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バックナンバー:2019年08月14日 配信号 収録

book 写真集「隙ある風景」ができるまで(写真・文:ケイタタ)


PABFのお知らせにもあったが『隙ある風景』の写真集を出版した。完全な自費出版である。このダンボールの表紙のことはまたあとでふれるとして、まずは中身から紹介したい。
















文章をつけることで写真の意味が理解される。写真と文章の組み合わせで一つの作品になるように、写真と同じぐらい言葉にも気を配った。コピーライターとして得た全スキルをここに使った。また、海外でも販売を考えているので英語と中国語をつけている。




こんな長いタイトルもある。




見開きで1つの物語になっているものもある。写真が合計154点収録されている。10年分の写真からより抜いたベストオブベストな隙である。ROADSIDERS’ weeklyの読者のみなさんが見たことのある写真ももちろんたくさん入っている。


写真のアートディレクターは正親篤(おおぎあつし)さん。会社の先輩であったが最近独立した。今は、「なかよしデザイン」という会社を独りでやっている。その先輩が「会社を辞める前に日下の写真を成仏させたるわ」とアートディレクターを買って出てくれたのだ。正親さんは、ポカリスエットや九州新幹線を手がけているすごい先輩なのである。

実は、大手出版社から出版の話があった。しかし、結局は肖像権の問題で難しかった。どこの出版社でも絶対にこの問題に行き当たるだろうと思い、自費出版しかないとは思っていた。都築さんからも「絶対出したほうがいいよ」と言われていた。いつか、いつか、と数年ずるずるしていた。正親さんから話がもちかけられていなかったらもしからしたらあと10年は出していないかもしれない。


写真のセレクトと画質調整はぼくが行い、ページのデザインから入稿データまでは正親さんが行った。写真は、色校正があがってきたところ。154点すべてを出すとお金がかかってしまうので、16点ほどで判断する。普通、写真集ではあまり使わないモンテシオンという紙。ツヤがなくインクを思ったより吸い込むため、思ったよりも全体的に薄く感じる。インクをどれぐらい盛っていくかが大きなポイントとなった。

色校正が終わればいよいよ印刷である。刷り出し立会いに長野県松本市の藤原印刷へと向かった。大阪にもたくさんあるのにどうして長野でわざわざやるかというと、スタンダードブックストアの中川さんに「写真集を出そうと考えているんですよ」と言うと「おもろい印刷屋が長野におるで」と紹介してもらったのが藤原印刷の藤原兄。そこから、もうトントン拍子でことが進んでいった。先日ROADSIDERS' weeklyで紹介されていたMATSUOKAの南阿沙美さんもつい先日、ここに来て刷りだし立会いをしていた。

印刷の工程を知らない人のために、ここは詳しく解説しておきたい。印刷はCMYKという4つの版を作り印刷する。市販のインクジェットプリンターでは10色などもあったりするが、印刷は基本4色である。


これはC(シアン)の版だ。


こちらはM(マゼンタ)の版。


Y(イエロー)の版。


Kの版。Kだけなんでクロやねん、日本語やねんと思っていた数十年。KはKeyplateの略であった。


この版を印刷機にセットしその間に紙を送っていく。奥からK C M Yの順に印刷されるのだ。


家庭用インクジェット機とは比べ物にならない。インクがたっぷりと溢れている。


ドイツ製のこの巨大なプリンタから出てきて


実際の色目をチェックする。色の濃度を最後に調整する。それによって明るくしたり、暗くしたりできる。とはいえこの段階ではやるには限界がある。印刷の前にパソコンのデータ上できちんと色を調整しておくのがベストだ。


これが刷り上がり。持っているのは藤原印刷の藤原兄弟。向かって左が兄で右が弟だ。きっとどちらかが将来の社長になるはずである。大塚家具のように内紛が起きないことを祈る。


そして、プリンティングディレクターの鈴木さん(右)と13号印刷機 機長の内山さん。2日に渡った長い印刷立会いだった。せっかくの松本なのに松本城にも行けずまったく遊べやしなかった。


