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2021年03月24日 Vol.446
photography
CONTACT ZONE 砂守勝巳写真展
2020年05月20日配信号で「もの言わぬ街から」と題して、埼玉県東松山の「原爆の図 丸木美術館」で開かれた展覧会「砂守勝巳写真展 黙示する風景」を紹介した。本来なら丸木美術館の展示と並行して開催される予定だったのが、東京と大阪のニコンプラザでの写真展「CONTACT ZONE」。こちらは残念ながら新型コロナウィルス感染防止で延期となってしまったが、幸い4月13日から新宿のニコンプラザで、そのまま5月には大阪で開催されることになった。
art
南の島の少年画家
砂守勝巳の奄美の写真を見ていて、不意に思い浮かんだ光景があった。 2006年に奄美の田中一村記念美術館を訪ねたとき、当時学芸員だった前村卓臣(まえむら・たくみ)さんに紹介したもらったのが屋嘉比寛(やかび・ひろし)という少年のコンピュータ・グラフィックス作品。高機能自閉症だった屋嘉比くんは、小学校4年生のときに田中一村の絵を出会い、美術館に通うようになって、一村作品をモチーフにしながら自分なりの絵を描いているうちに前村さんに発見され、12歳にして特別企画展を記念美術館で開くまでになったのだった。 その驚愕の作品群に、前村さんと同じく打ちのめされた僕は、当時連載していたデザイン誌『アイデア』でさっそく紹介。その記事は単行本『現代美術場外乱闘』(2009年、洋泉社刊)に収録されたが、どうも再刊が絶望的なようで、古書店で探していただくしかないが、せっかくなのでここに再録しておく。
lifestyle 無料公開中
シブメグの人生小劇場 08 Oh!ヨーコ (写真・文:シブヤメグミ)
2月18日のDOMMUNEは、私にとって大切なDOMMUNEだった。 タイトルは『音楽の現場、もう限界です』。 その日、付けられたメインのハッシュタグは、 #WeNeedCulture #失くすわけにはいかない #SaveOurPlace #音楽の現場 この4つ。 他にもこの1年間に生まれたハッシュタグがたくさん付けられていた。どれも振り絞った叫びであったり、暗闇の中、絶望という針の穴に希望という糸を通すような気持ちが込められていた。
music
新型コロナとフランス・アンダーグラウンドシーン 06 第二回ロックダウンとラーメン・ワークショップ (画・文:ショビレヌ・K)
こんにちは。ショビレヌ・Kです。前回の記事では去年の10月15日にローザンヌ・アンダーグラウンド映画&音楽祭(LUFF)にて行ったライブの模様をレポートしました。今回はその1週間半後の10月28日にフランスで開始した2回目のロックダウン中の生活について触れます。 フランスでは第一次ロックダウンが昨年5月に解除されて以降、夏休みから新規感染者数が爆発的に増加したので、10月に入ると第二次ロックダウン実施の可能性についてメディアがしきりに取り上げるようになっていた。運良くスイスでのライブは実施されたが、案の定フランスに戻り1週間半が経った10月28日から第二次ロックダウンが実施された。
book
カタリココが語ること
長い友人のひとりに大竹昭子さんがいる。小説家、写真評論家、エッセイスト、写真家・・・・・・ヒトコトでとてもくくれない活動を長く続けていて、たとえば森山大道や荒木経惟から知ったというひと、須賀敦子から入ったというひと、いろんな間口を持つ作家である。 大竹さんは毎回ゲストを招いてトークと、自作を朗読してもらう「カタリココ」というイベントを2007年から、都内4つの古書店を会場にず~~~っと続けている。その持続力に頭が下がるばかりだが、2年ほど前からは「カタリココ文庫」という自費出版プロジェクトも始めてしまった。
2021年03月17日 Vol.445
photography
イッツ・ア・スモールワールド・・・・・・世界はひとつなのか
平安神宮に向かい合う京都市勧業館、通称「みやこめっせ」。大学の入学式やさまざまな大会、見本市、即売会などに利用されていて、地下には京都伝統産業ミュージアムなどもあるのだが、これまで足を踏み入れたことがなかった(名前もちょっと・・・・・・)。 その「みやこめっせ」地下・京都伝統産業ミュージアムで2月6日から28日まで開催されていたのが「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」。市内各所を舞台に2010年から続けられている「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」の一環として開かれた、きわめて挑発的な展覧会だった。僕も閉幕直前に知ってあわてて駆けつけたので、開催中に記事を配信できず申し訳なかったが、その概要だけでも見ていただきたくて、企画者のインディペンデント・キュレーター小原真史(こはら・まさし)さんにお話をうかがいながら展覧会を振り返ってみることにする。
lifestyle
蒲田リハビリ日記 第11回 デリヘル仕事術に学べ! 社長の金言――「腹でなにを思おうが自由ですが、この職場では誰に対しても、嘘でかまわないので、徹底して“感じのよい人”を演じてください」 (写真・文:リーサル・ウエポン金本)
15年以上も署名原稿を書いていなかったため、誰も俺のことなど憶えていないだろうと思ったが、「蒲田リハビリ日記」の連載を始めた昨年の夏、一応、反響をチェックするため、遅ればせながらTwitterを立ち上げた。 といってもTwitter内をざっと巡回しただけで、しばらく放っておいたが、今日、空いた時間にどうでもいいことをつぶやいてみた。時間潰しにはなるのだろう。ただ不特定複数の人びとと仲良くできるのだろうか、社交性ゼロのこの俺(52歳)が…。
photography
隙ある風景 2020 (写真・文:ケイタタ)
ストリートに人が少ない。マスクで顔が見えづらい。ストリートを撮る写真家としては受難の2020年ではありましたが、今年しか撮れないものもありました。コロナ禍の選りすぐりの隙をどうぞご覧ください。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 14 愛知県3
