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バックナンバー:2021年03月24日 配信号 収録

lifestyle シブメグの人生小劇場 08 Oh!ヨーコ (写真・文:シブヤメグミ)

2月18日のDOMMUNEは、私にとって大切なDOMMUNEだった。
タイトルは『音楽の現場、もう限界です』。

その日、付けられたメインのハッシュタグは、

#WeNeedCulture
#失くすわけにはいかない
#SaveOurPlace
#音楽の現場

この4つ。
他にもこの1年間に生まれたハッシュタグがたくさん付けられていた。どれも振り絞った叫びであったり、暗闇の中、絶望という針の穴に希望という糸を通すような気持ちが込められていた。

私もそのひとり。
iPhoneを横にしてDOMMUNE越しにzoomの画面を観る。私が憧れていたミュージシャンや、暑い夏に熱狂したフェスの陰の立役者や、ライブハウスや音楽の現場を支えてきた人たちが飾りようのない言葉で現状を訴えていた。zoomの枠の中には、それに耳を傾けてくれる政治家もいた。届いて欲しい、届けてください。そんな気持ちでiPhoneを握りしめていた。

時たま私もツイートした。
その中のひとつが、

「音楽に文学に舞台に美術。とにかくあらゆる文化や誰かの表現に出会っていなかったら、私は今頃自分の母親とその愛人を殺していたと思う。だから」

この後に上記のハッシュタグを付けた。

これを見つけた何人かの知人から、あんまり物騒なこと言ったらダメだよ、みたいなLINEやDMが届いた。

でっかいお世話だよ、だって本当のことなんだから。なんにも物騒なことなんてない。本当は具体的にミュージシャンやバンドや本のタイトルを挙げて、腹の底から御礼したいくらいなんだ。あなたが創り上げたこの作品があったから、あなたが歌い上げたあの歌があったから、私は母親も愛人も誰のことも殺さずに生きてこれましたって。

『捨てられないTシャツ』の中の『ジョーイ・ラモーン』にも書いたけど、私が3歳の時に両親が離婚している。理由は母親の浮気。私の母親は保育士で、浮気相手は勤務先の保育園の福祉法人の理事長。どうかしている。
離婚はスムーズにいかず、結局、母親は家を出た。その時に8歳上の兄も連れていこうとしたらしいけど、

「お父さんがかわいそうだから、僕は残る」

と、兄はきっぱり断ったそうだ。

その夜から私は母親の昔の同僚の家に預けられた。最初は2日くらいって話だったらしい。今でも振り返ると母親はどうかしてると実感するけど、5日くらいその家でお世話になった。その間、私は保育園に通えなかった。専業主婦になっていた同僚の方と、ずっと遊んでいた記憶がぼんやり残っている。しかしさすがにその同僚は母親のイカれっぷりに愛想を尽かし、私を母親の勤務先の保育園に連れて行き、そのまま迎えに来なかった。

母親は、家出してから住んでいるところに私を連れて帰らなかった。その日からまた別の人の家でお世話になった。その人はどんな人で母親とどんな関係で、何日間お世話になったのかもう覚えていない。そんな家が何軒かある。そんな家を転々としてる途中で、母親と仲の良い保育士さんが私を赤い車に乗せて

「ほら、お母さん。お母さんだよ」

と、帰宅する道を歩いている母親の姿を見せてくれた。窓を開けるハンドルをぐるぐる回してお母さーん!って叫ぼうとすると、手をぐっと押さえられて赤い車が発進してしまった。お母さんの家はどこなの?って泣きながら聞いても答えてくれなかった。そしてまた、誰かの家に帰った。

こたつが出ていたから冬だったんだと思う。ある夜、また保育士さんの赤い車に乗せてもらった。どこに行くとも何も言わず、いつもと違う怖い横顔で保育士さんは運転していた。

トタン屋根の借家に到着した。玄関にはたくさんの靴がひしめいていたけど、しんと静まりかえっていた。保育士さんが襖を開ける。こたつを囲んで見たことある大人達が険しい顔をしてる。いちばん最初にお世話になった昔の同僚の人もいた。

「メグちゃん、ご飯食べてる?」

その人が優しく聞く。うんって大きく頷いた私は、あったまりたくてこたつに入ろうとした。

「あ! ダメ! そこ入っちゃダメ!」

大人の誰かが大声で言う。
座ろうとした私の体に何かがぶつかった。
私はよろけてしまったと同時に、足元に何かを見た。人がいた。
私の母親がうずくまっていた。

こんなとこで何してんの?って気持ちよりも、お母さんに会えたことが嬉しかった。でも、その喜びを体現できる雰囲気ではなかったし、母親も私のことを振り向きもしなかった。