印刷された紙が製本される。ページ数はおよそ200ページ。なかなかいい厚さだ。

次に表紙のダンボールの工程を説明しよう。そもそも表紙をダンボールにするというアイデアは正親さんから出てきた。最高のアイデアである。ただ、正親さんはダンボールのこだわりが尋常ではなかった。コンビニのよくあるダンボールではダメ。野菜や果物など一次産品のダンボールがベター。しかも、いろんな地方のものがいい。これはいろんな地域を回らなくてはいけないということか。ダンボールはかさばるので送料もシャレにならない。九州新幹線やポカリスエットも、正親さんはきっとこのようにこだわり、お金と負荷が増えていったのだろう。さすが一流のアートディレクターである。しかし、今回の負荷とお金の負担はぼくである。これは参った。
当初よりも制作費がかさむ。しかもダンボールをどこで仕入れたらよいかわからない。
どうして自分の写真集なのに他人に振り回されているのだ・・・胃が痛い日々が続いていた。


そんな時、たまたま訪れた長野県上田市のバリューブックスの倉庫を訪れた。ここには古本を買い取ってもらおうと毎日約1万冊の本が全国から送られてくる。そして、大量の本がストックされる。それがすごい光景なのでよかったら見学に来ませんか?とバリューブックスの飯田くんが誘ってくれたのだ。

現地でぼくは、目を疑った。大量の本はもちろんすごいのだが、そこにダンボールがあったのだ。日本全国から送られる毎日1万冊の本はダンボールに入れられてやってくる。そこにはバラエティ豊かな中古ダンボールが大量にあったのだ。日本全国からこれほどのダンボールがやってくるところなど日本でもなかなかあるまい。これは運命の出会いだ。神の恩寵だ。宝島を見つけた海賊のような気分だった。ダンボールの楽園へと導いてくれた飯田くんには感謝しかない。


そして、後日、バリューブックスの倉庫へいってめぼしいダンボールを集めた。ぼくはなんてダンボールが似合うんだろう。


ぼくと藤原兄で正親さんにダンボールを見せる。正親さんが「そのダンボールあり、なし」と即座に判断し、セレクトしたダンボールに正親さんがトリミング指示を書く。


1つの倉庫のダンボールがなくなったので次は別の倉庫へ。エリンギというおいしいダンボールにテンションがあがる。一日中ダンボールを仕分けていると、ダンボールの選球眼が否が応でもよくなった。


ここでも正親さんがトリミング。


これがトリミングした例だ。そもそものダンボールのデザインに加えて、ダンボールの持ち手の穴や、付いていたテープがいい味を出す。


丸一日、ダンボールにまみれた後に正親さんと藤原兄と。激戦地を生き抜いた戦友のような連帯感があった。


ここから先は職人さんの領域だ。まず、強度の強い厚紙をのりづけして表紙にくっつける。


その上にカットしたダンボールを貼る。


故に、表紙はダンボールだが丈夫である。品質に問題はない。このように穴があいたダンボールでも大丈夫だ。むしろその穴がおいしくなる。そして背表紙に布テープを貼る。




L版サイズの写真を貼っていく。


これで完成だ。


ダンボールと写真の組み合わせでこうも変わる。


L版を貼り終えた大量の写真集を東京の藤原印刷支社に送ってもらい、会議室でぼくがひたすらタイトルを書く。


これだけ並ぶと壮観である。もう手が限界だ。腱鞘炎になりそうだ。


最後にシールを貼って完成。都築響一さんにあとがきを書いてもらったので「都築響一おすすめ!」シールをオリジナルで制作した。





















「すべて1点もの 現品限り」もオリジナルで制作した。ダンボールと写真の組み合わせが違うので本当に1点もので現品限りなのである。


まずは東京アートブックフェアで出品。会社の後輩がブースを出すので数十センチほどのスペースをもらって置いてもらうという情けないデビューである。みんな笑っている。ゲラゲラ笑っている。ただ買うかどうかは別である。