しゃち丸くんのお船に乗って、今日のデートはベイクルーズ――ある年代以上の名古屋市民ならだれもが知っている遊覧船「金鯱(きんしゃち)」号。名古屋港をめぐる遊覧船として1986年に初代金鯱が就航、1995年には2代目金鯱がデビュー。合計14年間にわたってギラギラの金色を名古屋湾に映していたが、2006年に遊覧船事業が終了、金のシャチは名古屋湾から姿を消してしまった。名古屋湾に面した工業地帯を30分以上、船上から眺めるという遊覧船体験は、「工場萌え」なんていう言葉が存在しなかった時代に、ちょっと早すぎる存在だったのかもしれない。
2021年03月10日 Vol.444
art
文明開化と21世紀をつなぐ電線絵画
それがバンコクでもプノンペンでもホーチミンシティでもいいけれど、街に踏み出して「あ~~~アジアに来たな!」といきなり実感するのは、あのモワッと湿気を含んだ暑さ。そして建物と道路を黒い毛細血管のように這い回る、おびただしい電線の群れだ。あるときは巨大な糸玉のようにからまりあい、あるときは建物の外壁にエレクトリックなツタのようにからみつく、そういうアジアの電線を見るたびに、僕は急いでカメラを取り出さずにいられない。 電線を空中から地中へ、というのは世界的に、現代の街づくりの必修課題らしい。日本でも当然その工事は進められている・・・・・・はずだが、東京だって大通りはともかく一歩裏通りに入り込めば、そこにはあいかわらず電柱と電線がしっかり居座っている。 西武池袋線中村橋駅からすぐの練馬区美術館では、いま「電線絵画展-小林清親から山口晃まで-」を開催中。絵画にもいろんなくくりかたがあるが、「電線」でまとめられる絵画展というのは・・・・・・かなり珍しいはずだ。
music
福島第一原子力発電所のサウンドスケープ
明日2021年3月11日は、東日本大震災から10年目にあたる。真剣な検証記事や番組から、お涙ちょうだいの感動ポルノ系まで、ありとあらゆる「記念プログラム」がすでにメディアに氾濫しているが、その3.11を目前にして、きわめて刺激的な作品がリリースされた。『選別と解釈と饒舌さの共生』と題された一枚のCD。それは10年前の震災以来、福島第一原子力発電所に通い続けてきた社会学者・開沼博さんによるフィールドレコーディング、つまりメルトダウンした原発の「音によるドキュメンタリー」である。ラジオでも「音のある風景」みたいなほっこり系の番組があるけれど、これは音楽ではなく音そのもの――機械の通奏低音のような作動音、突然鳴り出すアラーム、予備知識がなければごく普通の会話にしか聞こえない言葉のやりとりまで――が描き出す、恐怖のランドスケープだ。すぐそこにある現実の。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 13 愛知県2
天照大神から福沢諭吉まで、大和の巨星が名古屋にキラめく――幼児が大好きなお菓子「タマゴボーロ」や「麦ふぁ~」で知られる竹田製菓(現社名・竹田本社株式会社)。その名物創業者であり、「日本一の個人大投資家」(130社以上の大株主)としてマスコミにもしばしば登場していた竹田和平が、本社の一角に開設したのが、「いまの日本の礎となった百人の大人物を竹田氏が選出、特大の純金レリーフ・コインに刻んで展示する」という「純金歴史人物館」だった。
art
ゆびさきのこい
京都市内・河原町通りの荒神口にあるささやかな展示空間「art space co-jin」。2015年に立ち上げられた「きょうと障害者文化芸術推進機構」の活動拠点として2016年1月に稼動を始めた、アールブリュットに特化した展示スペースである(「art space co-jin アートスペースコージンの名称は、京都御苑に近接する荒神口の地名にあやかり、「共」の意味であるcoと、「人」の意味を込めたjinにより名付けています」とのこと)。 そのco-jinでは3月21日まで「ゆびさきのこい」と題された、4名の作家によるグループ展を開催中。ドローイングや立体のほかに写真も入って興味深かったので、ここで紹介させていただく。
2021年03月03日 Vol.443
art
絵画のドレス ドレスの絵画
名前を知ってはいるし地元でもあるけれど、ちょっとだけ遠かったりして行けないままになっている美術館、というのがある。 八王子にある東京富士美術館は都心部から中央線とバスを乗り継いで約1時間半という微妙な距離感。約3万点の作品を所蔵し、「とりわけルネサンス時代からバロック・ロココ・新古典主義・ロマン主義を経て、印象派・現代に至る西洋絵画500年の流れを一望できる油彩画コレクション」(美術館サイトより)は、ルネサンス絵画からルーカス・クラーナハ(父)、アルブレヒト・アルトドルファー、ピーテル・ブリューゲル(子)、ジャン=オノレ・フラゴナール、フランソワ・ブーシェといったオールドマスター、プーシェ、フラゴナールなどのロココ、そしてルノワール、モネ、セザンヌ、ゴッホなどの印象派、さらにはウォーホル、キース・ヘイリングまで日本屈指のコレクション。それも広範な時代をもれなくカバーする裾野の広さが際だつ美術館だ。
design
nobunobuと歩く東京ビル遺産 04 秀和レジデンス物語 後編 (写真・文:鈴木伸子)
今回も引き続きnobunobuは秀和レジデンスについて追求していきます。 64年に、一号物件である“秀和青山レジデンス“が建設分譲されて以降、都内の山の手地区、高級住宅街を中心に秀和レジデンスは増殖し、高級マンションとしてのブランドを確立していきました。 屋根やエントランスには青い瓦、モコモコした質感の白壁、ヨーロピアンなバルコニーのデザインといった南欧風の外観が特徴的で、可愛らしさと高級感を併せ持つその姿は、ひと目見て「秀和レジデンスだ!」とわかる特徴となっています。 60年代築の東京23区内の秀和レジデンス28件を踏破したところ、一件一件でそれぞれデザインが異なり、ヨーロッパのシャトー風のものもあったり、当初は青い屋根だったのかもしれないけれど、オレンジ色や黒い屋根の秀和があったり。