「先生が決めたんだから、先生からちゃんとメグちゃんに話さなきゃダメです」

その言葉でやっと母親は私の方を向いた。ごめんね、ごめんねとうめき声と泣き声が混ざった声で私に謝っていた。

そして、

「あのね、しばらく一緒にいられないから。メグミはあの教会に住むのよ」

と、私に言った。

周りの大人達が泣き出した。本当にそれでいいのか、先生は母親失格だと思う、何考えているんですか。いつも赤い車に乗せてくれる保育士さんが、

「私、もうあの保育園辞めますから」

と母親を怒鳴りつけて私を抱きかかえた。

「メグちゃん、明日あの教会に私と行こうね。私の家で朝ごはん食べて、髪の毛可愛いくして、あの車で行こうね」

なんで母親と一緒にいられないのか、母親はなにを謝っていたのか、どうして保育士さんは辞めなきゃいけないのか。何ひとつ説明されなかった。胸の奥に気持ち悪い鉛のようなものを突っ込まれて、口を塞がれたような気がした。

その教会のことは知っていた。
みんなが「捨て子がいるとこ」っていつも言ってたから。
だから自分が捨てられたとわかった。
でもその時は、母親が他の子供のお世話をしなきゃいけないから、私が我慢しなきゃいけないんだって思っていた。

いろんな年齢の子供がいた。3歳の私から見れば、大人って思うような高校生。大人びた雰囲気の中学生。お世話好きな小学校高学年。無邪気にじゃれついてくる同い年くらいの幼児。
奥からシスターが出てきた。絵本でしか見たことない、からだ全部を覆い隠しているあの格好。すごく優しい声で私の名前を呼んで、

「急に仲良くしなくてもいいからね、少しずつでいいからね」

って握手してくれた。

なんにもわかっていなかったはずの私だったけど、その瞬間に大泣きしたのを覚えている。その大泣きから、それまでぼんやりしていたいろんなことや自分の気持ちに輪郭が生まれた。どうして私はこんなところにいるの? 私は本当に捨てられたの? そしてこれは、いったい誰に聞いたらいいの? 誰かに聞いてもいいことなの?

なにも言わなくても、過去の自分のような私を、いろんな年齢の子供達が優しく見守ってくれた。教会でいちばん年上のシゲキお兄ちゃんは、わけもなく涙が溢れて止まらなくなった時はずっとそばにいてくれて、ガビガビになった顔を温かいおしぼりで拭いてくれた。シゲキお兄ちゃんは体中に小さな丸い火傷の跡があった。それが根性焼きの跡だって知ったのは、それからずっとあとのこと。

放っておかれて躾がなっていなかった私に、あれこれ教えてくれたのはシスターとエミお姉ちゃん。エミお姉ちゃんはいつもカタカナ英語で聖歌を歌ってくれた。エミお姉ちゃんは男の人が大きな声を出すと動けなくなってしまう。そして小さな声でごめんなさいごめんなさいと、壊れてしまったかのように繰り返す。たとえその大声が、誰かの名前を呼んでいるだけだったとしても。

シスターやこの2人に聞いた。
私は捨てられたの?
お母さんは私を嫌いになっちゃったの?
どうして一緒に住めないの?

どんな答が返ってきたのかは覚えていない。
でもはっきり覚えているのは、シゲキお兄ちゃんの

「俺は誰よりも酷い目に遭ってきたし、誰よりも酷い言葉を投げつけられた。だから誰よりも優しくて強い人間になるって決めたんだ」

という言葉。

その言葉を自分のものにするために、何度も何度も繰り返していた。

会いに来ない母親を待つことを忘れ始めた頃、「ガイハク」という言葉をシスターから聞いた。母親が住んでいる家で、週にいちど泊まるんだと説明された。あの冬の日とは違って、私はもう嬉しくもなんともなかった。いったいなんの心変わり? それしか浮かばなかった。

その日が来て、あのトタン屋根の借家に行った。見たことある男の人がこたつに横たわっていた。離婚の原因になった浮気相手の理事長。そしてその夜に、私が捨てられた理由がよくわかった。それがセックスという名前なのはあとから知ったけど、とにかく母親は、私との生活よりも理事長とのセックスを優先し、私を教会に預けた。