隙ある男が隙ある風景を読んでいる。しかし、買わない。2000円だったら買うといわれた。


初めて買ってくれたのはこの人。デザイナーの中屋さん。ブロッコリーのしぶい表紙をゲット。中屋さんはぼくが大好きな『鶴と亀』の写真集のデザイナーでもあった。そして、自分でも写真集を出していて、それを藤原印刷で作っていたというすごい偶然。通じる人には通じるものである。


ダンボールを恵んでくれた神、飯田くんも上田からきていた。




タイの女の子と中国の女の子がお買い上げ。隙ある風景は海外へと旅立った。 


翌日は都築響一さん主催のPOORMAN'S ART BOOK FAIRで販売。ここが本番だ。最近、連載が始まった日本宴会芸学会の御手洗太会長とロブスター夫人が買ってくれた。この赤子が中国雑技団のように幼い頃から芸を仕込まれるのだろうと考えると忍びない気持ちになった。







東京の友達や、会社の先輩などたくさんの人がきてくれた。この日のために用意した50冊はすべて完売した。売れるかどうかとても不安だったので本当によかった。


ぼくは3日間にわたるブックフェアのために浅草のアパホテルに滞在。その激務から気管支炎と胃腸炎を患い、見事に体調を壊した。


その後は、追加注文に答える日々。家に大量にやってきた写真集にぼくがタイトルを書いていく。そして、シールを貼っていく。パンツ一丁なのはエアコンの調子が悪いからである。


梱包は妻に依頼。


娘にはシール貼りを任そうとしたがこのように遊んでばかりだ。


レターパックの住所シールを貼るというのを託した。これはもう完全に家庭内手工業の写真集である。

ありがたいことに欲しいという声が多いので販売のことについて。まずはPABFで同じく出店していた中野のタコシェさんが気に入ってくれて、そこでの販売がスタートした。
http://tacoche.com/?p=17805

PABFで写真集を買ったTSUTAYA SHIBUYAのスタッフが気に入ってくれて、そこで取扱いも決定した。7階のNEST BOXコーナーにある。30冊ほどあるのでバリエーションが選べる。遠方の方は発送もできる。名前/郵便番号/住所/TEL/数量と上記に加えて、もしあれば、好みの写真かダンボールをぼくのメールアドレス kussalam@gmail.comまでご連絡ください。

値段は6,340円(税込) 本体価格 5,980円+送料 360円。

[みずほ銀行 築地支店 普通 2254121 クサカケイタ]までお振込ください。

2冊以上であると送料が変わるため、また個別対応します。5冊以上は送料無料。高いと思う人はいるかもしれない。ダンボールという安そうな装丁であるが、手作業がとても多く手間暇がかかっている。さらに移動交通費などを差っ引くと利益はほとんどないのである。何卒、ご了承いただきたい。書店で置いてくださるという方はメールにて直接やりとりさせください。以上、買って損なし!プレミア必至。ぼくは売るのに必死です。

おまけ

本を出そうと思っている人に、写真家のみなさんに今回得た教訓を共有しておきたい。

1 HDDの修復には要注意!



写真をチョイスしてさて今からデザインという時に写真のデータが飛んでしまった。外付けのハードディスクが壊れた。一部、データは残っていたものの1年半は完全に消えてしまった。上の写真はブログに残っていたのだが、容量が軽いため印刷に耐えることができず、今回収録することができなかった。読者には写真好きが多いだろうから教訓として伝えておきたい。Seagate製のHDDはやめておいた方がいい。このメーカーの故障はとても多いそうだ。またHDDが故障した際はデータを復旧する業者がある。まず検索して一番上に出てくる会社はやめておいてほしい。「デジタルデータリカバリー」という会社。今はこの名前だがいつかどうせ変わるだろう。悪徳だけに会社名がよく変わるらしい。人の弱みにつけこんでたいしたことがなくても数十万取ろうとしてくる。HDDを送付後に無料見積もりを出してくる。高いので他でやろうとすると、HDDを傷つけて返却してくるという話も何箇所から聞いた。ぼくは幸いにして詳しい人が近くにいたのでことなきを得た。みなさんご注意ください。

