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2019年04月24日 Vol.353
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 63『仙人茶館 重慶』菊地智子(写真家)
2010年の初夏、私はうだるように暑い長江のほとりの大都市重慶で友人のドラァグクイーン達を撮影していた。バーで夜働き昼間寝ているクイーン達と一緒に生活を共にしながら、朝になると都市開発の波で壊されつつあった重慶の古い町並みを徘徊するようになった。毎日撮影していた重慶の若者たちと、壊されていく街の風景が繋がっているような不思議な感覚を覚えたからだ。
design
ガウディを測った男
東京天王洲の「建築倉庫」という奇妙なミュージアムをご存じだろうか。2年前には東京アートブックフェアの会場ともなった寺田倉庫が所有するビルの一部が、建築模型に特化した展示・保管施設となっている。1階のミュージアムでは建築系の展覧会が開催され、上階の保管倉庫には巨大な空間にずらりと内外建築家による模型が並び、「照明を限りなく落とした倉庫で懐中電灯を片手に倉庫空間をお楽しみください」というユニークな観賞体験ができるようになっている。その建築倉庫でいま開催中なのが『ガウディをはかる』という、これもかなりユニークな展覧会。ガウディの主要作品があるスペイン・バルセロナに住む建築家であり「実測家」でもある田中裕也さんによる、実測によるガウディ研究の成果を紹介する、初の包括的な展示である。
music
BONE MUSIC展、開幕!
すでにお聞き及びのかたもいらっしゃると思うが、本メルマガでも紹介したソビエト時代のレントゲンレコードをフィーチャーした『BONE MUSIC展』が4月27日から5月12日まで、原宿BA-TSUアートギャラリーで開催される。何度かトークで手持ちの実物を見せたことはあるけれど、今回はロンドンからやってくるコレクション。すでにイギリス国内、ロシア、イスラエルなどで開かれて評判となった展示の巡回なので、かなり楽しみだ。
movie
桃色の罠――日本成人映画再考 09 幻児と伴明、青春映画の時代(文:鈴木義昭)
煙草の煙の向こうで、池田編集長が言った。「じゃあ、鈴木くん、明日新宿駅西口のスバルビル前に行ってね。行けばわかるからね。相棒の安斎カメラマンは優しい人だから」「はい!」池田さんの度の強い眼鏡の奥の優しい目が、今日はちょっと意地悪そうに笑っているのが見えた。「何日行ってもいいから、良い記事書いてね。朝早くて大変だろうけど、勉強になるんじゃないか」「はい……」新宿で飲んだくれていた僕が、拾ってもらったのが「ZOOM-UP」というエロ映画雑誌のライターという仕事だった。毎月、試写なんてないから作品を観もしないで公開されるピンク映画の新作情報をプレスシートだけで書かされた。それを手始めに、「いろいろ書いてみたら」という池田編集長の指示で、次々といろんな記事を書いた。最初に放り込まれたのが「ピンク映画撮影現場ルポ」だった。
2019年04月17日 Vol.352
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 62『深夜の路地で、立ち食いサラダバー』椋橋彩香(地獄研究家)
私は「タイの地獄寺」というものに惹かれ、数年前からタイ全土を旅している。地獄寺とは、敷地の一角にキッチュでグロテスクなコンクリート像をもって地獄を表現している寺院のことである。2010年に都築響一氏による『HELL 地獄の歩き方《タイランド編》』(洋泉社)が刊行されているので、ご存知の読者も多いかもしれない。地獄寺はタイ全土に70か所以上存在しているが、その多くは外国人観光客がまったく訪れないような田舎町にある。時が止まったようなゆったりとした空気の中で、見渡す限りのサトウキビ畑や水牛の群れを横目に地獄めぐりをすることもしばしばだ。
photography
辻徹が見ていたもの
去年4月、ひとりの老写真家が亡くなった。ずっと好きなように写真を撮っていたのに、病を得てふんぎりがついたように死の3年前、最初の個展を開くまで周囲がどんなに勧めても「そのうちね」と微笑むだけだった。ひとと会うときはいつもお酒で顔を赤らめて、というよりお酒が入らないとしゃべれないくらいシャイで言葉少なで、するっと宴席に紛れ込んでいながら、お金を持たないこともよくあって、それを隣のひとが払ってあげることにだれも違和感を持たない、そんな辻徹(つじ・とおる)という写真家のことを、名古屋の小さなサークルの外で、どれだけのひとが知るだろうか。去年、佐藤貢さんの記事を書いた縁で(『漂着した人生』2018年9月12日号)、名古屋のギャラリーNao Masakiから展覧会の案内をもらい、載っていた小さな写真にこころをつかまれて追悼展を訪ねた。
art
モンマルトルのロウブロウ・アート祭 1(文:アツコ・バルー)
『HEY! MODERN ART & POP CULTURE #4』がいま開催中だ。ちなみにアル・サンピエールは2階建て。HEY!が占めるのは2階展示室で、1階では『CHICAGO FOYER D’ART BRUT』が同時開催中(どちらも8月2日まで)。こちらはシカゴのアウトサイダー・アート/アール・ブリュット専門美術館「INTUIT」からのコレクションで、INTUITといえばヘンリー・ダーガーの部屋を再現した展示でも知られる世界有数の重要施設。なんと豪華なカップリングであることか。 去年まで渋谷でオルタナティブなギャラリー「アツコバルー ATSUKOBAROUH arts drinks talk」を運営し、現在はヨーロッパに活動拠点を移したアツコ・バルーさんが、さっそく第4回の『HEY!』展をチェック。特に気になった数名のアーティストについて、じっくり書いてくれることになった。これから数回にわたっての短期集中連載、いま世界のいろんな路上で生まれているポップ・カルチャーの息吹、その強烈な口臭を堪能していただきたい!
