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安田理央

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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第一回 40~70年代編 (文・資料提供:安田理央)

これまで師匠と呼べるひとはあまりいなかったけれど、本や作品を通じた師匠はたくさんいる。安田理央(やすだ・りお)さんは僕にとって、エロ・カルチャーというか色物文化における大事な師匠のひとりだ(10歳以上年下だけど)。AVやエロ本についての著作が多い安田さんは、必然的にコレクターでもあり、とりわけ雑誌創刊号コレクションについてはかなりの年季が入っているという。カストリ雑誌は「三号雑誌」とも呼ばれていたが、これからどれだけ続いていくのか、続けていけるのかわからない「創刊号」に込められた特別な思いを、安田さんはページにくるまれた空気から感じ取ってきたのだろう。もはや絶滅しかかっていると言ってもおかしくない、いまだからこそ振り返ってみたいエロ雑誌の無茶なエネルギー。完成度よりも広告の本数よりもはるかに大切な雑誌の原点を、安田さんの貴重なコレクションは僕らに思い出させてくれるのだ。

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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第二回 1980~1983年編(文・資料提供:安田理央)

先週に続いてお送りする、創刊号から眺めた日本エロ雑誌出版史。今週はいよいよ、安田さんのリアルタイム・コレクションがスタートした1980年代初頭から。妄想少年の熱情が、本屋の奥の暗い棚で一気に開花する! なお前回、連載を3回とお伝えしましたが、当然それでは終わらなそうなので、回数を延長してお送りします!

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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第三回 1984~1986年編(文・資料提供:安田理央)

古本屋で出会った『ウィークエンドスーパー』でエロ本の面白さに目覚めた僕は、それから様々なエロ本を買い漁った。そうした中で出会ったのが『ボディプレス』だった。奇しくも『ウィークエンドスーパー』と同じ白夜書房の雑誌だった。いや、奇しくも何も、当時面白かったエロ本の大半が白夜書房から発売されたものだったのだが。しかし、僕が最初に『ボディプレス』を購入した理由は、単にその巻頭グラビアの「消し」が薄かったからだった。巻頭グラビアはベール本のような隠し方で、申し訳程度に半透明の「消し」が局部に乗せてある。そんなグラビア目当てで購入した『ボディプレス』だったが、記事はそれ以上に面白かった。『ボディプレス』は「エロ業界」の内側にスポットを当てた雑誌だった。ビニ本などで活躍していたモデルのインタビュー、ビニ本や自販機本を作っていた編集者の回顧録、そしてビニ本やAVの紹介も、まるでロック雑誌のレコードレビューみたいだった。ライターひとりひとりをクローズアップしているのも新鮮だった。

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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第四回 1987~1995年編(文・資料提供:安田理央)

アイドル雑誌『BOO!』の編集に明け暮れていた1987年の終わり頃。それまで編集のメインであった副編集長のIさんが、突然退社してしまい、僕が誌面の三分の一以上を担当しなければならなくなった。編集部に泊まり込む日々が続く。風呂なしアパートなので徹夜明けで帰っても銭湯に入れない。仕方なく早朝ソープに行くことを覚えてしまった。あとで考えてみれば、その料金で風呂付きアパートに引っ越しすればよかったような気もするが。そして、編集部に出入りしていたライターさんに紹介してもらい、他の雑誌でこっそりとバイトで原稿を書くようになった。最初に書いたのは、確か東京三世社の『台風クラブ』の創刊号。池袋のマットヘルスの体験ルポだった。これが僕がエロ本に書いて、初めて原稿料をもらった原稿となる。その後は、同じく東京三世社の『ビデオアクティブ』でもAVレビューを書かせてもらったりした。ちなみにこの頃は会社に内緒ということもあって、別のペンネームを使っていた。奮闘も虚しく、『BOO!』はちょうど一年で休刊。僕はその編プロを辞めて、いくつかの編プロを渡り歩くことになる。辞めてもすぐに働き口は見つかった。そんな時代だった。

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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第五回 1996~1999年編(文・資料提供:安田理央)

