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ブルース・オズボーン
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 01 ブルース・オズボーン(写真家)
今年で40年周年を迎えた「親子」写真シリーズでもっともよく知られる写真家ブルース・オズボーン。僕もずっと前にいちど、亡き父と一緒に撮ってもらったことがあるけれど、1982年にスタートした「親子」のプロジェクトは、もう3代目の親子を撮影することもあるという超ロングシリーズとなって、いまも続行中だ。 この春、高輪の泉岳寺近くにあるアダンという店で、ブルースのカリフォルニア時代の写真展を開いていると聞き、懐かしくなって足を運んでみたら、ブルースと奥さんの佳子さんと店主の河内一作さんが、まだ外が明るいうちから飲んでいた。
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 02 写真家への第一歩 ブルース・オズボーン(写真家)
仕事探し――アートセンター卒業後に直面したのが職探しだった。アートを専攻した学生誰もが経験する難関。一筋縄ではいかない。電話でアポを取り、大きなケースに入れた作品を持って写真家に会いに行くというのが、写真家を志す当時の学生の定番。ちょうど同じ頃に職探をしていた仲良しのDotとVivとも、彼女たちのアパートに詰めて一緒に仕事を探したものだった。電話をかける先は写真家に限らずアートディレクター、デザイナー、レコード会社、雑誌、その他なんでも可能性がありそうな相手に電話をかけまくった。電話をかける先は3人で共有。3人が5分刻みでかけるので、先方も不思議に思ったろう。当然アポの時間も同じような時間帯。アポが取れるとポートフォリオを抱えて作品を見てもらいに行ったのは懐かしい思い出で、楽しかったこともたくさんあったけれど、仕事はそんなにたやすく探せなかった。
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 03 オン・ザ・ロード ブルース・オズボーン(写真家)
アートセンターの学生だった頃から一緒に住んでいたいとこのボブと友人のビルの二人から、ヨーロッパとアジアへの旅行に誘われた。アートセンターはプロのクリエイターを養成するカレッジだけあって、いま思い出してもプロになって仕事を始めてからのほうが楽だと思うくらい、確かに毎日がハードだった。二人は、そんな宿題漬けの日々からエスケープしようという目論みのようだった。 僕は、PRM(フォノグラフレコードマガジン)の仕事がやっと軌道に乗りはじめたばかり。フリーランスの仕事も少しずつ入ってきたころで、最初はあまり乗り気ではなかったけれど、最終的にニッポンに行くという二人からの誘惑に勝てず、仕事を少し休んで世界一周の旅を選ぶことにした。 ニッポンに行ったら佳子に会える!
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 04 アフガニスタンからパキスタンへの旅 ブルース・オズボーン(写真家)
ポンコツと化して売るしかなかった愛車を処分した後の交通手段はマジックバス。運転手も乗客も個性的な人たちでそれなりに楽しい旅の仲間だったが、大きな問題はイスタンブールに到着するまでに何度故障をしたか覚えてないほどのポンコツバスだったこと。 それでもなんとかイスタンブールに到着したのは奇跡に近い。 アジアとヨーロッパにまたがる国、トルコ自治区の一つイスタンブールは、大陸の架け橋ともいわれる場所。 イスラム教徒の祈りの声や街の騒音が聞こえて、国境を越えたことを実感した。
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 05 インドでの洗礼 ブルース・オズボーン(写真家)
冒険の旅を続けてきた三銃士の一人、いとこのボブは大学生活に戻るためにイランのテヘランを最後に帰国。ビルと私の二人旅となった。まるでバットマンと相棒ロビンかサイモン&ガーファンクルを連想させるような二人。アフガニスタンでは「不思議な国のアリス」のうさぎのように穴に落ちたと思うような経験を、インドでは、映画「オズの魔法使い」のドロシーがドアを開けた1シーンのような不思議な感覚の体験をした。 イラン、アフガニスタン、パキスタンと、保守的な生活習慣と地味な色になじみかけた後に訪れたインドは、まるでビートルズの「マジカル・ミステリー・ツアー」を彷彿させる感覚。新しい音、色、匂いに満ち、イスラム教徒、シーク教徒、ヒンズー教徒、さらに外国人も混ざり合う混沌とした国。最初は、そんな多様性に順応するのに戸惑ったが、明るくカラフルなものと暗く神秘的なもの、穏やかさと騒々しさ、豊かさと貧しさ、静かな感情とエモーショナルでハイテンションに変化する感情に慣れ親しんでいくにつれて、自分の中で何かが変わっていくような気がした。
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 06 インドでの洗礼/ ブルース・オズボーン(写真家)
色水を掛け合って春の訪れを祝うホーリー祭の日に、一緒に旅をしてきたビルを見送り一人旅が始まった アメリカをボブとビルと3人で出発してから早くも4カ月が経過。ボブが帰国して2人旅になりそして、カルカッタでのペイントフェスティバルの最中にビルを見送っての一人旅。放浪生活にもだいぶ慣れての気楽な旅の始まりだった。 カルカッタの喧騒をあとにネパールを目指そうと思ったが、その途中にインド北東部のアッサムやダージリンを経由することにした。ダージリンという名前の由来は、チベット語の「雷が落ちた場所」 だそう。背景にヒマラヤ山脈があり街を取り囲むように茶畑の丘が続く。
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 07 ネパール ブルース・オズボーン(写真家)
ネパールの首都カトマンズは、 通称「ヒッピー トレイル」と言われていたヒッピーたちの旅の最終ポイントだ。 頭のなかで壊れたレコードのように流れていたのは、ボブ・シーガー&ザ・シルバー・ブレット・バンドの「カトマンズ」という名曲 。1975年にリリースされた「美しき旅立ち(Beautiful Loser)」の中の一曲だ。 日本にいる佳子に会うためにロサンゼルスを出発してから数ヶ月。 その頃の僕の心情にピッタリな曲だった。