art
波磨茜也香のおんなのこ散歩 第3回 夢と魔法の国
きょうも学校や会社行って、お友達と美味しいもの食べて楽しくお喋りして、ばっちりお化粧して可愛い洋服着て……落ち込むこともあるけど、金曜には彼氏に会えるからがんばっちゃうもんね! 今を生きる女の子たちには毎日楽しく健康に、できるだけ傷つかず過ごしてほしい。そんな願いを心に秘めつつ日々制作しているのですが、何年も前からずっと考えていたことがありまして。それは「日本で女の子がいちばん幸せな気持ちになれる場所はどこなのか」ということです。USJ、沖縄、京都、パンケーキ屋、ゴンチャ……SNSや実際に女の子たちがわらわらしている場所をさまざまな手段でそっと調べているのですが、やはり最終的に行き着く先は「東京ディズニーリゾート」なのでした。
travel
Back in the ROADSIDE USA 103 Shoe Tree, Beaver, AR/Milltown, IN
オザークと呼ばれるアーカンソー州北西部の山林地帯。紅葉が美しい森の中を抜ける快適なドライブの最中、突然あらわれた不思議な大木。これがアメリカのみに生息する非常に珍しい樹木、シューツリーだ。路肩に車を停めて、じっくり観察してみよう。オークとおぼしき大木の枝に、靴ひもを結んだ数百足のスニーカーや革靴が、見事な(?)花を咲かせている、というか実をつけている。「南部には黒人がなる(吊される)木がある」と唄ったのはビリー・ホリディだったが、こちらアーカンソーの「奇妙な果実」は、ユーモラスなアメリカン・ライフの象徴だ。言い伝えによれば昔々、ある男が妻と喧嘩したあげく家から叩き出され、悔しまぎれに自分の履いていた靴を脱いで、木の上に放り投げたのが始まりという。
2019年04月10日 Vol.351
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 61『最初で最後。すさみの黒嶋茶屋』逢根あまみ(ラブホテル探訪家)
私は、寂れてしまった観光地や昭和の頃に建てられたレジャー施設が好きで、数年前からそれらを愛でるための旅をしている。ここ5年くらいは、その中でも「昭和の趣の残るラブホテル」に特に魅了されてしまい、週末のたびにあちこちのラブホテルで昭和の残り香を探すことに心を尽くしている。
art
アウトサイドはどこにある
クシノテラス主宰者であり、本メルマガでも2015年から「アウトサイダー・キュレーター日記」を、もう41回も連載してくれている櫛野展正による『アウトサイド・ジャパン展~ヤンキー人類学から老人芸術まで』が、先日『バッドアート展』を開いた東京ドーム・ギャラリーアーモで、いよいよ4月12日に開幕する。2018年9月に刊行された同名の著書の、立体版というか実写版とも言うべきこの展覧会は、2012年の鞆の津ミュージアム開館からずっと続けられてきた彼のアーティスト巡礼の、集大成となるはずだ。
music
途切れた音を繋ぎ直すように(撮影・文:村上巨樹)
去年、3回にわたってミャンマー音楽をめぐる旅に連れて行ってくれた、岩手県花巻在住のミュージシャン・村上巨樹さん。その探索行はさらに深化しながら、2019年も続く!
lifestyle
不良紳士 鈴木創士(写真・文:ヤマモトヨシコ)
神戸在住のアーティストであり、毎年番号がひとつずつ増えていく名前のギャラリーの運営もしている(なので今年はギャラリー8)ヤマモトヨシコさんは、ときどき思いついたように記事を送ってくれて、それがすごく意外な人選というか出会いで――ヲタ芸導師の一番先生から大阪の両性具有者まで――、このひとはどんな日常を送ってるんだろうといつも気になる。今回「こんなの書いてみました」と送ってくれたのは、なんと元EP-4のキーボードだった鈴木創士(すずき・そうし)さん。いったいどんなお話を聞かせてもらってきたんでしょうか!
