしまったのだろうか。もしかしたらANAのサイトのどこか別のURLに同じコンテンツがあるのかもしれないが。時代は等間隔ではなく1955、1958、1966、1970、1974、1979、1982、1990に別けられているがこれはデザインが変わった年。1990年のものは肩幅が広がっておりバブリーなイメージ。1974年のものはオレンジ一色でパンタロンを履いており、可愛らしく見える。1966年のものはとてもシンプルで清楚で個人的には一番好みだ。1979年のものがバブル期でもなく、レトロっぽさもなく一番ダサく感じる。
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絶滅サイト 15「桜データベース」~「文化祭商店」(文:ハマザキカク)
1998年の時点で1000を越える文化祭を踏破『日本高等学校文化祭研究所』/1999年~2016年 運営期間17年 絶滅期間1年/筆者も高校の文化祭にはかなり燃えたタイプの為、とても興味があったサイトだ。このサイトは正確にいつ閉鎖されたのか突き止めにくいのだが、「文化祭見学校地区別一覧表」では「1998年2月末現在:1104校見学してます」とあるので相当な量である。単純計算で毎週行ったとしても20年掛かる。ざっと見た限りだと1991年頃から文化祭訪問を開始している様だ。そして訪れているのは北は北海道からなのだが、西方面は長崎が一校、高知が二校でそれ以外も中国地方や関西地方が僅かなので基本的には東日本が多い。FAQの「何が面白いの?」では「お金になるわけでもないのに、高校生が必死になって取り組む姿でしょうか。「ばか騒ぎ」をしているのを見ると、私も気分が高揚してきます」とある。
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絶滅サイト 16「煎餅」~「デパート屋上観光案内」(文:ハマザキカク)
英語の解説まで充実『盆踊りの世界』/2003年~2017年 運営期間14年 放置期間0年/全国には500以上の伝統的な盆踊りがあるらしいのだが、そのうち200近くを紹介したサイト。「詳細ガイド」で各地域に別けられており、例えば東京だと「佃島盆踊り」がある。中を見ていくと、盆踊りの写真や歴史、起源伝承、歌、歌詞、動画、日程、プログラムなどが詳しく記されている。雨天の場合中止するかどうかやアクセス方法、駐車場の有無まで記録されており、データベース中のデータベースサイトと言ってもいいだろう。近年『ニッポンのマツリズム 祭り・盆踊りと出会う旅』や『盆踊り 乱交の民俗学』など、盆踊りの書籍が沢山出版されているが、このサイトでは盆踊りの「動画」が豊富にあり、この点は書籍よりも優位性があると言える。サイトの構造が若干分かりにくいのだが、サイトマップを見るとなんと英語のページまで設けられており、それもほんのお情けでなく、かなりのページ数。盆踊りデータベースというより盆踊り大全と言ってもいいかもしれない。
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絶滅サイト 17「バッタもん」~「悪徳商法」(文:ハマザキカク)
ボディビルと怪事件とCGのサイト『ラウンジピュア』(1996年~2011年 運営期間15年 放置期間6年)ここまで無関係な内容が1つにまとめられた混沌とした個人サイトは珍しい。サイトトップページの右上に漫画調の女性ボディービルダーの絵が掲げられている。メインコンテンツとされるのが「ボディビルとフィットネス」で「ボディビル選手権大会・結果レポート」などのコンテンツが設けられている。第二のコンテンツが「事件・ミステリー」。筆者がこのサイトを知った切っ掛けもこの中のコンテンツにある「世界の怪事件・怪人物」だった。「異星人に誘拐され、身体を検査されたヒル夫妻」「隕石の中から出てきた異星人のミイラ」などのトンデモ話の中に「「八つ墓村」のモデルともなった、津山33人殺傷事件」「大韓航空機をソ連戦闘機が撃墜」など歴史上の事実も混在しているのでどうしてもこういったサイトも検索すると出てきてしまうのである。そして第三のコンテンツが「コンピュータグラフィック」。サイト運営者は1063年生まれの吉田浩貴氏である。
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絶滅サイト 18「ヘヴィメタル」~「風呂」(文:ハマザキカク)