2 本を出すのは意外と簡単



最後に自費出版して思ったこと。本は出せる。自費出版でも本は出せるのだ。藤原印刷のようなハイクオリティの印刷をしてくれる出版社から、ネットの安価なオンデマンド出版まで、本を作ってくれる印刷所はどこにでもある。自費出版でも置いてくれる本屋は全国にいくつかある。本屋に置かなくても全国でブックフェアやZINEマーケットなどがたくさんある。ぼくのように個人で発送作業をすればメールで注文を受け付けられる。もし全国の書店Amazonなどで販売したいと考えるなら書籍管理の国際規格ISBNコードを取っておいた方がいいだろう。必要書類さえ出せばお金は1万円程度かかるが簡単に取れる。

3 本を出すのは魂にいい



出版社から出したら印税の10%自分しか入ってこないが、自分で出せば利益はすべて自分のものだ。内容と売り方次第ではお金を得ることができるかもしれない。何より、自分の本というのは自分の魂のようなものである。その魂を自分の手で売るのだ。魂の買い手の顔がわかるというのは魂によい。さらに、自分の魂をぶら下げながら、全国そして世界のブックフェアを回るのは、お金に換え難いこの上ない経験だ。というわけで、ぼくは魂を売りにこれから日本全国とまずは台湾、香港あたりを回ろうと思う。

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天野裕氏 写真集『わたしたちがいたところ』
(PDFフォーマット)

ロードサイダーズではおなじみの写真家・天野裕氏による初の電子書籍。というか印刷版を含めて初めて一般に販売される作品集です。

本書は、定価10万円(税込み11万円)というかなり高価な一冊です。そして『わたしたちがいたところ』は完成された書籍ではなく、開かれた電子書籍です。購入していただいたあと、いまも旅を続けながら写真を撮り続ける天野裕氏のもとに新作が貯まった時点で、それを「2024年度の追加作品集」のようなかたちで、ご指定のメールアドレスまで送らせていただきます。

旅するごとに、だれかと出会いシャッターを押すごとに、読者のみなさんと一緒に拡がりつづける時間と空間の痕跡、残香、傷痕……そんなふうに『わたしたちがいたところ』とお付き合いいただけたらと願っています。

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ROADSIDE LIBRARY vol.006
BED SIDE MUSIC――めくるめくお色気レコジャケ宇宙(PDFフォーマット)

稀代のレコード・コレクターでもある山口‘Gucci’佳宏氏が長年収集してきた、「お色気たっぷりのレコードジャケットに収められた和製インストルメンタル・ミュージック」という、キワモノ中のキワモノ・コレクション。

1960年代から70年代初期にかけて各レコード会社から無数にリリースされ、いつのまにか跡形もなく消えてしまった、「夜のムードを高める」ためのインスト・レコードという音楽ジャンルがあった。アルバム、シングル盤あわせて855枚! その表ジャケットはもちろん、裏ジャケ、表裏見開き(けっこうダブルジャケット仕様が多かった)、さらには歌詞・解説カードにオマケポスターまで、とにかくあるものすべてを撮影。画像数2660カットという、印刷本ではぜったいに不可能なコンプリート・アーカイブです!

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プロのアーティストではなく、シロウトの手になる、だからこそ純粋な思いがこめられた血みどろの彫刻群。

これまでのロードサイド・ライブラリーと同じくPDF形式で全289ページ(833MB)。展覧会ではコラージュした壁画として展示した、もとの写真280点以上を高解像度で収録。もちろんコピープロテクトなし! そして同じく会場で常時上映中の日本、台湾、タイの動画3本も完全収録しています。DVD-R版については、最近ではもはや家にDVDスロットつきのパソコンがない!というかたもいらっしゃると思うので、パッケージ内には全内容をダウンロードできるQRコードも入れてます。

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TOKYO STYLE(PDFフォーマット)