理事長も本妻がいて家庭のある人間だ。それでもこの借家に入り浸り、母親とセックスしていた。私の目の前だろうと、私が泣いていようと、2人はセックスばかりしていた。こっちに来いと理事長に言われることもあった。それに逆らうと私は母親に怒鳴られ、母親が理事長に殴られた。こういう、いわゆるDVは日常茶飯事で、母親はよく殴られていた。でもボコボコにされた夜は決まって、2人は激しくセックスをした。幼い私に見せつけるように、その声を耳の奥にこびりつかせるように。

「ガイハク」から帰ってくる私の様子がおかしいことに、教会のみんなはすぐに気がついた。シスターが初めて教会に来た時と同じように握手して、私の心を包み込んでくれた。そしてあの時と同じ、

「一度に全部じゃなくていいから、少しずつでいいからね」

と、私を誰もいない礼拝堂に連れてってくれた。いつもはなんとも思わなかったステンドグラスがとてもきれいで、「ガイハク」であんなものを見てきた自分が急に汚らしく感じて、ずっと泣きじゃくっていた。
その日から少しずつ話し始めた。
自分の目の前でされることも、自分にもしろと言われることも、それに逆らうと殴られたり怒鳴られることも。

シスターは、

「私から強く抗議します」

と、約束してくれた。

が、誰もそんな話を信じてはくれなかった。保育園を経営している福祉法人の理事長とそこに勤務している保育士が、不倫の果てに実の子を施設に預け、外泊許可の出た日はそんなことをしてるなんて。そしてそんなことをするような人間が、シスターの話を聞くわけがない。理事長は、シスターやシゲキお兄ちゃんを突き飛ばして教会に上がり込み、部屋の奥で泣き叫ぶ私を体ごと引っ張り上げて「ガイハク」が続いた。

その頃、テレビ神奈川で『アニメ・ザ・ビートルズ』が放映されてた。私は夢中になった。テレビの真ん前に座るためにきちんと晩ご飯を食べて、教会の子供達の誰よりも片付けのお手伝いをした。アニメのビートルズと一緒になって歌って笑った。メンバーの顔と名前を覚えた。シスターがビートルズのいろんなことを教えてくれた。シゲキお兄ちゃんがアコギでいっぱい歌ってくれた。どんどんビートルズが好きになっていった。

ある日、学校から教会に帰ると、新聞片手にシスターが駆けよってきた。

「今夜、ジョン・レノン特集だって! メグちゃん、平日だけど特別に夜更かししちゃお!」

って言ってくれて、いつもは寝る時間の夜9時から始まる番組を観せてくれた。

水曜のTBS。『日立ドラマシティ』という枠。タイトルは『ジョン・レノンよ永遠に』。いまとなっては繰り返し語られているジョンのエピソードや証言を、1時間にぎゅっと凝縮してくれていた。私は人間の動くジョン・レノンを観るのが初めてだったから、それだけで興奮していた。最初に流れたビートルズのライブにも胸を鷲掴みにされた。

だけどそれ以上に私の胸を高鳴らせたのは、オノヨーコだった。外国人でスーパースターで、もう解散してるから絶対に会えないビートルズ。文字通り雲の上の存在だと思っていたけど、深く関わっていた日本人がいた。子供だった私は、それだけでビートルズがぐっと身近に感じた。

ヨーコさんは日本人だから、もしかしたらいつかどこかで会えるかもしれない。会ったらなにを話そうか? ビートルズが好きなことはもちろんだけど、今夜のジョンのドキュメントを観てあなたを知って、いつか会えるといいなって夢見てたことを話したいな。ヨーコさんは英語ペラペラの頭のいい人だから、明日から本をたくさん読もう、言葉遣いにも気をつけないとな、お辞儀とか挨拶とか……。

そんなことをムニャムニャ考えながら布団に潜ってた。深い眠りから目覚めた翌朝は、自分だけのスーパースターを見つけた喜びで胸がいっぱいだった。

まだ変わらず「ガイハク」は続いていた。私は小学校高学年になっていたので、体が丸みを帯びて女らしい体型になっていた。そんな私に理事長の毒牙が向けられることが多くなり、母親は私を女として敵対視するようになった。出せる反吐があるなら2人にぶっかけたかった。

私はもう、その行為がセックスだということを理解していた。始まりそうになると私はトイレに篭って単一電池でラジカセを動かして、ビートルズやチェッカーズやラジオから録音した洋楽ミュージシャンのカセットを、大音量にしたヘッドホンで聴いていた。それでも喘ぎ声が耳に入る。そんな時は歌った。エミお姉ちゃんみたいなカタカナ英語だったり、うろ覚えの歌詞で歌った。