travel
案山子X 54:登米市豊年かかし祭り(宮城)(写真・文:上迫愛)
こんにちは。上迫愛です。今回は宮城県の登米市豊年かかし祭りを紹介します。登米市は宮城県の北東部に位置し、豊かな水と平野に恵まれた田園地帯が広がる街です。県内有数の米どころであり、ササニシキやひとめぼれ等の生産地として有名です。登米市の迫町で、2016年10月9日に「登米市豊年かかし祭り」が開催されました。会場である佐沼大通り商店街を盛り上げようと、2006年に始まったお祭です。米どころの登米市をPRしようと、田んぼの象徴であるかかしが作られ、約50体が商店街に立ち並びました。
travel
Back in the ROADSIDE USA 102 RV/MH Hall of Fame, Elkhart, IN
アメリカ中西部の中心に位置するインディアナ州。人口600万人あまり、シカゴから飛行機で1時間、車でも州都インディアナポリスまで3時間ほどと、近所の田舎という感じだ。全米最大のカー・レース『インディ500』あり、レジー・ミラーやジャーメイン・オニールを擁するバスケットボールの最強チームのひとつ、インディアナ・ペイサーズありと、アメリカン・スポーツ・ファンにはよく知られた存在。でも行く人は少ない。インディアナの公式なキャッチフレーズは「アメリカの十字路」。1937年にこの呼称が定められた当時、アメリカでもっとも人口が多かったことと、いまでもアメリカのどの州よりもハイウェイが集中・交差している州であることによるが、アメリカ人がインディアナ州民を呼ぶ一般的な呼称は「フージャー(Hoosier)」。
2019年04月03日 Vol.350
food & drink
Neverland Diner 二度と行けないあの店で 60『カリブサンドだけは、今でもほんとうのまま』飯田光平(編集者)
どこにあるのか、どんな名前だったか、自分はそこで何を食べたのか。その詳細を、ほとんど覚えていない店がある。でも、ひとつだけ、おぼろげな記憶の中ではっきりと輪郭を持ったイメージある。ボリューム満点のサンドイッチを頬ぼる、あさぐろの先生。その料理は、たしか「カリブサンド」なんて名前だった気がする。
art
ビル景のかなたに
月曜夜のDOMMUNEでご覧いただいたかたもいらっしゃると思うが、ゲスト審査員をつとめさせてもらったか『熊本アートパレード』展が終了したばかりの熊本市現代美術館で、『大竹伸朗 ビル景 1978-2019』が4月13日からスタートする。1978年に「ビルのある風景」をふと描いたことがきっかけで、もう40年間以上、気がつけばビルが画面のどこかに描かれた風景を彼は描き続けてきた。意識することもなく、しかし途切れることなく描かれてきたビルたち。風景画家が海や山や木々を飽かず描くように、大竹伸朗は都市のスカイラインや剥がれかけた壁、コンクリートの地面をランドスケープとして描いてきたのだった。
art
美尻女神の国
先週号で異端の画家・林良文を紹介したが、個人的に日本「二大お尻アーティスト」と思っているもうひとりの異端、春川ナミオの新作品集刊行記念展がきのうから銀座ヴァニラ画廊で始まっている。春川ナミオは1947年大阪生まれ。筆名はストリッパー出身のセクシー女優・春川ますみと、谷崎潤一郎の『痴人の愛』のヒロイン・ナオミをあわせたものという。すでに高校時代からカストリ雑誌『奇譚クラブ』の常連投稿者となり、豊満で気高い女性と、奉仕するマゾヒスト男性の世界を、72歳を迎える現在まで60年以上描き続けているビザール・キング。林良文と同じく、むしろヨーロッパでの人気のほうがいまでは高いかもしれない。
travel
シカクたけしげの「ZINE世界紀行」第3回 ディープな店が潜む台電大楼編(写真・文:たけしげみゆき)
【前回までのあらすじ】大阪でインディーズ出版物のセレクトショップ「シカク」を営む筆者たけしげ。出張で訪れた台北の中山エリアで洗練された独立系カルチャーショップ巡りを満喫した。が、台北には実はもっとドープな店がある!私は目の肥えた本メルマガ読者のために、「台電大楼駅」へと向かう電車に飛び乗った……
travel
ROADSIDE CHINA 中国珍奇遊園地紀行 12 陝西省後編(写真・文:関上武司)
大家好!(中国語で皆さん、こんにちは!)軟体トラベラーの関上武司です。今回は陝西省の法門寺というハイパーゴージャスなお寺での初詣と史跡にあったビザールスポットの悲しい末路についてご報告します。2018年1月1日。西安の宿を早朝にチェックアウトし、西安名物の肉夾饃(ロージャーモー)というパンに肉を挟んだバーガーを頬張り、陝西省の古刹の法門寺へバスで向かいます。
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カテゴリ別バックナンバー
BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!