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2026年07月01日 Vol.699
art
刑務所アート展 ―― それは自分の影なのか
旧米軍府中基地のものすごく広大な跡地の一部を転用した府中の森公園の一角に、2000年に開館した府中市美術館(「一部」と書いたのは、まだ解体整備中で利用計画が決定していない「留保地」が15ヘクタールも残っているから)。いま90歳にして意外にも美術館で初めての大規模個展という「松本陽子 宵の明星を見た日」が華々しく開催中。同時にコレクション展も、宮崎勇次郎による公開制作も開催中。しかしその脇の市民ギャラリーでは6月23日から28日の6日間だけ、「府中刑務所アート展」が開かれていたことを、どれだけのひとが知っていただろうか。
art
日本画・札幌八景
札幌の地元民はもちろん、観光客でもいちどは通るであろう市営地下鉄大通駅と、東隣のバスセンター前駅を結ぶ長い地下通路(コンコース)の壁面を使った「札幌大通地下ギャラリー 500m美術館」が誕生したのは2011年。それから15年間、「駅施設内の通路に設置するギャラリーとしては日本で最長」の展示空間として、さまざまな作品発表の場として親しまれてきた。通勤通学のうっとうしい気持ちを少し明るくしてくれて、しかも通路なので観覧無料で。 その500m美術館で、7月1日まで開催されていたのが「日本画 札幌八景」。最終日の紹介になってしまって申し訳ない・・・。 ギリギリだけど観に行きたかったのは、去年2月に「等身大の生活画」で紹介した日本画家・葛西由香さんが「八景を構成する8人のひとりとして参加しているからだった。
2026年06月24日 Vol.698
photography
JAPONICA LOVEHOTEL すぐそこにあった楽園たちへ
2024年と26年に根本敬+濱口健 二人展「カラトリヲ」を紹介した東京・北区田端のWISH LESS gallery で、7月11日から那部亜弓個展「JAPONICA LOVEHOTEL」が開催される。 那部亜弓(なべ・あゆみ)は廃墟探訪から撮影活動を始め、2018年頃から現役のラブホテルにも目を向け、全国を撮影してきた写真家であり、アーキビストでもある。2024年には最初の集大成ともいえる写真集『HOTEL目白エンペラー』(東京キララ社)を出版。それ以前からも「推しのホテル」の全客室を撮影した自費出版物などを見て、すごいひとがいるな~と思っていたので、この機会に本人にお話をうかがわせていただいた。
fashion
チャイナドレスという解放装置
先週の編集後記でもちょっとだけ紹介した、飯田橋の日中友好会館美術館で開催中の「心惹かれるチャイナドレス――100年前のモダン都市に生まれた美の装い」。静かな話題を呼んでいる展覧会で報道も多かったし、もう観に行ってきたひともいるはず。会期が今月28日までと閉幕が迫ってしまったタイミングで申し訳ないが、とても興味深い展示だったので、駆け足で紹介しておきたい。 戦前の満州国留日学生会館に遡る歴史を有する公益財団法人日中友好会館。ここの日中学院で中国語を勉強したひとがけっこういるだろうし、中国茶ファンには常に数十種類の茶葉を揃えた「中国茶芸苑 馥(フク)」もよく知られている。
2026年06月17日 Vol.697
art
ケニー・シャーフとキース・ヘリング ――80年代ニューヨークの光と影への旅
世界で唯一、キース・ヘリングに特化した美術館が小淵沢に開かれて、来年で20年になる。開館当時は高原リゾートの小淵沢になぜ?と思いつつ見学に行って、それから20年近く経った現在も世界で唯一のまま、キース・ヘリングの幅広い創作を伝える場所として中村キース・ヘリング美術館はユニークな存在となっている。コレクターで創設者の中村和男さんは昨年12月に残念ながら逝去されたが、残されたスタッフたちが館を維持し、この6月6日からスタートさせたばかりの展覧会が「K!K! ケニー・シャーフ&キース・ヘリング」。ふたりとも1958年生まれ、キースはペンシルヴァニアから、ケニーはロサンジェルスから78年にニューヨークに出てきて、SVA(スクール・オブ・ビジュアルアーツ)で出会い、最初はロウアーイーストサイド、そのあとタイムズスクエアのアパートをシェアしながら、アーティストとしての活動を初めていったのだった。
movie
ピンク映画に染まる2夜!
今週日曜日と再来週の7月3日に,ピンク映画に関連したイベントが2回あるので、まとめてお知らせします! まずは――本宮映画劇場112周年記念『映宝展~映画の秘宝館』! ロードサイダーズにはもうおなじみ、今年で112周年を迎える福島の本宮映画劇場。2013年12月に「世界を桃色に染めて――本宮映画劇場ポスター・コレクション」を3週連続で掲載したのを皮切りに、これまで何度も紹介してきた奇跡の映画アーカイブです。先週も告知しましたが、その本宮映劇の開館112周年!を祝う特別企画「映宝展~映画の秘宝館」が今週末に開催。19~21日の3日間、高円寺HoiPoiという、普段は立ち飲みコンビニになっている店の2階・畳敷き和室でさまざまなプログラムが組まれています。
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カテゴリ別バックナンバー
BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!