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once upon a time~もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 08 ビルマ ブルース・オズボーン(写真家)
ネパールに1か月半滞在後、飛行機でカトマンズを出発。ビルマのラングーンに到着した。当時(1977)は、ビルマ滞在の観光ビザは7日間だったから、今までに比べるとけっこう慌ただしい旅だ。 「地元で使うkyat(チャット)という通貨の為替レートが良くないから、入国前には空港の免税店でジョニーウォーカーレッドとタバコを購入するといい!」というアドバイスをほかの旅行者から聞いていたので、空港の税関でウイスキーとタバコを購入。その理由が分かったのは空港を出た直後のこと。ウィスキーとタバコを闇値で購入する人が近づいてきてすんなり交渉成立。おかげで、ビルマ滞在中の資金が捻出できた。
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 09 日本へ、そしてロサンジェルスへ ブルース・オズボーン(写真家)
ロサンジェルスのArt Center College of DesignでクラスメイトだったBillと、いとこのBobと僕の3人で旅をスタートしてから8ヵ月ぐらいたった頃、Bobは大学を続けるためにテヘランからロサンゼルスに戻り、Billはフィアンセから届いた「絶交状」に肝をつぶしてカルカッタからLAに帰ってしまった。 予想外の展開ではじめのうちは戸惑った一人旅だったが、自由で気ままな旅はそれなりに楽かった。ビルマでカメラを盗まれてしまったために、タイ南部の島々を訪れた1ヵ月間の写真記録がないのは残念だけど。 僕にとってこの旅の第一の目的は、2年前に帰国した佳子に会うためだった。ロサンゼルスからソウルまで40,000km。彼女が住む日本が刻々と近づいてくることがなによりも嬉しかった。 最終目的地の日本がすぐそこにあって、明日佳子に会える!
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once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 10 オン・ザ・ストリーツ・オブ・ロサンジェルス | ブルース・オズボーン(写真家)
町中をうろつき回って面白いものを探すのが得意だった天才Paul(前回のシリーズに登場)のアイディアが的中し、Madam WongsでTHE POLICEなどメジャーなミュージシャンがライブをするようになった頃。パンク風情の若者が足繁く通っていたのがメルローズ・アベニューだった。すでに人気があったレコード店のAron’sやビンテージの洋品店Aaardvarksの周辺にはたくさんの新しいショップが連なった。Wacko/Soap Plant、Cowboys and Poodles、Vinyl Fetish、L.A. Eyeworks、Industrial Revolution…懐かしい店が次々にオープン。店内は刺激的なファッションで満ち溢れていて、今のようにネットなどない時代だったから、情報交換をするための大切な場所だった。ブラブラ歩いていると誰か知り合いに会える通りは、ただ歩き回るだけで楽しかった。
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Once upon a time ~ もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 11 オン・ザ・ストリーツ・オブ・ロサンジェルス part 2 ブルース・オズボーン(写真家)
その頃住んでいたのは、Western Blvd.とMelrose Ave.に近いロフト。裏庭にはバレーコートにできるスペースがあり、週末になるとみんなが集まってきて、大音響で音楽をかけながらバレーボールを。定番のサウンドトラックは、James White, Specials, Ramonesなど。Friction, Phew, Sheena and the Rocketsなどの日本のミュージシャンも人気だった。 幸いなことに、旅を終えて帰国した後も、前から働いていたPhonographic Record Magazineで働くことになったので、仕事のリサーチも兼ねてコンサート通いをしたりクラブを回って地元のバンドを聞き歩く毎日だった。
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Once upon a time ~もうひとつのカリフォルニア・ドリーミン 12 LAバンドとミュージックシーン ブルース・オズボーン(写真家)
Art center college of Design in Los Angelsでの最後の年、The Band, Ray Charles, Tina Turner, Rolling Stones, Frank Zappaなど、数々のレコードアルバムを撮影する超売れっ子のNorman Seeffに会いに行ったところ、友人が立ち上げたばかりの音楽雑誌社が写真家とエディターを探していると、その雑誌社の編集長を紹介してもうという幸運に恵まれた。70年代後半に、僕がメインで写真の仕事をしていたのが、この時にNorman が紹介してくれたPhonographic Record Magazine (PRM)という音楽雑誌だ。ロックミュージックに関するニュースや情報を紹介するグラビア中心のフリーペーパー。ロサンゼルスの音楽シーンに興味があった僕にとっては絶好の仕事だった。新しいレコードアルバムの情報や、クラブで新しいバンドを取材することで、たくさんのミュージシャンや制作関係者に会って写真を撮り、話を聞く機会に恵まれた。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!