「うるさい! 歌ってないでこっちに来い!」

トイレのドアを理事長に蹴破られた。私は髪の毛を掴まれ、そのまま引きずられた。布団の上のまっ裸の母親が、うつろな顔で私を見て言った。

「一緒にするのよ」

叫んだ。とにかく叫んだ。気持ちなんてどうでもよかった。自分なんてどうでもよくなった。もう嫌だ。こんなのが自分の母親だなんて本当に嫌だ。こんなのと浮気して慰謝料300万払って離婚して。殴られても股開いて小学生の私に3Pを強要する。クソが。クズが。死ね。死んでしまえ。叶わないなら自分でやってやる。私がぶっ殺す。

セックスが始まるからトイレに逃げた時、家庭科の宿題のために広げてたお裁縫箱をそのままにしてた。転がってる裁ち鋏。私はそれを掴んで刃先を母親に向けた。醜い形相で飛び起きた母親が、私に土下座して必死に許しを請う。私の背後にいた理事長が、「おい」と言って私の肩に触れた。私は裁ち鋏を振り上げて、迷わず理事長に向けた。

「冗談はよせ、やめろ、なにするんだ」

冗談はよせ?やめろ? なにするんだ?
それ全部私のセリフだ。
冗談じゃないんだよ、やめないよ、殺すんだよ。

土下座してる母親の隣にひらりと理事長が逃げる。その瞬間、私は裁ち鋏を理事長の目の前に突きつけた。セックスを見せつけられている間ずっと、私があげていたような呻き声を理事長があげる。鼻水を垂らして呻き声をあげる。母親は失禁してた。

いまだ、ってタイミングが降りてきて、ぶっ殺そうとした。
腕を大きく振り上げて、土下座してる母親のうなじを狙った。
その瞬間にオノヨーコの顔が浮かんだ。

この人をここで殺したら、私は一生オノヨーコに会えなくなるかもしれない。

私はぶっ殺さなかった。
バカみたいに聞こえるかもしれないけど、もうバカでいいや。
小学5年生の殺意を、オノヨーコが止めたんだ。

振り上げた裁ち鋏で、ポニーテールにしてた母親の髪の毛を切った。長い長い髪の毛を2人の目の前でぐちゃぐちゃに切り刻んで、まっ裸の2人にぶち撒いた。裸足で裁ち鋏を握りしめたまま、私は教会に走って帰った。シスターに縋りついて泣き叫んだ。裁ち鋏が手から取れなくて怖くなって暴れた。

気がついたら朝になっていた。
いつもと違う部屋で、ひとりで寝ていた。
教会の庭掃除をしていたシゲキお兄ちゃんが、のそのそと起きた私に気がついて部屋に来てくれた。

「全部聞いた。シスターが母親に連絡して、全部聞いた」

シゲキお兄ちゃんがしゃがんで、うつむいて何も言えない私の顔を覗き込んで

「誰のことも殺さなかったから、メグちゃんは誰よりも強くて優しい。俺がなりたい人だよ」

私は泣きながら昨晩のことを話した。
シゲキお兄ちゃんが一緒に泣いてくれた。
オノヨーコのことも話した。
シゲキお兄ちゃんはバカにしないで、すごく喜んでくれた。

「そういうヒーローが自分の中にいるなら、メグちゃんはこれからもっともっと強く、優しくなれるね」

2人で並んで顔を洗っていたら、エミお姉ちゃんがタオルを持ってきてくれた。シスターと教会のみんなが食堂で私を待ってくれてた。いつもと変わらないいつもの朝。そんな朝が本当に嬉しかった。

中学生になって母親と住むことになり、教会を出た。同居する前に、「あなたを母親だと思えないので、これからは下の名前で呼ぶ」と、母親に言った。なにも返事はなかった。あたりまえだけどうまくいくわけがなく、私は中学校の近くのバイク屋の、10歳年上の店員さんのアパートに転がり込んで家にはあんまり帰らなかった。

その店員さんの家から、私のミニシアター通いとライブハウス通いが始まった。47歳のいまでも、たくさんの、いろんな形のオノヨーコに出会い続けている。この歳になって、自分が死ぬ時、たくさんのオノヨーコを思い出すんだろうなって考えることが増えた。

だけど私のオノヨーコの隣はジョン・レノンじゃない。
いつもシスターとシゲキお兄ちゃんとエミお姉ちゃんがいる。

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編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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