書籍版では掲載できなかった別カットもほとんどすべて収録してあるので、これは我が家のフィルム収納箱そのものと言ってもいい

電子書籍版『TOKYO STYLE』の最大の特徴は「拡大」にある。キーボードで、あるいは指先でズームアップしてもらえれば、机の上のカセットテープの曲目リストや、本棚に詰め込まれた本の題名もかなりの確度で読み取ることができる。他人の生活を覗き見する楽しみが『TOKYO STYLE』の本質だとすれば、電書版の「拡大」とはその密やかな楽しみを倍加させる「覗き込み」の快感なのだ――どんなに高価で精巧な印刷でも、本のかたちではけっして得ることのできない。

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おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち(PDFフォーマット)

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かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。元従業員寮から発掘された営業用写真、およそ1400枚をすべて高解像度スキャンして掲載しました。データサイズ・約2ギガバイト! メガ・ボリュームのダウンロード版/USB版デジタル写真集です。
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1993年から2015年まで、20年間以上にわたって取材してきた秘宝館。北海道から九州嬉野まで11館の写真を網羅し、書籍版では未収録のカットを大幅に加えた全777ページ、オールカラーの巨大画像資料集。
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圏外編集者

編集に「術」なんてない。
珍スポット、独居老人、地方発ヒップホップ、路傍の現代詩、カラオケスナック……。ほかのメディアとはまったく違う視点から、「なんだかわからないけど、気になってしょうがないもの」を追い続ける都築響一が、なぜ、どうやって取材し、本を作ってきたのか。人の忠告なんて聞かず、自分の好奇心だけで道なき道を歩んできた編集者の言葉。
多数決で負ける子たちが、「オトナ」になれないオトナたちが、周回遅れのトップランナーたちが、僕に本をつくらせる。
編集を入り口に、「新しいことをしたい」すべてのひとの心を撃つ一冊。

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ROADSIDE BOOKS
書評2006-2014

こころがかゆいときに読んでください
「書評2006-2014」というサブタイトルのとおり、これは僕にとって『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』(2008年)に続く、2冊めの書評集。ほぼ80冊分の書評というか、リポートが収められていて、巻末にはこれまで出してきた自分の本の(編集を担当した作品集などは除く)、ごく短い解題もつけてみた。
このなかの1冊でも2冊でも、みなさんの「こころの奥のかゆみ」をスッとさせてくれたら本望である。

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独居老人スタイル

あえて独居老人でいること。それは老いていくこの国で生きのびるための、きわめて有効なスタイルかもしれない。16人の魅力的な独居老人たちを取材・紹介する。
たとえば20代の読者にとって、50年後の人生は想像しにくいかもしれないけれど、あるのかないのかわからない「老後」のために、いまやりたいことを我慢するほどバカらしいことはない――「年取った若者たち」から、そういうスピリットのカケラだけでも受け取ってもらえたら、なによりうれしい。

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ヒップホップの詩人たち

いちばん刺激的な音楽は路上に落ちている――。
咆哮する現代詩人の肖像。その音楽はストリートに生まれ、東京のメディアを遠く離れた場所から、先鋭的で豊かな世界を作り続けている。さあ出かけよう、日常を抜け出して、魂の叫びに耳を澄ませて――。パイオニアからアンダーグラウンド、気鋭の若手まで、ロングインタビュー&多数のリリックを収録。孤高の言葉を刻むラッパー15人のすべて。

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東京右半分

2012年、東京右傾化宣言!
この都市の、クリエイティブなパワー・バランスは、いま確実に東=右半分に移動しつつある。右曲がりの東京見聞録!
576ページ、図版点数1300点、取材箇所108ヶ所!

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東京スナック飲みある記
ママさんボトル入ります!

東京がひとつの宇宙だとすれば、スナック街はひとつの銀河系だ。
酒がこぼれ、歌が流れ、今夜もたくさんの人生がはじけるだろう、場末のミルキーウェイ。 東京23区に、23のスナック街を見つけて飲み歩く旅。 チドリ足でお付き合いください!

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