僕がフリーライターとして独立した時に得意分野のひとつとして力を入れていたアダルトCD-ROMは、わずか数年で廃れてしまったが、代わりに話題になったのがインターネットだった。アダルトCD-ROMについての原稿をあちこちに書いていたため「デジタルに強いエロライター」というイメージがついたらしく、今度は「インターネットで無修正が丸見え!」なんて記事を量産することになった。当時、盛り上がっていたデジタルカルチャー方面の雑誌からもよく仕事をもらった。実際はそれほどデジタルに詳しいわけではないので、それがバレないかとヒヤヒヤしていたのだが。そうした流れで、発売されたばかりのデジタルカメラにもいち早く飛びつき、デジタルカメラでハメ撮りする「デジハメ」を提唱する入門書『裏デジタルカメラの本』や、風俗嬢100人が大股開きでピースをしている写真を集めた『OPEN&PEACE 風俗嬢ヴァイブス』なんて本も出した。

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日本エロ雑誌創刊号コレクション 第六回 2000~2018年編(文・資料提供:安田理央)

出版業界全体で見れば、雑誌の売上は1997年をピークに、現在まで20年以上マイナスを記録している。つまり1998年以降、落ちっぱなしなのだ。それはエロ本においても同じである。90年代末からあちこちの編集部から、「売れない」という声が聞こえ始めていた。僕も2000年に『スコラ』11月号で「エロが危ない!」、2001年に『SPA!』1月17日号で「エッチ産業存亡の危機』という特集を自ら企画を出して書いている。もうこの時期に相当な危機感を感じていたのだろう。そもそも、それを書いた『スコラ』も1999年に発行していた「スコラ」が倒産し、新会社「スコラマガジン」での発行に移っていた。

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food & drink

Neverland Diner 二度と行けないあの店で 46『「浮かぶ」の正しいナポリタンとハイボール』安田理央(ライター)

飲むことについての原稿をよく書いていたりするので、酒場に詳しいと思われることが多い。でも実は、一人で酒場に行けなかったりするのだから、酒飲みとしては半人前だ。家で一人飲みするのは好きなのだが、一人で酒場で飲むのはどうも苦手だ。居酒屋だと、手持ち無沙汰なので、すごいスピードで飲み食いしてしまい、お腹もいっぱいになって、すぐ店を出るはめになる。一人でぼーっと酒を飲む、ということが出来ないのだ。人見知りなので、スナックみたいな店で初対面の人と会話するなんてことも難しい。だから一人で飲みに行けるのは、知り合いがやってる店くらいなのだ。その数少ない店のひとつが、「浮かぶ」だ。

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BOOKS

ROADSIDE LIBRARY
天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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ROADSIDE LIBRARY vol.005
渋谷残酷劇場(PDFフォーマット)

プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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ROADSIDE LIBRARY vol.004
TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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ROADSIDE LIBRARY vol.003
おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

伝説のグランドキャバレー・ベラミ・・・そのステージを飾った踊り子、芸人たちの写真コレクション・アルバムがついに完成!

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。さらに写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる、これ以上の画像資料はどこにもないはず! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

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ROADSIDE LIBRARY vol.002
LOVE HOTEL(PDFフォーマット)

――ラブホの夢は夜ひらく

新風営法などでいま絶滅の危機に瀕しつつある、遊びごころあふれるラブホテルのインテリアを探し歩き、関東・関西エリア全28軒で撮影した73室! これは「エロの昭和スタイル」だ。もはや存在しないホテル、部屋も数多く収められた貴重なデザイン遺産資料。『秘宝館』と同じく、書籍版よりも大幅にカット数を増やし、オリジナルのフィルム版をデジタル・リマスターした高解像度データで、ディテールの拡大もお楽しみください。
円形ベッド、鏡張りの壁や天井、虹色のシャギー・カーペット・・・日本人の血と吐息を桃色に染めあげる、禁断のインテリアデザイン・エレメントのほとんどすべてが、ここにある!

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ROADSIDE LIBRARY vol.001
秘宝館(PDFフォーマット)

――秘宝よ永遠に

1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
すべてのカットが拡大に耐えられるよう、777ページページで全1.8ギガのメガ・サイズ電書! 通常の電子書籍よりもはるかに高解像度のデータで、気になるディテールもクローズアップ可能です。
1990年代の撮影はフィルムだったため、今回は掲載するすべてのカットをスキャンし直した「オリジナルからのデジタル・リマスター」。これより詳しい秘宝館の本は存在しません!

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捨てられないTシャツ

70枚のTシャツと、70とおりの物語。
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ"であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション"でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。

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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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