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くまがいはるき

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西成ガギグゲゴ「七人の侍」4 ジャブ(写真・文:くまがいはるき)

SUPREMEの服をさり気なく着こなし、お洒落な被り物をのせてる 毎日来るのに着こなしている服が違う 古着や新作などの服をさらりと着こなすその人物は、私の店ピカスペースに訪れる 七人の侍の一人、ジャブさん 陽気な赤の自転車に乗りながら、これまた陽気に酒を飲む人物である お気に入りのマイク・タイソンのTシャツやボクシング関係のTシャツを着ている時は、さらに陽気で シャドーボクシングをしながら入店してくるのも良くある光景である ジャブさんも古参のお客さんで、6年ほどの常連 日に何度も訪れるのがジャブさんの飲み方だった 「はるちゃん サッポロ!!グラス2つ」と言い 必ずその都度わたしと乾杯する

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lifestyle

新連載! 西成ガギグゲゴ「七人の侍」1 番頭さん(写真・文:くまがいはるき)

ピカスペースの店長である気仙沼はるき(くまがいはるき)さんが、「店を切り盛りしながら、すごくおもしろい文章を書いてるから」と推薦してくれたのがケイタタさん。ピカスペースに出没する特濃常連客たちを描いた文章を読ませてもらったら、なるほどすごくおもしろい! これから数回にわたって、くまがいはるきさんによる『西成ガギグゲゴ』をお送りする。不思議なタイトルの由来はのちに明かされるかもしれないけれど、かつてウェブ上で発表したコレクションに、大幅に加筆していただくことになった。新世界や西成の人間模様をおもしろおかしく描いたものはいくらでもあるけれど、こんなふうに生活に寄り添った記録はなかなか読めないはず。日本でもたぶんあの場所でしか味わえない、甘く饐えた発酵臭に酔っていただけたらうれしい!

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lifestyle

西成ガギグゲゴ「七人の侍」2 伍(写真・文:くまがいはるき)

だいたい日曜日の昼ぐらいに 彼は、訪れる 四等身程のビジュアルで、まったく歯が無い ニカ―と笑うと、何とも言えない表情になる 「今日も持ってきましたよ」だいたいがこの入りである ドン・キホーテで買った、格安の卵をその場で料理しだす 特製のたまご焼きを作ってくれる ダブルソフトのパンも買ってきて、サンドにして その場に居合わせた人達に振る舞う 「はるきさん、いかがですか?」 美味しい 本当に美味しい まったく歯が無い彼の名は、伍 毎回、たまご焼きをつくりに来る たまに、ポテトサラダを大量に仕込み持って来てくれる

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西成ガギグゲゴ「七人の侍」3 えるびす(写真・文:くまがいはるき)

5年ぐらいになるだろうか 意外と上品で、ムードと世界観をもった男が常連になった 出会いを覚えている 男は、かなり泥酔した状態で、軒先を覗いていた 確か、音楽のイベントで音合わせをしている最中だった 「お金無いんだけど、聞いてていい?」 と聞かれたので、中にどうぞと促した 男は、ニコニコしながら聞いていた しばらくして 「エルヴィス・プレスリー弾ける?」 男は、唐突に聞いてきた 演者のひとりがエルヴィス・プレスリーを奏で出した途端 男は立ち上がり全身を躍動させながら歌いだした あまりのパフォーマンスに演者一同も圧倒されて、その後 しばらくの間、男の即興LIVEが続いていった 素晴らしいパフォーマンスだったので酒を一杯ごちそうした 男は「Happy Night!」と言い残し消えた その男こそが、のちのピカスペース七人の侍のひとり【えるびす】である

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西成ガギグゲゴ「七人の侍」5 回路屋(写真・文:くまがいはるき)

七人の侍のひとり、回路屋が店に来たのは4年ほど前だったと思う 私は電子機器が壊れると、捨てる前に中身を開いて構造や部品を取り出してみる 修理に挑戦して、直る場合もまれにある 電子機器を開いて取り出している時に、回路屋が来て手伝ってくれた 何度か忙しい時にかぎって出入りしている人物だった 軍帽をかぶって独り言が多かった ノイズ感が溢れていた あまり深入りしないでおこう そんな印象だった 話したのは初めてだった 「なにをバラしてるんですか?」 そう言いながら店に入って来た 古い蛍光灯が中に詰まった代物だった

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西成ガギグゲゴ「七人の侍」7 はん (写真・文:くまがいはるき)

幼稚園の時、昼飯は給食だった お箸とおしぼりを各児童が準備して給食を食べていた 今は大好物なのだが、片栗粉で揚げられた唐揚げが当時は食べれなかった 唐揚げが給食に出るたびに、おしぼりが入っているプラスチックケースの奥に唐揚げを押し込んで隠していた その唐揚げが、その後どうなったかの記憶が無い あれは、夜の新世界市場だった 縦にまっすぐ伸びる暗がり世界の中から、おっぽりだされたように彼は、私の前に唐突に現れた 頭の上にニット帽をのせた、どこか道化のような風貌だったが、強烈に死臭を放つ浅黒さがそこにあった 8年前にわたしは新世界市場に来たのだが、それから数日後に彼は新世界市場に来て、私と出会った 名は「はん」北海道苫小牧から、ここまで流れてきたみたいだ

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西成ガギグゲゴ「七人の侍」6 DJリハビリ(写真・文:くまがいはるき)

6年ぐらい前だったろうか びっこをひいた瞳孔が開いた男と、服の上からモビルスーツのようなコルセットをした、えびす顔の男が訪れた ふたりは関西人じゃないと、イントネーションですぐにわかった。えびす顔のほうは、七人の侍のひとりで前に紹介した「番頭さん」 瞳孔が開いた男は、今回の主役の「DJリハビリ」 番頭さんはだいたいニコニコしながらしゃべりまくるが、DJリハビリはドスが効いた雰囲気で、番頭さんに調子をあわせながら振る舞っている感じの間柄だった 出会った当初、DJリハビリからは強烈な死臭を感じた そろそろ逝ってしまうんじゃないかと思っていた

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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