「日本コソボ友好協会」――紛争国の友好協会で紛争が勃発したのだろうか(2011年~2015年 運営期間4年 放置期間2年)/コソボは2008年にセルビアから独立を一方的に宣言した新興国だが、日本を含める西側諸国が承認している。ユーゴ紛争の最後の頃に揉めていたが、情勢が落ち着いてきたのか最近日本で話題になることはほとんどないだろう。この協会はコソボと日本の友好を育む目的で2011年に発足した。平成22年の会長はミッキー・ハクシスラミで顧問が中村恭一文教大学教授だ。知らない人も多いかもしれないが、コソボの住民はアルバニア系でアルバニアとの統合を望んでいるものが多い。筆者は2009年に『アルバニアインターナショナル』という本を編集し、共産趣味者達から好評を博した。
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絶滅サイト 19「電車通勤士」~「マルフク看板コレクション」(文:ハマザキカク)
ダジャレというより単に音が似てるだけ『もし中国語をダジャレで覚えたら?』(https://jackal.blog.jp/ 2011年~2016年 運営期間5年 放置期間1年)――筆者が最近編集した本でブレイクしているのが『エロ語呂世界史年号』と『エロ語呂日本史年号』である。エッチな言葉で受験世界史の年号を覚える暗記本である。語呂合わせのテーマは数多くあり、類似企画をやろうと思って色々集めていた時に知ったサイトだったかもしれないのが、本サイト。文字通り中国語を日本語のダジャレにして覚えようというもの。例えば最終更新の「星座」はピンインでは「Xīngzuò」と表記し、発音は「シンズオ」である。したがってダジャレの暗記法として「安倍晋三の星座」が掲載されている。「价格」は「値段」といった意味でピンインは「Jiàgé」で発音は「ジャガー」。そこから導かれるダジャレは「ジャガーの値段」で実は何の捻りもない。2011年から開始され、既に300語以上開発された様なのだが、ただ単に発音が二言語間で似ているというだけだと、結びつきの関連性が乏しく、自然に覚えられる訳ではないのではないだろうか。
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絶滅サイト 20「メンズウォッチング」~「担々麺」(文:ハマザキカク)
ニッチトップを目指せたかもしれないのに、写真や解説が貧弱『担々麺ブログ』(2007年~2011年 運営期間4年 絶滅期間6年)――世の中には無数のラーメンブログやラーメンサイトがあるが、そうしたレッドオーシャンから一歩距離を置いた担々麺や焼きそばなどのジャンルに移るだけで、ニッチトップになれそう。しかしこのブログはグルメブログとしては相当物足りない。訪れた地域が一覧になって右に掲載されているのだが、ほとんどの件数が1件のみ。合計しても50は超えないだろう。それぞれのレビューを見てみると、提供された担々麺を椅子に座った目線から移動することなく撮影しているので、いずれも斜め上な上に、器がフレームから外れていたり、そうでなかったりと不統一で、ピンぼけやフラッシュによる反射が酷く、10年前に撮影されていたものとして見てみても劣悪。レーティングも「おいしさ」と「辛さ」の二項目のみで、「スープ」「コスパ」「雰囲気」「サービス」といった指標はなく、ほとんど参考にならない。感想文もTwitter程度の長さで何の捻りもなく、面白みに欠ける。
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絶滅サイト 21(最終回)「フィギュアスケート」~「地ビール瓶」(文:ハマザキカク)
積雪地方出身者にとっては懐かしい『消火栓写真館』(2013年~2016年 運営期間3年 放置期間1年)――2013年に始まったと見られる消火栓を集めたサイト。日本全国が対象だが、北海道だけ更に「道北」「道央」など細かい地域に別けられているので、北海道出身によるサイトと見られる。九州は福岡、長崎、大分、熊本だけなので沖縄など全国を制覇した訳ではない。消火栓以外に防火水槽も集めている。防火水槽は貯水槽になっているものが多く、地下式の場合、マンホールのような蓋がはめられている。また近くに位置を示す標識が設置されている。地上式は冬季に雪に埋もれてしまう積雪地に多いらしく、北海道出身者がこうした消火栓に惹かれたのも理解ができる。すぐに見つかる必要がある為、景観を損ねるほど目立ったデザインのものが意外と多く、よく見てみるといずれも個性的だ。近年ではマンホールや赤いポストの本も出版されているぐらいなので、消火栓の本が出ても良いかもしれない。サイトは更新が止まっているが、管理人のTwitterは健在。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!