music
キャッスルレコーズと下町ヒップホップ・シーンの10年間
上野のキャッスルレコーズが3月10日でアメ横センタービルの店を閉め、4月に湯島に移転、新店舗を立ち上げるというお知らせを聞いて、10年以上前の日々がいきなり甦った。『東京右半分』が2012年、『ヒップホップの詩人たち』が2013年リリース。それまでの数年間、日本のヒップホップを掘るのにいちばんお世話になっていたのが、アメ横センタービルの3階にあるキャッスルレコーズだった。 テレビに出るようなスターではない、ローカルでリアルなラッパーたちを探して右往左往していたころ、シーンに詳しい友人はひとりもいなかったし(そういう「通」に頼りたくなかったこともある)、雑誌やウェブサイトからも大した情報は得られず、とにかく狭いライブハウスの現場に通うこと、レコードショップに積まれたフライヤーを漁ること、そして名前も知らないラッパーのCDを買いまくることしか、僕にできることはなかった。
travel
ParadiseLost 二度と行けない珍日本紀行 12 愛知県1
ホルマリンに浮かぶ生命の神秘に驚愕――巨大男根をかついだ男たちや小ぶり男根を抱えた巫女たちが練り歩く田縣(たがた)神社の「へのこ祭」で、全国のお色気ファンに知られる愛知県小牧市の、もうひとつの珍名物だったのが・・・・・・秘宝館ではないものの、中部地方きってのビザールなコレクションで知られた「性態博物館」。会社経営者である石川武弘氏が開いた、「性器コレクションを通して動物と人間のいのちの尊さを学ぶ」(たぶん)学術的な目的を持った施設だったと思うが、なにしろその奇妙なセンスとテイストで、数多の珍スポット好きを喜ばせてきた。
travel
Freestyle China 即興中華 淘宝網の本当の“お宝”『Wow Taobao』 (写真:ルーベン・ルンドグレン/文:吉井忍)
最近、ちょっと異色のフォトブックを見つけてしまった。名前は『Wow 淘宝(Wow Taobao)』、中国で最大規模を誇るショッピングサイト「淘宝網(タオバオワン、通称タオバオ)」で売られている奇想天外な品々を紹介したものだ。版元は浙江省・寧波市にあるインディペンデント出版社「Jiazazhi Press」なので、中国人写真家の作品集かと思いきや、作者は北京市に長く在住する外国人だった。
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BOOKS
ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)
ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。
本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。
旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。
ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)
稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。
1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!
ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)
プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。
これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。
ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)
書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい
電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。
ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)
伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!
かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。
ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)
――ラブホの夢は夜ひらく
新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!
ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)
――秘宝よ永遠に
1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!
捨てられないTシャツ
70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
圏外編集者
編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。
ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014
こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。
独居老人スタイル
あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。
ヒップホップの詩人たち
いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。
東京右半分
2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!